今週は春のマイル王決定戦「安田記念」。
今年は、7歳にしてドバイターフを勝利したソウルラッシュ、去年の3歳マイル王ジャンタルマンタル、素質馬シックスペンスなどスピード自慢が顔を揃えました。
ここでは「2025年安田記念」のレース予想をしていきます。

2024年は香港最強馬ロマンチックウォリアーが1番人気に応えての勝利。
06年ブリッシュラック以来の18年ぶりの外国馬の勝利となりました。


【2025安田記念】レースのポイント




まずは2025年安田記念のレースポイントから見てみましょう。
- ワンターンコースで実力勝負になりやすい舞台設定。
- 3コーナーまでは約550mとかなり長めで外枠による不利はない。
- 直線の長さは525.9m。直線半ばの高低差2mの上り坂などアップダウンの多いコース。
- Cコース2週目。過去10年では7枠が【4-1-3-16】と好成績で外枠からの差しが良く決まる。
- 33秒台の決着が多く瞬発力は非常に重要。
- 過去同レースで3着以内に入った馬が再び好走する「リピーター」の多いレース。
- 前走別成績では7年連続「ヴィクトリアマイル組」が馬券圏内も今年は出走なし…前走G1組が優勢。
- 逃げ馬不在で1200~1400mのスピード持つマッドクール、ウインマーベルの出方に注目。



更に詳しいコース傾向を知りたい場合は以下の記事を参考にしてみて下さい。


【2025安田記念】有力馬ピックアップ


「総評S」
ソウルラッシュ・ジャンタルマンタル
「総評A」
ブレイディヴェーグ・ウォーターリヒト・シックスペンス・トロヴァトーレ
「総評B」
ジュンブロッサム・エコロヴァルツ・ガイアフォース・ウインマーベル
【総評S】ソウルラッシュ…実績と安定感は一枚上!高速馬場にはやや注意
前走ドバイターフでは先行したロマンチックウォリアーの真後ろをピッタリとマーク。ゴール前ギリギリで捉えきる会心の勝利だった。
前走中山記念で1800mを試走したことや、洋芝でやや時計のかかるメイダンの芝もこの馬にマッチした。
今年でもう7歳になるが去年からの成績は【3-2-2-0】と更に安定感を増しているように今がまさに充実期。今回のメンバーを見回した時に実績と安定感はやはり一歩抜けた存在。
調教ではデキの良さが伺える好時計を連発で遠征帰りの不安も感じさせない。
あえて粗を探すとするなら高速馬場での瞬発力勝負への不安という事になりそう。
以前から陣営は雨で渋った馬場を希望する事が多く、頭角を表した3歳条件戦からマイラーズカップまでの4連勝も稍重~重でのレースが中心だった。
稍重だった24年マイラーズC(1着)やタフ馬場になった24年マイルCS(1着)、洋芝でタフな25年ドバイターフ(1着)など他の馬が苦にする分この馬のパフォーマンスが際立つ。
反面、去年の安田記念でナミュールにキレ負けして3着というように早い上がりが使える馬にやられて2着、3着というパターンは十分考えられる。とはいえ去年の安田記念は上がり33.1で全体3位とマイル戦で渡り合えて来ただけの脚は使えているので、必要以上にキレ勝負で軽視するのも危険。
土曜時点ではそこまで極端な高速馬場という印象は受けなかったが、日曜の馬場傾向もしっかりチェックしておきたい。




【総評S】ジャンタルマンタル・・・3歳春のパフォーマンスを発揮できるなら
ジャンタルマンタルはなんといっても3歳春のパフォーマンスが圧倒的。
皐月賞は1:57.1というハイペースでのレコード決着だったがこれを3番手から早め先頭で0.1秒差の3着。今見返しても精鋭揃いのメンバーでかなり評価の高いレース。
NHKマイルCは絶好のスタートからそつなく先行しての2 1/2差をつける非常に強い勝ち方。「負けることはないと思いながら3、4コーナー乗っていた」と川田騎手が言うように盤石のレース運びだった。
今回出走するエコロヴァルツより1段階上の強さを見せていたし、今年のヴィクトリアマイルを勝ったアスコリピチェーノと比較しても遜色ない強さ。
残念ながら秋は熱発で富士Sを回避。マイルCSも見送りと順調さを欠き香港マイルは13着と大敗を喫した。この香港マイルは直線接触の不利もあり参考外のレース。この秋の一連の流れが今回の取捨を難しくしている。
常識的に考えると6カ月ぶりでG1レースとなるためどうしても多少の割引は必要。このメンバーなら好調時同様のパフォーマンスは必須になってくる。
ただ、調整自体は上手く行ったようで陣営は体調の良さを強調しており、助手の方曰く「NHKマイルC以上のパフォーマンスを見せられると思います」とのことでこれをどこまで信頼するか。(正直川田騎手のコメントも合わせて聞きたかった笑)
本当にNHKマイルCのパフォーマンスを見せる事が可能なら、ここでも勝ち切れるだけのポテンシャルは十分持っている。




