雨がダートレースに与える影響は?重馬場で有利になる脚質や血統についても紹介

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雨がダートレースに与える影響は?

競馬にとって重要な予想ファクターとなる雨による馬場状態の変化。芝のレースだと馬場が重くなって時計がかかるなど様々な影響が見られます。

一方でダートレースになると雨が降ると馬場状態がどうなるのか、どういう影響が出るのかイマイチ想像しにくいという人も多いのではないでしょうか。

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今回は雨がダートに与える影響や重馬場で有利になる脚質や血統などを解説・紹介していきます。

目次

雨がダートに与える影響

ダートの良馬場と重馬場の違い

雨が降るとダートコースの砂が水分を含んで通常より固くなります。これによって脚抜きがよくなりタイムが速くなります。

ダートコースはJRAの全ての競馬場共通で、ベースに青森県産の砂が使用されています。このクッション砂は粒度が細かく、シルトや粘土の含有量が1%以下であるため、砂の質感は比較的滑らかでサラサラしています。

良馬場ではサラサラとした砂の上でパワーが必要なのに対して、重馬場ではスピード能力を求められやすくなります。これによって得意な脚質や血統などの傾向も変わってきます。

なお各馬場状態の判断基準は以下のように区分されています。

スクロールできます
ダート
踏みしめた際、馬場の表面はほとんど変化しない状態クッション砂(表層)を握った際、固まらない状態、または固まってもすぐに崩れる状態
稍重踏みしめた際に水は染み出ないが、馬場の表面がやや凹む状態。踏みしめた際に水は染み出ないが、クッション砂を握ると団子状に固まる状態。
表面に水は浮いていないが、踏みしめると水が染み出る状態
不良表面や足跡に水が浮いている状態
馬場状態区分の判断基準(JRA公式ホームページより)

実施される馬場状態の割合

ダートの競走で雨で道悪になるのは全体の何割くらいかも参考までに見てみましょう。

以下は過去10年の実施されたダートレースの馬場状態の割合です

良」が約6割と圧倒的で「稍重~不良」まで全て合わせても4割程になっています。

ダートの割合
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日本の馬場は水はけが非常によく、不良になることは稀です。

ダートは水が浮くような不良馬場でもタイムは早くなる?

砂が水分を含んで通常より固くなるような重馬場でタイムが早くなるのはイメージできたと思うのですが、以下のように思う人はいないでしょうか。

ダートで重馬場になったらタイムが早くなるのは分かったけど、水が浮いているような不良馬場にまでなったらどうなるの?

たしかに水が浮くようなレベルまで行くと走りにくい印象があります。では過去10年の各馬場状態ごとの1着の平均タイムをいくつか例を見てみましょう。

稍重不良
ダ1200m1:12.21:12.11:11.41:11.2
ダ1400m1:25.21:24.91:24.21:24.2
ダ1600m1:38.11:37.61:36.51:37.0
ダ1800m1:54.31:54.11:53.01:52.3
過去10年の各馬場状態ごとの1着の平均タイム

良馬場や少し湿った稍重のタイムと比較しても、不良馬場の1着の平均タイムはかなり速くなっていることが分かります。

「重→不良」の場合は「稍重→重」ほど大きなタイム変化は見られませんが、やや早くなるケースが多くなっています。

タイム比較としては【不良≧重>>稍重>良】で、不良馬場でもタイムは速くなると考えていいでしょう。

ダートの重馬場で有利になる脚質

ダートは雨で重や不良になるとスピード能力がより求められることが分かりましたが、そういった馬場になると有利になる馬はどういうタイプか探っていきます。

もっとも分かりやすいのが「脚質」です。以下は過去10年の良・稍重・重・不良ダートの勝率です。

稍重不良
逃げ20.00%20.50%21.30%21.50%
先行14.50%14.50%14.60%15.20%
差し4.20%4.00%3.70%3.70%
追い込み1.10%1.20%1.20%0.80%
マクリ17.30%18.40%21.90%11.90%
過去10年のダートの馬場状態別脚質成績(2015年~2024年)

