京都競馬場は内回りコースと外回りコースが用意されている右回りの競馬場です。
特に向こう正面半ばから3コーナーにかけての上り坂、そして4コーナにかけての下り坂が大きな特徴でこの「坂」をどう攻略するかが重要になってきます。
ここでは、京都競馬場の芝2000mの特徴や傾向について詳しく紹介していきます。
京都芝2000mのコースの特徴
京都芝2000mは内回りのタイトなコース
京都芝2000mは内回りのタイトなコースです。
直線半ばからのスタートとなるため1コーナーまでの距離が300m程しかないため、ポジション争いは熾烈で内枠が有利。
その後は向こう正面半ばまで比較的平坦なため、ここで一旦ペースが落ち着きます。ただし上のクラスではペースが緩まず高速決着となる場合もあるので注意が必要。
内回りの「淀の坂」はコーナリング性能が求められる
向こう正面半ばから3コーナーにかけて上り坂が待ち受けています。内回りの場合この上り坂の高低差は3.1mで外回りの4.3m程ではありません。
そして3コーナで坂の頂上を迎え、今度は4コーナーにかけて一気に下ります。この勝負所の「淀の坂」をどう乗り切るかが大きなポイントになります。
特に内回りは小回りでスピードに乗りすぎると外に振られるため、コーナリング性能が求められます。
更に直線の長さも328.4mと短く、外回りとは違ってより器用さが求められます。
4つのコースが使用され馬場は傷みにくい
京都の芝コースは幅員(横の長さ)が広く、内ラチを外側に移動させる事でABCDの4つのコースを使い分けます。
- Aコース(内から0m地点にラチを設置したコース)
- Bコース(内から3m地点にラチを設置したコース)
- Cコース(内から6m地点にラチを設置したコース)
- Dコース(内から9m地点にラチを設置したコース)
このように開催日によってコースを使い分けることで馬場が集中的に痛むのを抑えています。他の競馬場では2つ、または3つのコースを使い分けており、4つのコースを使い分けるのは東京と京都のみです。
更に内回りと外回りもあるので綺麗な馬場を維持しやすく、直線も平坦ということもあって、京都競馬場は時計の早いスピード馬場になっているのが特徴です。
京都芝2000mデータ詳細
コース | 右回り |
一周距離(内回り) | Aコース:1782.8m Bコース:1802.2m Cコース:1821.1m Dコース:1839.9m |
直線距離(内回り) | Aコース:328.4m Bコース:323.4m Cコース:323.4m Dコース:323.4m |
高低差(内回り) | 3.1m |
コースレコード | 1:56.8(アドマイヤコスモス 2011 大原ステークス) |
京都芝2000mで注目の枠順・脚質
注目すべき枠は「4枠」になります。勝率、連対率、複勝率共に優秀です。
京都芝2000mは小回りのためどうしても内枠有利の見方が強いですが、「7枠」、「8枠」といった枠も全く悪くなく、「2枠」は意外に不振傾向です。
当日の馬場状態も含め、先入観なしで見たいコースです。
脚質は、小回りかつ直線が短いコースだけに基本的に「逃げ」「先行」が有利です。ただ注意しなければいけないのは、速い決着になりやすい秋華賞では反対に「差し」の成績が良くなるという事です。
枠順 | 4枠 |
脚質 | 逃げ・先行 |
速い決着になりそうな時は有利な脚質がガラッと変わるので注意です。
京都芝2000mで開催される代表的なレース
- 秋華賞(G1)
- 京都2歳ステークス(G3)
京都芝2000mの代表的なレースはG1の秋華賞です。牝馬3冠レースの最終戦で、3冠馬誕生にリーチがかかっている時は特に脚光を浴びます。
歴代の牝馬3冠はメジロラモーヌ(86年)、スティルインラブ(03年)、アパパネ(10年)、ジェンティルドンナ(12年)、アーモンドアイ(18年)、デアリングタクト(20年)の6頭です。
なおメジロラモーヌの時代は秋華賞がなかったのでエリザベス女王杯が3冠最後の1戦でした。
秋華賞の過去10年のデータと傾向
年 | 着順 | 枠 | 馬名 | 通過順 | タイム |
---|---|---|---|---|---|
良 阪神 | 22年1着 | 7 | スタニングローズ | 3-5-5-4 | 1:58.6 前半:59.7 後半:58.9 S |
2着 | 8 | ナミュール | 9-9-10-9 | ||
3着 | 9 | スターズオンアース | 14-13-14-14 | ||
良 阪神 | 21年1着 | 12 | アカイトリノムスメ | 6-5-5-4 | 2:01.2 前半:61.2 後半:61.0 M |
2着 | 14 | ファインルージュ | 11-11-10-10 | ||
3着 | 9 | アンドヴァラナウト | 4-5-5-6 | ||
稍重 | 20年1着 | 13 | デアリングタクト | 13-13-8-5 | 2:00.6 前半:59.4 後半:61.2 H |
