2025年日本ダービーは1番人気クロワデュノールが3番手から力強く抜け出し、見事22年生産の7950頭の頂点に立ちました。
鞍上の北村友一騎手は21年の落馬負傷による大けがを乗り越え、更に皐月賞で悔しい敗戦を乗り越えてのダービー初制覇。
皐月賞以来のレース回顧になりますが、今年のレースの中でも非常に印象深いレースだったので回顧として残しておこうと思います。
ここでは25年日本ダービーのレース回顧をしていきます。次走の参考になれば幸いです。
レース予想結果

着順 | 枠番 | 印 | 馬名 | 重量 | 騎手 | タイム | 通過順位 | 上がり | 人気 |
1 | 13 | ◎ | クロワデュノール | 57.0 | 北村友一 | 2:23.7 | 4-3-2-3 | 34.2 | 1 |
2 | 17 | ▲ | マスカレードボール | 57.0 | 坂井瑠星 | 3/4 | 8-8-7-7 | 33.7 | 3 |
3 | 2 | △ | ショウヘイ | 57.0 | C.ルメール | 1 1/2 | 3-3-4-4 | 34.3 | 6 |

皐月賞に続き固い決着ではありますが印上位での決着。
今年は馬券以上に感動的なレースとなりました。


レース展開


逃げ馬不在と言われていた中、まず先手を取ったのは大外枠のサトノシャイニング。その後ペースを緩めようとした段階でホウオウアートマンがハナに。
前半は60.0秒と平均よりややスロー寄りの流れ。2番手との間は4~5馬身差を保った逃げで、どの馬もある程度自分のペースを守りながらレースを進める事が出来た。
ファウストラーゼンやアロヒアリイの捲りで途中から流れが一気に変わる皐月賞とは真逆のような静かな展開。
3番手にいたクロワデュノールが直線に入って堂々と抜け出して1着。中団にいたマスカレードボールが猛然と追い込んできて2着。3着ショウヘイ、4着サトノシャイニングは先行勢でおおむね前有利での決着となった。
後半3Fの瞬発力勝負でレースの勝ちタイムは2:23.7。
なお同日同距離の青嵐賞とのタイム比較は以下↓
勝ち馬 | 日本ダービー | 青嵐賞 | タイム差 | |
2025年 | クロワデュノール | 2:23.7 | 2:23.8 | -0.1 |
2024年 | ダノンデサイル | 2:24.3 | 2:26.3 | -2.0 |
2023年 | タスティエーラ | 2:25.2 | 2:25.6 | -0.4 |
2022年 | ドウデュース | 2:21.9 | 2:26.5 | -4.6 |
2021年 | シャフリヤール | 2:22.5 | 2:23.2 | -0.7 |
単純なタイム差比較だと-0.1秒差と今年はそれほど大きくない。これで世代レベルを推し測るのは短絡的な気もするが、かなり落ち着いたレース内容ではあったのでハイレベルかと言われるとやや疑問符も。
ただし今年青嵐賞勝ったデュアルウィルダーは2着のルメール騎手が「勝った馬は強いですね。重賞レベルです」というように青嵐賞自体のレベルが高かった可能性もある。
レース後の騎手のコメントからは金曜、土曜の雨の影響も多少残っていたようで、早いタイムが出るとはいえ難しい馬場だったことも覚えておきたい。
上位入線馬の見解


