今年のジャパンカップは世界最強馬イクイノックスVS3冠牝馬リバティアイランドの世紀の1戦となりました。その他にもタイトルホルダーやドウデュースといった実力馬も参戦しかなりハイレベルな1戦となりそうです。
ここでは2023年ジャパンカップのレース予想をしていきます。
ジャパンカップ過去10年のデータと傾向
以下はジャパンカップの過去10年の1~3着馬の枠順・性齢・前走の着順です。
年 | 着順 | 馬番 | 馬名 | 性齢 | 前走 | 前着順 |
---|---|---|---|---|---|---|
1着 | 6 | ヴェラアズール | 牡5 | 京都大賞典 | 1着 | |
2着 | 15 | ダノンザキッド | 牡4 | 天皇賞秋 | 5着 | |
3着 | 3 | ヴェルトライゼンテ | 牡5 | オールカマー | 7着 | |
1着 | 2 | コントレイル | 牡4 | 天皇賞秋 | 2着 | |
2着 | 7 | オーソリティ | 牡4 | アルゼンチン | 1着 | |
3着 | 4 | シャフリヤール | 牡3 | 神戸新聞杯 | 4着 | |
1着 | 2 | アーモンドアイ | 牝5 | 天皇賞秋 | 1着 | |
2着 | 6 | コントレイル | 牡3 | 菊花賞 | 1着 | |
3着 | 5 | デアリングタクト | 牝3 | 秋華賞 | 1着 | |
19年 | 1着 | 5 | スワーヴリチャード | 牡5 | 天皇賞秋 | 7着 |
2着 | 1 | カレンブーケドール | 牝3 | 秋華賞 | 2着 | |
3着 | 2 | ワグネリアン | 牡4 | 天皇賞秋 | 5着 | |
18年 | 1着 | 1 | アーモンドアイ | 牡3 | 秋華賞 | 1着 |
2着 | 8 | キセキ | 牡4 | 天皇賞秋 | 3着 | |
3着 | 11 | スワーヴリチャード | 牡4 | 天皇賞秋 | 10着 | |
17年 | 1着 | 1 | シュヴァルグラン | 牡5 | 京都大賞典 | 3着 |
2着 | 2 | レイデオロ | 牡3 | 神戸新聞杯 | 1着 | |
3着 | 4 | キタサンブラック | 牡5 | 天皇賞秋 | 1着 | |
16年 | 1着 | 1 | キタサンブラック | 牡4 | 京都大賞典 | 1着 |
2着 | 12 | サウンズオブアース | 牡5 | 京都大賞典 | 4着 | |
3着 | 17 | シュヴァルグラン | 牡4 | アルゼンチン | 1着 | |
15年 | 1着 | 15 | ショウナンパンドラ | 牝4 | 天皇賞秋 | 4着 |
2着 | 6 | ラストインパクト | 牡5 | 天皇賞秋 | 12着 | |
3着 | 1 | ラブリーデイ | 牡5 | 天皇賞秋 | 1着 | |
14年 | 1着 | 4 | エピファネイア | 牡4 | 天皇賞秋 | 6着 |
2着 | 1 | ジャスタウェイ | 牡5 | 凱旋門賞 | 8着 | |
3着 | 15 | スピルバーグ | 牡5 | 天皇賞秋 | 1着 | |
13年 | 1着 | 7 | ジェンティルドンナ | 牝4 | 天皇賞秋 | 2着 |
2着 | 9 | デニムアンドルビー | 牝3 | エリザベス女王杯 | 5着 | |
3着 | 5 | トーセンジョーダン | 牡7 | 天皇賞秋 | 11着 |
枠順は内枠が圧倒的!外枠は厳しい戦いを強いられる
- 1枠【4-3-1-9】
- 2枠【2-0-4-13】
- 3枠【2-1-2-15】
- 4枠【1-2-0-17】
- 5枠【0-2-0-18】
- 6枠【0-1-0-19】
- 7枠【1-1-2-20】
- 8枠【0-0-1-25】
枠順はわかりやすく内枠が有利なレース。ジャパンカップでは日本ダービーと同じく、ゲートで内2頭分空けることもあって余計に内枠のデメリットがなくなっている。
東京芝2400m自体は案外「8枠」も悪くないのですが、ことジャパンカップとなると普通に厳しくなります。今回最も勝率の高い「1枠」に入ったのは以下の2頭。
