2024年日本ダービーは伏兵9番人気のダノンデサイルが好枠を活かし3歳7906頭の頂点に。
騎乗していた横山典弘騎手は09年ロジユニヴァース、14年ワンアンドオンリー、に続きダービー3勝目。56歳でのG1勝利は中央競馬GIの最年長勝利記録でもありました。
ここでは24年日本ダービーのレース回顧をしていきます。次走の参考になれば幸いです。
レース予想結果

着順 | 枠番 | 印 | 馬名 | 重量 | 騎手 | タイム | 通過順位 | 上がり | 人気 |
1 | 5 | ダノンデサイル | 55.0 | 横山典弘 | 2:24.3 | 4-3-6-4 | 33.5 | 9 | |
2 | 15 | ◎ | ジャスティンミラノ | 55.0 | 戸崎圭太 | 2 | 2-3-2-4 | 33.9 | 1 |
3 | 13 | シンエンペラー | 55.0 | 坂井瑠星 | 1 1/4 | 8-7-9-9 | 33.4 | 7 |

馬券は残念ながらハズレ…
断然人気でも抗えないと◎ジャスティンミラノを本命にしたまでは良かったが好位組で重視した相手が見当違いでした。
馬券は残念でしたが横山典弘騎手の「馬はちゃんと大事にしていれば応えてくれる」というインタビューは本当にグッときました。
◎ジャスティンミラノ
〇ダノンエアズロック
▲レガレイラ
△シックスペンス
×コスモキュランダ
×アーバンシック
×ショウナンラプンタ
馬連:◎ー〇▲△×××
単勝:〇
想定ペース:スロー寄りのミドル
ハズレ…


レース展開


皐月賞でハイペース逃げを見せたメイショウタバルが取消。これといった逃げ馬が見当たらず18番枠のエコロヴァルツが思い切った逃げ。
シュガークンやダノンデサイルはこの出方を見て先行策に切り替え。先週のオークスから一転した超スローペースでの逃げで前半5Fは62.2。これは超スローで話題となった17年レイデオロの63.2に次ぐスローペースとなった。
持続する脚が武器のコスモキュランダとサンライズアースが、向こう正面の坂を上りきった後の下り坂を利用して進出開始。
この影響もあって後半5Fから11.7 – 11.3 – 11.1 – 11.2 – 11.5(56.8)のスピードの持続力勝負に。
前目で上手く流れに乗っていたダノンデサイル→ジャスティンミラノでの決着。後方からの馬にはかなり厳しい展開。
勝ちタイム2:24.3は過去10年では4番目に遅い決着となった。ただ前後半の差がかなり極端なレースで、タイムだけでレベルが低調とは言えない。
超スローペースだった17年とのラップ比較
17年日本ダービーとのラップ比較
17年ダービー(レイデオロ)前半63.2 後半59.1
13.0 – 11.2 – 12.9 – 12.8 – 13.3 – 12.5 – 12.1 – 12.6 – 12.7 – 11.5 – 10.9 – 11.4(2:26.3)
24年ダービー(ダノンデサイル)前半62.2 後半56.8
12.5 – 11.4 – 12.4 – 13.1 – 12.8 – 12.6 – 12.7 – 11.7 – 11.3 – 11.1 – 11.2 – 11.5(2:24.3)
前半のタイムだけ見るとどちらもかなりのスローペースだが、後半のペースの上がり方が全く違います。
17年はスローと見て後方のレイデオロとペルシアンナイトが一気に位置を押し上げたが、先頭を刺激することなくピッタリと止まって全体のペースに影響はない。そのため残り3Fの瞬発力勝負となっている。
今年はサインライズアースがほぼ先頭という位置まで上がりきったため、一気に先団のペースが上がって5Fのスピードの持続力勝負となった形。


上位入線馬の見解


1着 ダノンデサイル
スローを見越しての前目の位置取り(スタートと周りの動き次第ではハナも考えていたそう)。3枠5番を活かしてCコース替わりの内側を1つもロスなく回ってきた。
サンライズアースやコスモキュランダが上がってきた時も煽られない位置で、大本命のジャスティンミラノの動きをしっかりと把握できて追い出しのタイミングも完璧。
レースの流れを見ていて自分の本命馬があの位置にいて欲しかった!というような完璧なレース運びでした。
横典弘騎手の過去2回のダービー勝利も似たように内でロスなく進めてのもの。今回は印が届かなかったが「多分こういうレース運びを狙っていたんだなぁ」と思うとやらかした感が強いですね。
皐月賞を跛行で回避したことにより、判断材料が少なくなった事が9番人気というオッズにつながりました。
このペースでもしっかりと折り合いがついていたし、デビューからの継続騎乗も大いに活きました。



