2024年皐月賞は2番人気のジャスティンミラノが先行から先に抜け出したジャンタルマンタルを差し切って勝利。3戦3勝の無敗で1冠目を手にしました。
また勝ちタイムの1分57秒1は2017年アルアインの持つ1分57秒8のレースレコードを大きく更新するものでした。
ここでは24年皐月賞のレース回顧をしていきます。次走の参考になれば幸いです。
レース予想結果
着順 | 枠番 | 印 | 馬名 | 重量 | 騎手 | タイム | 通過順位 | 上がり | 人気 |
1 | 13 | ジャスティンミラノ | 57.0 | 戸崎圭太 | 1:57.1R | 5-5-5-4 | 34.7 | 2 | |
2 | 12 | ☆ | コスモキュランダ | 57.0 | J.モレイラ | クビ | 9-8-9-8 | 34.2 | 7 |
3 | 8 | 〇 | ジャンタルマンタル | 57.0 | 川田将雅 | 1/2 | 3-3-3-2 | 34.9 | 3 |
ダービーまで待ってほしいと言っていたジャスティンミラノが無情にも1着…まあ本当に強い馬は待ってはくれないですよね(泣)
当日は結構なスピード馬場。前日予想の段階で挙げたパワー型の馬は軒並切っても良かったのですが、臨機応変な対応もできませんでした。
◎レガレイラ
〇ジャンタルマンタル
▲メイショウタバル
△シンエンペラー
△サンライズジパング
△ミスタージーティー
☆サンライズアース
☆コスモキュランダ
馬連:◎ー〇▲△△△
馬連:〇▲
想定ペース:ミドル寄りのハイ
馬券:ハズレ…
レース展開
レース当日は8Rの2勝クラス2000mで1.58.2、10Rの3勝クラスで2.31.4とかなり早い時計が出ていた。
ハナはメイショウタバル。スタート直後はまだ我慢できそうな雰囲気だったがシリウスコルトが並んできたあたりでかかり気味に行く形。
前半57.5と時計の出る今の中山の馬場を考えてもハイペース。離れた2番手グループも58秒台で行っていると思われるので、ここを基準に考えると2番手以降は少し早いくらいの締まった流れでのレースになった。
先行したジャンタルマンタルがG1馬らしく4角先頭で勝ちに行くも、流石に最後は疲れてジャスティンミラノの交わし切った。
良馬場で似たような速いペースだったのは、ディーマジェスティが勝った2016年。
ディーマジェスティが勝った2016年との比較ラップ
2016年皐月賞:12.0 – 10.7 – 11.5 – 11.7 – 12.5 – 11.5 – 12.4 – 12.2 – 11.6 – 11.8(1:57.9)良
2024年皐月賞:12.2 – 10.5 – 11.5 – 11.7 – 11.6 – 11.8 – 12.0 – 12.1 – 11.7 – 12.0(1:57.1R)良
2016年は前残りの馬場だったので、強気に前にいったリオンディーズが途中からかかり気味に先頭に立つ形。後方から上手く進出したディーマジェスティが勝ったレースだった。
今年はこのレースより更に息を入れる間もない淀みのない流れ。後方待機組としても押し上げて行けるタイミングがなく、先行組が馬場の良さを活かしてそのまま押し切る流れに。
1:57.1というレコードタイム自体はこの日はかなり速いタイムが出ていたので過信は禁物だが、レースレベルは比較的高い。ダービーでも後方待機組の巻き返しには注意が必要。
上位入線馬の見解
1着 ジャスティンミラノ
好スタートから5番手とすぐにいいポジションをとってスムーズに流れに乗れた。共同通信杯とは反対にジャンタルマンタルを追いかける形になった。
不安視されていた速いペースの対応や、小回りコースなどの課題もあっさりクリアでレコード勝ち。キャリア3戦目でまだ余裕のある仕上げでこのパフォーマンスは相当なもの。
先行脚質で東京の上がり勝負での強さも既に証明済み。ダービーの最有力候補といっても良さそう。
このまま余裕をもってダービーに向かう事ができる理想的なローテ。戸崎騎手悲願のダービー制覇が見えてきました。
2着 ☆コスモキュランダ