2着 | 12 | マジックキャッスル | 11-11-11-13 | ||
3着 | 8 | ソフトフルート | 18-18-18-12 | ||
稍重 | 19年1着 | 5 | クロノジェネシス | 6-7-5-5 | 1:59.9 前半:58.3 後半:61.6 H |
2着 | 8 | カレンブーケドール | 6-8-8-7 | ||
3着 | 14 | シゲルピンクダイヤ | 14-14-14-11 | ||
良 | 18年1着 | 11 | アーモンドアイ | 11-11-11-12 | 1:58.5 前半:59.6 後半:58.9 M |
2着 | 13 | ミッキーチャーム | 1-1-1-1 | ||
3着 | 2 | カンタービレ | 11-12-13-12 | ||
重 | 17年1着 | 14 | ディアドラ | 14-15-13-9 | 2:00.2 前半:59.1 後半:61.1 H |
2着 | 7 | リスグラシュー | 12-11-9-7 | ||
3着 | 4 | モズカッチャン | 5-5-4-2 | ||
良 | 16年1着 | 7 | ヴィブロス | 9-9-8-8 | 1:58.6 前半:59.9 後半:58.7 S |
2着 | 3 | パールコード | 7-5-7-6 | ||
3着 | 15 | カイザーバル | 7-5-5-5 | ||
良 | 15年1着 | 18 | ミッキークイーン | 8-8-8-6 | 1:56.9 前半:57.4 後半:59.5 H |
2着 | 9 | クイーンズリング | 12-13-14-14 | ||
3着 | 6 | マキシマムドパリ | 5-6-5-3 | ||
良 | 14年1着 | 6 | ショウナンパンドラ | 9-9-9-5 | 1:57.0 前半:58.0 後半:59.0 H |
2着 | 4 | ヌーヴォレコルト | 11-11-11-10 | ||
3着 | 12 | タガノエトワール | 10-10-10-8 | ||
良 | 13年1着 | 16 | メイショウマンボ | 11-11-8-8 | 1:58.6 前半:58.9 後半:59.7 H |
2着 | 1 | スマートレイアー | 17-17-16-14 | ||
3着 | 13 | リラコサージュ | 10-10-11-11 |
コーナ4つの内回りだが内枠が良いというわけではない
枠順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
1枠 | 【0-1-1-13】 | 0.00% | 6.67% | 13.33% |
2枠 | 【0-2-1-12】 | 0.00% | 13.33% | 20.00% |
3枠 | 【2-0-1-15】 | 11.11% | 11.11% | 16.67% |
4枠 | 【1-2-1-12】 | 6.25% | 18.75% | 25.00% |
5枠 | 【0-1-0-15】 | 0.00% | 6.25% | 6.25% |
6枠 | 【1-1-1-13】 | 6.25% | 12.50% | 18.75% |
7枠 | 【2-1-3-17】 | 8.70% | 13.04% | 26.09% |
8枠 | 【2-0-0-22】 | 8.33% | 8.33% | 8.33% |
枠順で見ると、「3枠」「4枠」「7」枠あたりは好成績を残しており、「5枠」の成績の悪さが目立ちますが、ほぼ満遍なく来ていると言ってもいいでしょう。
注目すべき点としては、コーナー4つの内回りでも内枠の成績がいいわけでもなく、外枠の成績が悪いわけでもないという点です。
むしろ勝率でみると「7枠」「8枠」は上位です。
ロスなく立ち回るに越したことはないコースですが、内で揉まれたり包まれるリスクもあるため、実力馬は外枠から不利なく運んだほうが安全です。
脚質は差しが断然!前傾ラップで先行勢が苦戦
京都芝2000mはコーナーが4つの内回りコースという事で、逃げ・先行に目が行きがちだが秋華賞では差しが決まりやすい傾向にあります。
21・22年が阪神開催だったため今回は13~20年までの過去8年の1~3着馬の脚質を見てみると、
- 逃げ(0-1-0-7)
- 先行(0-0-2-23)
- 差し(8-5-5-51)
- 追込(0-2-1-36)
差しが過去8年で8勝と100%勝利しています。(クロノジェネシスは中団前目で先行に近い位置ですが)
これは前半の方がペースが早く、後半に失速しやすい前傾ラップが多いことが理由に挙げられます。過去8年で6年が前傾ラップとなっています。
向こう正面であまりペースが緩まず淀みのない流れになるのが秋華賞の特徴です。
とはいえ内回りで直線は328.4m短いため、後方一気も決まりにくく、差しに良績が集中するというわけです。