2024年スプリンターズSは9番人気ルガルが高松宮記念10着の大敗、故障を乗り越え初G1制覇を果たしました。
騎乗していた西村淳也騎手も7年目にして初G1制覇で人馬共に最高の1日になりました。
ここでは24年スプリンターズSのレース回顧をしていきます。次走の参考になれば幸いです。
レース予想結果
着順 | 枠番 | 印 | 馬名 | 重量 | 騎手 | タイム | 通過順位 | 上がり | 人気 |
1 | 13 | ルガル | 58.0 | 西村淳也 | 1:07.0 | 3-3 | 34.2 | 9 | |
2 | 2 | トウシンマカオ | 58.0 | 菅原明良 | クビ | 7-6 | 33.5 | 5 | |
3 | 5 | 〇 | ナムラクレア | 56.0 | 横山武史 | クビ | 12-12 | 33.2 | 4 |
秋G1初戦は残念ながらハズレ…
1着2着とも印をつけられずで「こう買っていれば…」という感じでもなく完敗でした。
◎サトノレーヴ
〇ナムラクレア
▲ママコチャ
☆ビクターザウィナー
△マッドクール
×ウイングレイテスト
×ウインマーベル
馬連:◎ー〇▲☆△××
馬連:〇ー▲
想定ペース:ややハイ
ハズレ…
レース展開
絶好のスタートを切ったビクターザウィナーが様子を見ながら前に行く中、脇目もふらずハナに立ったのがピューロマジック。
陣営コメントからは逃げないのではとの憶測もありましたが、ゲートを出ての勢いを見て迷わず決断したように見えました。あるいは最初から腹を括っていたのかも。
前半ラップは【11.8 – 9.9 – 10.4】の【32.1】でこれは過去10年でみても最速。特に2ハロン目の9.9は中々お目にかかれない数字。
2022年に逃げたテイエムスパーダが32.7、2019年と2020年に逃げたモズスーパーフレアが共に32.8だった事を考えるとかなり早いペースだったことが推察される。
前後半で見ると32.1-34.9とかなりの前傾ラップのスプリンターズSとなった。勝ちタイムの1:07.0も過去10年で最速。ちなみに最も早いタイムは2012年ロードカナロアの1:06.7。
レベルが高い1戦ではあったが、勝ちタイムはやはりペースによるところが大きく過信は禁物。
離れた3番手に収まったルガルが後続の猛追をしのぎ切っての優勝。今日の中山は内有利のトラックバイアスであった事も覚えておきたい。
上位入線馬の見解
1着 ルガル
シルクロードSで絶好のスタートを切り後続を3馬身離したことで一躍春の主役に躍り出たルガル。
高松宮記念は重馬場やポジション争いでやや消極的な部分もあって10着と大敗。その後骨折が発覚するなど陣営は悔しい春を過ごしたが秋の大一番を目標に完璧に立て直してきた。
今回の勝因はやはりスタートを決めて上手く3番手に収まったことが大きい。
7枠13番ということを考えれば好走に必須だったかもしれないスタートを上手く決めた。
速いペースではあるが、先頭からは8~9馬身程の絶妙な間隔での3番手。決して無謀な追走ではなく、内有利の馬場でロスなく立ち回れるウイニングポジションとなった。
個人的な馬券的では故障明けの馬をちょっと嫌う傾向があるので、その部分で盲点になってしまいました。
外枠に入った事で苦しい展開が予想されると思いましたが、この馬の持ち味でもあるスタートが大きな助けとなりました。
2着 トウシンマカオ
前哨戦のセントウルSが強い勝ち方で、今回1枠2番と絶好枠を引き当てた。一方でこの馬自身が外枠で好成績をあげていた分5番人気という評価に甘んじていた。
結果的に経済コースの6、7番手を上手くとって、直線も最短距離を走り抜ける事が出来た。丁度去年のマッドクールのような完璧なエスコートができていたように思う。
