2023年の天皇賞秋のレース結果と回顧です。
空前のハイレベルメンバーで行われた天皇賞秋は圧倒的1番人気に応えてイクイノックスが見事優勝しました。
着順 | 枠 | 馬番 | 馬名 | 重量 | 騎手 | タイム | 通過順位 | 上がり | 人気 |
1 | 6 | 7 | イクイノックス | 58.0 | C.ルメール | R1:55.2 | 3-3-3 | 34.2 | 1 |
2 | 6 | 6 | ジャスティンパレス | 58.0 | 横山武史 | 2 1/2 | 10-10-10 | 33.7 | 6 |
3 | 7 | 9 | プログノーシス | 58.0 | 川田将雅 | 1 1/4 | 11-11-10 | 33.9 | 3 |
最終レース予想
馬券は残念ながらハズレ。スピード馬場で疑問視したジャスティンパレスに見事走られてしまった。
◎イクイノックス 1着
〇ドウデュース 7着
▲プログノーシス 3着
△ジャックドール 11着
×ダノンベルーガ 4着
穴ガイアフォース 5着
三連単 ◎→〇→▲△×穴
三連単 ◎→▲△×穴→〇
三連単 ▲→◎→〇
想定ペース…ややハイ
実際のペース…12.4 – 11.0 – 11.5 – 11.4 – 11.4 – 11.4 – 11.4 – 11.6 – 11.4 – 11.7(ハイ)
2番手評価のドウデュースも伸びあぐねてしまいました
レース展開
今週かなり時計は出ていたのですが、それでもちょっと考えられないラップタイム。スタートの1ハロン以外全て11秒台で息を入れているポイントがほとんどありません。
ジャックドールが8枠という事もあって腹を括っての先頭。2番手のガイアフォースがつかず離れずの追走で前半は57.7といつものジャックドールからするとオーバーペース気味に。
直線は3番手にいたイクイノックスが手ごたえ十分で突き放して1:55.2のレコードタイムでの勝利。イクイノックス以外の前の馬は苦しくなって後方待機していた2頭が2着、3着という結果。
タイムだけ見ると前半57.7後半57.5で後傾ラップになっていて記録上はミドルペースという事に。かなり異質の超レコード決着。
1~3着馬の評価
1着 ◎イクイノックス
もう言葉もありませんね。圧巻の勝ち方でした。
今回はスタートを決めたというのもあるのでしょうが、宝塚記念とは一転してすんなりポジションが取れたことからも状態面の良さが伺えました。
57.7というペースを3番手で追走しながらも残り400m地点では馬なりで先頭に立つ勢い。追い出しのタイミングを待つ余裕があって、これでは正直他の馬はどうしようもないですね。力が1枚も2枚も上手だった。
今年は「瞬発力+持続力」になると予想していたのですが更にスタミナも必要になる厳しいペース。それで全然苦しくなる場面がないというのは凄いを通り越してもはや怖い。
ここまで毎回違う展開になるレースでしっかり強さを見せて勝ち切っているのは、過去の名馬たちでもそうそういないレベルだと思います。
次走予定のジャパンカップでは三冠牝馬リバティアイランドとの対決が待っていますが、堂々と挑戦を受けて立つことができるレースを今回見せてくれました。
2着 消し ジャスティンパレス
個人的にこの馬の特性を見抜けなかったのが今回の反省ポイント。
瞬発力勝負を避けてある程度前目の位置につけると思っていたのですが、スタートがイマイチという事もあり思い切って後ろで脚を溜める形に。
好走要因としては、ペースがかなり早めに流れてかつ先行勢もしっかりついていく流れになったのがまず一つの要因。イクイノックスが前目の馬達に睨みを効かせる形も追い風でした。
ただ展開利はあったとはいえ走破タイム1:55.6の上がり33.7で走れたのだから立派。同じようにいた位置のプログノーシスの末脚にも勝っている点は見過ごせない。横山武史騎手のレース後コメントでも「こういう脚を使えるイメージがなくびっくりしています」と言っていたように想像以上の脚だった。
タフなイメージ寄りだったがスピード馬場での時計勝負にもしっかり対応できることを示して、ここはやはり一流のG1馬だなという感じ。
3着 ▲プログノーシス
スタートがどうしてものんびりしているので最後方から。中々厳しい位置かなと思ったのですがペースを考えると悪くない位置で無理に急かさないのも良かった。
前走とは全く違うタイプのレースになった中、しっかりと走れていたし現状の実力は十分見せた形。初の国内G1挑戦で初の東京と色々と初物尽くしだったが、高速馬場での時計勝負にもしっかりと対応できてG1勝利への目処は立ったと言える。
馬場が渋ってタフなレースになれば札幌記念のようなレースも期待できるように守備範囲は広い。
その他の注目馬
7着 〇ドウデュース
武豊騎手の負傷のため急遽戸崎騎手でレースに挑む事に。当日のお昼ですからほとんど事前知識のないままでの騎乗になっただろうしプレッシャー含め大変だったと思います。
レースとしては行きたがっている面が出てて久しぶりの影響が感じられた。京都記念の時も少し行きたがっていた旨のコメントを出していたし、今回は前向きな面が少し空回りした印象です。
想定以上に緩まない流れで得意の瞬発力を発揮できなかったし、イクイノックス以外の先行勢は軒並み苦しくなったことを考えてもまあ仕方なかったですかね。ただ競馬ファンに望まれていたのは勝つまではいかなくとも対等に渡り合うレベルだったので期待に応えるところまではいけなかった。
JCで再度激突する事になるが、三歳時からの力関係は大きく変わったと言わざるを得ない完敗で逆転までは難しそう。鞍上が戻って1戦使った事によりどれくらい差が縮まるか。次に武豊騎手が乗る時は鬼気迫る騎乗が見れそうで楽しみです。
5着 穴ガイアフォース
2番手からの競馬で、この馬のスピードの持続力を活かすためのレースは出来たかなと思います。
「4コーナーを回ってどれほどセーフティーリードを保っているかが勝負」とレース後コメントで言っていたように明確にやりたい競馬があってそれを実践できた。それでしぶとく5着に残ったのだから大いに評価したい。
欲を言えばジャックドール共々もうちょっと仲良くいければ理想でしたかね。今の早い馬場なら58.5~59.0の流れくらい。
最大の誤算としてはイクイノックスが3番手にいたこと。前に行く馬の僅かな希望も許さないポジション取りで、正直これに関してはどうしようもない。有力馬同士後方で牽制し合ってくれれば、もっと驚かせられる場面があったかもしれないが…。
予想する側としてはイクイノックスが前に行くことも十分予測できたので、もう少し先行勢を危険視しても良かったかも。
レース総括
- 前半57.7後半57.5の後傾ラップで1:55.2のレコード決着
- イクイノックスが先行し前の馬にはかなり苦しい展開
- 前目で余裕の勝利のイクイノックスは別次元
- 展開利もあったがジャスティンパレスの高速対応力は特筆すべき