今週は伝統の古馬長距離王者決定戦となる「天皇賞春」。
今年は昨年の天皇賞馬や菊花賞馬こそ参戦しませんでしたが、一昨年の覇者ジャスティンパレスや去年の2着馬ブローザホーン、ハイレベルの4歳世代など長距離に自信を持つ馬が集まり非常に楽しみなレースとなりました。
ここでは「2025年天皇賞春」のレース予想をしていきます。

去年の勝ち馬テーオーロイヤルはステイヤーズS→ダイヤモンドS→阪神大賞典→天皇賞春と3000m超のレースを使い続けての勝利となりました。


【2025天皇賞春】レースのポイント




まずは2025年天皇賞春のレースポイントから見てみましょう。
- 「外回り」コースを使用。「淀の坂」を2回上り下りするスケールの大きいコース。
- スタートから最初のコーナーまで約420mで菊花賞ほど外枠が厳しい訳ではない。
- 長丁場で中盤はペースが極端に緩みやすい。折り合い能力や騎手のペース判断も重要。
- 最後の直線は平坦な403.7m。スタミナは当然ながらスピード能力も問われる。
- Cコース2週目で馬場状態は良好。
- サンライズアース、ヘデントールといった持続力のある馬が早めに仕掛ける可能性も。
【2025天皇賞春】有力馬ピックアップ


「総評S」
サンライズアース・ジャスティンパレス・ヘデントール
「総評A」
ショウナンラプンタ・マイネルエンペラー・ビザンチンドリーム
「総評B」
ブローザホーン
「総評C」
ハヤテノフクノスケ・シュヴァリエローズ
【総評S】サンライズアース…圧倒的なスタミナ活かす強気なレース期待
印象に残っているのが日本ダービー。スローで後方だったとはいえ東京で強気にまくっての4着はかなりのインパクト。内を上手く立ち回った馬達にキレ負けしたのは仕方がないし、このレース自体のメンバーレベルの高さは言わずもなが。
期待されていた菊花賞は夏負けで出走がかなわなかったが、前走阪神大賞典で2着に6馬身差をつける圧巻パフォーマンス。
25年阪神大賞典(1着)
13.2 – 11.9 – 12.6 – 12.7 – 12.7 – 12.7 – 12.4 – 13.0 – 12.6 – 11.7 – 11.2 – 11.5 – 11.5 – 11.5 – 12.1(3:03.3)
その阪神大賞典は先行馬不在の中自然にハナに立つ形。
残り1000mを切ったあたりで2番手マコトヴェリーキーが先頭に替わってペースが速くなりロングスパート戦に。番手になったあたりから集中して走ってくれたとの事で、最後まで大きくペースを落とすことなく後半1000mは57.8。サンライズアース自身もラスト35.0で先頭グループにいながら上がり1位の脚を使っている。
「能力を発揮できれば」という注釈はつくものの、今回出走する4歳世代では一番強いのではないかと思います。そやはりあのメンバーでの日本ダービー4着は自分の中で評価が高い。
京都で自分の形に持ち込めるかが大きな鍵
問題はキレが要求されやすい京都での立ち回り。得意の持続力勝負になんとか持ち込みたい。
25年早春ステークス(2着)
13.0 – 11.4 – 11.6 – 12.1 – 12.2 – 12.3 – 12.5 – 12.4 – 12.6 – 11.9 – 11.5 – 11.6(2:25.1)
例えば2走前の早春ステークスは58キロも響いたとはいえ3勝クラスで2着。東京らしく上がり3Fの競馬になっていてこの馬の得意パターンには持ち込めていない。
前走はマコトヴェリーキーが途中でハナに立ってくれて、労せずしてペースが吊り上がったが今回もそうなるとは限らない。おそらく自分から動き出す必要がでてくるので前走よりは難易度は上がる。
逃げてペースを上げたり下げたりと自在にコントロールできるタイプでもなさそうなので、どこでエンジンをかけていくが重要になってくる。
2016年にはカレンミロティックの激走であっと言わせるもハナ差の2着で悔しい思いをした池添騎手。大一番での強さに期待したい。




【総評S】ジャスティンパレス・・・適条件で2年ぶり勝利の大きなチャンス
23年の春の天皇賞はルメール騎手の完璧なエスコートもあり2着ディープボンドに2 1/2差をつける完勝。
それからもう2年近く勝利から遠ざかってはいるが、出走した9戦全てG1でその内7回は5着以内という堅実さを見せている。
後一歩が足りない状況は、スタートが安定せず後方からの競馬になりがちな事と無関係ではないだろう。特に23年有馬記念(4着)、24年天皇賞秋(4着)は後方ポジションに泣いたレース。
昨年はドバイシーマクラシック(4着)に回って天皇賞春には出走していないが、3着ディープボンドを物差しにすれば出走していれば上位争いに加われていた可能性は高そう。
前走大阪杯はスタートは出たものの、内回りのBコース替わりで強気に外々を回って仕掛けていく競馬で0.4差の6着と微妙に噛み合わなかった。
更に外を回ったロードデルレイ(2着)に負けないくらいの伸び脚なら自信の本命だったが、「休み明けの2000m戦+ロードデルレイがかなり強かった」という事を考えれば杞憂かもしれず非常に悩ましい。
今回は長丁場の3200mでネックのスタートの遅れは多少ならリカバリーできる。脂の乗った4歳世代は強敵揃いとはいえトップのダノンデサイルは不在。
前走の教訓を活かしてロスのない競馬と仕掛けを意識できれば2年ぶりの勝利となっても驚きはない。




