春のG1シリーズがいよいよ開幕。今週は春のスプリント王を決める高松宮記念が開催されます。
依然混沌としているスプリント路線ですが、確実に力をつけてきている馬も多数で秋のスプリンターズSより更に白熱した争いが見れそうです。
ここでは2024年の高松宮記念のレース予想をしていきます。
メイケイエールやロータスランド、ディヴィーナといった牝馬達は繁殖シーズンに向けてこのレースがラストラン。この馬達の走りもしっかり目に焼き付けておきたいですね。
高松宮記念の傾向
中京芝1200mは向こう正面半ばからのスタートで、コーナー2つ回るワンターンのコースです。
直線に向かうまで続く下り坂、直線入り口の上り坂とほとんどが坂で構成されており、タフさも要求され1400m以上でも活躍している馬の方が望ましい。
長い下り坂が続く事と3~4コーナーのスパイラルカーブでスピードが乗りやすくペースは速くなる傾向にあります。
先行・差しが有利
年 | 1着馬(通過順) | 2着馬(通過順) | 3着馬(通過順) |
2023 | ファストフォース(7-5) | ナムラクレア(10-9) | トゥラベスーラ(10-11) |
2022 | ナランフレグ(15-14) | ロータスランド(7-8) | キルロード(3-3) |
2021 | ダノンスマッシュ(10-9) | レシステンシア(6-7) | インディチャンプ(11-9) |
2020 | モズスーパーフレア(1-1) | グランアレグリア(13-12) | ダイアトニック(4-4) |
2019 | ミスターメロディ(4-4) | セイウンコウセイ(13-4) | ショウナンアンセム(13-11) |
2018 | ファインニードル(6-6) | レッツ―ゴードンキ(8-6) | ナックビーナス(6-6) |
2017 | セイウンコウセイ(4-4) | レッツ―ゴードンキ(13-12) | レッドファルクス(8-6) |
2016 | ビッグアーサー(4-4) | ミッキーアイル(3-3) | アルビアーノ(8-10) |
2015 | エアロヴェロシティ(2-3) | ハクサンムーン(2-2) | ミッキーアイル(4-4) |
2014 | コパノリチャード(2-2) | スノードラゴン(13-13) | ストレイトガール(7-8) |
逃げ・先行が強い中京芝1200mですがG1ともなると途端に逃げは苦しくなります。
過去10年で逃げが連対したのは2020年の勝ち馬モズスーパーフレアのみ。勝ち馬のほとんどが好位追走からの先行抜け出しであることがわかります。
3着馬にまで目を向けても先行・差しが中心になります。
後方ポジションから馬券内に来た馬にはいくつか共通点があります。多くは内をピッタリ回ってのイン強襲になります。
- イン強襲…2022年1着ナランフレグ・2019年3着ショウナンアンセム・2017年2着レッツゴードンキ
- 超G1級…2020年2着グランアレグリア
- 道悪Hペース…2014年2着スノードラゴン
G1クラスでも前目につけれるスピードを持った馬や1600mのG1でも連対するような実力馬がいたら素直に買いたい。反対に後方一気のレースが目立つ人気馬や外枠に入った馬は疑ってかかる必要があります。
道悪になりやすい
高松宮記念は道悪になることが異常に多いため道悪適正が問われることも多いレースです。当日の馬場状態をチェックしておきましょう。
また良・稍重くらいなら内枠有利の傾向がかなり強いレースなので天気と枠順には十分に注意を払いたいレース。
過去10年馬場状態
有力馬ピックアップ
◎ビクターザウィナー
スプリント路線といえば世界的な強さを誇る香港。
過去高松宮記念に参戦した香港馬は意外にも少なく2頭。18年ブリザードの5着と15年エアロヴェロシティの1着といずれも十分な成果を残している。