- 1枠1番 リバティアイランド
- 1枠2番 イクイノックス
ちょっと出来すぎな感じもしてしまいますが断然人気の2頭が絶好枠に。人気から買いたい人はオッズ的に、穴党の人にはデータ的に厳しいレースになるかも・・・
年齢別では4歳・5歳の古馬勢が、性別では牝馬が優勢
今年は3歳勢からはリバティアイランド、4歳ではイクイノックス、5歳はタイトルホルダーなど各世代に強い馬が揃っています。年齢別で傾向を見てみましょう。
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着以内 | |
3歳 | 1-4-2-16 | 4.35% | 21.74% | 30.43% |
4歳 | 5-3-3-36 | 10.64% | 17.02% | 23.40% |
5歳 | 4-3-4-35 | 8.70% | 15.22% | 23.91% |
6歳以上 | 0-0-1-49 | 0.00% | 0.00% | 2.00% |
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着以内 | |
牡馬・セン馬 | 6-8-9-118 | 4.26% | 9.93% | 16.31% |
牝馬 | 4-2-1-18 | 16.00% | 24.00% | 28.00% |
勝率では過去10年で4歳5勝>5歳4勝>3歳1勝と4歳5歳勢が優勢。一方連対率や3着以内では少数精鋭の3歳勢がやや優勢という形になっている。6歳以上は7歳馬のトーセンジョーダン3着があるのみでほぼノーチャンス。
性別では牝馬が勝率、連対率、3着以内率で牡馬・セン馬を圧倒。斤量利があることが最大の要因と考えられますが、少数精鋭でアーモンドアイやジェントルドンナといった名牝がいる事も頭には入れておきたい。
ちなみに今年出走する牝馬は以下の3頭になります。
- リバティアイランド 牝3
- スターズオンアース 牝4
- クリノメガミエース 牝4
前走に注目すると勝利ローテはたったの3パターン
- 天皇賞秋【6-3-6-36】
- 京都大賞典【3-1-0-17】
- 秋華賞【1-1-1-3】
過去10年で前走天皇賞秋組が6勝と圧倒的、他には京都大賞典組が3勝と秋華賞組が1勝でこの3レースからのみ勝ち馬が誕生しているという状況です。
今回出走しているメンバーでこの3レースに出走していた馬は以下の7頭。
- リバティアイランド【秋華賞】
- イクイノックス【天皇賞秋】
- ドウデュース【天皇賞秋】
- ヴェラアズール【京都大賞典】
- ダノンベルーガ【天皇賞秋】
- ディープボンド【京都大賞典】
- インプレス【京都大賞典】
2着まで広げると、凱旋門賞やエリザベス女王杯、神戸新聞杯など少し変わった前走からの連対も見受けられます。
3歳の歴代優勝馬から見るイクイノックスVSリバティアイランドの行方
今回最大の焦点は「イクイノックスVSリバティアイランドどちらが優勢なのか?」なので有力馬の評価に入る前に先にこちらについて考えていきたいです。
そもそも有馬記念とは違いジャパンカップは3歳の優勝が非常に少ないレースになります。最大目標のクラシックからの間隔が短く、出走頭数自体も少なめというのが大きな理由です。特に昔はレース間隔の問題が大きかったと言えます。
その中でも日本の3歳馬の勝利は5例あります。どういう状況だったのかを確認して、3歳馬が古馬に勝てるパターンを探りたいと思います。
18年
1着:牝3アーモンドアイ
2着:牡4キセキ
3着:牡4スワーヴリチャード
2着キセキは毎日王冠、天皇賞秋共に3着。2番人気スワーヴリチャードは前走天皇賞出遅れ大敗。
天皇賞秋勝ち馬レイデオロは不在でその他の古馬の勢いもイマイチだった。
12年
1着:牝3ジェンティルドンナ
2着:牡4オルフェーヴル
3着:牡5ルーラーシップ
ジェンティルドンナは牝馬3冠達成からのレースで相手も最強クラスのオルフェーヴル。今回と最も状況が似ている。
