京都競馬場は「内回りコース」と「外回りコース」が用意されている右回りの競馬場です。
ここでは、京都競馬場の芝3000mの特徴や傾向について詳しく紹介していきます。
京都芝3000mで開催される代表的なレース
- 菊花賞(G1)
- 万葉S(OP)
京都芝3000mで開催される代表的なレースはG1の菊花賞です。牡馬クラシック最終戦にあたるレースで、夏に頭角を表した新興勢力も参戦するため非常に難解な1戦になります。
2020年にはコントレイルが優勝して史上初となる父子2世代での無敗の3冠馬が誕生しました。
京都芝3000mのコースの特徴
2回「淀の坂」を上り下りする難コース
京都芝3000mは外回りを使用するコースです。なおこのコースが使用されるのは菊花賞(G1)と万葉S(OP)のみになります。
京都競馬場最大の特徴は「淀の坂」と呼ばれる大きな坂。向こう正面半ばから上りはじめ3コーナーで坂の頂上を迎えます。そこから4コーナーにかけて一気に下るレイアウト。外回りの場合この坂の高低差は4.3mにもなります。
スタートは向正面半ばの上り坂の途中から。3コーナーまで約200m程しかないため、外枠の馬は早めにロスのないポジションを確保する必要があります。
長丁場でコースを1周半もするため、序盤と後半で「淀の坂」を2回上り下りする難コースです。
上手く流れに乗れるかが最重要!無駄な動きは厳禁
長距離に共通する事ですが、いかに馬との折り合いを重視して流れに乗れるかが重要になってきます。
スタミナに不安のある馬は道中無駄に動いてしまうと最後のひと踏ん張りが効かなくります。特に京都芝3000mでは二度の大きなアップダウンがあるためリズムが乱れやすくなります。
また、ほとんどの馬は最後まで力を温存したいため中盤はペースが極端に緩む傾向にあります。
このタイミングで「最後の瞬発力勝負にしたくない馬」や「現在の位置取りが良くない馬」などが、よりよいポジションを取りに行ったり、「折り合いに問題のある馬」が抑えきれずに進出したりして出入りが激しくなるケースがしばしばみられます。
序盤に好ポジションを取ってジッとできれば勝利は大きく近づきます。
最後の直線は平坦な403.7m!「スタミナ+瞬発力」が必要
京都では下り坂からそのまま直線に突入するため、スピードに乗せすぎると外に振られるので注意が必要。
直線の長さは403.7mと平均的です。ここまでの長丁場もあってスタミナも当然必要ですが、最後の直線は平坦でスピードも出やすいため瞬発力も問われます。
馬場は野芝主体で直線も平坦なため、早い時計の決着になりやすいのが特徴です。
京都芝3000mデータ詳細
コース | 右回り |
一周距離(外回り) | Aコース:1894.3m Bコース:1913.6m Cコース:1932.4m Dコース:1951.3m |
直線距離(外回り) | Aコース:403.7m Bコース:398.7m Cコース:398.7m Dコース:398.7m |
高低差(内回り) | 4.3m |
コースレコード | 3:01.4(トーホウジャッカル 2014 菊花賞) |
京都芝3000mで注目の枠順・脚質
枠順 | 2枠・6枠・7枠 |
脚質 | 逃げ・差し |
枠 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1枠 | 0-0-2-14 | 0.00% | 0.00% | 12.50% |
2枠 | 2-1-1-12 | 12.50% | 18.75% | 25.00% |
3枠 | 1-1-1-14 | 5.88% | 11.76% | 17.65% |
4枠 | 1-1-2-13 | 5.88% | 11.76% | 23.53% |
5枠 | 0-2-1-15 | 0.00% | 11.11% | 16.67% |
6枠 | 2-2-0-14 | 11.11% | 22.22% | 22.22% |
7枠 | 2-2-3-15 | 9.09% | 18.18% | 31.82% |
