夏の暑さもまだ残る中、秋のG1シリーズ第1弾「スプリンターズS」が始まります。
去年の上位3頭ママコチャ、マッドクール、ナムラクレアは元より、新たなスプリント王者候補のサトノレーヴや香港馬のビクターザウィナーやムゲンなども参戦し、昨年より1段グレードアップしたメンバーが揃いました。
ここでは2024年のスプリンターズSレース予想をしていきます。
2023年はソダシの妹ママコチャがマッドクールの猛追を振り切りハナ差勝利。1200mに路線変更して2戦目での快挙となりました。
2024年スプリンターズSのコース形態
中山芝1200mのポイント
- 道中はほぼ下り坂でペースは速くなりがち
- 9月の中山開催は野芝主体でスピード馬場になりやすい
- 内枠優勢の舞台
より詳しい中山芝1200の特徴は以下の記事で解説しているのでよければ参考にしてみて下さい。
スプリンターズSの過去10年のデータと傾向
以下はスプリンターズSの過去10年の1~3着馬の馬の性別・年齢とコーナーの通過順位です。(2014年は新潟での開催となるので除く)
年 | 着順 | 枠 | 馬名 | 馬齢 | 通過順位 |
---|---|---|---|---|---|
23年 | 1着 | 6 | ママコチャ | 牝4 | 3-2 |
2着 | 10 | マッドクール | 牡4 | 5-4 | |
3着 | 1 | ナムラクレア | 牝4 | 7-7 | |
22年 | 1着 | 2 | ジャンダルム | 牡7 | 3-2 |
2着 | 7 | ウインマーベル | 牡3 | 8-9 | |
3着 | 6 | ナランフレグ | 牡6 | 13-12 | |
21年 | 1着 | 4 | ピクシーナイト | 牡3 | 3-2 |
2着 | 12 | レシステンシア | 牝4 | 4-4 | |
3着 | 1 | シヴァージ | 牡6 | 5-5 | |
20年 | 1着 | 10 | グランアレグリア | 牝4 | 15-15 |
2着 | 3 | ダノンスマッシュ | 牡5 | 4-4 | |
3着 | 16 | アウィルアウェイ | 牝4 | 16-16 | |
19年 | 1着 | 8 | タワーオブロンドン | 牡4 | 11-8 |
2着 | 7 | モズスーパーフレア | 牝4 | 1-1 | |
3着 | 2 | ダノンスマッシュ | 牡4 | 7-8 | |
18年 | 1着 | 8 | ファインニードル | 牡5 | 6-8 |
2着 | 9 | ラブカンプー | 牝3 | 2-2 | |
3着 | 1 | ラインスピリット | 牡7 | 3-4 | |
17年 | 1着 | 8 | レッドファルクス | 牡6 | 11-10 |
2着 | 2 | レッツゴードンキ | 牡5 | 9-7 | |
3着 | 6 | ワンスインナムーン | 牝4 | 1-1 | |
16年 | 1着 | 13 | レッドファルクス | 牡5 | 9-7 |
2着 | 15 | ミッキーアイル | 牡5 | 1-1 | |
3着 | 4 | ソルヴェイグ | 牝3 | 2-4 | |
15年 | 1着 | 2 | ストレイトガール | 牝6 | 8-9 |
2着 | 4 | サクラゴスペル | 牡7 | 5-6 | |
3着 | 6 | ウキヨノカゼ | 牝5 | 13-12 | |
新潟 | 14年1着 | 18 | スノードラゴン | 牡6 | 11-10 |
2着 | 9 | ストレイトガール | 牝5 | 9-10 | |
3着 | 13 | レッドオーヴァル | 牝4 | 5-5 | |
13年 | 1着 | 10 | ロードカナロア | 牡5 | 7-5 |
2着 | 7 | ハクサンムーン | 牡4 | 1-1 | |
3着 | 5 | マヤノリュウジン | 牡6 | 5-5 |
勝率は「差し」がトップも「逃げ」の連対率、複勝率の高さにも注目
2014年は新潟での開催になっているのでこちらを除いた過去10年の通過順から脚質を調べてみると以下のようになります。
脚質 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
逃げ | 【0-3-1-6】 | 0% | 30.00% | 40.00% |