ただし2着オルフェーヴルは凱旋門帰りでどちらかというと苦手なスローの瞬発力勝負。17番枠もやや響いた。また競走生活を終えての結果論になるが、東京の高速馬場の適正はジェンティルドンナ > オルフェーヴルでした。
10年
1着:牡3ローズキングダム
2着(降着):牝4ブエナビスタ
3着:牡3ヴィクトワールピサ
ブエナビスタはこの時文句なく古馬大将格。ただし2馬身差の1着入線も斜行で降着している。枠も8枠16番と厳しめ。このレースは3歳馬が実力で古馬大将格を破ったとは言いにくい内容。
01年
1着:牡3ジャングルポケット
2着:牡5テイエムオペラオー
3着:牡5ナリタトップロード
この時4歳世代はレベルが低調でほとんど出走していない。
テイエムオペラオーは歴史的名馬だが、5歳で少しずつ陰りが見えてきた時期。それでも今回の中では一番3歳馬が古馬大将格を撃破したと言えるレース。
98年
1着:牡3エルコンドルパサー
2着:牝5エアグルーヴ
3着:牡3スペシャルウィーク
古馬代表格は安定した成績のエアグルーヴ。ただし年齢は既に5歳で2着3着も多かった馬。
充実の4歳世代はシルクジャスティスやステイゴールドなどでシルクジャスティスはスランプの真っただ中。
これらをまとめると3歳が古馬を撃破したパターンにはいくつか考えられます。
3歳が古馬を撃破したパターン
- 古馬大将格が5歳だったパターン
- 古馬大将格がそもそも不在だったパターン
- 東京の適正勝負で優っていたパターン
- 海外遠征帰り・苦手の瞬発力勝負・大外枠などの複合要素
結論:充実期の4歳に古馬大将格がいるのはリバティアイランド的に厳しい条件
今年に当てはめて考えてみるとイクイノックスは4歳の最も充実した時期での出走で、押しも押されぬ古馬大将格。
そのためリバティアイランドにはやはり少し厳しい条件であると言えます。
チャンスがあるとすれば、海外遠征帰り=疲労度と考えて、イクイノックスの初の中3週が響いた場合。またレース展開が前のみ早くて、3番手以下は瞬発力勝負となる場合などが考えられます。
単純にリバティアイランドの方が強いという可能性も十分考えられるのであくまで参考程度で。
有力馬ピックアップ
◎イクイノックス・・・展開不問の世界最強馬
この馬の傑出した能力については過去G1でも長々と語ってきたので、今回は前走のみ振り返りたい。
天皇賞秋は改めて見直しても傑出したパフォーマンス。前半57.7の流れを前目で進めての圧勝。過去の超G1級の名馬でも速い流れに巻き込まれて沈む事は珍しくない。
それを無理なくあの位置につけて抜け出す時は余裕満々、最後は流す余裕まであるのだから実力が抜けていたと証拠。2、3着は後方組の2頭でまともに勝負しに行った馬は全て返り討ちに合う形に。
この結果を受けて今回この馬をマークしようとする馬は更に減りそうなのは大きいと思っています。
前に行かない他有力馬はイクイノックスの更に後方で漁夫の利を狙う形になりそう。唯一抵抗してきそうなのは枠が近いリバティアイランドのみ。
真ん中やや前あたりをスムーズに追走できそうだし、レース自体は前走よりやりやすくなる可能性が高いとみる。
〇リバティアイランド・・・プレッシャーのかからない挑戦者の立場
3冠のかかった秋華賞はポジションを取って早めに前を捕まえにいく王者の競馬。2着のマスクトディーヴァも豪脚で追い込んできたが、最後は流し気味のゴールで着差以上に強い競馬。
牝馬限定戦で力が抜けた馬につきまとう「相手が弱いのではないか問題」もあったが、その後エリザベス女王杯で3歳牝馬が快勝したことで、ある程度払拭できた。
ぶっつけの秋華賞から状態は更に上昇が見込めるし、紛れのない東京2400mに変わった事はもちろん54キロという斤量出れることも大きい。ジャパンカップでは斤量利を活かして瞬発力で結果を残してきた牝馬も多い。
同舞台のオークスで加速ラップで圧勝したパフォーマンスを見ても古馬一線旧相手に即通用しても全くおかしくない。
個人的に最もプラスだと思っているのは、今まで断然人気を背負う立場から挑戦者の立場に変わった点。前走のように不利だけは受けないような立ち回りも必要なく、枠も近いイクイノックスだけに集中できる。