8枠 | 2-2-0-23 | 7.69% | 11.54% | 11.54% |
その他の京都競馬場のコース
菊花賞の過去10年のデータと傾向
以下は菊花賞の過去10年の1~3着馬の騎手と前走の着順です。なお21年、22年は阪神での開催となっています。
年 | 着順 | 馬名 | 騎手 | 前走 | 前着順 |
---|---|---|---|---|---|
23年 | 1着 | ドゥレッツァ | Cルメール | 日本海S | 1着 |
2着 | タスティエーラ | Jモレイラ | 日本ダービー | 1着 | |
3着 | ソールオリエンス | 横山武史 | セントライト記念 | 2着 | |
阪神 | 22年1着 | アスクビクターモア | 田辺裕信 | セントライト記念 | 2着 |
2着 | ボルドグフーシュ | 吉田隼人 | 神戸新聞杯 | 3着 | |
3着 | ジャスティンパレス | 鮫島克駿 | 神戸新聞杯 | 1着 | |
阪神 | 21年1着 | タイトルホルダー | 横山武史 | セントライト記念 | 13着 |
2着 | オーソクレース | Cルメール | セントライト記念 | 3着 | |
3着 | ディヴァインラヴ | 福永祐一 | 木曽川特別 | 1着 | |
20年 | 1着 | コントレイル | 福永祐一 | 神戸新聞杯 | 1着 |
2着 | アリストテレス | Cルメール | 小牧特別 | 1着 | |
3着 | サトノフラッグ | 戸崎圭太 | セントライト記念 | 2着 | |
19年 | 1着 | ワールドプレミアム | 武豊 | 神戸新聞杯 | 3着 |
2着 | サトノルークス | 福永祐一 | セントライト記念 | 2着 | |
3着 | ヴェロックス | 川田将雅 | 神戸新聞杯 | 2着 | |
18年 | 1着 | フィエールマン | Cルメール | ラジオNIKKEI賞 | 2着 |
2着 | エタリオウ | Mデムーロ | 神戸新聞杯 | 2着 | |
3着 | ユーキャンスマイル | 武豊 | 阿賀野川特別 | 1着 | |
17年 | 1着 | キセキ | Mデムーロ | 神戸新聞杯 | 2着 |
2着 | クリンチャー | 藤岡佑介 | セントライト記念 | 9着 | |
3着 | ポポカテペトル | 和田竜二 | 阿賀野川特別 | 1着 | |
16年 | 1着 | サトノダイヤモンド | Cルメール | 神戸新聞杯 | 1着 |
2着 | レインボーライン | 福永祐一 | 札幌記念 | 3着 | |
3着 | エアスピネル | 武豊 | 神戸新聞杯 | 5着 | |
15年 | 1着 | キタンサンブラック | 北村宏司 | セントライト記念 | 1着 |
2着 | リアルスティール | 福永祐一 | 神戸新聞杯 | 2着 | |
3着 | リアファル | Cルメール | 神戸新聞杯 | 1着 | |
14年 | 1着 | トーホウジャッカル | 酒井学 | 神戸新聞杯 | 3着 |
2着 | サウンズオブアース | 蛯名正義 | 神戸新聞杯 | 2着 | |
3着 | ゴールドアクター | 吉田隼人 | 支笏湖特別 | 1着 | |
13年 | 1着 | エピファネイア | 福永祐一 | 神戸新聞杯 | 1着 |
2着 | サトノノブレス | 岩田康誠 | 神戸新聞杯 | 3着 | |
3着 | バンデ | 松田大作 | 兵庫特別 | 1着 | |
12年 | 1着 | ゴールドシップ | 内田博幸 | 神戸新聞杯 | 1着 |
2着 | スカイディグニティ | Iメンディ | セントライト記念 | 2着 | |
3着 | ユウキソルジャー | 秋山真一 | 神戸新聞杯 | 4着 |
今回は阪神開催となった21年と22年を除いた過去10年間のデータで比較してみます。
近年ではルメール騎手の成績が頭1つ抜けている
よく長距離は騎手と言われますが、菊花賞はルメール騎手の成績が頭1つ抜けています。
- C.ルメール【3-1-1-2】
- 福永祐一(引退)【2-3-0-3】