コスモキュランダはシンエンペラーを外に見て丁度中団当たりの位置。速めの流れを考えれば理想的な位置に収まれた。
今回は流れたので捲っていく競馬ではなくオーソドックスに差す競馬でジャスティンミラノをクビ差まで追い詰めた。
弥生賞を1:59.8はレースレコードで駆け抜けた馬。今回のスピードの持続力勝負で真価を発揮しました。
絶好調のモレイラ騎手を確保できたのもかなり大きかった。
中山中心に使ってきていたので、ダービーは東京へのコース適正の差で多少割引は必要かも。2400mに伸びること自体は歓迎。
3着 〇ジャンタルマンタル
好枠から3番手につけてお手本のようなレース。鮫島騎手の時からずっと教え込んできた競馬ができていたのではないかと思う。
共同通信杯ではジャスティンミラノを前に置く形で瞬発力勝負に敗れたので、今回は先手を打つ競馬。前の2頭が早々にバテことと反応の良さで一気に後続を突き放したが、最後の最後で力尽きて3着。結果ジャスティンミラノにはどちらのパターンでも負けてしまったが、持久力勝負でも強かった相手を褒めるべき。
距離不安があるとどうしても消極的なレースになりがちだが、今回は積極的なレースに終始した。今回の競馬は例え距離適性が長い馬でも苦しくなっていた可能性があるので距離問題に関しては慎重になりたいところ。
2000mまでなら全く問題のない走りは出来ていたように思うが、2400mで逆転というのは少し想像しにくい結果ではあったかも。
今後どういう路線に向かうのかも注目です。
その他注目馬の見解
17着 ▲メイショウタバル
調教で行きたがる面などを見せていたが今日は悪い面が出てしまった。
前半57.5は今の中山の速い馬場を考えてもオーバーペース。シンガリの17着という苦いG1デビューに。
向こう正面からのスタートでG1の大歓声、シリウスコルトに並ばれて火が付いてしまった可能性もありそう。
前進気勢がかなり強くなってきているので、今後も同型馬がいる時などは慎重になる必要がありそうですね。前向きな気性が良い方向に向いた時は毎日杯の再現に期待できそうです。
6着 ◎レガレイラ
14~15番手追走とおそらく陣営が想定していたよりも後方の位置取りになってしまったのではないかと推測する。
コスモキュランダあたりの位置取りを確保できれば言う事はなかったが、この馬の不安予想である序盤の行きっぷりの悪さが響く形。
また後方でのんびりというわけにもいかずある程度囲まれてる中でのレース展開。直線ようやく伸び始めた時にはもう万事休すだった。
ほぼ最後方に近い位置取りだったので上がりトップの33.9はそこまで胸を張れないが、今日のようなレースでもシンエンペラーあたりにまでは迫ってはいるので、そこまで気落ちするような内容ではなかったと思う。
とはいえルメール騎手には戻ってきて欲しいところですね。
今後はもう少し前でのレース運びができるようになるのが課題。追い込みではどうしても展開的に不可能なレースが出てきてしまう。脚を溜める競馬が向いてるにしても差しにシフトしていきたい。
4着 アーバンシック
こちらもレガレイラ同様、後方脚質が仇となってしまった。結果的には京成杯と全く同じ負け方になってしまった。
ポジションや上がっていくタイミングはレガレイラよりは良かったが、それでも今日の展開では苦しいポジション。
それでも陣営がそれほど気落ちしていないのは大目標であるダービー向けて一貫した競馬ができているからというのはありそう。
息の長い末脚と瞬発力があるのでダービーなら評価を上げたい1頭です。
レース総括
- 当日は条件戦でも速い時計が連発する高速馬場
- 前半57.5と時計の出る今の中山の馬場を考えてもハイペース
- スピードの持続力と高速馬場適性を問われる展開
- 1:57.1というレコードタイム自体は過信は禁物だがレースレベルは高め
- 次走は後方待機組やパワー型の馬の巻き返しにも注意
最後まで読んでくださりありがとうございました。
来週はG1は一休み。マイラーズCが行われます。セリフォスやソウルラッシュといった強豪の始動戦でこちらも注目。