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競馬で「期待値」は意味がない?計算方法や期待値を意識した立ち回り方を紹介

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期待値

皆さんは競馬をやっている上で「期待値」という言葉を耳にしたことはありませんか?

例えば「この馬の期待値は高いから大きく勝負しよう」「買いたい馬の期待値が低いから見送ろう」といった具合です。

「期待値」は数学などでも出てくる言葉で、色々なゲームやギャンブルなどでも活用されています。今回は競馬における「期待値」について、その意味や計算方法についてわかりやすく解説・また期待値を意識した立ち回り方を紹介します。

目次

「期待値」とは?

そもそも「期待値」とは何でしょうか?期待値については以下のように解説されています。

確率論における期待値(きたいち、英: expected value)は確率変数を含む関数の実現値に確率の重みをつけた加重平均である

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これだと少し数学的過ぎてイメージしにくいですよね。

分かりやすく言い換えると期待値とは1回の試行で得られる値の平均値になります。

例えば「サイコロの目に応じて1万円が貰えるゲーム」があるとします。1の目が出たら1万円、5の目が出たら5万円といったルールです。このゲームの期待値を出してみます。

期待値は確率変数のとる値に対応する確率をそれぞれ掛けて加えた値で求められます。難しい言い回しですが計算方法は案外単純です。

出た目と同じだけの金額が貰えて、サイコロがそれぞれの出る目の確率は1/6だから期待値は以下のように計算できます。

サイコロ期待値

(1万円×1/6) + (2万円×1/6) + (3万円×1/6) + (4万円×1/6) + (5万円×1/6 )+ (6万円×1/6) = 3.5万円(期待値)

つまりこのゲーム1回で貰える額の期待値は「3.5万円」ということになります。

ではもしこのゲームの参加費が1回3万円だった場合はあなたは参加しますか?

このゲームの期待値は3.5万円ですので参加費で3万円支払っても、「順当」にいくなら1回で+5000円が見込めます。期待値で見ると参加するとお得なゲームという事になります。

現実には、少ない試行回数だと偏りが出るのでマイナスになって先に資金が尽きてしまうことも十分ありえます。そもそも胴元側からすればやればやるほどお金を失うゲームはやらないですよね。

しかしこのように「期待値」の考え方を知っていればテーブルゲームで有利に進める事もできるし、くじ引きなどをやるかどうかの判断にも活かすことができます。

Keibit

サマージャンボ宝くじが1枚300円で賞金の期待値が106.5円なので、期待値で見るなら買わない方がいいなんて見かたもあります。野暮な話ですが…

競馬における「期待値」の計算方法

では今回の主題である競馬における期待値の計算方法について解説します。

競馬での期待値の計算方法は以下の式で求める事ができます。

競馬における「期待値」計算方法

期待値 = 的中率 × オッズ 

試しに的中率が20%で単勝オッズが5倍つく馬券の期待値はいくつになるか計算してみましょう。

0.2(的中率) × 5倍(オッズ) = 1.0(期待値)

この場合の期待値は「1.0」になります。

この期待値が「1.0以上」あることが、競馬で勝つために必要な数値であると言われています。

たとえ勝つ確率が80%の馬がいたとしても、単勝オッズが1.2倍なら期待値は「0.96」となります。もしこの条件の馬券のみ1万円買い続けるとどうなるでしょうか?

期待値例

的中率は80%なので5回に4回は当たる計算になります。オッズは1.2倍なので1回的中すると2000円のプラスです。しかし5回に1回はハズレる計算になり、負けた時は10000円のマイナスです。

もちろん確率には偏りがあるので、少ない試行回数だとプラスで終えれる可能性も十分ありますが、この期待値の馬券をずっと買い続けると結果的には損をすることになります。

他にもオッズが100倍で的中率が0.8%という馬券も期待値は「0.8となりこちらも買い続けると同様にマイナスになる馬券です。

期待値の高い馬券を買い続けることができれば競馬は勝てるが…

今度は期待値の高い馬券について考えてみます。

もし、的中率が20%でオッズが10倍の馬がいれば期待値は「2.0」となり、買い続けるとプラスになる馬券です。後から「この実力馬が10倍もつくなんておいしかったな~」といった馬券ですね。多くは逆のパターンが多いのですが…

つまり「期待値の高い馬券を買い続ける」というのは競馬で儲けるために重要な要素であることは間違いありません。

ただそんなに簡単な話ではありません。多くの方が既にこの段階で次のような疑問を持っていると思います。

そもそも馬券の的中率がわからないんだけど?

