札幌競馬場は、夏の北海道開催を担うローカル競馬場のひとつです。
芝コースは右回りで、コンパクトな周回コースながら、コーナーが比較的緩やかで直線が短いという特徴を持っています。
また、函館競馬場と同様にオール洋芝を採用しており、他場とは異なる馬場特性も大きなポイントです。
一見すると扱いやすいコースに見えますが、
コース形態や馬場状態の違いがレース展開や結果に与える影響は決して小さくありません。
本記事では、札幌芝2000mについて、
コース形態の特徴を図を交えて解説したうえで、レース傾向を紹介します。
札幌競馬場・芝コース全体の特徴
距離別の特徴を見る前に、札幌競馬場・芝コースに共通する特徴を押さえておきましょう。
以下は、札幌競馬場・芝コースの基本データです。

| 回り | 右回り |
| 一周距離 | Aコース:1640.9m Bコース:1650.4m Cコース:1659.8m |
| 幅員 | Aコース:25~27m Bコース:22~25.5m Cコース:19~25m |
| 直線距離 | Aコース:266.1m Bコース:267.6m Cコース:269.1m |
| 高低差 | 0.7m |
コンパクトだが、コーナー半径は大きい構造に注意
札幌競馬場は右回りで、芝コース1周は約1640mとコンパクトな部類に入ります。
ただし、各コーナーの半径は比較的大きく、カーブは緩やかです。
そのため、ローカル競馬場ではあるものの、実は小回り適性が強く求められるコースではありません。
スピードを落とさずにコーナーを回れる点が、札幌芝コースの大きな特徴です。
一方で、コース全体に占めるコーナーの割合が高いため、直線距離は約266mとかなり短め。
直線で一気に差し切るよりも、コーナーまでにポジションを確保できるかどうかが重要になります。
高低差が小さく、ほぼ平坦なレイアウト
札幌芝コースの高低差は0.7mと、中央競馬場の中でも非常に小さい数値です。
高低断面図を見ても、スタートからゴールまで大きな起伏はなく、平坦なコース形態となっています。
急坂や長い上り下りがないため、コース形態そのものによるスタミナ消耗は少なめ。
純粋なスピード性能や持続力が結果に反映されやすいコースと言えます。
オール洋芝のためパワータイプの馬が台頭しやすい
馬場についても大きな特徴があります。それは札幌競馬場の芝が「オール洋芝」だということです。
洋芝は寒冷な気候に強く、細かい根がマット層を作るためクッションが効いて保水性が高いのが特徴です。また野芝と比べて耐久性はやや見劣り、馬場が傷みやすくなります。
中央競馬では、北海道の競馬場(函館・札幌)のみがオール洋芝を採用しており、それ以外の競馬場は野芝をベースに洋芝を併用しています。
ただ札幌競馬場の芝は水はけが非常によく、重馬場には滅多になりません。
同じく洋芝の函館競馬場は雨の影響を受けやすく、札幌競馬場は雨の影響を受けにくい、という違いがあるので覚えておきましょう。
洋芝で時計はかかりやすいですが、水はけや高低差の違いもあり函館ほどタフな競馬にはならないことが多いです。

