今週は牝馬3冠レースの最終戦「秋華賞」。
桜花賞馬ステレンボッシュとオークス馬チェルヴィニアがお互い無事に駒を進め最後の一冠を争う形に。他にもローズS、紫苑S、クイーンSなどからも勝ち馬がしっかり出走してきて今年も豪華なメンバーとなりました。
ここでは2024年の秋華賞レース予想をしていきます。
2023年はリバティアイランドが歴代3冠牝馬最高の単勝支持率67・3%に応えて史上7頭目の3冠牝馬に輝きました。
2024年秋華賞のコース形態
京都芝2000mのポイント
- 4つのコーナーを回る内回りのタイトなコース
- スタートから1コーナーまでが短くポジション争いは熾烈
- コーナリング性能が重視される舞台
- 直線は平坦で時計の速いスピード馬場になりやすい
より詳しい京都芝2000の特徴は以下の記事で解説しているのでよければ参考にしてみて下さい。
秋華賞の過去10年のデータと傾向
ここでは秋華賞過去10年のデータから傾向を探っていきます。阪神開催だった21年、22年を除いた12年~20年、23年の10年間を参考にしています。
年 | 着順 | 枠 | 馬名 | 通過順 | タイム |
---|---|---|---|---|---|
稍重 | 23年1着 | 6 | リバティアイランド | 6-7-7-3 | 2:01.1 前半:61.9 後半:59.2 S |
2着 | 7 | マスクトディーヴァ | 12-13-10-12 | ||
3着 | 2 | ハーパー | 3-5-4-5 | ||
良 阪神 | 22年1着 | 7 | スタニングローズ | 3-5-5-4 | 1:58.6 前半:59.7 後半:58.9 S |
2着 | 8 | ナミュール | 9-9-10-9 | ||
3着 | 9 | スターズオンアース | 14-13-14-14 | ||
良 阪神 | 21年1着 | 12 | アカイトリノムスメ | 6-5-5-4 | 2:01.2 前半:61.2 後半:61.0 M |
2着 | 14 | ファインルージュ | 11-11-10-10 | ||
3着 | 9 | アンドヴァラナウト | 4-5-5-6 | ||
稍重 | 20年1着 | 13 | デアリングタクト | 13-13-8-5 | 2:00.6 前半:59.4 後半:61.2 H |
2着 | 12 | マジックキャッスル | 11-11-11-13 | ||
3着 | 8 | ソフトフルート | 18-18-18-12 | ||
稍重 | 19年1着 | 5 | クロノジェネシス | 6-7-5-5 | 1:59.9 前半:58.3 後半:61.6 H |
2着 | 8 | カレンブーケドール | 6-8-8-7 | ||
3着 | 14 | シゲルピンクダイヤ | 14-14-14-11 | ||
良 | 18年1着 | 11 | アーモンドアイ | 11-11-11-12 | 1:58.5 前半:59.6 後半:58.9 M |
2着 | 13 | ミッキーチャーム | 1-1-1-1 | ||
3着 | 2 | カンタービレ | 11-12-13-12 | ||
重 | 17年1着 | 14 | ディアドラ | 14-15-13-9 | 2:00.2 前半:59.1 後半:61.1 H |
2着 | 7 | リスグラシュー | 12-11-9-7 | ||
3着 | 4 | モズカッチャン | 5-5-4-2 | ||
良 | 16年1着 | 7 | ヴィブロス | 9-9-8-8 | 1:58.6 前半:59.9 後半:58.7 S |
2着 | 3 | パールコード | 7-5-7-6 | ||
3着 | 15 | カイザーバル | 7-5-5-5 | ||
良 | 15年1着 | 18 | ミッキークイーン | 8-8-8-6 | 1:56.9 前半:57.4 後半:59.5 H |
2着 | 9 | クイーンズリング | 12-13-14-14 | ||
3着 | 6 | マキシマムドパリ | 5-6-5-3 | ||
