中山芝2000mで気を付けたいのは「内回り」コースを使用するため器用さが求められるという事です。
中山競馬場は主要4場の中でも特に小回りであるため得意不得意の差が出やすい競馬場です。
ここでは、中山競馬場の芝2000mの特徴や傾向について詳しく紹介していきます。
中山芝2000mのコースの特徴
器用さが求められる内回りコース
中山芝2000mは「内回り」コースを使用します。
東京などの広いコースとは違って小回りで4つのコーナーを回る事から、器用さの求められるコースとなっています。
スタートは直線入り口からで最初のコーナーまで約400mと長め。そのため外枠の不利はそこまでありません。
しかし、中山の直線には急坂(高低差2.2m、最大勾配2.24%)があり、これを上りながらのポジション争いとなるの消耗が激しくなります。
2コーナーからは下り坂となりますが、ここでスピードを出し過ぎると最後の坂でバテてしまいます。多くの騎手はそれを理解しているので、道中のペースは比較的ゆったりとした流れになりやすい。
最後は二度目となる急坂越え
最後の直線は310mという短いですが、このコース二度目となる急坂が最後の最後に待っています。
スピード能力が求められやすい日本の競馬場ですが、中山では比較的パワーやスタミナが求められやすいコースとなります。
向こう正面から直線までは平坦なため、4コーナーまでに先に位置を押し上げて行く馬もいたりとスパートのタイミングなどの駆け引きも見所。
開催時期や馬場状態で傾向がガラリと変わる
距離問わず中山の芝コースで気をつけたいのが、開催時期による馬場状態の変化です。
中山競馬場は開催時期も多く、「9月の野芝主体とした時期」や、「12月~4月の野芝の上に洋芝をオーバーシードしている時期」などによって馬場の傾向が大きく変わります。
9月の中山開催 | 12月~4月の中山開催 | |
芝 | 野芝主体 | 野芝+洋芝 |
傾向 | 高速決着でスピード馬有利 | 時計がかかりパワー型有利 |
有利な脚質 | 逃げ・先行 | 差しも浮上 |
先程中山はパワーやスタミナが求められる競馬場と解説しましたが、開催時期によっては高速馬場に対応できるスピード適正が求められることがあるので注意しましょう。
パワー型の馬とスピード型の馬。開催時期によってどちらを優先させるかが重要となるコースです。
中山芝2000mデータ詳細
コース | 右回り |
一周距離(内回り) | Aコース:1667.1m Bコース:1686m Cコース:1704.8m |
直線距離(内回り) | 310m |
高低差(内回り) | 5.3m |
コースレコード | 1:56.6(クリスマスパレード 2024 紫苑S) |
中山芝2000mで注目の枠順・脚質
中山芝2000mでは「4枠」「6枠」が勝率、連対率、3着以内率が高く注目の枠になります。
一見すると小回りで4つのコーナーを回ってくるので内枠が良さそうですが、1~3枠は成績が振るわないので注意です。
脚質は「先行」と「差し」が安定しています。
枠順 | 4枠・6枠 |
脚質 | 差し・先行 |
その他の中山競馬場のコース
中山芝2000mで開催される代表的なレース
- 皐月賞(G1)
- ホープフルS(G1)
- 弥生賞ディープインパクト記念(G2)
- 紫苑S(G2)
- 中山金杯(G3)
- 京成杯(G3)
中山芝2000mの代表的なレースは「皐月賞」です。3歳牡馬クラシックの第1戦でもっとも速い馬が勝つと言われているレースです。有力馬達が初めてこの舞台で顔を合わせる事も多く、難解ですが予想し甲斐のあるレースです。
他にも2歳G1のホープフルSや一年の初めの重賞となる中山金杯など数多くのレースが施行されるのが中山芝2000mです。
皐月賞過去10年のデータと傾向
以下は中山芝2000mで行われる皐月賞の過去10年の1~3着馬の人気と前走の着順です。ここから傾向を探っていきます。
年 | 着順 | 枠 | 馬名 | 前走 | 前走着順 |
---|---|---|---|---|---|
23年 | 1着 | 1 | ソールオリエンス | 京成杯 | 1着 |
2着 | 14 | タスティエーラ | 弥生賞 | 1着 | |
3着 | 7 | ファントムシーフ | 共同通信杯 | 1着 | |
22年 | 1着 | 14 | ジオグリフ | 共同通信杯 | 2着 |
2着 | 18 | イクイノックス | 東スポ2歳 | 1着 | |
3着 | 12 | ドゥデュース | 弥生賞 | 2着 | |
21年 | 1着 | 7 | エフフォーリア | 共同通信杯 | 1着 |
2着 | 13 | タイトルホルダー | 弥生賞 | 1着 | |
3着 | 3 | ステラヴェローチェ | 共同通信杯 | 5着 | |
20年 | 1着 | 1 | コントレイル | ホープフルS | 1着 |
2着 | 7 | サリオス | 朝日杯FS | 1着 | |
3着 | 16 | ガロアクリーク | スプリングS | 1着 | |
19年 | 1着 | 12 | サートゥルナーリア | ホープフルS | 1着 |
2着 | 7 | ヴェロックス | 若葉S | 1着 | |
