AIは競馬予想をどこまで助けてくれるのか|「当たる仕組み」と「限界」

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競馬予想とAI

ここ2〜3年で「AI予想」という言葉をよく見かけるようになりました。
競馬新聞やYouTube、SNSでも“AI印”や“AI指数”が当たり前のように並んでいます。

でも──
実際のところ、

「AI予想ってどういう仕組み?」
「本当に当たるの?」
「どう使うのがいいの?」

こんな疑問を持つ人はとても多いはずです。

この記事では、
競馬におけるAI予想の“仕組み・強み・限界”を整理し、
どう使えば予想が深まるのかをわかりやすく解説します。

目次

1.そもそもAI予想って何をしている?

AI予想の仕組み

そもそも「AIが競馬を予想する」と聞いても、実際にどういうものか、ピンとこない人も多いのではないでしょうか?

AI予想の中で起きていることは、

「過去のレースでどんな条件の時に、どんなタイプの馬が走ったのか」
という膨大なパターンを学習し、
予想レースに当てはめて確率を計算する仕組み

です。

AIは、過去に同じような状況にあった馬の、

  • 各馬の基本情報(年齢・血統・馬体重など)
  • 過去成績(勝率・コース適性)
  • レース内容(着差、ラップ、上がりなど)
  • 騎手・厩舎の成績
  • 調教時計
  • 馬場状態

など、複数の要素を同時に比較し、
その組み合わせに最も近いタイプの馬を瞬時に探し出します。

そして、
“その条件で実際に好走した馬の傾向” を重ね合わせて、
「今回、走りそうな確率」を算出する
という流れです。

つまり、

  • 人間:要素を1つずつ判断
  • AI:数十〜数百の要素を一気に組み合わせて判断

という大きな違いがあります。

このようにAIは“大量の情報処理”を最も得意とする一方で、競馬が持つもう一つの側面──「数字だけでは捉えきれない要因」には弱さを抱えています。

ここからは、どれだけAIが進化してもなお苦戦しやすい、“見えない要因”について整理していきます。

2.AIが苦手とする“見えない要因”とは

AIが苦手とする“見えない要因”とは

近年AIの性能は飛躍的に向上しました。そのため、

「AIに予想してもらえば人間より当たるのでは?」

と思う人も多いのではないでしょうか。

しかし、競馬においてAIは決して“何でも当てられる存在”ではありません。
その理由は、競馬には“数字にならない要素”が多いからです。

AIが苦手なもの=“データとして残りにくい要素”

AIはあくまで「過去のパターン」から未来を推測する仕組みです。
つまり、数字として残っていない事象や、データとして蓄積されていないケースには弱い特徴があります。

たとえば…

  • 初距離・初輸送
  • キャリアが浅い2歳戦や新馬戦
  • 馬の体調・当日のテンションの変化
  • 大雨による急激な馬場悪化
  • 超スロー/超ハイなど極端な展開
  • 騎手の瞬時の判断(位置取り・進路取り)
  • 力を出し切れずに終わるレース中の不利

これらは“数字で表しづらい情報”であり、
厩舎コメント・現場の空気感・馬の様子など、
人間の観察でしか拾えない領域が大きく残っています。

たとえば、調教で時計自体は出ていても、
「いい時に比べると伸びがない」「走りのバランスが悪い」「足さばきが硬い」といったコメントが出ることは珍しくありません。
これは数値だけでは判断できません。

言葉の通じない馬が人を乗せて走る以上、
レースにはどうしても不確定要素が生まれます。

これらの“不確定要素”は人間の予想を乱す「余計な情報ノイズ」になることも少なくありませんが、
AIにとってはデータ化されていない突発的要因が起きた場合、無力であることもまた事実です。

Keibit

もうひとつ例を出すと、「返し馬で突然馬がパニックになった場合」。
人間はアドリブで購入を見送ったり、金額を減らしたりと評価を下げる事はできますが、AIは当然できません。

競馬はそもそも“確率”の世界

競馬はそもそも“確率”の世界です。
同じメンバー、同じ馬場、同じ展開が繰り返されるわけではなく、
レースごとに条件が細かく変わります。
この“再現性の低さ”こそが競馬の本質です。

さらに、競馬には「控除率」という仕組みがあります。
競馬の控除率は20〜30%と非常に高く、何も工夫しなければ
“理論上は負けやすいゲーム”になります。

こうした性質から、競馬は長く見れば“確率に収束しやすい”競技です。
年間回収率100%を超える人が全体の1〜2%にとどまるのは、
突発的な事象や数字にならない“揺らぎ”がレース結果に積み重なるためです。

ここが重要です。

競馬には、数値だけでは割り切れない領域が必ず残ります。
そのためAIも、膨大なデータから
「確率的に起こりやすいパターン」を導くだけで、
“毎回正解を出す存在”にはなりえません。

では、AIに価値がないのか?
というと、全然そんなことはありません。

むしろAIの本領はここからです。

3.AIの強みは「的中率」よりも“ブレないこと”

AIの強みは「的中率」よりも“ブレないこと”