良 | 14年1着 | 6 | ショウナンパンドラ | 9-9-9-5 | 1:57.0 前半:58.0 後半:59.0 H |
2着 | 4 | ヌーヴォレコルト | 11-11-11-10 | ||
3着 | 12 | タガノエトワール | 10-10-10-8 | ||
良 | 13年1着 | 16 | メイショウマンボ | 11-11-8-8 | 1:58.6 前半:58.9 後半:59.7 H |
2着 | 1 | スマートレイアー | 17-17-16-14 | ||
3着 | 13 | リラコサージュ | 10-10-11-11 | ||
良 | 12年1着 | 14 | ジェンティルドンナ | 8-9-9-9 | 2:00.4 前半:62.2 後半:58.2 S |
2着 | 1 | ヴィルシーナ | 1-1-2-2 | ||
3着 | 2 | アロマティコ | 11-11-11-11 |
コーナ4つの内回りだが内枠優勢とは言えない
枠順 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
1枠 | 【0-2-3-14】 | 0.00% | 10.53% | 26.32% |
2枠 | 【0-2-1-16】 | 0.00% | 10.53% | 15.79% |
3枠 | 【3-0-1-16】 | 15.00% | 15.00% | 20.00% |
4枠 | 【1-3-1-15】 | 5.00% | 20.00% | 25.00% |
5枠 | 【0-1-0-19】 | 0.00% | 5.00% | 5.00% |
6枠 | 【1-1-1-17】 | 5.00% | 10.00% | 15.00% |
7枠 | 【3-1-3-22】 | 10.34% | 13.79% | 24.14% |
8枠 | 【2-0-0-28】 | 6.67% | 6.67% | 6.67% |
枠順で見ると、「3枠」「4枠」「7枠」あたりは好成績を残しており注目の枠になります。「5枠」の成績の悪さが目立ちますが、偏りはそれほどなくほぼ満遍なく来ていると言ってもいいでしょう。
注目すべき点としては、コーナー4つの内回りでも内枠の成績が取り立てて良いわけでもなく、外枠の成績が悪いわけでもないという点です。
ただ「8枠」は2勝こそ挙げていますが2、3着がないため好枠かは微妙なライン。「7枠」は最多の3勝で連対率や3着内率も優秀です。
ロスなく立ち回るに越したことはないコースですが、内で揉まれたり包まれるリスクも考慮すべきレースですね。
脚質は差しが断然!前傾ラップになりやすく先行勢が苦戦
京都芝2000mはコーナーが4つの内回りコースという事で、逃げ・先行に目が行きがちだが秋華賞では差しが決まりやすい傾向にあります。
阪神開催を除く過去10年の1~3着馬の脚質を見てみると、
- 逃げ(0-1-0-9)
- 先行(0-1-3-27)
- 差し(10-6-6-61)
- 追込(0-2-1-44)
差しが過去10年で10勝と100%勝利しています。(19年クロノジェネシスは中団前目で先行に近い位置ですが)
これは前半の方がペースが早く、後半に失速しやすい前傾ラップが多いことが理由に挙げられます。過去10年で6年が前傾ラップとなっています。
向こう正面であまりペースが緩まず淀みのない流れになるのが秋華賞の特徴です。また遅いペースとみるや、早めに勝負を仕掛けていく馬なども見られこの傾向に拍車をかけています。
とはいえ内回りで直線は328.4m短いため、後方一気も決まりにくく、差しに良績が集中するというわけです。
ペースはメンバー次第のところもあるので出走馬の脚質は要チェックですね
秋華賞の傾向まとめ
有力馬ピックアップ
◎ステレンボッシュ
ステレンボッシュはここまで王道牝馬クラシック路線戦ってきて【3-3-0-0】でパーフェクト連対。
桜花賞はモレイラ騎手のエスコートも見事だったが、1600mスペシャリストともいえるアスコリピチェーノを破ったのがかなりの評価ポイント。
レースは前半46.3後半45.9のフラットなペースで勝ち時計は1:32.2。これはソダシ、リバティアイランドの年に次ぐ好時計で、内容からもハイレベルの認識でまず間違いなさそう。