菅原明良騎手は大阪杯のルージュエヴァイユや、宝塚記念のブローザホーンなど大きな舞台でも思い切った好騎乗が目立つ。
流れ的にも捉えきってもおかしくない内容でしたが、勝ったルガルの前半でのリードと頑張りが大きかったですね。
3着 〇ナムラクレア
前半のポジション取りでやや苦労した分の3着。
前半のんびり気味なのは、この馬の特性でもあるので致し方ないが、理想としては同じ内のトウシンマカオやママコチャあたりの位置を取りたかったはず。
あの位置になった分、直線は外に出すことになったので着差を考えれば今回も悔しい結果に…
しかし、道中とコーナーではしっかりロスなく内々を回ってきて、代役を任された横山武史騎手の手綱さばきが光った。今回のトラックバイアスを考えれば最後の伸びは十分評価できる。
この馬にもう少し前半の行きっぷりの良さが加われば、G1を複数勝っていてもおかしくないが、それも含めての実力なのが競馬の厳しいところ。
去年先着を許したママコチャには今回先着しているように実力自体に大きな陰りは見られないのでまだG1制覇の可能性はあると思います。
その他注目馬の見解
7着 ◎サトノレーヴ
スタートが非常に優秀な馬で、7枠12番と苦しめの枠に入ったが本命に推した馬。
本来はスタートを決めて隣のルガルのような競馬が出来れば最高だったが、ここ一番でスタートを決めきれなかった。
7着とはなったが、通ったコースなどを考えれば上位との差はそこまで感じられない競馬。気落ちする内容ではなかったのではないだろうか。
馬券的には1番人気で外気味の枠。思い切って嫌う選択もあったが、やはり今までのスタートと立ち回りの上手さに惹かれてしまいました。
スタートについては今日より出るケースの方が多いと思うので、今回の上位層にも勝ち負けできるチャンスは十分ありそうです。
4着 ▲ママコチャ
ママコチャは去年と同じくほぼ完璧なレース運び。去年と同じくらいのパフォーマンスは発揮できた。
春は調子も上がりきらなかったようですが、ここにきて以前のような競馬ができるようになってきました
スタート後の5番手という位置取りもペースを考えればベストポジションに近い位置取りで、外のマッドクールにも楽をさせない立ち回りも見受けられた。
結果的に更に前にいたルガルとは0.1差の4着でこれは相手を褒めるところ。
スプリント路線の馬全てに言える事ですが秋のローテが少し悩ましい。阪神カップも有力ですが、現在1400のスペシャリストが豊富なので上位入選確実とは言い切れないかも。
12着 △マッドクール
人気どころでは12着と大きく着順を落としたのはマッドクール。
レース後の坂井騎手のコメントに曰く、ペースが早くて追走に手一杯だったとの事。
実際高松宮記念は34.9-34.0、去年のスプリンターズSは33.3-34.7。いつものようにポジションを取りに行くのがしんどかった。内のママコチャ川田騎手が楽に進路を渡してくれなかったし、この辺りは警戒されていたのもあったように思う。
香港での大敗もそうだが自分のパターンに嵌めれない場合は脆さがあるので今後も注意したい。
やはり他馬が苦労する分パワー寄りの馬場になって欲しいところですね。
レース総括
- 高速馬場傾向はいくらかマシになったがそれでもスピード馬場傾向
- この日は内を通った馬が好走するレースが多く、外からの追い上げは厳しいトラックバイアス
- 前半【11.8 – 9.9 – 10.4】は近年稀にみるハイラップ
- レベルが高い1戦ではあったが、勝ちタイムはペースによるところも大きく過信は禁物
最後まで読んでくださりありがとうございました。
来週は毎日王冠、京都大賞典に加え海外では凱旋門賞、地方ではジャパンダートクラシックとあまりに盛りだくさんな競馬ウィークになりそうです。