札幌競馬場は右回りの非常にコンパクトな競馬場です。中央の競馬場は楕円形のコースがほとんどですが、札幌競馬場は円形に近いのが最大の特徴です。
ここでは、札幌競馬場のダート1700mの特徴や傾向をコース図を交えて解説していきます。
札幌ダート1700mはレース数も多く、特徴を覚えておくと便利です。
札幌ダート1700mで開催される代表的なレース
- エルムS(G3)
札幌ダート1700mで代表的なレースは真夏に開催される「エルムS」です。
3歳も出走できるレースですが、同日に新潟で3歳限定の「レパードS」が行われるため、古馬の強豪を中心としたレースになりやすくなっています。
札幌ダート1700mのコースの特徴
コーナー半径が大きい大回りな競馬場
札幌競馬場は他場に比べコーナー半径が大きく緩やかなため、円形に近い形をしており、ローカル競馬場としては珍しく大回りなコースなのが大きな特徴です。
コーナーが占める割合が大きいため、一周距離は1487mと中京競馬場に次ぐ大きさに対して、直線は264.3mしかなく全10場中9番目の長さと非常に短くなっています。
また起伏はほとんどなく平坦なコースになっています。
同じ北海道にある函館競馬場は反対に起伏の多いコースになっているので間違って覚えないようにしましょう。
差し追い込み馬は3コーナーから仕掛けはじめ熾烈な争いになりやすい
札幌ダート1700mは直線入り口あたりからのスタート。とはいえ直線が自体が短いので1コーナーまでは240m程しかありません。
4つのコーナーを回ることになりますが、コーナー半径が大きいためスピードが緩むことなくレースが進みやすくなっています。
平坦で直線が短いため一見すると前の馬が有利ですが、後方勢もそれは十分わかっているので3コーナーあたりから早めに仕掛けてポジションを上げてきます。
そのため立ち回りの上手さよりは総合力を問われやすいコースになります。
札幌ダート1700mデータ詳細
コース | 右回り |
一周距離 | 1487m |
直線距離 | 264.3m |
高低差 | 0.9m |
コースレコード | 1:40.9(ロンドンタウン 2017 エルムS) |
札幌ダート1700mで注目の枠順・脚質
札幌ダート1700mで勝率が最も優秀なのは「8枠」です。連対率、3着内率では「6枠」が優れており、全体的に外枠が好成績を上げやすい傾向にあります。
コーナーが4つあるコースなのでロスなく運べる内枠に目が行きがちですが、コーナー半径が大きく、動きたい時に動きやすい外枠に利があります。
脚質は「差し」が優秀ですが、直線が非常に短いため4コーナーを回るあたりでは既に先頭集団にとりついておきたい。
枠順 | 8枠・6枠 |
脚質 | 差し |
その他の札幌競馬場のコースの特徴と傾向
エルムS過去10年のデータと傾向
以下はエルムS過去10年の1~3着馬の通過順位と前走・前走着順です。(※21年は函館での開催となっています。)
年 | 着順 | 馬名 | 通過順位 | 前走 | 前着順 |
---|---|---|---|---|---|
23年 | 1着 | セキフウ | 14-13-11-9 | マリーンS | 3着 |
2着 | ワールドタキオン | 2-2-2-1 | 甲州街道S | 1着 | |
3着 | ロッシュローブ | 9-8-7-5 | マリーンS | 6着 | |
22年 | 1着 | フルデプスリーダー | 6-4-4-3 | マリーンS | 1着 |
2着 | ウェルドーン | 2-2-2-1 | マリーンS | 2着 | |
3着 | オメガレインボー | 3-4-4-3 | マリーンS | 4着 | |
(函館) | 21年1着 | スワーヴアラミス | 3-4-5-4 | マリーンS | 1着 |
2着 | オメガレインボー | 8-8-8-4 | マリーンS | 2着 | |
3着 | ロードブレス | 8-8-8-9 | 平安S | 13着 | |
20年 | 1着 | タイムフライヤー | 7-7-7-4 | マリーンS | 1着 |
2着 | ウェスタールンド | 14-14-12-4 | アンタレス | 1着 | |