この馬自身の強さに目を向けるとやはり特筆すべきはスタートセンス。スプリンターは基本的に皆スタートは速いがその中でも1頭抜けているとわかるほど。葵Sでロケットスタートを決めたモズメイメイがルガルやビッグシーザー相手に逃げ切ったようにスプリントでのスタートはかなり重要。
前走センテナリースプリントカップ(G1)の勝因はまさにこのロケットスタートで、ここで先手を取りきりスロー逃げで押し切った。
香港スプリントでも絶好のスタートではあったが、何が何でものジャスパークローネに後からハナを奪われたのもあって4着。
今回テイエムスパーダとモズメイメイより外になったので先手をとれるかが1つ鍵になる。ただ陣営も単なる逃げ馬ではないと言うように、今月5日のバリアトライアル(実戦形式の追い切り)では2番手で控える競馬をして成功している。
前述の過去の高松宮記念の結果から見ても逃げの結果は芳しくないので、2~3番手で収まれるのならそれに越したことはない。
現在の混沌としたスプリント路線を考えれば買わなければいけない1頭になるかと思います。
〇マッドクール
マッドクールは熱中症で大敗したCBC賞と初の海外遠征となった香港スプリントを除けば【5-1-3-0】。抜群の「先行力」が安定感を生んでいる。
特徴としては中京を中心に使われてきたこともあって高速馬場でこそ少し不安があるがパワーがある。幸い今年は雨予報でタフな展開も十分予想されベストに近い条件でやれそう。
雨の具合にもよるが基本内枠は有利なコース設定なので1枠2番も好印象。好位追走しながら脚が貯めれるくらいのペースなら尚良し。
ただ条件ベストで〇としたが、スプリンターズSではほぼ完璧な乗り方だっただけに、他の印をつけた馬とそこまで差があるかは疑問で買い方には十分注意したい。
▲ナムラクレア
2歳の頃から短距離で活躍し続けてきた馬で1400m以下の通算成績は【5-4-2-1】。勝率41.6%、連対率75.0%、複勝率は91.6%とほぼ馬券内にきているのだから頭が下がる。
唯一馬券外となった22年スプリンターズSは内を通った馬達が上位を占める中、外々を回ってのもの。去年のスプリンターズS3着も上位2頭が120点の競馬とするなら、この馬は85点の及第点といった競馬で今のスプリント界で実力上位は間違いない。
逆に言えばそれを覆してまで勝ち切るほどではなく、先行勢が多少苦しくなるといった展開の助けは欲しい。
スピードが身上な馬とはいえ道悪も去年の高松宮記念2着もあって【2-1-0-0】。他の馬の力が削がれるなら悪くない条件。タフなコース設定だけあって1400mをこなせるナムラクレアにとってはプラスに働く可能性は高い。
△ルガル
4歳ということもあり最も成長を感じさせるのはこの馬。特に課題だったゲートは熱心に練習を積み、シルクロードSは見事ロケットスタート。スタートで勝ったと思わせる内容だった。
ちなみにこのシルクロードS、京都コースは年明けから時計のかかるタフな馬場で、雨の影響もあって内はかなり避けられる馬場状態だった。荒れた馬場を考慮すると勝ちタイムの1:07.7は優秀。
そういう意味でも道悪になりそうな今回は追い風が吹いていると言える。
去年の秋時点ではトウシンマカオに完敗しているのでそのあたりの力関係をどう見るかだが、今のような馬場だとスピードタイプのトウシンマカオには十分逆転可能。
ただ有馬記念のジャスティンパレスのように、「力が抜けている訳ではないが一番無難」なため人気が集中している印象。そのためどうしても妙味は少な目。
そこまで差はないと思いながらも△としたのはそのあたりも考慮してのもの。
高松宮記念レース予想
今回は力関係がかなり拮抗しているとみて印のBOXで行きたいと思います。
その他の有力馬も怖いですが道悪適正も踏まえてこの4頭に。
ビクターザウィナーとマッドクールはオッズが10倍付近でとどまってくれるなら単勝も視野に。
◎ビクターザウィナー
〇マッドクール
▲ナムラクレア
△ルガル
単勝:◎
単勝:〇
馬連BOX:◎〇▲△
想定ペース:ミドルペース
最後まで読んでくださりありがとうございました!