相手を完全マークしてもいいし、速い流れが予想される中で限界まで脚を溜めてもいい。とにかく自分のやりたい競馬に集中できるし、枠順も極端に後ろから行かない限りは断然有利な枠。
重箱の隅を突く感じになるが、瞬発力勝負ではなくタフな展開になりそうな点だけは少し心配。馬体などからも若干適正より長めの雰囲気もあるし、勝ちに行く競馬をした場合は後方の馬達よりはリスクを背負う事になる。
いずれにせよ全力のリバティアイランドが見れるのは馬券抜きに純粋に楽しみです。
▲スターズオンアース・・・ようやく訪れた絶好の舞台
【3-4-3-0】と3着以下を外したことのない安定感が魅力のスターズオンアース。この馬にとっては東京2400mはオークス以来ようやく訪れた絶好の舞台。直近3戦は条件的にも微妙で少しかわいそうだった。
- 秋華賞・・・阪神内回りで出遅れ後方から追い上げるも3着
- 大阪杯・・・イン前有利の阪神内回りで1頭後方から追い上げるも2着
- ヴィクトリアマイル・・・適正からずれるマイル戦でキレ負けの3着
オークスで見せた息の長い末脚は明らかに東京向きで、タイトルホルダーやディープボンドらが早めに動き出すような競馬なら更にチャンスは出てくる。
イクイノックス、リバティアイランドはいかにも強いが、天皇賞秋も出走していれば脚質的に上位争いに参加していた可能性は極めて高い。
一捻挫あって久しぶりの出走だけが課題だが、天皇賞秋の結果次第では更に人気になっていたかもしれないと前向きに考えたい。
△ドウデュース…前走勝ち馬との差は感じたが一叩きで上昇
前走は武豊騎手の負傷で戸崎騎手に急遽乗り替わり。もともと行きたがる面は見せていたが久しぶりということもあってそれが露骨に出てしまった。
それでも1.4秒差の7着は期待していたファンにとっては大きな敗戦。
今回は久しぶりを一叩きして上昇が見込めるし、相手をイクイノックスと決めてレースを進めるのではなく、日本ダービーのようにしっかり脚を溜め切るプランを選択するのではないかと思っている。
前走を見る限りイクイノックスを負かすところまでは想像しにくいが、京都記念くらいのパフォーマンスを発揮できるなら当然馬券圏内に再浮上する可能性は大いに考えられる。
穴ヴェラアズール・・・去年より相手は強いが末脚強力
去年の京都大賞典が33.2秒、JCが33.7秒と終いの切れ味が強み。スターズオンアース同様強みである特徴が活かせない舞台が続いてきた。
前走は京都外回りと比較的向いた条件だったが、重馬場でキレ勝負とは真逆のスタミナ寄りのレースに。59キロと外々を回す展開も響いて6着。
今回は東京2400mはこの馬の瞬発力を活かせる絶好の舞台。今年のメンバーは去年より明らかに強いので連覇などと大きいことは言えないが、去年負かしたダノンベルーガが6番人気でこの馬が10番人気ということを考えると妙味はたっぷり。
おそらく後方からの末脚勝負に徹するはずで、イクイノックスが前をまとめて掃除した後に突っ込んでくる展開は十分考えられる。この人気なら紐では抑えておきたい1頭。
ジャパンカップ暫定レース予想(土曜夜時点)
タイトルホルダーは実力は認めつつも東京適正で割引。ダノンベルーガは4着が多い詰めの甘さもあって今回は評価を下げました。
どちらも人気から買わなければ押さえたい所ですが…
最終的な買い目は日曜昼までのこの記事に追記予定です。
◎イクイノックス
〇リバティアイランド
▲スターズオンアース
△ドウデュース
穴ヴェラアズール
ジャパンカップ最終レース予想(日曜昼14:43分更新)
最終予想かなり遅くなりましたが以下で行きたいと思います。
◎〇▲絡みは厚めに
正直見て楽しむかなというレースの筆頭ではありますが、馬券も当ててすっきり終わりたいですね。
馬券抜きでここまでハラハラするレースも珍しいですね。
◎イクイノックス
〇リバティアイランド
▲スターズオンアース
△ドウデュース
穴ヴェラアズール
3連複 ◎〇ー▲△穴
3連単 ◎〇→◎〇→▲△穴
想定ペース・・・ミドル