札幌競馬場は右回りの平坦な競馬場です。また芝コースの1周の長さは約1640.9mとかなりコンパクト。
ここでは札幌競馬場の芝2000mの特徴や傾向をコース図を交えて解説していきます。
札幌芝2000mで開催される代表的なレース
- 札幌記念(G2)
札幌2000mで行われるレースとしてはなんといっても「札幌記念」が挙げられます。
札幌記念は夏競馬唯一のG2レースとして組まれていて、ここをステップに天皇賞秋を目指す馬の参戦も多く、G1並みの豪華メンバーが揃うレースです。
札幌芝2000mのコースの特徴
1コーナーまでの距離は385mと余裕がありペースは落ち着きやすい
札幌芝2000mはスタート位置が4コーナー出口付近で1コーナーまでの距離が約385mです。
1800mのコースに比べれば1コーナーまでの余裕がある分ペースは落ちつきやすい。
また札幌競馬場は4つのコーナー半径が大きく緩やかなのが特徴です。コース全体でコーナーの占める割合が大きい分、直線の距離は266.1mとかなり短くなっています。
最初から最後まで平坦なコース
札幌競馬場は、高低断面図を見てもわかるように最初から最後までほとんど平坦なコースです。
コーナー半径は大きく緩やかなため、ローカル場にしてはそこまで小回り適正は求めらません。
洋芝で時計はかかりやすいが函館ほどタフさは求められない
馬場についても大きな特徴があります。それは札幌競馬場の芝が「オール洋芝」だということです。
洋芝は寒冷な気候に強く、細かい根がマット層を作るためクッションが効いて保水性が高いのが特徴。また野芝と比べて耐久性はやや見劣り、馬場が傷みやすい。
中央競馬では北海道の競馬場はオール洋芝、それ以外の競馬場は野芝をベースとして洋芝が使われている。
ただ札幌競馬場の芝は水はけが非常によく、重馬場には滅多になりません。
同じく洋芝の函館競馬場は雨の影響を受けやすく、札幌競馬場は雨の影響を受けにくい、という違いがあるので覚えておきましょう。
洋芝で時計はかかりやすいですが、水はけや高低差の違いもあり函館ほどタフな競馬にはならないことが多いです。
札幌芝2000mデータ詳細
コース | 右回り |
一周距離 | Aコース:1640.9m Bコース:1650.4m Cコース:1659.8m |
直線距離 | Aコース:266.1m Bコース:267.6m Cコース:269.1m |
高低差 | 0.7m |
コースレコード | 1.58.6(タスカータソルテ 2008 札幌記念) |
札幌芝2000mで注目の枠順・脚質
枠順は「6枠」がよく、次いで「1枠」「5枠」と続きます。とはいえ大きな偏りはなくあまり枠順に左右されないコースと言えるでしょう。
脚質は、序盤のコーナーまでにロスのないポジションをとれる「逃げ・先行」がそのまま短い直線を押し切りやすくなっており特に注目です。
また追い込みはほとんど決まりませんが、実力のある馬が後ろから早めに捲って勝つ確率は他の競馬場より高くなっています。
枠順 | 6枠・1枠・5枠 |
脚質 | 逃げ・先行・捲り |
「捲り」については非常に予想が立てづらいですが、陣営のコメント・馬の特性・騎手の性格などからヒントを探してみてもいいでしょう。
札幌記念の過去10年のデータと傾向
以下は札幌記念の過去10年のデータです。
年 | 着順 | 馬名 | 前走 | 前着順 |
---|---|---|---|---|
2023年 | 1着 | プログノーシス | QE2世C | 2着 |
2着 | トップナイフ | 東京優駿 | 14着 | |
3着 | ソーヴァリアント | 鳴尾記念 | 12着 | |
2022年 | 1着 | ジャックドール | 大阪杯 | 5着 |
2着 | パンサラッサ | 宝塚記念 | 8着 | |
3着 | ウインマリリン | 宝塚記念 | 7着 | |
1着 | ソダシ | オークス | 8着 | |
2着 | ラヴズオンリーユー | QE2世C | 1着 | |
3着 | ペルシアンナイト | 鳴尾記念 | 4着 | |
2020年 | 1着 | ノームコア | 安田記念 | 4着 |
2着 | ペルシアンナイト | 宝塚記念 | 15着 | |
3着 | ラッキーライラック | 宝塚記念 | 6着 | |
2019年 | 1着 | ブラストワンピース | 目黒記念 | 8着 |
2着 | サングレーザー | 安田記念 | 5着 | |
3着 | フィエールマン | 天皇賞春 | 1着 | |
2018年 | 1着 | サングレーザー | 安田記念 | 5着 |
2着 | マカヒキ | ジャパンC | 4着 | |
3着 | モズカッチャン | ドバイSC | 6着 | |
2017年 | 1着 | サクラアンプルール | 函館記念 | 9着 |
2着 | ナリタハリケーン | 函館記念 | 7着 | |
3着 | ヤマカツエース | 大阪杯 | 3着 | |
2016年 | 1着 | ネオリアリズム | 函館記念 | 6着 |
2着 | モーリス | 安田記念 | 2着 | |
3着 | レインボーライン | 東京優駿 | 8着 | |
2015年 | 1着 | ディサイファ | エプソムC | 3着 |
2着 | ヒットザターゲット | 目黒記念 | 1着 | |
3着 | ダービーフィズ | 函館記念 | 1着 | |
2014年 | 1着 | ハープスター | 優駿牝馬 | 2着 |
2着 | ゴールドシップ | 宝塚記念 | 1着 | |
3着 | ホエールキャプチャ | 安田記念 | 2着 |
ハイレベルメンバーで前走G1組の信頼感が高い
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
G1 | 6-8-7-26 | 12.77% | 29.79% | 44.68% |
G2 | 1-1-0-7 | 11.11% | 22.22% | 22.22% |
G3 | 3-1-3-51 | 5.17% | 6.90% | 12.69% |
OP・条件戦 | 0-0-0-18 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
札幌記念はG1級のメンバーが揃う事が多く、前走G1組の信頼感の高いレースになります。
前走G1出走馬は過去10年で【6-8-7-26】と勝率、連対率、3着内率全てでトップになっています。G1は海外G1からマイルの安田記念からの好走も多く多岐に渡ります。
出走頭数自体は少なめでデータとしての信頼性は高くありませんがG2も好走率は高めで、勢いより格を重視したいレースになります。
重賞以外からの参戦は【0-0-0-18】と全く通用しておらず壁の高いレースになっています。