【総評A】ブレイディヴェーグ・・・マイルCSから好転する馬場状況
ブレイディヴェーグは初のマイル戦がG1のマイルCSで0.4秒差の4着。内が伸びない中での1枠で、持ち前の瞬発力が発揮しにくいタフ馬場だった事を考慮すればそれほど悲観する内容ではなさそう。
2走前東京新聞杯は馬場状態も良かったが、休み明けのプラス14キロが響いて上がり33.6とこの馬にしてはやや物足りない脚で4着。
続く前走ドバイターフはスローの流れを読んで早め3番手につけるが、1、2着馬より常に外での競馬かつタフな馬場もあってかいつもの末脚が出せずに7着。
完全連対でエリザベス女王杯まで上り詰めた頃を考えれば近走は精彩を欠いているが、いずれも考えられる敗因もあってまだ見限るのは早計。
この馬好みの高速馬場なら一気に着順を上げても驚きはない。特にマイルチャンピオンシップの時の馬場と比較すれば明らかに状況は好転する。8枠18番も差しで末脚活かすならプラスに働く枠。
不安点としては東京新聞杯時のルメール騎手の「1600メートル向きの瞬発力はありませんね。伸びてはいるんですけど、若干スピードが足りなかったです。」とのレース後コメントがあったこと。
使える瞬発力は相当なものだが、それがマイルでとなるとまた別というのは理屈もわかるだけにシンプルに不安ではある。とはいえこの時は他に要因があった可能性もあるので十分警戒はしておきたい。




【総評A】ウォーターリヒト・・・成長著しく近走4戦連続上がり1位
3歳春時点ではシンザン記念やきさらぎ賞でも人気薄から激走するなど力は見せてきたウォーターリヒト。
大敗したレースもスプリングSは超スローを後方から。NHKマイルCは終始外々を回る展開で、皐月賞以外は言い訳がつく。
特に昨年秋からは成長著しく、キングカメハメハメモリアルでは上がり最速の32.8で1着。重賞レベルのメンバーが揃ったキャピタルステークスも上がり最速となる33.5で1着と決め手勝負で勝ち切る事が多くなってきた。
前走東京新聞杯でも決め手自慢が集まる中で上がり最速の33.2で1着。これで4戦連続の上がり最速となった。
NHKマイルカップではジャンタルマンタルに完敗だったが、昨年秋からの成長と経験値で力差はかなり縮まっていそう。
また7枠14番と不利を受けずに外差しに徹しやすい好枠に入った。
ここまで【4-2-3-4】と堅実な結果を残しながら1番人気になったのは1回のみ。人気になりにくいタイプで今回も土曜時点で5番人気でまだまだ妙味があるのも嬉しいポイント。
不安点としては転厩初戦でどれくらい仕上がっているかという点。今回はソウルラッシュを始め追い切りで良く見せる馬が多いので相対的に若干物足りなさも。




【総評A】シックスペンス・・・持ち前のキレ味活かせる舞台
前走大阪杯は好スタートから3番手と上手く流れに乗れたものの直線伸びきれず0.4秒差の7着。
1番人気らしい王道の先行抜け出しを仕掛けたものの、出遅れたデシエルトが強引にハナに行って57.5のハイペース。得意のスローの瞬発力勝負とは違う展開に。初めての関西での競馬にテン乗りと慣れない事尽くしだった。
やはり今回も好走条件はスローの中1枠1番を利して内でじっくりと脚を溜めての瞬発力勝負という事になりそう。
G1のマイル戦なので思っているスローになるかは怪しいが幸い今回は逃げ馬不在。好相性のルメール騎手に戻ってバッチリ決めてくるパターンは十分ありそう。
毎日王冠では次走マイルCSで2着となるエルトンバローズを斤量差があるとはいえ差し切っているように、現在のマイル路線のトップクラス相手でも得意勝負に持ち込めば通用するだけの力は持っている。
一方、ある程度好走条件が絞られる中での前日3番人気で妙味面だけはやや物足りない。