- M.デムーロ【1-1-0-6】
- 武豊【1-0-2-5】
- 北村宏司【1-0-0-4】
- 酒井学【1-0-0-2】
- 内田博幸【1-0-0-2】
- 藤岡祐介【0-1-0-3】
- 岩田康誠【0-1-0-8】
- 戸崎圭太【0-0-1-4】
- 川田将雅【0-0-1-7】
- 横山典弘【0-0-0-6】
- 松山弘平【0-0-0-6】
- 浜中俊【0-0-0-6】
- 池添謙一【0-0-0-8】
- 柴田善臣【0-0-0-1】
- 北村友一【0-0-0-1】
- A.シュタルケ【0-0-0-0】
ルメール騎手は、2015年にJRAの騎手免許を取得してから【3-1-1-2】という成績。馬券圏内には71.4%という高い確率で来ています。勝つためのポジション取りやロスのない立ち回りなどが上手い騎手ですので、長距離の菊花賞でより成績に表れていると考えられます。
また、注目の武豊騎手ですが、2013~2020年では【1-2-0-5】という成績。ルメール騎手程のインパクトはありませんが3番人気以上の馬には2回しか乗っておらず、見過ごせない1人です。
反対に川田将雅騎手は2010年にビッグウィークで優勝しているものの、最近に限れば【0-0-1-7】とやや不振傾向です。現在の活躍から見れば意外なデータと言えます。
ちなみに福永祐一元騎手も【2-3-0-3】とかなりの好成績で、菊花賞で信頼できる騎手の一人でした。
現在活躍中の若手に注目してみると…
現在活躍中の若手の菊花賞の成績も気になるところ。
- 横山武史【0-0-1-0】
- 西村淳也【0-0-0-1】
- 岩田望来【0-0-0-1】
- 鮫島克駿【0-0-0-0】
- 坂井瑠星【0-0-0-3】
20年、21年が阪神開催だったこともあり、京都コースでの菊花賞の経験はほとんどありません。
京都芝3000mは年に2回しかないので、若手の騎手のデータはまだまだ未知数なところがあります。
ただ、阪神芝3000mでの菊花賞では横山武史騎手のタイトルホルダー(1着)や鮫島克駿騎手のジャスティンパレス(3着)があるので、これから徐々に破られていくデータではありそうです。
前走神戸新聞杯組が7勝と最有力
阪神開催となった21年と22年を除いた過去10年間のデータの前走別成績(3着以内馬輩出レースのみ)を比較すると…
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
神戸新聞杯 | 7-4-4-54 | 10.14% | 15.94% | 21.74% |
セントライト記念 | 1-3-2-43 | 2.04% | 8.16% | 12.24% |
3勝クラス | 1-0-0-5 | 16.67% | 16.67% | 16.67% |
ラジオNIKKEI賞 | 1-0-0-1 | 50.00% | 50.00% | 50.00% |
2勝クラス | 0-1-4-32 | 0.00% | 2.70% | 13.51% |
札幌記念 | 0-1-0-3 | 0.00% | 25.00% | 25.00% |
日本ダービー | 0-1-0-1 | 0.00% | 50.00% | 50.00% |
菊花賞が関西馬が8勝、関東馬が2勝という関西優勢の背景もあり、「神戸新聞杯組」からのローテが【7-4-7-54】で最有力となります。10年で7勝ですから神戸新聞杯組は真っ先に検討に入るべきレースになります。
セントライト記念組は出走頭数を考えれば1勝は物足りない。ただし阪神開催だった21年、22年を含めた場合は好走確率がぐっと上がるため、これをどう見るかといったところ。
その他では「3勝クラス」、「ラジオNIKKEI賞組」、「札幌記念組」も好走確率は高く注目ですが、出走数自体がかなり少な目で過度に信用はできません。
また「ダービー直行組」も2012年コスモオオゾラ17着と23年タスティエーラ2着の2頭のみで、こちらもまだまだ前例が少なくデータで判断しづらくなっています。(阪神開催の21年ならディープモンスター5着もある)