先行 | 【3-4-2-27】 | 8.33% | 19.44% | 25.00% |
差し | 【6-2-4-48】 | 10.00% | 13.33% | 20.00% |
追い込み | 【1-0-3-48】 | 1.92% | 1.92% | 7.69% |
勝率は「差し」が先行をわずかに上回りトップです。速いペースで流れやすく、最後の急坂で前を捉えて勝つといったパターンがよく見られます。
一方で「逃げ」の馬券内の粘りこみも無視できません。連対率は30%、複勝率は40%とかなり高くなっています。
逃げ切った馬は「過去10年では」いませんが、更にさかのぼれば04年のカルストライトオ、06年のテイクオーバーターゲット、07年アストンマーチャン、08年ローレルゲレイロなどの勝ち馬もいます。
「追い込み」はかなり厳しくなります。これは出遅れて後方の馬や、スピード勝負についていけない馬もいるので致し方ない数字かも知れません。過去10年で追い込みで勝利したのは20年のグランアレグリアのみです。
スプリンターズSではまず誰が逃げるのかを予想するのが鍵になってきます。
年齢は4歳が1歩有利も6歳~7歳の高齢馬の健闘も目立つ
次は年齢で見てみましょう。こちらは新潟開催の2014年を除いた過去10年の年齢別の成績です。
年齢 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
3歳 | 【1-2-1-16】 | 5.00% | 15.00% | 20.00% |
4歳 | 【3-4-5-21】 | 8.82% | 20.59% | 35.29% |
5歳 | 【3-3-1-38】 | 6.67% | 13.33% | 15.56% |
6歳 | 【2-0-3-27】 | 6.25% | 6.25% | 15.63% |
7歳 | 【1-1-1-18】 | 4.76% | 9.52% | 14.29% |
8歳以上 | 【0-0-0-8】 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
4歳馬が勝率、連対率、複勝率全てでトップで1番信頼できる年齢と言えるでしょう。
ただ6歳~7歳も他のG1レースと比べると健闘できているのもスプリンターズSのポイントです。
一方で3歳馬は馬券圏内にはよく来ていますが、勝ち切ったのは21年ピクシーナイト1頭のみにとどまっています。
性別 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
牡馬・セン馬 | 【7-6-5-85】 | 2.91% | 12.62% | 17.48% |
牝馬 | 【3-4-5-44】 | 5.36% | 12.50% | 21.43% |
スプリンターズSでは過去10年で7勝と牡馬の活躍が目立ちますが、好走率で見ると牝馬が優勢です。
枠順は「4枠」を始め内寄りに良績が多く、外枠の「6枠~8枠」は苦戦傾向
枠 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
1枠 | 2-1-4-13 | 10.00% | 15.00% | 35.00% |
2枠 | 1-2-1-16 | 5.00% | 15.00% | 20.00% |
3枠 | 1-0-4-15 | 5.00% | 5.00% | 25.00% |
4枠 | 3-3-0-14 | 15.00% | 30.00% | 30.00% |
5枠 | 2-2-0-15 | 10.53% | 21.05% | 21.05% |
6枠 | 0-1-0-19 | 0.00% | 5.00% | 5.00% |
7枠 | 1-0-0-18 | 5.26% | 5.26% | 5.26% |
8枠 | 0-1-1-18 | 0.00% | 5.00% | 10.00% |
過去10年で最も好走率が高いのは4枠で【3-3-0-14】。良績が目立つのは「1枠~5枠」の内寄りの枠で、「6枠~8枠」の外寄りの枠は1勝のみと苦戦傾向。
スプリンターズS傾向まとめ
有力馬ピックアップ
◎サトノレーヴ
サトノレーヴの通算成績は【7-1-0-1】とほぼパーフェクト。唯一4着に敗れた阪急杯は初重賞挑戦にして10カ月ぶりのレースでのもの。
