皐月賞馬とダービー馬の対決に注目が集まった菊花賞は、ドゥレッツァが3 1/2馬身差をつけての圧巻の勝利となりました。
ドゥレッツァはこれで5連勝。皐月賞馬とダービー馬を撃破して一気に頂点に上り詰めました。
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 重量 | 騎手 | タイム | 通過順位 | 上がり | 人気 |
1 | 8 | 17 | ドゥレッツァ | 57.0 | C.ルメール | 3:03.1 | 1-1-3-2 | 34.6 | 4 |
2 | 4 | 7 | タスティエーラ | 57.0 | J.モレイラ | 3 1/2 | 9-11-9-8 | 34.8 | 2 |
3 | 7 | 14 | ソールオリエンス | 57.0 | 横山武史 | 1 1/2 | 11-12-11-8 | 35.1 | 1 |
レース予想結果
馬券は馬連・3連複が当たり。秋のG1は今のところ大きく荒れていないというのもあって3連勝です。
終わってみれば3頭で勝負できていればと思うのですが、今回は他の馬達もそれぞれ怖くて中々絞り切れなかった。
◎ソールオリエンス 3着
〇タスティエーラ 2着
▲ドゥレッツァ 1着
△サトノグランツ 10着
△ノッキングポイント 15着
×ハーツコンチェルト 6着
×ファントムシーフ 9着
×サヴォーナ 5着
穴ショウナンバシット 11着
馬連 ◎ー〇▲△△×××穴
馬連 〇▲
三連複 ◎〇ー▲△△×××穴
想定ペース…スロー寄りのミドル
実際のラップ…12.7 – 11.7 – 11.1 – 12.3 – 12.6 – 12.9 – 13.1 – 13.0 – 12.8 – 12.3 – 12.1 – 11.6 – 11.7 – 11.4 – 11.8(中盤スロー)
馬連:1,980円 三連複:1,570円
皐月賞馬、ダービー馬の2頭の安定感に助けられた形ですね。
レース展開
戦前の予想を裏切り、ドゥレッツァが逃げる形で前半60.4でここまでは平均。
中間1000mのラップが12.9 – 13.1 – 13.0 – 12.8 – 12.3で64.1と菊花賞でありがちな中間で大きく緩むペース。ここで緩み過ぎと判断した2番手3番手のリビアングラスとパクスオトマニカが再度前に。
後半1000mは58.6なのでここでもう一回レースが始まるようなスピード勝負でドゥレッツァが突き放しました。
中盤に大きく緩むのは3000mの特徴ですが、今年はそれがより顕著だったと言えます。
1~3着馬の評価
1着 ▲ドゥレッツァ
大外枠ということでちょっと厳しいかなと思いつつも、「馬のポテンシャルとルメール騎手を全面的に信頼!」と投げっぱなしの印になりましたが、想像以上の騎乗。月並みですが神騎乗と言っても過言ではないでしょう。
もう大分昔になりますがセイウンスカイの逃げを思い出したオールドファンも多いのではないでしょうか?
ラップ | 勝ちタイム | |
ドゥレッツァ | 60.4 – 64.1 – 58.6 | 3:03.1 |
セイウンスカイ | 59.6 – 64.3 – 59.3 | 3:03.2 |
ドゥレッツァは中間で他の馬に先頭を譲っているのでラップは正確ではない点には注意。
中間で一気に緩めて後半に再度点火させるのですが、セイウンスカイの時と比べると前半がややマイルドでその分後半が強烈というイメージ。
セイウンスカイの時も後ろにいたスペシャルウィークは時すでに遅しで3.1/2負け。奇しくも今回のタスティエーラも3.1/2負け。ルメール騎手の術中に嵌ったと言えます。
ただ、セイウンスカイの時はこういうレースをやるかもというのが今までのレースからなんとなく予測できましたが、ドゥレッツァは流石に驚かされました。
長所であるスピードの持続力を3000mで発揮するならという完全解答。それに答えたドゥレッツァも見事でした。
2着3着が皐月賞馬、ダービー馬という事もあり、3歳牡馬クラシックの勢力図は塗り替えられた可能性は高そうです。とはいえスペシャルウィークは同じ轍を二度と踏まなかったように、タスティエーラやソールオリエンスにも挽回の可能性はまだある。
ここにきて三歳牡馬世代一気に盛り上がってきましたね!
2着 〇タスティエーラ
ぶっつけの影響を心配しましたが、全くそれを感じさせないレースぶり。
今日は差しのポジションでリズム重視という感じ。この馬は本当にどこからでも競馬をできる器用さがあります。
道中はダービーの反撃に燃える横山武史騎手に徹底マークされる形になり、中々厳しい競馬を強いられたように見えました。
コーナーで若干モタついたかなと思いましたが直線に入ってからは素晴らしい伸び、今日は前の馬に最速の34.6で走られているのでどうしようもなかったです。
3着 ◎ソールオリエンス
この馬も毎回最後まで脚をしっかり使ってくれて本当に頭が下がります。あんまり安定しなさそうな競馬なんですけどね…
2着馬とはどうしても立ち回りの差が出る。直線外を回った分とも言えますが、現状そういう競馬になってしまうのがつらいところ。
最後もう一つ爆発力に欠けたのは、距離やコースもあると思いますが、自分の競馬に徹するというよりタスティエーラを意識した競馬になったのもあるかと思います。
それでタスティエーラを目標に負かしに行って負けたというのは割とつらい。更に今日は前にももう一頭いたわけですからね。まあこれは結果論でそれでタスティエーラを負かせば「流石!」となるのが競馬の難しいところです。
現役世代では大好きな馬の1頭ですし、まだまだ粗削りな面もある。また条件好転した時にリベンジのチャンスは残されていると思います。
その他の注目馬
10着 △サトノグランツ
道中の反応がイマイチなのかポジションが悪くなりがちなのがつらいところ。
勝負所での反応が鈍いのはいつものことですが、今回は早々に沈んでいくんじゃないかと思う程。直線も前回とは打って変わって外に出す格好になり、前回の競馬が活かせなかった印象です。
手応えの割にじりじりと伸びてはいるのですが、後半のスピード勝負で置いて行かれた形になりました。より他の馬が苦しくなる坂のあるコースなんかで見直せるのではないかと思います。
6着 ×ハーツコンチェルト
位置取りは先行集団を前においての5、6番の競馬で理想的に見えました。
この馬も勝負どころの後半の坂でペースがスピードアップした時にあからさまに置いて行かれました。接触した影響もありますが、気難しさは毎回みせていてそれが成績の安定しなさにも繋がっている。今回のようなアップダウンのあるペースも苦手そうでした。
好走するのに注文が多く印を落としましたが、引き続きこの印象ですね。
レース総括
- 60.4 – 64.1 – 58.6というルメール騎手のレースメイクが光った1戦
- いきなりこの競馬をこなして圧勝したドゥレッツァの能力も評価
- トリッキーなペースと後半のスピード勝負に対応できなかった馬は着順を下げた
- 春の上位勢力図を変えうる1戦