これは全く、その通りです。

サイコロやくじ引きなどは違って競馬は的中率がわからないという問題が立ちはだかります。

期待値 =  × オッズ 
(的中率がわからない…)

このような感じで数式に「?」がついている状態です。この「?」について各々が知恵を振り絞って予想するのが競馬という事になります。

馬の状態や実力、コース、距離、馬場、展開、騎手、枠順、斤量などなど的中率に関わってくる要素を挙げればキリがありません。かなり複雑だといっていいでしょう。

これらの要素から独自の指数などを提唱する方もいますが未知数です。

つまり正確な期待値を求める事は出来ないことになります。

しかし、がっかりするにはまだ早いです。正確な期待値がわからないというのは他の馬券購入者も同様です。だからこそ過剰人気な馬や穴馬が出てくることにも繋がり、それが競馬の魅力にもなっています。

また期待値は細かく求める必要もありません。期待値が「1.0」より大きければいいわけです。期待値が大きいに越したことはありませんが、1.3であっても1.2であっても買い続ければ結果的に儲かることになります。

単勝オッズ1.0倍~1.4倍の馬が来る確率は中央競馬なら70%程度

そのレースにおいての正確な的中率はわかりませんが、過去の結果からどういう要素を持った馬がどれくらいの確率で来ているかはわかります。

例えば、単勝オッズ1.0倍~1.4倍の1番人気の馬の勝率は中央競馬なら70%程度です。これを元に期待値を計算するなら「(1着になる確率)0.7×(オッズ)1.2」で期待値は「0.84」となります。

つまり単純に断然1番人気の馬の単勝を買い続けても回収率は84%程度に収束していくことになります。

Keibit

単純に1つの要素から買い続けても期待値「1.0」の壁を超える事は困難です。様々な視点から複合的に考えていく必要がありますね。

期待値を意識した競馬の立ち回り方

期待値を意識した立ち回り方

ここでは期待値を意識した競馬と付き合い方を考えてみましょう。

まず大前提としてオッズをよく見る必要があります。競馬のオッズはかなりばらつきがあります。

オッズを見ていて「この馬10番人気になるほど弱くはないけどな~」、「この馬いくら強いと言っても人気し過ぎなのでは?」と思う事があるはずです。

この感覚は非常に重要で、競馬経験者は無意識に期待値の高い馬と低い馬を判断しています。(この判断自体が正しいかどうかは一旦置いておきます。)

オッズの誘惑に負けて判断が鈍るからオッズは見ないという考え方もありますが、「期待値=?(的中率)× オッズ 」という計算式においてオッズまで軽視するのは無謀と言えます。

1.過剰人気の馬がいるレースを狙う

期待値の高い馬を探すのに絶好なのが過剰人気馬がいるレースです。過剰人気の馬が人気を吸うため他の馬は自然と期待値は高くなります。

過剰人気になりやすい馬にはいくつかの特徴があります。

・良血の高額馬・話題馬
・ノーザンファームの生産馬
・トップジョッキーの騎乗馬
・有名トレーナーの管理馬
・前走で派手な勝ち方をした馬
・調教で抜群の時計を出した馬

特に判断材料が少ない2歳戦などでは、必要以上に人気になることが多いです。

もちろんこれらの要素を持つ馬が勝つ可能性はかなり高いのですが、単勝1倍台というのも珍しくありません。「新馬戦のノーザンファーム産の馬」の単勝回収値は100%を切っているというデータもあります。

