今週は3歳VS古馬の牝馬最強を決める争い「エリザベス女王杯」。
今年は牝馬ながらに牡馬クラシックに果敢に挑戦したレガレイラが中心的な存在。復活が期待される秋華賞スタニングローズ、府中牝馬Sで強豪馬2頭に割って入った上がり馬シンティレーションなど個性的なメンバーが揃いました。
ここでは2024年のエリザベス女王杯のレース予想をしていきます。
2023年はブレイディヴェーグが持ち前の強烈な決め手を発揮して優勝。
3歳馬に軍配が上がりました。
2024年エリザベス女王杯のコース形態
京都芝2200mのポイント
- スタートは正面スタンド前からで1コーナーまでは約400mと長め
- 「淀の坂」の高低差は外回りコースの場合4.3m
- 坂の下り残り800m付近でレースが動きやすい
- 最後の直線は403.7mと長めも平坦、スピード能力が問われる舞台
より詳しい京都芝2200mの特徴は以下の記事で解説しているのでよければ参考にしてみて下さい。
エリザベス女王杯過去10年のデータと傾向
以下はエリザベス女王杯の過去10年の1~3着馬の年齢と上がりと前走着順です。なお20~22年は阪神での開催になっています。
年 | 着順 | 馬名 | 性齢 | 上がり | 前走 | 前着順 |
---|---|---|---|---|---|---|
23年 | 1着 | ブレイディヴェーグ | 牝3 | 34.4 | ローズS | 2着 |
2着 | ルージュエヴァイユ | 牝4 | 34.3 | 府中牝馬S | 2着 | |
3着 | ハーパー | 牝3 | 34.8 | 秋華賞 | 3着 | |
阪神 | 22年1着 | ジェラルディーナ | 牝4 | 35.4 | オールカマー | 1着 |
2着 | ウインマリリン | 牝5 | 36.1 | 札幌記念 | 3着 | |
3着 | ライラック | 牝3 | 35.5 | 秋華賞 | 10着 | |
阪神 | 21年1着 | アカイイト | 牝4 | 35.7 | 府中牝馬S | 7着 |
2着 | ステラリア | 牝3 | 36.1 | 秋華賞 | 6着 | |
3着 | クラヴェル | 牝4 | 36.1 | 新潟記念 | 3着 | |
阪神 | 20年1着 | ラッキーライラック | 牝5 | 33.9 | 札幌記念 | 3着 |
2着 | サラキア | 牝5 | 33.7 | 府中牝馬S | 1着 | |
3着 | ラヴズオンリーユー | 牝4 | 33.8 | 府中牝馬S | 5着 | |
19年 | 1着 | ラッキーライラック | 牝4 | 32.8 | 府中牝馬S | 3着 |
2着 | クロコスミア | 牝6 | 34.8 | 府中牝馬S | 5着 | |
3着 | ラヴズオンリーユー | 牝3 | 33.8 | オークス | 1着 | |
18年 | 1着 | リスグラシュー | 牝4 | 33.8 | 府中牝馬S | 2着 |
2着 | クロコスミア | 牝5 | 34.7 | 府中牝馬S | 5着 | |
3着 | モズカッチャン | 牝4 | 34.7 | 札幌記念 | 3着 | |
17年 | 1着 | モズカッチャン | 牝3 | 34.1 | 秋華賞 | 3着 |
2着 | クロコスミア | 牝4 | 34.3 | 府中牝馬S | 1着 | |
3着 | ミッキークイーン | 牝5 | 33.7 | 宝塚記念 | 3着 | |
16年 | 1着 | クイーンズリング | 牝4 | 33.2 | 府中牝馬S | 1着 |
2着 | シングンウィズジョイ | 牝4 | 33.7 | 府中牝馬S | 7着 | |
3着 | ミッキークイーン | 牝4 | 33.6 | ヴィクトリアマイル | 2着 | |