前走オークスは1番人気に支持されたこともあって、内々の馬群が密集する中での我慢の競馬を強いられた。同じく内枠の同ポジションで進めたミアネーロが14着と音を上げたように、見た目以上にプレッシャーのかかる競馬だったと推測する。
チェルヴィニアに半馬身屈したがこの2着は桜花賞に続き評価できる内容。(レース後落鉄も発覚したが、これはどれほど影響があったかは不明)
今回8枠14番と極端な枠に入ったが、秋華賞最小頭数となる今回そこまで影響はないと見る。マークされる立場で内々で包まれるリスクと天秤にかければ悪くない。
中間足さばきに硬さが出てウッド→坂路に切り替えたのは不安といえば不安。体重が減りがちだった春に比べて増えたとのことだが、できれば470キロ台くらいまでに収めてくれれば。
中間の調教の不安や大外枠などからか、オッズはオークス2.3倍から3.3倍と多少落ちているので、その辺りは多少妙味がある。
〇チェルヴィニア
桜花賞は「一捻挫で阪神JFを回避して5カ月ぶりのレース」、「大外枠の不利をもろに受けるポジション」、「初の関西遠征」などクリアすべき課題を上手くクリアできずに13着と大敗。
ここから見事に立て直し、オークスではこの馬本来のポテンシャルを発揮するようなレースでステレンボッシュを負かした。怪我から復帰したルメール騎手の安定した手綱さばきも光った。
今回の3枠5番は好枠といってよく、ルメール騎手がG1でこの枠を引いたならある程度好位につけてくれる印象がある。
チェルヴィニア自身も位置取りには融通の利くタイプなだけにベストの位置取りが期待できる。
唯一の敗戦が右回りだったこともあり不安視されているが、ルメール騎手は「短い直線も右回りも関係ない」とのことで、個人的にも「桜花賞の惨敗=右回り不安」と結びつけるまでには至らない。
桜花賞の反省を踏まえ滞在から直前輸送に変えるなど最善を尽くして2つ目のG1を狙う。桜花賞がやや力んでいたので当日のテンションには注意しておきたい。
▲クイーンズウォーク
クイーンズウォークはベストであろう2000mという距離が最大の魅力。桜花賞前から1600mはベストではないと発言していたし、オークスも差し決着+最後の2ハロンで伸び負けての4着。
内回りの小回りコース向きかと言われれば多少疑問は残るものの、紛れが生じやすく場合によっては上位と逆転の可能性が高まると考えれば悪くない。
中京開催となった前走ローズSは「2000mという距離以外は全く違う条件」、「展開的に厳しかったレガレイラ以外のレベルはやや疑問」ではあるが内容的には素晴らしかった。
1週前追いきりには川田騎手から厳しめのジャッジが出ていたが、ローズSでも状態面はまだまだという中で結果を出しているだけにそれだけで評価を落としたくはない。
正直内すぎるきらいがあるが、ここまで一貫して乗り続けてきた川田騎手と共に挑む最後の一冠という事もあり、全面的に騎手のエスコートを信頼する。
その他の注目馬
△ボンドガールはどうしても気性を気にした立ち回りで損をしているような競馬。ただ外にセキトバイースト、クリスマスパレードと前に行く馬がおり、土曜のレースを見てもある程度早い流れから粘りこみたいという伏兵が多くなる可能性はある。展開が向けば今までのうっ憤を晴らすかも。
△ミアネーロは前走の脚が素晴らしかった。個人的にも菜の花賞あたりから期待が大きく、順調に上昇カーブを描いてきたとはいえ4人気と普通に人気の一角になってしまった。オークスで内枠が災いしたし、馬群を捌いてくるとなると同じ内枠の実力馬との騎手の差もありこの評価に。
秋華賞レース予想
上位人気馬が状態面でやや不安を残すこともあり、人気薄から攻めないなら思い切って買いづらいレースになってしまった。
桜花賞→オークスと安いながらも的中しているので、ここもなんとか的中させたいですね。
◎ステレンボッシュ
〇チェルヴィニア
▲クイーンズウォーク
△ボンドガール
△ミアネーロ
馬連BOX:◎〇▲
3連複:◎〇-▲△△
想定ペース:ややハイ
最後まで読んでくださりありがとうございました!