【総評S】ヘデントール・・・操縦性の高さは長距離で心強い
ヘデントールはここまで【5-2-0-1】とほぼパーフェクト連対。唯一大敗した青葉賞は出遅れスローの流れでの追い込みで致し方なし。ゲートが上手くない中でここまでの安定感を見せているのは珍しい。
騎手の評判も上々で、ルメール騎手は乗りやすく落ち着いている点、長くいい脚を使える点などを高く評価。長距離で欲しい要素を持ち合わせており、高速馬場にも対応できる。(菊花賞ではG1経験の差でアーバンシックを選択)
菊花賞の戸崎騎手も「ゲート入りこそごねたがレースでは落ち着いていた」、「ポジションを上げてもいいなと思う程」とこちらも乗りやすさを感じさせるコメント。
ただこの時もスタートはイマイチで後方から。その分勝負どころでアーバンシックより外を回る羽目になっていたので、もう少し前との差は縮めれた可能性はある。
実際前走ダイヤモンドSでは5番手の好位から早めに先頭に立って5馬身差の勝利。目標にしてきたワープスピードを返り討ちに遭わせた。
サンライズアースやジャスティンパレスなど未対戦組との能力比較は難しいが、大きく崩れない安定感は今年のメンバーの中でも随一。その分人気は集中気味で妙味面であまり期待できないのは辛いところ。




【総評A】ショウナンラプンタ・・・好材料揃うも重賞未勝利は気がかり
今年になって好成績が続く前年の菊花賞組の1頭。
3歳春までは引っ掛かかっての大敗もあったが、陣営の苦労の甲斐あって徐々に気性難が解消。それに伴って持続力のある末脚を安定して発揮できるようになってきた。
前哨戦の阪神大賞典は最後方から折り合いを重視しての競馬で4着。武豊騎手に替わったばかりということもあって、いかにも本番に向けて試走という感じだった。
京都替わりもプラスに働きそうだし前回よりも前進することは間違いない。
とはいえ、ここまであと一歩届かないというレースが続いており重賞は未勝利。本番までに勝ち切るところが見たかったというのが正直なところ。
あとは菊花賞の完璧に立ち回って2着ヘデントールとはタイム差なしの4着をどう見るか。ヘデントールが外々のスパートだった事や操縦性の差を考えれば、個人的にはややヘデントール優勢かなと思っている。
折り合い面など操縦性の難しさを武豊騎手がどうクリアしていくかがポイント。




【総評A】マイネルエンペラー・・・近走の充実ぶりの割に妙味がありそう
近走の充実ぶりの割に妙味がありそうなのはマイネルエンペラー。
前々走日経新春杯はショウナンラプンタに3/4差の3着。インをロスなく立ち回れたとはいえハイペースの中4番手追走の中で踏ん張った。
前走日経賞は馬場や展開含めバッチリ嵌ったとはいえアーバンシックを破っての初重賞勝利。3勝クラス(1着)→G2(3着)→G2(1着)と流れに乗る。
立ち回りの上手さはコンスタントに競馬を使い続けてきたこれまでキャリアが活きているし、3200mという長距離にも不安を感じさせない。
流石に初のG1で一気にトップに上り詰めほどの破壊力は感じないが、前日人気のままなら2連系でも押さえておく余裕は全然ありそう。もし3連系を買うなら尚更押えておきたい。




その他の有力馬
【総評A】ビザンチンドリーム
菊花賞は2着ヘデントールとは0.1差の5着。今回の人気組の一角とも差のない勝負ができている。前走レッドシーターフを見てもやはり長距離レースは走りやすそう。
一方で2走前のAJCCはレベルの高いメンバーではあったが最後の伸びはやや物足りない。
また、レッドシーターフは60キロを背負って自分で動いての勝利は評価できるが、小頭数スローの団子での競馬で今回再現は難しそう。
スタート面での不安は残しているし、後方からとなるとやはり展開の後押しは欲しい。
【総評B】ブローザホーン
前走阪神大賞典は中団でやや折り合いに苦労しながらも、最後じりじりと伸びて3着。
59キロを背負いながら流石というところは見せたものの多少物足りなさは感じる。
ただ前が想像以上にきつくなるような展開になった場合、スタミナを活かして最後滑り込んできてもおかしくない。
【総評C】ハヤテノフクノスケ
菊花賞は最内でロスなくレースを進めるも、勝負どころの3コーナーでごちゃついて一旦大きく下がる不利があり8着。
2勝クラス→3勝クラスはその鬱憤を晴らすかのような圧勝。ここにきての充実度は本物だろう。
一方で3勝クラスからのG1で一気にレベルが上がるのは中々に大変。
不利があったとはいえ菊花賞の2.2秒差は大きく、実績の割に穴人気もしており手が出しづらい。
【2025天皇賞春】レース予想





◎○▲の順序は非常に悩んだのでこの3頭を中心視。
なので◎から以外にも○-▲の組み合わせは流石に買っておきたい。
後は直前のオッズとも相談しながら。
◎サンライズアース
〇ジャスティンパレス
▲ヘデントール
△ショウナンラプンタ
△マイネルエンペラー
△ビザンチンドリーム
△ブローザホーン
展開予想:スローペースからのロングスパート戦



最後まで読んで下さりありがとうございました。