3着 | 4 | ダノンキングリー | 共同通信杯 | 1着 | |
18年 | 1着 | 7 | エポカドーロ | スプリングS | 2着 |
2着 | 14 | サンリヴァル | 弥生賞 | 4着 | |
3着 | 10 | ジェネラーレウーノ | 京成杯 | 1着 | |
17年 | 1着 | 11 | アルアイン | 毎日杯 | 1着 |
2着 | 7 | ペルシアンナイト | アーリントンC | 1着 | |
3着 | 10 | ダンビュライト | 弥生賞 | 3着 | |
16年 | 1着 | 18 | ディーマジェスティ | 共同通信杯 | 1着 |
2着 | 3 | マカヒキ | 弥生賞 | 1着 | |
3着 | 11 | サトノダイヤモンド | きさらぎ賞 | 1着 | |
15年 | 1着 | 2 | ドゥラメンテ | 共同通信杯 | 2着 |
2着 | 5 | リアルスティール | スプリングS | 2着 | |
3着 | 7 | キタサンブラック | スプリングS | 1着 | |
14年 | 1着 | 2 | イスラボニータ | 共同通信杯 | 1着 |
2着 | 17 | トゥザワールド | 弥生賞 | 1着 | |
3着 | 18 | ウインフルブルーム | 若葉S | 2着 |
共同通信杯組が過去10年で5勝と圧倒的!
レース | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
共同通信杯 | 5-0-3-11 | 26.32% | 26.32% | 42.11% |
ホープフルS | 2-0-0-2 | 50.00% | 50.00% | 50.00% |
スプリングS | 1-1-2-33 | 2.70% | 5.41% | 10.81% |
京成杯 | 1-0-1-4 | 16.67% | 16.67% | 33.33% |
毎日杯 | 1-0-0-6 | 14.29% | 14.29% | 14.29% |
弥生賞 | 0-5-2-33 | 0.00% | 12.50% | 17.50% |
若葉S | 0-1-1-17 | 0.00% | 5.26% | 10.53% |
朝日杯FS | 0-1-0-2 | 0.00% | 33.33% | 33.33% |
東京スポーツ杯2歳S | 0-1-0-1 | 0.00% | 50.00% | 50.00% |
きさらぎ賞 | 0-0-1-7 | 0.00% | 0.00% | 14.29% |
皐月賞に向かうローテは数多くあるが、中でも圧倒的な成績なのが共同通信杯組。過去10年で【5-0-3-11】と勝ち馬の半数は共同通信杯組という事になる。
数は少ないがホープフルS組も【2-0-0-2】で単独2位の2勝を挙げている。
皐月賞と同条件の弥生賞組は意外と不振で【0-5-2-33】。2着こそ多く堅実だが勝ち馬が0頭というのは気になるところ。
前走1、2着馬がほとんどで巻き返しはかなり苦しい
- 前走1着馬【7-8-6】
- 前走2着馬【3-1-2】
- 前走3着以下【0-1-2】
そもそも好成績を残さないと出走できないレースではあるが、前走1着馬2着馬が順当に馬券内に来るレース。
前走3着以下が馬券になったのは過去10年の内以下のたったの3頭のみ。
- 21年ステラヴェローチェ3着【共同通信杯5着】
- 18年サンリヴァル2着【弥生賞4着】
- 17年ダンビュライト3着【弥生賞3着】
巻き返しはかなり苦しいレースと見るのが良さそう。
内外で大きな差はないが4枠7番に好成績が集中で要注目
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着以率 | |
1枠 | 3-0-0-16 | 15.79% | 15.79% | 15.79% |
2枠 | 1-1-2-16 | 5.00% | 10.00% | 20.00% |
3枠 | 0-1-0-19 | 0.00% | 5.00% | 5.00% |
4枠 | 2-3-2-13 | 10.00% | 25.00% | 35.00% |
5枠 | 0-0-2-18 | 0.00% | 0.00% | 10.00% |
6枠 | 2-0-2-16 | 10.00% | 10.00% | 20.00% |
7枠 | 1-3-0-23 | 3.70% | 14.81% | 14.81% |
8枠 | 1-2-2-22 | 3.70% | 11.11% | 18.52% |
皐月賞の過去10年の枠順成績を見ると、基本的に内外関係なく勝ち馬が出ておりフラットな結果となっている。大きく分けると1枠~4枠【6-5-4-64】、5枠~8枠【4-5-6-79】で内枠がやや優勢。
ただし去年のソールオリエンスなど外差しの馬場になることも多く、各馬の脚質にあった枠順が求められる。
そんな中でも目立つのが4枠7番で【2-3-2-3】という抜群の成績を残している。そこまで信憑性のあるデータではないが、競馬はしやすい枠ではあるので狙っている馬がこの枠に入れば頼もしい。
最後まで読んで下さりありがとうございました!