【総評A】トロヴァトーレ…マイル戦【4-1-0-0】自在性ある立ち回り
2歳時には次期ダービー候補の声もあったトロヴァトーレ。
青葉賞の大敗後は距離をマイル路線にシフト。マイル戦では【4-1-0-0】とその強みを遺憾なく発揮している。
キャピタルSではウォーターリヒトの末脚にこそ屈したがタイム差なしの2着。
その後はニューイヤーステークスで即オープンクラス入りを果たし、前走ダービー卿CTでは狭いインを突いての初重賞制覇とここにきて頭角を表してきた。
今回は初のG1挑戦でソウルラッシュやジャンタルマンタルといった一段階上の実績馬達に挑む事になるので簡単ではないが、ウォーターリヒトとは既に秋に互角レベルの戦いを演じている事を考えればチャンスはありそう。
先行から差しまで自在性やレースでの立ち回りの上手さでならこちらの方が有利なので、前日7番人気という妙味面でも注目の一頭。




その他の有力馬
【総評B】ジュンブロッサム
出遅れた関屋記念では先行有利の中上がり32.5の鬼脚で3着。斤量差と仕上げの差はあれど富士Sではソウルラッシュに切れ味勝負で優って1着。安田記念で求められる瞬発力という点においては十分すぎる合格点。
出遅れかつ伸びない内を突いたマイルCSや、59キロのトップハンデだった東京新聞杯の大敗にはまだ目を瞑れる。
ゲート不安や崩れると脆い面もあるので能力は評価しつつも総評はBで。
【総評B】エコロヴァルツ
大阪杯の予想時と同じ理屈になるが、シックスペンスを評価するなら素直にこの馬も押えておきたい理論をここでも使いたい。
ダービー、中山記念共にシックスペンスとかなりの接戦を演じており、大阪杯ではシックスペンスに0.1秒先着の4着。
東京の切れ味勝負となるが流石に怪しいが、前日人気で8番人気なら紐では押さえておきたい1頭。
【総評B】ガイアフォース
去年の安田記念が内目の中団追走から0.3秒差の4着と健闘。23年の安田記念でも0.2秒差の4着。
とはいえ天皇賞秋でハイペースを2番手追走で5着に粘ったように、キレ勝負よりはスピードの持続力が特徴。
近走はダート中心のレースやタフな馬場でのレースで成績を落としているので条件が好転する1戦。
新進気鋭の吉村誠之助騎手起用もいい采配と見る。
こちらも10番人気と妙味が出ているので押さえ頃。
【総評B】ウインマーベル
安田記念の傾向とは違うものの去年のマイルCS3着、スプリンターズS5着、前走1351TSでアスコリピチェーノの2着と侮れない実績があるのがウインマーベル。
一応24年京王杯スプリングカップでは4番手から33.2という上がりを見せての1着などもあり、今回マイペースでいけるようなら馬券圏内に残っても大きな驚きはない。
前日11番人気は流石に食指が動く。
瞬発力勝負で浮上する馬は?


シュネルマイスターやソングライン、昨年のナミュールなどマイルでの瞬発力勝負で自信のある馬が上位を占めやすい安田記念。
ということで今回評価した馬で、「瞬発力勝負なら評価を上げたい馬・下げたい馬」をまとめてみました。
【評価アップ】
ブレイディヴェーグ・ウォーターリヒト・ジュンブロッサム・シックスペンス
【評価据え置き】
ジャンタルマンタル・トロヴァトーレ・ソウルラッシュ
【評価ダウン】
ガイアフォース・エコロヴァルツ・ウインマーベル
【2025安田記念】最終レース予想





◎と〇の順番はよっぽど悩みましたが、やはりジャンタルマンタルのブランクを考えると面白味はないがこの順番に。
後は瞬発力勝負で自信を持つ馬を評価して馬券を組み立てていきたいです。
◎ソウルラッシュ
〇ジャンタルマンタル
▲ブレイディヴェーグ
△ウォーターリヒト
△シックスペンス
‥‥‥‥3連複の紐なら………
×トロヴァトーレ
×ジュンブロッサム
×エコロヴァルツ
×ガイアフォース
×ウインマーベル
展開予想:ミドル



最後まで読んで下さりありがとうございました。