今週は3歳牝馬クラシック第1弾の「桜花賞」です。
阪神JFやクイーンカップなど牝馬限定戦のレースレベルが高いこともあり、今年は牝馬が強い世代と言われていますが果たしてどんなレースを見せてくれるのでしょうか。
ここでは2024年の桜花賞のレース予想をしていきます。
最近の勝ち馬を見るとリバティアイランド、スターズオンアース、ソダシ、デアリングタクト、グランアレグリア、アーモンドアイと異常なレベル。今年も要注目のレースになります。
桜花賞のコース形態
阪神芝1600mは外回りコースを使用します。
スタートは2コーナ寄りの向こう正面半ばから。そのため3コーナーまでは440m程とかなり長めの直線を走ることになります。ポジション争いにはある程度余裕があります。
また最後の直線も外回りは473.6mとかなりの長さ。この直線は右回りでは最長になり、左回りのコースを入れても新潟や東京に次いで3位という長さです。
また外回りは3~4コーナーがかなりゆったりと作られており、コーナーワークの優劣はつきにくくなっています。
こういった要素からも紛れは生じにくく、阪神芝1600mは比較的実力勝負になりやすいコースと言えるでしょう。
より詳しいコース解説については以下の記事を参考にしてみてください。
桜花賞過去10年のデータと傾向
年 | 着順 | 枠 | 馬名 | 前走 | 前走着順 |
---|---|---|---|---|---|
23年 | 1着 | 3 | リバティアイランド | 阪神JF | 1着 |
2着 | 9 | コナコースト | チューリップ賞 | 2着 | |
3着 | 14 | ペリファーニア | チューリップ賞 | 3着 | |
22年 | 1着 | 8 | スターズオンアース | クイーンC | 2着 |
2着 | 6 | ウォーターナビレラ | チューリップ賞 | 5着 | |
3着 | 1 | ナムラクレア | Fレビュー | 2着 | |
21年 | 1着 | 4 | ソダシ | 阪神JF | 1着 |
2着 | 18 | サトノレイナス | 阪神JF | 2着 | |
3着 | 2 | ファインルージュ | フェアリーS | 1着 | |
20年 | 1着 | 9 | デアリングタクト | エルフィンS | 1着 |
2着 | 17 | レシステンシア | チューリップ賞 | 3着 | |
3着 | 3 | スマイルカナ | チューリップ賞 | 1着 | |
19年 | 1着 | 8 | グランアレグリア | 朝日杯FS | 3着 |
2着 | 16 | シゲルピンクダイヤ | チューリップ賞 | 2着 | |
3着 | 4 | クロノジェネシス | クイーンC | 1着 | |
18年 | 1着 | 13 | アーモンドアイ | シンザン記念 | 1着 |
2着 | 1 | ラッキーライラック | チューリップ賞 | 1着 | |
3着 | 9 | リリーノーブル | チューリップ賞 | 3着 | |
17年 | 1着 | 10 | レーヌミノル | Fレビュー | 2着 |
2着 | 6 | リスグラシュー | チューリップ賞 | 3着 | |
3着 | 14 | ソウルスターリング | チューリップ賞 | 1着 | |
16年 | 1着 | 13 | ジュエラー | チューリップ賞 | 2着 |
2着 | 12 | シンハライト | チューリップ賞 | 1着 | |
3着 | 10 | アットザシーサイド | Fレビュー | 2着 | |
15年 | 1着 | 6 | レッツゴードンキ | チューリップ賞 | 3着 |
2着 | 7 | クルミナル | チューリップ賞 | 11着 | |
3着 | 1 | コンテッサトゥーレ | チューリップ賞 | 6着 | |
14年 | 1着 | 18 | ハープスター | チューリップ賞 | 1着 |
2着 | 12 | レッドリヴェール | 阪神JF | 1着 | |