AIの最大の強みは、「的中率」ではなく“判断のブレが少ないこと”にあります。
人間が陥りがちな“気分”や“先入観”に左右されないという強みがあります。

  • それまでのレースに負けて弱気になる or 一発逆転を狙おうとする
  • オッズを見て無意識に特定の馬を過剰に信頼しすぎたり、軽視したりする
  • SNSやYouTubeで他の人の予想を見て変に影響される
  • 暇だから急遽、買う予定のなかったレースに参加する

といった心理的なブレが人間だと必ず起こります。

一方AIは、どんな時でも同じルール・同じ基準で判断します。
条件が同じなら、同じ答えを返す。ここが非常に大きいポイントです。

つまりAIに、
「1レースでの的中率」を期待するのではなく、
“長い期間で安定した判断を積み上げてくれるツール”

と理解すると、その価値がより伝わりやすくなります。

4.具体的にAIはどう使うのがベスト?

AIを補助ツールとして使う

AI予想を上手く活用するコツは、
「AI予想に丸投げしないで、人間の判断と組み合わせること」 です。
特に競馬は“当日の状態”や“騎手の判断”などデータ化しづらい要素が多いため、
AIだけで完結させるより “AIを補助ツールとして使う”ほうが精度が安定します。

AI予想の入り口として“既存のAI予想”を参考にする

まず前提として、
自分で大量データを集めてAIに学習させる──これは可能ですが、
実際には上級者や開発者レベルの世界です。

  • データ取得(JRA-VANなど)
  • データ加工
  • モデル検証
  • 毎週の更新

こうした手間を考えると、
一般の競馬ファンがAI予想を構築するのはハードルが高いのが現実です。

そのためまずは、
“あらかじめAI予想が提供されているサービス”を参考にしてみることから始めるのが良いでしょう。

AI予想を体験する最初の入り口として最適です。

Keibit

もしAI予想に興味が出たら、自分でAIに学習させるというステップに進むのが理想。

5.“既存のAI予想”を参考にする上での注意点

AI予想が提供されているサービスを利用する際にはいくつか注意点があります。

  • 派手な的中を謳ったり、高額のサービスでないか
  • 参考データ(過去成績/馬場/騎手/血統/コースなど)の説明があるか
  • 過去予想の成績やログを公開しているか
  • 更新頻度が高く、古いデータのまま放置されていないか

①派手なPRを謳ったり、高額のサービスでないか

まず大前提として、いきなり高額のサービスを試してみるのは危険です。

「驚愕の的中力!」
「AIが穴馬を100%見抜く!」
「この買い目で100万円的中!」

派手な煽り文句や、的中率や回収率を前面に押し出して、サービスに勧誘しているものはNGです。
無料でAI予想を公開している趣味ベースのサイトや、有料のサービスでも無料のお試し版を用意しているところも多いので、“まずは無料からAI予想に触れてみる”のが大切です。

それで、AI予想に手応えを感じたらのなら、次のステップに進むのがおすすめです。

➁参考データ(過去成績/馬場/騎手/血統/コースなど)の説明があるか

印や指数を出すにあたってどんなデータを参考にしたか、説明があることも重要です。

単純に印や指数のみのだと、何が評価されてのものか分からないため、参考にしにくくなります。

また、全く自分が重要視していない要素を中心にしている場合は、「自分の予想スタイルと合わないな…」といった判断も可能です。

③過去予想の成績やログを公開しているか

過去予想の成績やログも載せているなら、そのAI予想が上手く機能しているかがわかります。

また、長期的な回収率を見れば得意不得意などAIの癖を把握しやすくなります。
勝てるAI予想であるかどうかを判断するというよりは、信頼性があるかどうかの指標の1つになります。

④更新頻度が高く、古いデータのまま放置されていないか

人間の予想にも当てはまりますが、競馬の環境自体が常に変化し続けているため、古いデータだと一気に対応できなくなります。

  • 馬場の傾向が変わる
  • 種牡馬や騎手の勢力図が変わる
  • 調教師の仕上げ傾向が変わる
  • 海外遠征・ダート路線再編などトレンドが変化

SNSやサイトで開発者が更新を報告しているか、再学習されているか、開発者が改善に意欲的なのかなども確認しておくとなお良いでしょう。

まとめ:AI時代の「正しい競馬の付き合い方」

AI時代の「正しい競馬の付き合い方」

AIは「予想したレースを確実に的中させる特別な存在」ではありません。
ただ、大量のデータを一瞬で整理できるため、
人間だけではチェックしきれなかった馬の前走内容なども拾って、
ブレずに判断してくれます。

一方で、レース当日の馬の気配や雰囲気、
ちょっとした展開の変化といった“数字にならない部分”は読み取れません。
ここは競馬を見続けてきた人の経験や感覚が活きる領域です。

だからこそ、いまの競馬で大切なのは、

  • AIの客観性
  • 人間の直感や経験

この二つをどう組み合わせるか、という点にあります。

AIは正しく使えば予想の視野が一気に広がり、
競馬そのものがより深く、より面白くなっていきます。
きっとあなたの予想の味方になってくれるはずです。

Keibit

もしAI予想に手応えを感じたなら、
“自分でAI予想を作ってみる”ことにチャレンジしてみるのも面白いかも。

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