函館競馬場は右回りで1周距離は1626.6mというコンパクトな競馬場です。またゴール板が1コーナーのかなり手前に設置されてるため直線は262.1mという短さでこれは全競馬場で最も短い直線になります。
ここではそんな函館競馬場の芝2000mの特徴や傾向をコース図を交えて解説していきます。
函館芝2000mで開催される代表的なレース
- 函館記念(G3)
函館芝2000mでは、サマー2000シリーズ第2弾である「函館記念」が代表的なレースになります。
ハンデ戦で人気薄がよく浮上してくるため、難解なレースになります。
函館芝2000mのコースの特徴
枠の差は出にくいが極端な枠には注意が必要
函館芝2000mは4コーナーのポケット地点からのスタートするため、1コーナーまでは約480mの長い直線を走ることになります。また直線は下り坂ということも手伝って序盤は早いラップになりがちです。
またコーナーまでにポジションが決まりやすく枠順による有利不利は出にくいコースです。ただし1枠や8枠といった極端な枠の成績はあまりよくありません。特に1枠は揉まれやすくなるため注意が必要です。
平坦なイメージのあるローカル競馬場だが、2コーナーから3コーナーにかけて高低差3.5mの上り坂が緩やかに続くため、パワーも求められます。
直線は短く先行馬や機動力のある差し馬が有利
4コーナーを回ってからは直線は262.1mしかなく直線は下り坂になるので、後ろの馬はそれまでにポジションを押し上げる必要があります。そのため「先行力のある馬、もしくは途中で上がっていける機動力のある差し馬」が強い傾向にあります。
オール洋芝のためパワータイプの馬が台頭しやすい
最も注意する点としてはコース形態そのものより函館競馬場の芝が「オール洋芝」だということです。
洋芝は寒冷な気候に強く、細かい根がマット層を作るためクッションが効いて保水性が高いのが特徴です。また野芝と比べて耐久性はやや見劣り、馬場が傷みやすくなります。
中央競馬では北海道の競馬場はオール洋芝、それ以外の競馬場は野芝をベースとして洋芝が使われています。
道悪に強い馬やパワータイプの馬が台頭してくるので、出走してくる馬の特徴を見極めることが重要な競馬場です。
函館芝2000mデータ詳細
コース | 右回り |
一周距離 | Aコース:1626.6m Bコース:1651.8m Cコース:1675.8m |
直線距離 | Aコース:262.1m Bコース:262.1m Cコース:264.5m |
高低差 | 3.5m |
コースレコード | 1:57.8(サッカーボーイ 1988函館記念) |
函館記念過去10年のデータと傾向
年 | 着順 | 馬名 | 性齢 | 上がり | 前走 |
---|---|---|---|---|---|
23年 | 1着 | ローシャムパーク | 牡4 | 35.8 | むらさき賞 |
2着 | ルビーカサブランカ | 牝6 | 36.3 | 巴賞 | |
3着 | ブローザホーン | 牡4 | 35.6 | 烏丸S | |
22年 | 1着 | ハヤヤッコ | 牡6 | 37.8 | 天皇賞春 |
2着 | マイネルウィルトス | 牡6 | 37.3 | 目黒記念 | |
3着 | スカーフェイス | 牡6 | 55.0 | 大阪杯 | |
21年 | 1着 | トーセンスーリヤ | 牡6 | 35.5 | 新潟大賞典 |
2着 | アイスバブル | 牡6 | 35.1 | 目黒記念 | |
3着 | バイオスパーク | 牡6 | 35.8 | 新潟大賞典 | |
20年 | 1着 | アドマイヤジャスタ | 牡4 | 36.4 | 鳴尾記念 |
2着 | ドゥオーモ | 牡7 | 36.1 | 巴賞 | |
3着 | バイオスパーク | 牡5 | 36.9 | 都大路S | |
19年 | 1着 | マイスタイル | 牡5 | 35.9 | 巴賞 |
2着 | マイネルファンロン | 牡4 | 35.6 | 巴賞 | |
3着 | ステイフーリッシュ | 牡4 | 35.3 | 鳴尾記念 | |
18年 | 1着 | エアアンセム | 牡7 | 34.7 | エプソムC |
2着 | サクラアンプルール | 牡7 | 34.6 | 日経賞 | |
3着 | エテルナミノル | 牡5 | 35.0 | マーメイドS | |
17年 | 1着 | ルミナスウォリアー | 牡6 | 35.6 | 金鯱賞 |
2着 | タマモベストプレイ | 牡7 | 36.1 | 天皇賞春 | |
3着 | ヤマカツライデン | 牡5 | 36.4 | 天皇賞春 | |
16年 | 1着 | マイネルミラノ | 牡6 | 35.5 | エプソムC |
2着 | ケイティープライド | 牡6 | 35.4 | 巴賞 | |
3着 | ツクバアズマオー | 牡5 | 35.3 | 巴賞 | |
15年 | 1着 | ダービーフィズ | 牡5 | 35.5 | 目黒記念 |
2着 | ハギノハイブリッド | 牡4 | 35.7 | 新潟大賞典 | |
3着 | ヤマカツエース | 牡3 | 36.6 | NHKマイル | |
14年 | 1着 | ラブイズブーシェ | 牡5 | 36.0 | 目黒記念 |
2着 | ダークシャドウ | 牡7 | 36.3 | エプソムC | |
3着 | ステラウインド | 牡5 | 36.5 | ジューンS |
出走頭数は少な目も4歳が好走率が高め!過去4勝の6歳にも注目!
