今週は上半期の締めくくりとなる春のグランプリ「宝塚記念」。
今年は怪我でスキップする馬も多く13頭立て。それでもドバイ組、大阪杯組、天皇賞春組と春の古馬中長距離路線の強豪が集結しました。
また当日はこの時期らしく雨予報が出ており、馬場が読みづらく予想力の試される1戦となりそうです。
ここでは2024年の宝塚記念のレース予想をしていきます。
2023年はイクイノックスが断然1番人気に応えての優勝。後方からの競馬になり、非常にハラハラしたレースになりました。
2024年宝塚記念のコース形態
24年宝塚記念コースのポイント
- 阪神競馬場が改修工事のため京都芝2200mでの開催
- 1コーナーまでは約400mと長めでゆったりとしたペースになりやすい
- 最大の山場は向正面から3~4にかけての高低差4.3mの淀の坂
- 坂を下り始める残り800m地点をきっかけにレースが動きやすい
- 最後の直線は403.7mで平坦。スピードの持続力が問われる舞台
より詳しい京都芝2200mの特徴は以下の記事で解説しているのでよければ参考にしてみて下さい。
宝塚記念過去10年のデータと傾向
以下は過去10年の宝塚記念の1~3着馬の性齢・前走・前走着順です。
年 | 着順 | 性齢 | 馬名 | 前走 | 前走着順 |
---|---|---|---|---|---|
阪神 良 | 23年1着 | 牡4 | イクイノックス | ドバイSC | 1着 |
2着 | 牝5 | スルーセブンシーズ | 中山牝馬S | 1着 | |
3着 | 牡4 | ジャスティンパレス | 天皇賞春 | 1着 | |
阪神 良 | 22年1着 | 牡4 | タイトルホルダー | 天皇賞春 | 1着 |
2着 | 牡6 | ヒシイグアス | 大阪杯 | 4着 | |
3着 | 牝5 | デアリングタクト | ヴィクトリア | 6着 | |
阪神 良 | 21年1着 | 牝5 | クロノジェネシス | ドバイSC | 2着 |
2着 | 牡5 | ユニコーンライオン | 鳴尾記念 | 1着 | |
3着 | 牝4 | レイパパレ | 大阪杯 | 1着 | |
阪神 稍重 | 20年1着 | 牝4 | クロノジェネシス | 大阪杯 | 2着 |
2着 | 牡6 | キセキ | 天皇賞春 | 6着 | |
3着 | 牡4 | モズベッロ | 高松宮記念 | 7着 | |
阪神 良 | 19年1着 | 牝5 | リスグラシュー | QE2 | 3着 |
2着 | 牡5 | キセキ | 大阪杯 | 2着 | |
3着 | 牡5 | スワーヴリチャード | ドバイSC | 3着 | |
阪神 稍重 | 18年1着 | 牡5 | ミッキーロケット | 天皇賞春 | 4着 |
2着 | セ7 | ワーザー | ライオンR | 6着 | |
3着 | 牡5 | ノーブルマーズ | 目黒記念 | 2着 | |
阪神 稍重 | 17年1着 | 牡5 | サトノクラウン | 大阪杯 | 6着 |
2着 | 牡6 | ゴールドアクター | 天皇賞春 | 7着 | |
3着 | 牝5 | ミッキークイーン | ヴィクトリア | 7着 | |
阪神 稍重 | 16年1着 | 牝5 | マリアライト | 目黒記念 | 2着 |
2着 | 牡4 | ドゥラメンテ | ドバイSC | 2着 | |
3着 | 牡4 | キタサンブラック | 天皇賞春 | 1着 | |
阪神 良 | 15年1着 | 牡5 | ラブリーデイ | 鳴尾記念 | 1着 |
2着 | 牝4 | デニムアンドルビー | 天皇賞春 | 10着 | |
3着 | 牝4 | ショウナンパンドラ | ヴィクトリア | 8着 | |
阪神 良 | 14年1着 | 牡5 | ゴールドシップ | 天皇賞春 | 7着 |
2着 | セ6 | カレンミロティック | 鳴尾記念 | 4着 | |
3着 | 牝5 | ヴィルシーナ | ヴィクトリア | 1着 |
過去10年で7勝と5歳馬が中心のレース
