ソングラインの遠征やソダシの引退などは少し寂しいですが、連覇がかかるセリフォスを始め、4連勝中のエルトンバローズなどの新興勢力も参戦しマイル王を決めるのにふさわしいメンツが集まりました。
マイルCSは比較的実力通りに決まって固いイメージのあるG1ですが、今年もしっかり予想していきたいと思います
マイルチャンピオンシップ過去10年のデータと傾向
以下はマイルチャンピオンシップの過去10年の1~3着馬の騎手と前走の着順です。なお21年、22年は阪神での開催となっています。
年 | 着順 | 馬名 | 前走 | 前走人気 | 前着順 |
---|---|---|---|---|---|
阪神 | 22年1着 | セリフォス | 富士S | 1人気 | 2着 |
2着 | ダノンザキッド | 毎日王冠 | 4人気 | 3着 | |
3着 | ソダシ | 府中牝馬S | 1人気 | 1着 | |
阪神 | 21年1着 | グランアレグリア | 天皇賞秋 | 2人気 | 3着 |
2着 | シュネルマイスター | 毎日王冠 | 1人気 | 1着 | |
3着 | ダノンザキッド | 富士S | 2人気 | 4着 | |
阪神 | 20年1着 | グランアレグリア | スプリンターズS | 1人気 | 1着 |
2着 | インディチャンプ | 安田記念 | 2人気 | 3着 | |
3着 | アドマイヤマーズ | スワンS | 2人気 | 3着 | |
19年 | 1着 | インディチャンプ | 毎日王冠 | 3人気 | 3着 |
2着 | ダノンプレミアム | 天皇賞秋 | 3人気 | 2着 | |
3着 | ペルシアンンアイト | 毎日王冠 | 4人気 | 4着 | |
18年 | 1着 | ステルヴィオ | 毎日王冠 | 3人気 | 2着 |
2着 | ペルシアンナイト | 富士S | 4人気 | 5着 | |
3着 | アルアイン | 天皇賞秋 | 5人気 | 4着 | |
17年 | 1着 | ペルシアンナイト | 富士S | 2人気 | 5着 |
2着 | エアスピネル | 富士S | 1人気 | 1着 | |
3着 | サングレーザー | スワンS | 2人気 | 1着 | |
16年 | 1着 | ミッキーアイル | スプリンターズS | 2人気 | 2着 |
2着 | イスラボニータ | 富士S | 4人気 | 2着 | |
3着 | ネオリアリズム | 札幌記念 | 5人気 | 1着 | |
15年 | 1着 | モーリス | 安田記念 | 1人気 | 1着 |
2着 | フィエロ | スワンS | 1人気 | 2着 | |
3着 | イスラボニータ | 天皇賞秋 | 6人気 | 3着 | |
14年 | 1着 | ダノンシャーク | 富士S | 1人気 | 7着 |
2着 | フィエロ | スワンS | 2人気 | 3着 | |
3着 | グランデッツァ | 毎日王冠 | 2人気 | 5着 | |
13年 | 1着 | トーセンラー | 京都大賞典 | 2人気 | 3着 |
2着 | ダイワマッジョーレ | スワンS | 4人気 | 2着 | |
3着 | ダノンシャーク | 富士S | 1人気 | 1着 |
前走G1組は好走率が高い
成績 | 勝率 | 連対 | 3着内 | |
スプリンターズS | 【2-0-0-6】 | 25.00% | 25.00% | 25.00% |
安田記念 | 【1-1-0-4】 | 16.67% | 33.33% | 33.33% |
天皇賞秋 | 【1-1-2-6】 | 10.00% | 20.00% | 40.00% |
毎日王冠 | 【2-2-2-20】 | 7.69% | 15.38% | 23.08% |
富士S | 【3-3-2-43】 | 5.88% | 11.76% | 15.69% |
スワンS | 【0-3-2-23】 | 0.00% | 10.71% | 17.86% |
前走G1組は出走数こそ少なめだが好走率が高くなっています。特に前走G1で1~3着以内に好走している馬については最大限の注意を払った方がいいでしょう。
前走G2組から優秀なのは毎日王冠組と富士S組。特に毎日王冠組は勝率、連対率、3着以内率いずれも富士S組より高くなっています。
一方、サマーマイルシリーズ(中京記念、関屋記念、京成杯AH)やスワンSからは過去10年では勝ち馬が出ていない点にも注目です。
今年前走G1からの参戦は以下の2頭です。
- セリフォス(安田記念2着)
- ダノンザキッド(宝塚記念13着)
セリフォスに関しては富士S予定を変更してのものでどう捉えるかが難しいところ
前走1~3着馬が引き続き好走しており実力馬がそのまま走りやすいレース
成績 | 勝率 | 連対 | 3着内 | |
前走1着~3着 | 【8-9-6-53】 | 10.53% | 22.36% | 30.26% |
前走1着 | 【3-2-3-23】 | 9.68% | 16.13% | 25.81% |
前走2着 | 【2-4-1-16】 | 8.70% | 26.09% | 30.43% |
前走3着 | 【3-3-2-14】 | 13.64% | 27.27% | 36.36% |
前走4~5着 | 【1-1-4-28】 | 2.94% | 5.88% | 17.65% |
前走6着~9着 | 【1-0-0-25】 | 3.85% | 3.85% | 3.85% |