馬場が悪化していくごとに、「逃げ」の勝率は20%→20.5%→21.3%→21.5%と上がっているのが分かります。また同じく「先行」についても馬場が悪化すると勝率が徐々に上がっています。

このようにダートの場合重馬場や不良馬場など馬場が悪化すると「逃げ」「先行」が有利になる傾向にあります。

理由としては「前方にいる方が雨による泥を被る影響が少ない」というのがまず挙げられます。これは芝も同様ですがダートの方が更に大きく影響を受ける事になります。

また、馬場がより走りやすくなっているため、スピード能力のある馬が前に行けて、タフさが求められない分、後方の馬が挽回しにくくなっていることが考えられます。

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勝率の差は最大で逃げ1.50%、先行0.70%ほどの違いなので、これを影響が大きいと見るのか少ないと見るかは意見が分かれそうですね。

重馬場・道悪のダートが得意な血統

血統

ダートは雨で重や不良になるとスピード能力がより求めらることが分かりましたが、それらの馬場が得意な血統はいるのか探っていきたいと思います。

過去10年の勝利数トップ10種牡馬のダート「重/不良」の成績は?

まずは過去10年(2015~2024年)の勝利数トップ10種牡馬の「重/不良」のダート成績を見ていきましょう。

順位種牡馬重/不良(良)
1ヘニーヒューズ勝率:8.1%10.9%)
連対率:16.9%(20.6%)
3着内率:25.4%(29.7%)
2キングカメハメハ勝率:12.2%9.4%)
連対率:19.9%(18.5%)
3着内率:26.9%(26.9%)
3ゴールドアリュール勝率:6.8%8.7%)
連対率:13.7%(16.8%)
3着内率:20.9%(23.6%)
4シニスターミニスター勝率:9.7%10.0%)
連対率:18.6%(18.4%)
3着内率:25.5%26.6%)
5クロフネ勝率:9.0%7.70%)
連対率:16.2%(15.9%)
3着内率:24.1%(23.4%)
6サウスヴィグラス勝率:8.6%7.8%)
連対率:15.9%(16.2%)
3着内率:23.8%(23.5%)
7ロードカナロア勝率:9.6%9.5%)
連対率:16.4%17.2%)
3着内率:23.7%(25.3%)
8パイロ勝率:8.9%7.8%)
連対率:18.3%(15.4%)
3着内率:26.1%(23.9%)
9キンシャサノキセキ勝率:6.8%(7.7%)
連対率:15.9%16.8%)
3着内率:23.2%(25.2%)
10ダイワメジャー勝率:7.2%(7.7%)
連対率:13.5%(15.4%)
3着内率:19.1%(21.4%)
過去10年(2015~2024年)勝利数1位~10位種牡馬のダートレースの重馬場/不良馬場と良馬場の勝率・連対率・3着内率比較

勝利数トップ10種牡馬の中で重・不良のダートで好走率が上がっているのはキングカメハメハ、クロフネ、パイロなどです。

サウスヴィグラスも連対率こそ僅かに下がっているものの、勝率と3着内率は上がっているので得意と見て良さそうです。

ダート「重/不良」で「勝率・連対率・3着内率」全てが上昇している種牡馬

今度は勝利数トップ10に限らず「重/不良」のダートで「勝率、連対率、3着内率」の全てが上昇している種牡馬をいくつか紹介します。

種牡馬重/不良(良)
クロフネ勝率:9.0%7.7%)
連対率:16.2%(15.9%)
3着内率:24.1%(23.4%)
パイロ勝率:8.9%7.8%)
連対率:18.3%(15.4%)
3着内率:26.1%(23.9%)
エンパイアメーカー勝率:8.1%(7.2%)
連対率:18.1%(14.7%)
3着内率:26.0%(21.9%)
キズナ勝率:12.0%(10.7%)
連対率:21.6%(18.4%)
3着内率:27.8%(27.5%)
カジノドライヴ勝率:12.2%(7.8%)
連対率:19.6%(14.5%)
3着内率:28.1%(21.5%)
マジェスティックウォリアー勝率:8.9%(7.1%)
連対率:16.0%(15.2%)
3着内率:25.9%(22.3%)
シンボリクリスエス勝率:6.5%(5.5%)
連対率:12.8%(12.1%)
3着内率:21.8%(19.8%)
ゼンノロブロイ勝率:6.7%(5.9%)
連対率:12.1%(11.1%)
3着内率:17.4%(16.9%)
過去10年(2015~2024年)ダートレースの重/不良勝率・連対率・3着内率比較