15年 | 1着 | マリアライト | 牝4 | 34.7 | オールカマー | 5着 |
2着 | ヌーヴォレコルト | 牝4 | 34.3 | オールカマー | 2着 | |
3着 | タッチングスピーチ | 牝3 | 34.3 | 秋華賞 | 6着 | |
14年 | 1着 | ラキシス | 牝4 | 33.4 | オールカマー | 2着 |
2着 | ヌーヴォレコルト | 牝3 | 33.6 | 秋華賞 | 2着 | |
3着 | ディアデラマドレ | 牝4 | 33.1 | 府中牝馬S | 1着 |
4歳馬が3歳馬を圧倒!5歳以降は不振傾向
「3歳VS古馬」の激突が魅力のエリザベス女王杯。まずは年齢から傾向を探っていきましょう。
- 3歳【2-2-4-26】
- 4歳【7-4-5-44】
- 5歳【1-3-1-56】
- 6歳以上【0-1-0-16】
過去10年で見ると4歳が7勝(勝率11.67%)と圧倒している事がわかります。
次いで3歳が2勝(勝率5.88%)、5歳が1勝(勝率1.64%)と続いていきます。特に5歳馬は出走頭数が多いにもかかわらず成績はイマイチです。
さらに6歳以上になると2着が1回あるのみでかなり厳しくなることがわかります。この2着も逃げたクロコスミアによるものである程度展開の助けが必要になります。
3歳VS古馬は古馬4歳が圧倒!ただし5歳以上は割引が必要と覚えておきましょう。
3着以内のほぼ半数が前走府中牝馬S組
続いて過去10年の前走の傾向です。
- 府中牝馬S【4-6-2】
- オールカマー【3-1-0】
- 秋華賞【1-2-2】
- 札幌記念【1-1-1】
- ローズS【1-0-0】
- オークス【0-0-1】
- ヴィクトリアマイル【0-0-1】
- 宝塚記念【0-0-1】
- 新潟記念【0-0-1】
最も注目は、過去10年で最多の4勝を挙げている府中牝馬S組です。3着内なら30頭中13頭と半分近く馬券に絡んでいることになります。
同距離で行われる2200mのオールカマーも過去10年で3勝と注目のローテです。間隔も程よくG2で牡馬の強豪相手にした後の牝馬限定戦ですから好走歴が多いのも頷けます。出走頭数が少ない割に活躍しているのもプラス。
秋華賞は【1-2-2】で3着内なら30頭中5頭。3歳の王道ローテになりますが、3歳の活躍が4歳に比べてやや劣勢という事もありこの程度にとどまっています。
府中牝馬Sは中3週で比較的実力通りに決まりやすい東京の1800m。前哨戦として優秀であることがわかりますね。
前半はスローがほとんどで後半4Fの勝負になりやすい
最後にエリザベス女王杯のペースから傾向を探ってみます。阪神で行われた20~22年を除いた7年で見てみると…
ペース | 前半4F | 前半3F | 後半4F | 後半3F | |
23年 | S | 49.0 | 36.5 | 46.9 | 35.1 |
19年 | S | 50.3 | 37.6 | 46.2 | 34.6 |
18年 | S | 49.1 | 36.4 | 46.7 | 34.7 |
17年 | S | 49.3 | 36.5 | 46.6 | 34.4 |
16年 | S | 49.2 | 36.5 | 46.0 | 34.1 |
15年 | M | 48.5 | 36.1 | 48.7 | 36.3 |
14年 | S | 48.1 | 35.4 | 46.3 | 34.1 |
2015年以外全てスローペースとなっています。また後半4F勝負になる傾向が強いため、阪神2200mとは違ってスピードが問われる1戦になります。
エリザベス女王杯傾向まとめ
有力馬ピックアップ
◎レガレイラ