1着 ◎クロワデュノール
まず驚いたのがレースに臨むまでの落ち着きっぷり。パドックでの調子の良し悪しはピンとこない自分でさえこれはかなり安心できました。
ゲートは直前まで前掻きするなど少し怖いものの、これでいいスタートを切れるのがこの馬の強さ。
すぐにいつでも抜けてこれる3番手を確保。レースの流れも落ち着いて皐月賞での苦しい流れから一変して今回は全ての流れが向いた。
基本的には前走のようにレース中に流れがガラッと変わるような事は珍しいので、このポジションをしっかり取れる強みが今回は順当に活きた形。
直線入ってすぐの仕掛けだったのでワンテンポ早いようにも見えたが、強気な迎え撃つ競馬はこれまで同様一貫している。
状態の良さや北村友一騎手の自信も伺えるレースとなりました。大一番のダービーで1番人気のプレッシャーの中で、先行抜け出しは簡単にできることではないのでしっかり評価したい。
2着 ▲マスカレードボール
8枠17番と非常に難しい枠に入ったので、どういうレースをするのか注目の一頭だったが、結果的に坂井瑠星騎手がほぼ満点の騎乗を見せた。
スタートで周りの馬の様子を見て前に行かせつつ、最初のコーナーまでに最短距離で内に寄せた。周りを先に行かせる場合本来もっと後方になってもおかしくないところを、ワンテンポ遅らせつつ出していき中団のポジションを取れたのは大きい。
惜しむらくはレースの流れが2番手以降でかなり落ち着いた事。あともう少し流れていれば勝っていたのはこの馬だったかもしれないと思わせる内容だった。
今回良馬場発表だったとはいえ、多少雨の影響が残る馬場でしっかりと自分のパフォーマンスを見せたのも評価できる。
今後も広い王道コースで活躍しそう。
3着 △ショウヘイ
今回上位3頭に入った馬は軒並み上手く流れに乗れていて、ショウヘイもその1頭。
1枠2番から絶好のスタートが切れたし、道中は内の3~4番手と展開にマッチした理想的な位置。去年のダノンデサイルのようなダービーポジションに収まれた。
上位2頭とは決め手の差が出たものの一気の相手強化で皐月賞組に割って入れたのだから素晴らしいの一言。
ルメール騎手は緩い馬場を敗因の一つにあげていたように、このスタートならCコース替わりの綺麗な馬場で有利な内枠をさらに活かしたかったかも。
その他注目馬の見解


4着 △サトノシャイニング
陣営からは8枠18番を受けて「思い切った競馬になるかな」というコメントが出ていたように、スタートからハナに行くという展開。
個人的には気性的に難しいところがあるので、どちらかというと下げる可能性を考えていたのでこれは少しビックリもワクワクした。
ペースを落とし込みたいところでホウオウアートマンが外からハナに行く展開。2番手で上手く収まれるのは悪くないですが、ハナを奪ってから途中から来られるとなるとやはりかかってしまった。このあたりはちょっとした賭けだったと思う。
それでも前を行かせて後続を上手くコントロールするようなペースで行けたこともあり、4着までは粘ることができた。この辺りのペース感覚は流石武豊騎手という感じ。
新馬戦の頃から気性の問題はずっとあるので、この大一番までに改善できなかったのは痛かった。ここは引き続きの課題。
きさらぎ賞のような流れたレースではかなりのパフォーマンスを発揮できるので今後狙えるポイントは多そうです。
5着 ×エリキング
首を大きく下げたタイミングでのスタートになって14番手と想定より後方になったが痛かった。
それでもスローペース経験は十分で、今回のような多少緩い馬場も経験済み。
上がり3F33.4はメンバー最速で2歳時に見せた強さが戻ってきた。今後もおそらく川田騎手が継続して乗ることになりそうだしクイーンズウォークしかり良い成長曲線を描いていきそう。
6着 〇ミュージアムマイル
6着と決して大敗したわけではないが、人気よりも着順を落としてしまったのはミュージアムマイル。
11番手という位置取りはこの馬としては悪くないが、今日のペースを考えれば後ろはきつかった。
ただそれを差し引いても最後まで加速しきれなかったところを見ると、どうしても距離の問題がまず頭に浮かぶ。
またクロワデュノールやマスカレードボールがここ目標に更に状態を上げてきたのに対して、この馬は皐月賞で状態ピークだった可能性も高そう。
ショウヘイに乗っていたルメール騎手が緩い馬場だったと言うように、今回の馬場状態もベストではなかったなど敗因を考えればいくつか思い浮かぶのでそこまで悲観する内容ではなさそう。
この馬もサトノシャイニング同様どこかでまだまだ狙いどころがやってきそうです。
レース総括
- 勝ちタイムは2:23.7。良馬場発表もレース後コメントから金曜、土曜の雨の影響は残る難しい馬場。
- 前半60.0。2番手以降は離れたスローの流れで皐月賞とは打って変わって終始動きの少ないレース。
- ラスト3Fの瞬発力勝負で先行勢に有利なレースとなった。
- クロワデュノールは1番人気ながら早め先頭で押し切る王者の競馬。
- 上位3頭は展開にあった巧みなレース運び。
- 同日同距離の青嵐賞とは-0.1秒差。青嵐賞のレベルも考慮すべきも、レースレベル自体は平凡の可能性も。



最後まで読んでくださりありがとうございました!
各馬の秋の活躍にも期待ですね。