やはり注目は2024年の種牡馬リーディングのキズナのダート「重/不良」の好走率の高さ。産駒の数も非常に多いので参考にできる機会は多そうです。

近年ダートで活躍中の種牡馬の「重/不良」の成績は?

先程は過去10年での活躍馬に焦点を当てましたが、近年ダートで活躍中の種牡馬の「重/不良」成績も気になるところ。

最後は近年のダートで活躍中の種牡馬の「重/不良」の成績を紹介します。

順位
(2024年)
種牡馬重/不良(良)
1シニスターミニスター勝率:9.7%10.0%)
連対率:18.6%(18.4%)
3着内率:25.5%26.6%)
2ドレフォン勝率:9.7%10.7%)
連対率:16.8%(19.6%)
3着内率:26.2%(29.7%)
3ヘニーヒューズ勝率:8.1%10.9%)
連対率:16.9%(20.6%)
3着内率:25.4%(29.7%)
4ホッコータルマエ勝率:7.2%7.8%)
連対率:16.6%(15.8%)
3着内率:26.1%(23.7%)
5マジェスティックウォリアー勝率:8.9%(7.1%)
連対率:16.0%(15.2%)
3着内率:25.9%(22.3%)
8ダノンレジェンド勝率:7.6%11.7%)
連対率:15.3%(20.6%)
3着内率:25.0%(29.2%)
9アジアエクスプレス勝率:5.0%7.0%)
連対率:13.5%(16.1%)
3着内率:19.5%(23.5%)
10パイロ勝率:8.9%7.8%)
連対率:18.3%15.4%)
3着内率:26.1%(23.9%)
12コパノリッキー勝率:5.8%7.2%)
連対率:13.6%(13.3%)
3着内率:19.4%(19.1%)
13エスポワールシチー勝率:8.6%(9.5%)
連対率:13.6%17.7%)
3着内率:21.4%(25.4%)
14リアルスティール勝率:8.9%(10.4%)
連対率:17.8%(19.7%)
3着内率:30.0%(28.5%)
65ナダル勝率:28.6%(32.4%)
連対率:42.9%(45.9%)
3着内率:57.1%(54.1%)
2024年のダート活躍種牡馬の「重/不良」の勝率・連対率・3着内率比較

先程も出てきたマジェスティックウォリアーパイロは勝率・連対率・3着内率全てで好走率が高く「重/不良」で強いとはっきり言えそうです。

ホッコータルマエコパノリッキーは連対率・3着内率ではわずかに上昇しているものの勝率は良ダートのほうが良く、得意かどうかは微妙なラインとなっています。

反対に気になるのはダノンレジェンドで良ダートでの好走率はかなり高く信頼できる種牡馬なのですが、「重/不良」となると著しく好走率が下がっています。

Keibit

成績が悪くなる馬にも注目してみるといいかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は雨がダートに与える影響や重馬場で有利になる脚質や血統などを解説・紹介しました。

雨がダートに与える影響については以下のようになります。

良馬場(ダート)

  • 乾燥してサラサラとした砂
  • 前に進むのにパワーが必要
  • 走破時計が遅くなる

重馬場(ダート)

  • 雨で砂が水分を含み固くなる
  • 脚抜きが良くスピードに乗りやすい
  • 走破時計が速くなる(水が浮くような不良馬場でも速くなる)

また、ダートの場合重馬場や不良馬場など馬場が悪化すると「逃げ」「先行」が有利になる傾向にあります。

Keibit

このように雨の影響が少なからず存在するので、正しい知識を持って予想に活かしたいですね。

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