レガレイラはとにかくテンが遅く後方からの競馬になるのがネック。
皐月賞
高速馬場で前半57.5とかなり流れたが、4角時点で前から離れた13番手では流石にきつく6着。
日本ダービー
前半62.2で内前有利のスローだったが、後方ポジションからよく追い上げ5着。
ローズS
出足がつかず最高峰から。前半60.2のスローで前哨戦だけに無理に押し上げずに5着。
しっかり脚を溜める分、レース後半は毎回素晴らしい瞬発力を見せるが、どうしても展開に左右されやすい。
この感じで抜けた一番人気なので流石に迷ったが、ここまで牡馬クラシックを中心としたG1競走を使い続けてきたのがこのメンバーの中だと光る。
内回りとなる秋華賞だと評価を下げようと思っていたが、外回りのこの舞台を選んだのは英断だったのではないかと思います。チェルヴィニアとの使い分けの意味合いが大きいかもしれないが今回はそれがいい方に出そう。
出足がついて中団あたりのポジションが取れれば言う事はないが、いつもの後方からの競馬になっても外差し馬場になりつつある今の京都なら差し切れる可能性を感じる。
今更強調する事でもないがルメール騎手というのも大きい。
〇シンティレーション
府中牝馬S組が過去10年で【4-6-2-38】と出走頭数を含めエリザベス女王杯では中心的な存在。
このメンバーにもし入っていれば1、2番人気が濃厚だったブレイディヴェーグとマスクトディーヴァの間に入ったは立派。
前々走3勝クラスの新潟日報賞でも今年のダービー候補の声もあったトロヴァトーレを退けての勝利と近走のパフォーマンスをみればG1で即通用しても驚かない。
もちろん前走が初めての重賞挑戦だけにまだまだ信用し辛い面もあるが、幸い今年は古馬大将格も3歳大将格も不在のメンバー構成。
瞬発力やスピードの持続力が長所でスローからの後半4F勝負になりやすいこの舞台ともマッチしている。
▲サリエラ
去年◎をつけたのがこのサリエラ。レースはロスのない内側を通った馬達での決着の中、後方外回しでの6着で力は見せてくれた。
東京の長い直線で32秒~33秒台の瞬発力とスピードの持続力を武器にしてきた素質馬。特に今年のダイヤモンドS2着は後に天皇賞春を制するテーオーロイヤルが1着、メルボルンCで惜しくも2着となったワープスピード3着と振り返ってみればハイレベルの争いだった。
東京コースに良績が集中しているが、京都の外回りという条件はディープインパクト産駒には有利に働くはず。
鞍上のムーア騎手が世界的名手なのは言わずもがな。スノーフェアリーでこのレースを2連覇しているのも心強い。
オールカマーの着順次第では本命まで考えていたが天皇賞春に続き不可解な大敗。精神的な原因も考えられる以上信頼面で評価を落とさざるを得ない。
その他の注目馬
△シンリョクカはスピード勝負という点においてはこの舞台は正直不安だが、おそらくそこは鞍上もわかっているだろうし、前走のような持ち味を活かした好位からの競馬が予測される。ここにきて本格化の兆しを見せ始めているし、去年の9着から飛躍する可能性は高い。
☆ハーパーは去年前目から上手く立ち回っての3着。有馬記念でドウデュースから0.7差の9着までは安定した強さを発揮していたが今年に入ってスランプに…今回ブリンカーを着用して復活にかける。本来の力が発揮できればここで通用するのは間違いないので押さえる余裕があるなら少額買いたい。
エリザベス女王杯レース予想
◎レガレイラはスタート不安はあるものの能力を信じて。
かなり混戦模様ではあると思うので、当日紐は印以外でも追加するかも…
◎レガレイラ
〇シンティレーション
▲サリエラ
△シンリョクカ
☆ハーパー
馬連:◎ー〇▲△☆
馬連:〇ー▲
想定ペース:ややスロー
最後まで読んでくださりありがとうございました!