3着 | アナザートゥルース | 2-2-2-1 | アンタレス | 2着 | |
19年 | 1着 | モズアトラクション | 11-10-8-5 | マリーンS | 2着 |
2着 | ハイランドピーク | 7-7-6-4 | 大沼S | 6着 | |
3着 | サトノティターン | 11-12-11-9 | 平安S | 9着 | |
18年 | 1着 | ハイランドピーク | 3-3-2-2 | マリーンS | 2着 |
2着 | ドリームキラリ | 1-1-1-1 | プロキオン | 6着 | |
3着 | ミツバ | 14-13-13-10 | マーキュリ | 1着 | |
17年 | 1着 | ロンドンタウン | 4-4-3-3 | 平安S | 12着 |
2着 | テイエムジンソク | 2-2-2-2 | マリーンS | 1着 | |
3着 | ドリームキラリ | 1-1-1-1 | マーキュリ | 4着 | |
16年 | 1着 | リッカルド | 6-6-6-2 | 安達太良S | 1着 |
2着 | クリノスターオー | 2-2-2-2 | 平安S | 2着 | |
3着 | モンドクラッセ | 1-1-1-1 | 大沼S | 1着 | |
15年 | 1着 | ジェベルムーサ | 11-11-2-1 | マリーンS | 3着 |
2着 | グレープブランデー | 2-3-3-3 | プロキオン | 5着 | |
3着 | エイシンモアオバー | 1-1-1-2 | 名古屋大賞 | 4着 | |
14年 | 1着 | ローマンレジェンド | 4-4-2-2 | 東京大賞典 | 6着 |
2着 | クリノスターオー | 2-2-2-1 | 平安S | 1着 | |
3着 | インカンテーション | 5-6-4-3 | JCD | 14着 |
差し馬軽視は禁物!4角までに押し上げれているなら可能性十分
直線が264.3mと短かいため、馬券圏内に来た30頭中10頭が道中1番手~2番手にいた馬で「逃げ・先行馬」はやはり注意が必要。
一方で差し馬も意外に来るレースなので後方からの馬でも軽視は禁物。
注目は4角の通過順位。30頭中26頭が4角で5番手以内だった。
20年のウェスタールンドは「14-14-12-4」と一気にポジションを上げて2着に食い込んでいる。19年モズアトラクションも同じく「11-10-8-5」で1着。
過去にそういうレースを見せた馬には注目しておきたい。
先行争いが激化しそうなメンバー構成なら、より差し馬に注目です。
6年連続勝ち馬が出ている「マリーンS組」に大注目!
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
マリーンS | 7-3-2-35 | 14.89% | 21.28% | 25.53% |
平安S | 1-2-2-5 | 10.00% | 30.00% | 50.00% |
安達太良S | 1-0-0-2 | 33.33% | 33.33% | 33.33% |
東京大賞典 | 1-0-0-1 | 50.00% | 50.00% | 50.00% |
プロキオンS | 0-2-0-9 | 0.00% | 18.18% | 18.18% |
アンタレスS | 0-1-1-8 | 0.00% | 10.00% | 20.00& |
大沼S | 0-1-1-2 | 0.00% | 25.00% | 50.00% |
1着~3着馬の前走を見て明らかに目立つのが「マリーンS組」で【7-3-2-35】で過去10年で7勝で、最近は6年連続での勝利となっている。出走頭数もかなり多い中しっかりと好走率を保っているのでまずはここからチェックしていきたいところ。
マリーンSは7月上旬の函館ダート1700mのOPレース。臨戦過程としては理想的ということだろう。同じ理屈で「大沼S組」にも注目しておきたい。勝ち馬こそ出ていないが好走率はこちらも高め。
その他では「平安S組」も【1-2-2-5】とかなり堅実に走っている。マリーンSの勝利数が目立っているものの、重賞組も侮れない。