前走10着以下 | 【0-0-0-38】 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
過去10年で前走1着~3着馬だった馬は8回勝利しており、前走での好走している実力馬がそのまま走るケースが非常に多い。
勝ち馬の例外2回は「富士S7着のダノンシャーク(前走1番人気)」と「富士S5着のペルシアンナイト(前走2番人気)」といずれも前走で上位人気になっている馬。こちらも覚えておきたいデータです。
前走10着以下からの巻き返しは3着以内まで見ても一回もなくかなり厳しい状況。
今年の前走1~3着馬は以下の7頭になります。
- ソウルラッシュ(京成杯AH1着)
- エルトンバローズ(毎日王冠1着)
- ソーヴァリアント(富士S3着)
- シュネルマイスター(毎日王冠3着)
- セリフォス(安田記念2着)
- レッドモンレーヴ(富士S2着)
- ナミュール(富士S1着)
マイルCS有力馬ピックアップ
◎シュネルマイスター(前日1番人気)
長らくマイル戦線のトップクラスで活躍している馬で、後方待機から繰り出す末脚は現役の中でも屈指。2022年こそ海外遠征やスプリント路線の挑戦などで成績を落としたが、今年は以下のように安定している。
着順 | レース内容 | 今回出走馬 | |
中山記念 | 4着 | 詰まって追えず4着 | 直線内から突き抜けそうなところ9着ソーヴァリアント | 8着イルーシヴパンサー
マイラーズC | 1着 | 一気に差し切り勝ち | 今回と同舞台上がり32.9で5着マテンロウオリオン 6着ビーアストニッシド他 | 2着ソウルラッシュ
安田記念 | 3着 | 上がり1位32.8で追い上げるも届かず3着 | 上がりのキレ勝負6着レッドモンレーヴ 9着ソウルラッシュ他 | 2着セリフォス
毎日王冠 | 3着 | まともに終えず3着上がり33.3 | 直線前が壁で残り200付近で外に出すまで7着ジャスティカフェ | 1着エルトンバローズ
不利なども多いがパフォーマンスはどのレースでも抜けて強く、今回出走馬にもほとんど先着経験があるのも強み。同舞台のマイラーズカップで結果出している点も心強い。
前走毎日王冠はまだ余裕残しの仕上げだったし、何が何でも勝つというよりはここを見据えてのレースに見えた。
気になる点としては、前半はゆっくり後半直線勝負なので不利を受けたり届かずがどうしても多い点。この馬の大きな課題だが鞍上のルメール騎手としてもそこは誰よりも分かっているはず。ここ最近G1で見せている勝負勘に期待したい。
この馬のG1勝利がNHKマイルのみというのは流石に勿体ない。もうそろそろ「一番強いレースはしたけど…」は卒業したいし、最大のライバルのソングラインがいないここは気持ちよく勝って決めて欲しい。
〇ソウルラッシュ(前日3番人気)
一瞬のキレこそトップクラスと比較すると少し劣るが、毎回道中のおさまりが良く堅実に脚を伸ばしてくるイメージ。
特に京成杯AHは内容の濃いレース。平均ペースをそつなく先行して最後はウイングレイテストをしっかり捉えて1着。開幕週の高速馬場に対応できたのも進歩している。クビ差ではあるがまだ仕上がり途上で59キロということを考えれば格上の強さを見せつけたレースだった。
安田記念だとどうしてもキレ勝負で伸び負けるシーンが目立ったが、少し荒れ馬場気味の今の京都の馬場はプラスに働きそう。
過度な瞬発力勝負はできれば避けたい馬だし、直線ではポジションで他馬より優位に立っておく必要がありそう。最内枠で立ち回りの難しさはありそうだが、そこはモレイラ騎手に期待したい。
▲セリフォス(前日2番人気)
現役屈指の決め手を持つ1頭。去年のマイルCSの後方一気の差し切り勝ち、安田記念は先行しながらも後半33.6でまとめるように自在性もある。
今回のメンバー相手にほとんど先着していて実力はこのメンバーで間違いなく最上位。
シュネルマイスターより立ち回りが安定しているので本来は軸馬としてかなり優秀なのだが、やはり気になるのは臨戦過程。
本来富士S始動予定だったのだが夏負けの影響があって回避。ここはぶっつけになって調教もようやく間に合ったというような感じ。今回は順調度を欠いた点を差し引いて3番手評価に。
状態に問題がないのならあっさりでも驚かない1頭。
穴ジャスティンカフェ(前日8番人気)
この馬を評価する時、何度も同じ話になって申し訳ないが去年のマイルCSが強かった。
後方15番手からのインを狙うも大きく詰まっての6着。こういう競馬なのでこの手のリスクは仕方ないのだが、もしスムーズに行っていれば「勝ち馬に迫れたかそれ以上だったかも…」というような内容で能力は非常に高い。
前走毎日王冠は最後方から脚を溜めに溜めて33.2で7着。勝ちに行く競馬ではなかったし直線の伸び脚も案外だったが、1度使って状態面も上向いているはず。前日8番人気なら妙味あり。
マイルCS暫定レース予想(土曜夜時点)
今回は人気どころを素直に信頼したいです。ダノンザキッドあたりも余裕があれば追加するかも
最終的な予想と買い方は日曜のお昼ごろの更新を予定しています。
◎シュネルマイスター
〇ソウルラッシュ
▲セリフォス
穴ジャスティンカフェ
想定ペース…ミドル
マイルCS最終レース予想(日曜12:50更新)
最終的にダノンザキッド、レッドモンレーヴの中穴組を追加して馬連で買いたいと思います。
◎シュネルマイスター
〇ソウルラッシュ
▲セリフォス
△ダノンザキッド
△レッドモンレーヴ
穴ジャスティンカフェ
馬連 ◎ー〇▲△△穴
馬連 〇▲
想定ペース…ミドル