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
3歳 | 0-0-0-1 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
4歳 | 3-1-5-30 | 7.69% | 10.26% | 23.08% |
5歳 | 7-4-5-37 | 13.21% | 20.75% | 30.19% |
6歳 | 0-4-0-26 | 0.00% | 13..33% | 13..33% |
7歳~ | 0-1-0-25 | 0.00% | 3.85% | 3.85% |
年齢別成績では5歳が【7-4-5-37】で過去7勝と圧倒的な成績。勝率・連対率・3着内率と全てでトップとなっています。
続いて4歳も【3-1-5-30】の3勝と食らいつくが、5歳と比較するとやや物足りない。
また、6歳も0勝ながら2着は4回もあるように軽視はできない存在となっています。
一方7歳以上は7歳馬の香港馬ワーザーの2着が1回あるのみ。ここまで高齢になると流石に出番は少ないとみてよさそう。
2024年宝塚記念の5歳馬
・ジャスティンパレス 牡5
・シュトルーヴェ セ5
・ドウデュース 牡5
・プラダリア 牡5
・ブローザホーン 牡5
・ルージュエヴァイユ 牝5
・ローシャムパーク 牡5
前走G1組が優勢!中でもドバイシーマクラシック組に注目
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
天皇賞春 | 3-3-3-33 | 7.14% | 14.29% | 21.43% |
大阪杯 | 2-2-2-18 | 8.33% | 16.67% | 25.00% |
ドバイSC | 2-1-1-6 | 20.00% | 30.00% | 40.00% |
鳴尾記念 | 1-2-0-15 | 5.56% | 16.67% | 16.67% |
目黒記念 | 1-0-1-13 | 6.67% | 6.67% | 13.33% |
クイーンエリザベス2世C | 1-0-0-6 | 14.29% | 14.29% | 14.29% |
中山牝馬 | 0-1-0-0 | 0.00% | 100% | 100% |
ライオンRT(香港) | 0-1-0-0 | 0.00% | 100% | 100% |
ヴィクトリアマイル | 0-0-4-4 | 0.00% | 0.00% | 50.00% |
上半期のグランプリだけあって、前走G1レースからの馬が過去10年で8勝と強いレース。
天皇賞春が【3-3-3-33】、大阪杯が【2-2-2-18】と好走する馬が多いが、海外G1からのステップが特に優秀。
中でもドバイシーマクラシックが【2-1-1-6】で勝率20%、連対率30%、3着内率40%で好走率はトップ。
これは現在日本ではトップクラスの馬がドバイシーマクラシックを目指すのが主流となっているのが大きな理由と考えられる。
23年イクイノックス(1着)、22年クロノジェネシス(1着)、19年スワーヴリチャード(3着)、16年ドゥラメンテ(2着)と日本で複数G1を勝つような実力馬ばかり。
2024年宝塚記念の前走G1出走馬
・ジャスティンパレス(ドバイSC4着)
・ドウデュース(ドバイターフ5着)
・べラジオオペラ(大阪杯1着)
・ローシャムパーク(大阪杯2着)
・ルージュエヴァイユ(大阪杯3着)
・プラダリア(大阪杯6着)
・ソールオリエンス(大阪杯7着)
・ブローザホーン(天皇賞春2着)
・ディープボンド(天皇賞春3着)
宝塚記念過去10年の傾向まとめ
宝塚記念過去10年の傾向
- 5歳馬が過去7勝と中心的存在
- ステップレースはG1組が過去8勝と圧倒的
- 中でもトップクラスが出走しやすいドバイシーマC組が【2-1-1-6】と好走率が最も高い。
有力馬ピックアップ
◎ジャスティンパレス