中間も苦しみながらの調整だったようで、まだまだ伸びしろはありそうです。
2着 ◎ジャスティミラノ
敗因としては伸びあがるようなスタートで少しで負けしたのがまず一つポイント。好位につけるまでに少し脚を使う形に。
後はやはり6枠15番の枠。上手く前の2番手3番手のポジションに収まれたし、サンライズアースやコスモキュランダが上がってきた時も慌てず追い出しもしっかり待てたが、ダノンデサイルのロスのない立ち回りとの差が出ました。
予想段階で「80点~90点の競馬はしやすい枠だが、内々でしっかり脚を溜めた馬などに100点の競馬をされた場合は先着を許す可能性はある。」と書いたがその通りになってしまいました。(これを書いていて何故ダノンデサイルは買っていないのか自分に腹が立ってきた…)
正直この枠からできる最高の騎乗はしていたと思います。



後方脚質の馬が今回軒並駄目だったように、やはり前目につける事ができるのは大きな武器。引き続きこの世代の中心として活躍できると思います。
3着 シンエンペラー
後方からになった馬の中ではよく追い上げている。(とはいえ丁度中団の8番手あたりだが)
直線は中々苦しい進路取りとなったが、それでも外に回さず馬群を割ってきた判断は良かった。5着のレガレイラの進路取りと比較してもこっちが正解だったという感じ。
またスローだったが3Fの上がり勝負にならず5Fのスピードの持続力勝負になったのもよかった。それでも本来はもう少しタフな展開でこその馬だと思うので、条件を選ばず走っている点は大いに評価できる。



秋は愛チャンピオンS(9月)→凱旋門賞(10月)の欧州遠征が予定されているそう。これは血統的にも大いに楽しみで全力で応援したい!
その他注目馬の見解


5着 ▲レガレイラ
スタートはいつもに比べるとかなり出ていてが、そこからがどうしても遅い。
1枠2番という枠のアドバンテージを活かして直線に入るまでは後方でじっと我慢。ただ今年はいかんせんペースが遅すぎた。途中から上がっていける位置取りでもなかったし、直線もかなり外に出して伸びてくる態勢までに時間がかかっている。
今回も上がり1位の33.2の脚を使っているが流石に今日は届かなかった。



能力は改めて再認識しましたが、今のままでいくとスムーズな競馬は出来ない前提で予想する必要があり、取りこぼしが多くなりそう。
立ち回りの進展が欲しい。
6着 ×コスモキュランダ
出遅れて後方からがやはり痛い。これはデムーロ騎手だとある程度覚悟しておかないといけないのがつらいところ。
自分の得意な形に持ち込もうと積極的に動いていったのは良かったが、流石に外々を回って捲っていく形で伸びあぐねた。今日みたいなレースだと内外の差は更に響いてくる。
とはいえもっと沈んでいきそうな中、6着と踏ん張っているように地力の高さは伺えたので、スタートと展開一つで上の着順が狙えた。



東京コースでもある程度対応できたので、今後も軽視できない1頭になってきそう。使い詰めだったのでここで一旦休養を取れる効果も大きそうです。
14着 〇ダノンエアズロック
今回結構重めの印を打ったがギリギリまで買うのを待っておきたかった。
返し馬の段階でテンションがかなり上がっており、まともな返し馬ができなかった。レースに行ってそこまで気の悪さを見せてなかったのでちょっと勉強不足だったなと。
鞍上のコメントでも結局スタートまで収まらずでレース前に消耗してしまった様子。
一応レースの中身にも触れておくと、ポジションが中団やや後方で、もう1段2段前につけたかった。直線は見せ場なく力つき大敗。



相手は一気に強化となったがここまで大敗するのは想定外。これが実力とは考えにくいが…
この馬に関しては今後はパドックや返し馬の確認は必須になりそうです。
レース総括
- メイショウタバルの取消で逃げ馬不在。前半は62.2の超スローペース
- コスモキュランダとサンライズアースが途中から一気にポジションを上げペースが激変
- 後半5F56.8のスピードの持続力勝負に
- 勝ったダノンデサイルは内枠を活かす完璧な立ち回り
- ジャスティンミラノも外目の枠から前目で上手くレースを運んだが勝ち馬よりはロスが多かった
- 前後半の差がかなり極端なレースで、タイムだけでレベルが低調とは言えない



最後まで読んでくださりありがとうございました。
来週は安田記念。
今年は香港の最強中距離王者ロマンチックウォリアーが参戦!大きな話題になりそうです。