3着 | 10 | ヌーヴォレコルト | チューリップ賞 | 2着 |
G1からの直行組の好走率が目立つ
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着以内 | |
チューリップ賞 | 3-8-6-30 | 6.38% | 23.40% | 36.17% |
阪神JF | 2-2-0-5 | 22.22% | 44.44% | 44.44% |
フィリーズレビュー | 1-0-2-43 | 2.17% | 2.17% | 6.52% |
クイーンC | 1-0-1-18 | 5.00% | 5.00% | 10.00% |
朝日杯FS | 1-0-0-1 | 50.00% | 50.00% | 50.00% |
シンザン記念 | 1-0-0-2 | 33.33% | 33.33% | 33.33% |
エルフィンS | 1-0-0-3 | 25.00% | 25.00% | 25.00% |
まずは出走頭数が断然の3月桜花賞トライアル組を比較してみます。
チューリップ賞組が【3-8-6-30】と安定して馬券圏内に来ているのに対し、フィリーズレビュー組は【1-0-2-43】と苦戦傾向。
近年このチューリップ賞を上回る好走率なのが2歳G1からの直行組。阪神JF組【2-2-0-5】、朝日杯FS組【1-0-0-1】と数は少ないが堅実に結果を残している。これらがいずれも桜花賞と同条件の阪神芝1600mだということは無関係ではないだろう。
ただし阪神JF組からの1着は「23年リバティアイランド」「21年ソダシ」、朝日杯FS組では「19年グランアレグリア」とかなりの実力馬であった事は注意したい。
3歳牝馬クラシックに限らず、調整技術の向上によって間隔を取って本番というローテは王道になりつつあります。
その年によって枠順の有利不利が変わるため注意が必要
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着以率 | |
1枠 | 0-1-3-15 | 0.00% | 5.26% | 21.05% |
2枠 | 2-0-2-15 | 10.53% | 10.53% | 21.05% |
3枠 | 1-2-0-17 | 5.00% | 15.00% | 15.00% |
4枠 | 2-1-0-17 | 10.00% | 15.00% | 15.00% |
5枠 | 2-1-3-14 | 10.00% | 15.00% | 30.00% |
6枠 | 0-2-0-18 | 0.00% | 10.00% | 10.00% |
7枠 | 2-0-2-26 | 6.67% | 6.67% | 13.33% |
8枠 | 1-3-0-26 | 3.33% | 13.33% | 13.33% |
過去10年枠順成績を見ると外回りで直線の長い阪神芝1600mらしく、一見満遍なく成績を残しているように見えます。
1枠~4枠【5-4-5-64】、5枠~8枠【5-6-5-84】でやや内枠が優勢という程度。
しかし実情としては、ひと昔前は外からの差し切りが目立って外枠が優勢。21年~23年は京都競馬場改修工事による変則開催でBコース替わり初週でのレースとなり、それまで不振だった2枠が2勝。1枠も3着に2回入線して内前の傾向が強まった。
つまり満遍なく来ているというよりは、その年の馬場状態により内外の差がかなり変わってくるのが桜花賞の特徴となっている。
今年はBコース開催2週目になるので21年~23年程極端に内前が優勢という事はなさそう。土曜日のレースなどから内外どちらが有利なのかしっかり見極める必要がある。
Bコース2週目という事もあり、土曜日時点ではかなりフラットな馬場に見えました。
少なくとも内に殺到するというような感じではなさそう。
有力馬ピックアップ
◎アスコリピチェーノ
阪神JFを含む3戦3勝。