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内 | |
3歳 | 0-0-1-2 | 0% | 0% | 33.33% |
4歳 | 2-2-2-17 | 8.70% | 17.39% | 26.09% |
5歳 | 3-0-5-35 | 6.98% | 6.98% | 18.60% |
6歳 | 4-4-2-38 | 8.33% | 16.67% | 20.83% |
7歳 | 1-4-0-25 | 3.33% | 16.67% | 16.67% |
8歳以上 | 0-0-0-12 | 0% | 0% | 0% |
4歳は【2-2-2-17】で出走頭数こそあまり多くないが好走率が高めで、出走してくれば要注目の年齢です。
また6歳も【4-4-2-38】で過去10年で4勝と勝ち数ではトップ。また7歳の好走率も【1-4-0-25】と高く、年齢が高いからといって嫌う必要はありません。ただ8歳以上は流石に厳しく、一度も馬券圏内に入っていない。
一方3歳は出走頭数がかなり少ないので、参考にしにくいデータとなっています。
上がりのかかる馬場でパワータイプの活躍が目立つ
以下は過去10年で馬券圏内に入った30頭の「上がり3F」です。
- 33秒台 0頭
- 34秒台 2頭
- 35秒台 15頭
- 36秒台 10頭
- 37秒台 3頭
35~36秒台が25/30頭と大半を占めており、上がりのかかるレースとなっていることが分かります。
高速馬場で着順を落としているパワータイプの馬なども度々浮上してくるので、適性がありそうな馬を見つけておきましょう。
去年3着のブローザホーンはここで重馬場適性を見せて、後に宝塚記念を制する大躍進となりました。
前走「目黒記念」「エプソムC」「天皇賞春」は好走率が高め
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
目黒記念 | 2-2-0-7 | 18.18% | 36.36% | 36.36% |
エプソムカップ | 2-1-0-8 | 18.18% | 27.27% | 27.27% |
巴賞 | 1-4-1-46 | 1.92% | 9.61% | 11.54% |
天皇賞春 | 1-1-1-4 | 14.29% | 28.57% | 42.86% |
新潟大賞典 | 1-1-1-10 | 7.69% | 15.38% | 23.08% |
鳴尾記念 | 1-0-1-11 | 7.69% | 7.69% | 15.38% |
3勝クラス | 1-0-2-5 | 12.50% | 12.50% | 37.50% |
金鯱賞 | 1-0-0-0 | 100% | 100% | 100% |
過去10年の前走別成績では、同じ函館競馬場の巴賞組(OP)が主流ローテのため注目されますが、【1-4-1-46】と出走頭数の割には1勝のみと正直物足りない。もし巴賞組に警戒する場合は、斤量が増えない巴賞敗退組の逆転が多いので注目しておきたい。
前走組で注目は「目黒記念組」「エプソムC組」「天皇賞春」の3つ。勝率、連対率、3着内率もいずれも優秀で優先的にチェックしておきたいところ。
また3勝クラスも出走頭数は少なめだが、23年ローシャムパーク(むらさき賞)などの勝ち馬も出ており、好走率は悪くないので軽視は禁物。