一方で堅実に走って入るものの勝ち方が地味だったり、非社台系の馬だったりすると正当な評価がされるまで時間がかかる傾向にあります。

またオッズは報道のされ方や新聞の印、最近では人気予想Youtuberの推奨馬などでも人気は大きく左右されがちです。

自分の予想では高評価の馬が、世間ではなぜか低評価というレースはまたとない絶好のチャンスです。

自分なりの根拠がきちんとあるのなら、流されずに勇気をもって信念を貫きましょう。

2.割に合わないレースだと感じたら迷わずスルーする

今回紹介する中で最も効果の出やすい要素です。

例えば実力も高く条件も合っていると見込んだ馬の前日単勝オッズが6.0倍だったとします。

予想に自信もあり、期待値的におそらく「1.0」は超えているから狙おうと考えます。しかしレースが近づくにつれ3.0倍まで下がりました。すると「これは割に合わないな…」と感じる事があると思います。こういった場合ほぼ期待値が「1.0」を下回ってると考えた方がいいでしょう。

こうなった場合迷わずレースをスルーする必要があります。

「でもたぶん勝つよな…来たら多少は儲かるし、買わずにきたらモヤモヤするし、あんまりおいしくないけど買おう」という人が大半だと思います。他にも直前に一気にオッズが下がってしまって既に購入済みという事も少なくありません。

特にメインなどの大きなレースではスルーという選択肢が持ちにくくなります。これは「競馬が好きで馬券を楽しみたい」、「盛り上がっているレースに自分も参加したい」という側面が誰しもあるからです。

しかし、長い目で見た時このようなレースを買い続けると必ずマイナスに転じる事になります。

期待値という考え方を持っていれば、一時的な収支に惑わされることは少なくなるでしょう。言うは易しですがここまで徹底できる人はごく一部です。

Keibit

自分自身も大きなレースだと買ってしまう場合がほとんどです(汗)。
ただこれを実践できる人とできない人では明確に収支で差がつくと感じます。

3.初対決が多いレースで勝負する

初対決が多いレースではオッズが割れやすいためどこからでも勝負がしやすいのが魅力です。

例えば各トライアル組と直行組が初めて顔を合わせる「皐月賞」などはおすすめのレースです。まだ力関係がはっきりしないため難しいですが、それゆえに無難な馬や報道で話題になった馬などが上位人気を占めやすく、強い馬が勝つという本質から外れていることが多くなります。

色々な世代やカテゴリからオールスターが集まる「有馬記念」もチャンスです。

初対決という意味では新馬戦などもそれにあたりますが、判断材料が少なすぎるため、「調教を見る目に自信がある人」、「パドックを見る目に自信がある人」以外は避けた方が無難です。

また頭数が多く実力伯仲のハンデ戦などもオッズが割れやすいですが、ここまでくると予想するのが非常に難解です。つまり自分自身も期待値の高い馬を見誤りやすいためリスクは高くなります。

まとめ…期待値の高い馬券を買い続けることは重要だが簡単ではない

競馬においての期待値的中率×オッズ】で求める事ができます。

ただし的中率には様々な要素が絡み合うため正確な数字を出すことは困難です。そのため一見競馬での期待値は無意味のように思えます。

しかし期待値を意識する事は馬券を買う上で大切です。特に沢山レースをする人程、期待値の高い馬券を買い続けられるかは重要になってきます。

どれほどレースに勝つ確率が高い馬選んでも、期待値が高くなければいずれマイナスに収束していくので、時にはハズレを覚悟してでも期待値を取り続ける必要があります。

逆に言えば、たまにしか馬券を買わない人にとっては期待値はさほど重要ではありません。もし年に数回しか買わない友人に「○○の単勝なんて期待値が低いからやめといた方がいい」なんて助言して、あっさり勝たれたら白い目で見られること間違いありません。その人にとってみればその1回で勝てれば十分だからです。

競馬は儲けるのが相当大変なギャンブルの1つです。

レース選択にも相当気を使わなければいけないし、予想はもちろんオッズも注視し続ける必要があるため多くの時間が必要です。また年間の払戻し金額が多ければ税金の問題も発生します。それらを乗り越えて競馬で勝ち続けるには相当な労力が必要です。好きでなければやってられないはずです。

それでも競馬する以上勝ちたいと思うのは当然です。今まであまり気にしていなかったという方は一度「期待値」を意識して競馬に取り組んでみてはいかがでしょうか。

Keibit

最後まで読んでくださりありがとうございました!

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