札幌芝2000mのコースの特徴


1コーナーまでの距離は385mと余裕があり、ペースが落ち着きやすい
札幌芝2000mは4つのコーナーを回るコースです。
スタート位置は4コーナー出口付近で、1コーナーまでの距離が約385m。
1800mのコースに比べれば、1コーナーまでの余裕がある分ペースは緩みやすくなっています。
さらに、
- 4つのコーナー半径が大きいためスピードに乗りやすい
- 最後の直線が266.1mと短く平坦
という要素から逃げた馬がそのまま押し切ったり、一気にポジションを上げるマクリも良く決まります。
札幌芝2000mで注目の枠順・脚質
| 枠 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
| 1枠 | 27-23-29-213 | 9.2% | 17.1% | 27.1% |
| 2枠 | 24-25-21-236 | 7.8% | 16.0% | 22.9% |
| 3枠 | 27-19-23-253 | 8.4% | 14.3% | 21.4% |
| 4枠 | 23-28-29-263 | 6.7% | 14.9% | 23.3% |
| 5枠 | 30-31-27-272 | 8.3% | 16.9% | 24.4% |
| 6枠 | 29-23-26-286 | 8.0% | 14.3% | 21.4% |
| 7枠 | 27-32-28-287 | 7.2% | 15.8% | 23.3% |
| 8枠 | 19-23-22-319 | 5.0% | 11.0% | 16.7% |
札幌芝2000mの枠順別成績を見ると、1枠が勝率・連対率・3着内率トップで注目の枠になります。
次いで5枠が好走率の高さで続きます。
反対に、8枠は勝率・連対率・3着内率でワーストとなり、大外枠は苦戦傾向。
ただ、その他の枠は勝率が良くても連対率が低いなど、やや一貫性のない数字が多く、枠順のみで取捨を決めるのは危険かも。
脚質では後方からの追い込みはほとんど決まりませんが、マクリが決まりやすいコースとなっています。
| 枠順 | 1枠・5枠 |
| 脚質 | マクリ |
マクリについては非常に予想が立てづらいですが、陣営のコメント・馬の特性・騎手の性格などからヒントを探してみてもいいでしょう。
札幌芝2000mで開催される代表的なレースと傾向
- 札幌記念(G2)
札幌2000mで行われるレースとしてはなんといっても「札幌記念」が挙げられます。
札幌記念は夏競馬唯一のG2レースとして組まれていて、ここをステップに天皇賞秋を目指す馬の参戦も多く、G1並みの豪華メンバーが揃うレースです。
札幌記念の過去10年のデータと傾向
以下は札幌記念の過去10年のデータです。
| 年 | 着順 | 馬名 | 前走 | 前着順 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年 | 1着 | ノースブリッジ | QE2世C | 3着 |
| 2着 | ジオグリフ | 安田記念 | 6着 | |
| 3着 | ステラヴェローチェ | 安田記念 | 9着 | |
| 2023年 | 1着 | プログノーシス | QE2世C | 2着 |
| 2着 | トップナイフ | 東京優駿 | 14着 | |
| 3着 | ソーヴァリアント | 鳴尾記念 | 12着 | |
| 2022年 | 1着 | ジャックドール | 大阪杯 | 5着 |
| 2着 | パンサラッサ | 宝塚記念 | 8着 | |
| 3着 | ウインマリリン | 宝塚記念 | 7着 | |
| 2021年 | 1着 | ソダシ | オークス | 8着 |
| 2着 | ラヴズオンリーユー | QE2世C | 1着 | |
| 3着 | ペルシアンナイト | 鳴尾記念 | 4着 | |
| 2020年 | 1着 | ノームコア | 安田記念 | 4着 |
| 2着 | ペルシアンナイト | 宝塚記念 | 15着 | |
| 3着 | ラッキーライラック | 宝塚記念 | 6着 | |
| 2019年 | 1着 | ブラストワンピース | 目黒記念 | 8着 |
| 2着 | サングレーザー | 安田記念 | 5着 | |
| 3着 | フィエールマン | 天皇賞春 | 1着 | |
| 2018年 | 1着 | サングレーザー | 安田記念 | 5着 |
| 2着 | マカヒキ | ジャパンC | 4着 | |
| 3着 | モズカッチャン | ドバイSC | 6着 | |
| 2017年 | 1着 | サクラアンプルール | 函館記念 | 9着 |
| 2着 | ナリタハリケーン | 函館記念 | 7着 | |
| 3着 | ヤマカツエース | 大阪杯 | 3着 | |
| 2016年 | 1着 | ネオリアリズム | 函館記念 | 6着 |
| 2着 | モーリス | 安田記念 | 2着 | |
| 3着 | レインボーライン | 東京優駿 | 8着 | |
| 2015年 | 1着 | ディサイファ | エプソムC | 3着 |
| 2着 | ヒットザターゲット | 目黒記念 | 1着 | |
| 3着 | ダービーフィズ | 函館記念 | 1着 | |
ハイレベルメンバーで前走G1組の信頼感が高い
| 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
| G1 (海外含む) | 6-8-7-37 | 10.3% | 24.1% | 36.2% |
| G2 | 1-1-0-7 | 11.1% | 22.2% | 22.2% |
| G3 | 3-1-3-51 | 5.2% | 6.9% | 12.1% |
| OP・条件戦 | 0-0-0-16 | 0% | 0% | 0% |
札幌記念はG1級のメンバーが揃う事が多く、前走G1組の信頼感の高いレースになります。
前走G1出走馬は過去10年で【6-8-7-37】と勝率、連対率、3着内率全てが高水準。G1は多岐に渡りますが、特に安田記念【2-3-1-5】、QE2世C【2-1-0-2】あたりのレベルの高いマイルや中距離G1からの好走馬が目立ちます。
出走頭数自体は少なめでデータとしての信頼性は高くありませんがG2も好走率は高めで、夏競馬のレースでは珍しく勢いより格を重視したいレースになります。
重賞以外からの参戦は【0-0-0-16】と全く通用しておらず壁の高いレースになっています。