その後は非常に安定感のあるレースで3連勝。陣営は早くから秋のスプリンターズSを目標に設定。逆算してレースを選択して、一歩一歩確実に課題をクリアしてきた。
特にスプリンターとして必要なスタートセンスとテンの速さが魅力で、これがこの馬の安定感に繋がっている。
鞍上のレーン騎手はこのレースのために短期免許を取得し1鞍入魂。タスティエーラでダービーを制覇した堀厩舎×レーン騎手の黄金タッグで大一番に挑む。
初G1となり相手関係の強化が気になるところだが、以下のように2勝クラスを勝った時のタイムは翌日行われたスプリンターズSよりも0.1速かった。
2022年10月1日(土曜):中山 勝浦特別 サトノレーヴ 1:07.7
2022年10月2日(日曜):中山 スプリンターズS ジャンダルム 1:07.8
もちろんレース自体は別なのであまり鵜呑みにはできないが、去年のスプリンターズSは重賞未勝利だったママコチャとマッドクールでのワンツー。今の絶対的な存在がいない混沌としたスプリント路線だけに即通用も十分あり得る。
唯一の不安点としては、6枠12番と枠がやや外寄りなこと。ダッシュ力のある馬なので大きなマイナスにはならないと思うが、実力伯仲なだけに内で上手く乗った馬に掬われる可能性はある。
〇ナムラクレア
高松宮記念は雨の中今一つペースが上がりきらなかったこともあって、猛然と追い込むもアタマ差交わし切れず2着。これでスプリントG1は【0-2-1-1】と後一つピースが嵌らない。
前走キーンランドCは休み明けと勝負所で内ラチと馬に挟まって不利を受けての5着で少し運にも見放され気味。
スプリント戦だとどうしても前目追走の馬に上手く立ち回られてしまうと苦しく,ペースの助けが欲しくなる。
幸い今回は、テンの速い馬も揃っておりある程度早い流れが予測される。(高松宮記念のように隊列が決まるのが早くて落ち着く可能性もあるが…)
何よりずっとスプリント界の一線級で活躍してきた実力馬。やや人気落ちたここは妙味も十分。
▲ママコチャ
ママコチャは枠順が去年と同じ3枠6番。その去年の立ち回りが完璧で、1番人気のナムラクレアに楽な競馬をさせずに、早めにジャスパークローネを捉えに行くような構え。
マッドクールの猛追もしのぎ切っての勝利で、人馬ともにお見事というパフォーマンス。
それ以降は調子がイマイチ上がりきらなかったり、雨中で大外枠の高松宮記念など条件的にも厳しいレースが多かった。
前走セントウルSでは牝馬ながらに57キロを背負っての2着と上向きで、ここに向けて久しぶりにベストの条件で走れそう。
☆ビクターザウィナー
混戦模様となれば、短距離王国の香港の馬も軽視できない。
この馬最大の強みはスタートセンス。スプリンターは基本的に皆スタートは速いがその中でも1頭抜けているとわかるほど。
高松宮記念では重い印をつけて3着と好走してくれたが、4コーナーから直線にかけてのコース取りでやや勿体ない部分があった。
高松宮記念後はやや安定性に欠ける成績で、今回は若干印を落としたが実力そのものは上位だと思っている。
今回は7枠14番と中山1200mではやや苦しい枠順に入ったが、スタートを決めてあっと言わせる場面がきても驚かない。
その他の注目馬
△マッドクールは最内でパワーのいる重馬場だった高松宮記念が絶好の条件だっただけに2番人気になってしまったここは、やや旨味が無くなってしまった。能力自体は去年のスプリンターズSを見ても明らかでオッズが許す限りは買いたい。
×ウイングレイテストは函館SSでは59キロでサトノレーヴの2着にも入った実力馬。8枠16番ははっきり言ってきつすぎるがそれでも14番人気なら少額でも押えておきたい。毎回妙味十分のありがたい馬。
×ウインマーベルは2枠3番と好枠に入った。1400mを中心に重賞4勝でスプリンターズSでも2着と実績は十分。このあたりも押さえておけば的中率は上がりそう。
スプリンターズS最終レース予想(日曜2時更新)
◎〇は安定感がある分印を重めにしましたが結構な混戦レースという様相ですね。
ペースがかなり早くなれば後方脚質の馬の台頭も十分考えれそうですが、そこまで買う余裕がないので今回は切りでいこうと思います。
◎サトノレーヴ
〇ナムラクレア
▲ママコチャ
☆ビクターザウィナー
△マッドクール
×ウイングレイテスト
×ウインマーベル
馬連:◎ー〇▲☆△××
馬連:〇ー▲
想定ペース:ややハイ
最後まで読んでくださりありがとうございました!