ジャスティンパレスは3歳時点ではまだ主役を務める程ではなかったが、馬体が成長した4歳から一気に素質が開花。有馬記念では1番人気に支持され、ここでも優勝候補の1頭に数えられるまでに成長した。
近走評価
天皇賞春制覇を皮切りに最強馬イクイノックスに果敢に挑戦して宝塚(3着)、秋天(2着)という成績は立派。性質が違う二つのレースを好走したことで地力の高さを証明した。
有馬記念は天皇賞秋に続きテンが遅く後方から。勝負所での機動力の違いでドウデュースに遅れをとった。コース適正の差も出た内容。
前走ドバイシーマクラシックではスタートを決めるも前に上手くスローに落とし込まれ、2番手から抜け出したレベルロマンスに追いつくのはほぼ不可能な流れ。
より瞬発力のあるリバティアイランドにこそ後ろから抜かれたが、それでもクビ差の4着。鞍上のモレイラ騎手も「最後までバテずにいい脚を使ってくれた」というようによーいドンの瞬発力勝負になったのが痛かった。
機動力に欠ける分、惜敗に終わる事も多いですがハイレベルG1で好走を続けている点は素直に評価したいですね。
ルメール騎手とのコンビで【4-0-0-0】
今回最大の評価点としては「ルメール騎手に手綱が戻る」という事。
通算成績は【5-2-2-5】だがルメール騎手に限れば【4-0-0-0】とその相性の良さは歴然。
ジャスティンパレスは「スタートで後手を踏みやすい」、「エンジンの掛かりが遅く仕掛けのタイミングが難しい」と何かと繊細な判断が要求されやすい馬。そういう意味でもルメール騎手はこの上ないプラス要素だし、コメントを見てもこの馬の理解度が非常に高く信頼できる。
京都芝2200mの適正
京都芝2200mは比較的スローで進みやすいが、レベルが上がるにつれスパートタイミングが早まる傾向にあります。
今回はG1レースという事で残り800mの坂の下りあたりからのスピードの持続力勝負となる可能性が高い。ルメール騎手も早めにポジションを上げて行きたいと語っているように、今回は自分の得意の勝負に持ち込んでくるはず。
不安点
一番の不安点はやはりスタート。
今回は内枠を引いたので、ダッシュがつかない場合はロスの多い競馬になりそう。とはいえ今回は13頭立てということもあり、あまり神経質になることはないかも。
また天皇賞春は稍重馬場で勝利していいるとはいえ、あまり馬場が悪化するのは未知数なので避けたいところ。
〇ドウデュース
ドウデュースは日本ダービー、有馬記念を含むG1・3勝とこのメンバーでは頭一つ抜けている実績。鞍上共々千両役者といった感じで、ここ一番での決定力は侮れない。
近走評価
JCは叩き2走目。力んでしまった天皇賞秋から前進が見られた4着。やや物足りなさはあるものの、上位3頭はいずれも超強豪揃い。
有馬記念はこの馬のピッチ走法と瞬時に加速できる脚を活かした素晴らしいパフォーマンス。捲るためにあえてスタートをゆっくり出すなど武豊騎手の小技も効いていた。
勝負所の反応はジャスティンパレスと比較しても段違いで中山適性を感じさせました。結果的にJCの3~5着での決着。
前走ドバイターフは出遅れて後方から。我慢強く進路ができるのを待つが、終始スペースがなく不完全燃焼の5着。手応え的には上位争いは可能だっただけに残念な内容。
有馬記念で難なく捲っていった加速力がこの馬の最大の武器ですね。
京都芝2200mの適正
23年の京都記念が阪神開催だったため京都コースは未経験。瞬時に動ける加速力は小回りコースの方がより活かせるので、京都外回りで更にプラスということはなさそう。
ただ、途中から上がっていっても押し切れる我慢強さも持ち合わせている。日本ダービーではスピードの持続力も見せているように、コース云々より道中しっかり溜めが効いているかの方が重要そう。
何より鞍上の武豊騎手にとっては京都は庭のようなもの。ここは上手くエスコートするのではないかと思っている。
不安点
有馬記念があえてゆっくり出したとはいえ、続くドバイターフでは完全に立ち遅れていたように、ここにきてスタートはやや心配。かかりやすい気性も成績の不安定さと無関係では無さそう。