新馬戦は東京1400m。新馬戦らしいスローな流れからの上がり33.3で勝利。続く新潟2歳Sはややスローの流れの中5番手追走という好ポジションから33.3の瞬発力を見せて完勝。2戦とも決め手勝負での強さを見せた。
前走阪神JFでは直線までロスなく中団追走。快速馬達がペースを握った中で、スピードの持続力と上がり33.7の決め手を見せての勝利。勝ちタイム1:32.6は阪神JFのレースレコードだった。
既に阪神芝1600mで勝っているので言うまでもないが、大きなストライドやダイワメジャーという血統はこの舞台に非常にマッチしている。
他の上位人気馬の多くが距離伸びてよさそうという事もあり、条件ベストのこの馬にとってはここはなんとしてでも勝っておきたいところ。
関東馬ではあるが、阪神JFの時同じく栗東滞在で調整し抜かりはなくマイナス要素の少ない馬。
あえて上げ足を取るなら阪神JFはコンデション、レースの立ち回り共に完璧で今回また同じように再現できるのかという点。特にステレンボッシュとはわずかだっただけに慢心はできない。
〇チェルヴィニア
ボンドガールこそ除外になってしまったが、結果4頭も桜花賞に送り込んだことになった新馬戦の2着馬で、まだ底を見せていない。
この新馬戦でこそ目標になる形で差し切られてしまったが、続く未勝利戦で2番手から上がり33.0で余裕をもって6馬身差の圧勝。前走アルテミスSでも3番手の好位追走から33.3とトップクラスでも通用する瞬発力を見せてきた。
阪神JFに出走していればおそらく断然人気になった馬が、臨戦過程と大外枠が嫌われて土曜時点で5番人気に甘んじている。(当日一番目をつけられやすいオッズではあるが…)
今回はBコース替わり2週目という事もあり、近年の内枠有利という傾向が薄れたのは大きい。コーナーまでの直線も長いし、おそらく前目につけると思うので枠順に関してはあまり関係ないかなという感じ。
現状瞬発力勝負しか経験していないのは不安でそういう意味でも阪神JF回避は痛かった。ここは試される1戦だがポテンシャルの高さであっさりクリアしても驚かない。
▲ステレンボッシュ
新馬戦は1コーナーで前の馬の煽りを受け、大外までもっていかれる不利がありながら1着。赤松賞は後方外回しで立ち回りの差が出て2着と不利があってもめげずに最後は必ず伸びてくる末脚が魅力。
阪神JFでは勝ち馬を上手く見るような位置取りも良かったが最後はクビ差まで追い詰めての2着。
ここ3戦のマイルでは毎回タイムを縮めているように、レースレベルが上がるとパフォーマンスも上げてきており、他が苦しくなるレースでこその馬。
ジョッキーのコメントからも距離が伸びてこその馬だとは思うが、阪神芝1600mで長い直線と最後の坂はこの馬のスピードの持続力を活かせる舞台でもある。阪神JFの差を考えれば当然高評価になる1頭。
△スウィープフィート
阪神JFは出遅れて7着。続くエルフィンSはゲートは決まるも外伸び馬場で内を突いてしまい2着と今いち噛み合わないレースが続いていた。
チューリップ賞は思いきって鞍上をチェンジ。速い流れと後方待機策がぴたりと嵌って念願の重賞制覇となった。
持続力のあるスピード馬で基本的にはG1のような流れ向き。今回もエドウプレやセキトバイーストといった速い馬も揃っており展開利が見込めそう。
Bコース2週目で外から溜めた末脚を伸ばす競馬もできそうだし、そういう競馬で数々の結果を残してきた武豊騎手というのもプラス材料。
ここに出るために1レース余分に使う事になってしまったことはマイナス点。
桜花賞レース予想
今回は素直に阪神JF組を最上位評価に。
〇チェルヴィニアはここからオッズを下げそうではあるけど、土曜夜時点で7.7倍なのでこれくらいなら単勝も買っておきたいです。
◎アスコリピチェーノ
〇チェルヴィニア
▲ステレンボッシュ
△スウィープフィート
△クイーンズウォーク
馬連:◎ー〇▲△△△
単勝(当日のオッズを見て):〇
想定ペース:ややハイ
最後まで読んでくださりありがとうございました!