馬場についても少々心配。有馬記念も例年に比べてスピード馬場だったので、雨で道悪になった時は未知数。ロンシャンでの大敗は馬場が極端で参考にしづらいが出来れば綺麗な馬場でやりたい。
▲ローシャムパーク
通算成績は【6-3-1-2】で掲示板は外したのは香港Cのみという堅実さが魅力。また堅実とは言っても6勝しているようにいわゆる善戦マンとは違い、きちんと勝ち切っている点も評価できる。
近走評価
オールカマーは函館記念で初重賞制覇を果たした直後の挑戦。復帰戦となるタイトルホルダーやゼッフィーロ、ガイアフォースなどハイレベルなG2戦だったが、好位の外追走から悠々差し切るレースぶりで1 1/4差で勝利。鞍上のルメール騎手も「レースごとに強くなってきている」と言わせる完勝だった。
初の海外遠征となった香港カップでは珍しく出遅れて見せ場なく8着。カイ食いが細くなったというように状態面の不安もあった様子。
大阪杯は阪神内回りコース。トビが大きく内枠が心配されていたが、後方からレース途中で一気に捲っていく積極策でハナ差の2着。やや強引ではあったが、G1昇格後は4角で5番手以内の馬しか勝っていない内前有利のコースだけあって、機転のきいたレースだった。
香港カップ以外のレースが軒並み好印象で成長も感じられます。
京都芝2200mの適正
京都は初めてとなるが、トビが大きいこの馬にとっては京都外回りの広いコースになるのは歓迎材料。
今回は7枠10番と外目の枠を取れたこともあり、前回とは違って正攻法のレースで臨める。
今まではどちらかというと小回りのコースを中心に使われていたので、ここは更にパフォーマンスを上げてきそう。
不安点
前走のテンの遅さは若干気になるところ。もし楽に先行できていれば、また違った結果になっていたと思わせる内容だったし、できればすんなり中団くらいにはつけたい。
道悪については函館でしっかり結果を出しているように苦にはしなさそうだが、香港以外での最低着順は重馬場のスピカS(5着)。この馬もできれば稍重くらいまでで走りたい。
その他の注目馬
ブローザホーンはようやく軌道に乗った。G2G1とレースレベルは上がってきたが成績は変わらず安定している。
道悪経験が豊富で苦にしないのも心強い。ここは天皇賞春から更にメンバーが強化されるので、できればスタミナのいる馬場や展開になって欲しい。
ジャスティンパレスが早めに上がって行きそうなので、あまり巻き込まれない位置でレースはしたいところ。
イン突きなどが決まれば大金星の可能性も十分。
雨予報でかなり人気になってしまっているが押さえておきたい1頭。
べラジオオペラは大阪杯でG1制覇を果たし充実期だが、今回は評価的には若干落ちてしまう。
立ち回りの上手さが強みで、阪神2000m→京都2200mは少し微妙。
今回先行するか差すのか読みにくいが、もしジャスティンパレスが捲ってくるようなら、前の馬には厳しい展開になる可能性もある。
ソールオリエンスは開幕週の中山記念、内前有利の大阪杯と適正外のレースが続いているとはいえ、もう少し恰好をつけて欲しさもある。
今回は久しぶりの広いコースでのレースで雨予報もプラス。
展開利も見込めて漁夫の利を狙えそうではあるので、オッズがつけば押さえ候補に一考。
プラダリアはディープインパクト産駒で京都2200mという舞台も絶好。
上位人気馬が雨予報はあまり歓迎ではなさそうだし、決定打がないこの馬にとって重馬場は大歓迎のクチ。
ただ現状G1では1枚落ちる印象。得意の条件でどこまで浮上できるか。
宝塚記念レース予想
今回も安田記念同様当日まで雨予報でギリギリまで馬場が読みにくいので、買い目発表はなしでいこうと思います。
基本は◎中心で勝負したいと考えています。
ただ▲ローシャムパークが思ったより人気がないので、〇▲の組み合わせや単勝は保険で少し買っておきたいです。
◎ジャスティンパレス
〇ドウデュース
▲ローシャムパーク
△ブローザホーン
☆ソールオリエンス
想定ペース:スローからの4F勝負
最後まで読んでくださりありがとうございました!