今週はいよいよ競馬の祭典「日本ダービー」。全てのホースマンが目指す憧れの舞台です。
今年は皐月賞で値千金の勝利となったミュージアムマイルを始め、皐月賞の雪辱を誓うクロワデュノール、前人未到のダービー7勝を目指す武豊騎手とサトノシャイニングなど、3歳の頂点を決めるにふさわしいメンバーが揃いました。
ここでは「2025年日本ダービー」のレース予想をしていきます。

2024年は9番人気のダノンデサイルがダービーポジションとなるインから抜け出す会心の勝利。
鞍上の横山典弘騎手は史上最年長の優勝でダービー3勝目となりました。


【2025日本ダービー】レースのポイント




まずは2025年日本ダービーのレースポイントから見てみましょう。
- スタンド前からゴール板を一度通過後、コースを一周する。総合力の問われる日本随一の王道コース。
- 最初のコーナーまでは約350m。外枠の馬達はなるべく内目でコーナーを迎えたい。
- 直線の長さは525.9m。直線半ばの高低差2mの上り坂などアップダウンの多いコース。
- Cコース替わり。過去20年では「1枠」が【7-3-1-29】と断然も過去10年なら【1-2-1-16】。大きな偏りは解消されつつある。
- 過去10年で「皐月賞組」が【8-9-7-74】の8勝で断然。次いで京都新聞杯【1-1-0-15】、毎日杯【1-0-0-7】と続く。
- 金曜、土曜と降り続いた雨の影響が残る馬場になる可能性も。
- 逃げ馬不在も瞬発力勝負を嫌う馬が途中で先頭に替わる可能性あり。



更に詳しいコース傾向を知りたい場合は以下の記事を参考にしてみて下さい。


【2025日本ダービー】有力馬ピックアップ


「総評S+」
クロワデュノール
「総評S」
ミュージアムマイル・マスカレードボール・サトノシャイニング
「総評A」
ジョバンニ・ショウヘイ・ファンダム
「総評B」
エリキング・ファイアンクランツ


【総評S+】クロワデュノール…理想ローテと序盤の安定感を高く評価
前走皐月賞でも「S+」の評価(結果2着)だったが、ここも大きく評価は変わっていない。
ここまでの4戦しっかりスタートを決めてポジションを取れている安定感を高く評価したい。
前走皐月賞は前半上手く運べたものの、ファウストラーゼンが捲ってきたところで外から押し込められる形になり、一時的にポジションが悪くなる不利。この一連の流れで早めに外の進路を確保しながら強気に前を捉える動きが仇となった。
前に非常に厳しいレースで上位に残ったのはこの馬のみ。負けてしまったものの改めて強さを見せたレースだった。
またローテ面に関しても利がある。先週のアルマヴェローチェもそうだが、休み明けから1冠目を使っての2冠目と余裕を持ったローテで大一番を迎えられるのが大きい。
皐月賞は状態面に関して騎手・調教師共にあまり満足してなかった様子だったが、今回は皐月賞より1段階2段階良くなっていると太鼓判。
最高の状態と皐月賞の反省を踏まえて臨んでくるであろうここは引き続き最高評価を与えても良さそう。
週中の雨予報は不確定要素ではあるもののキタサンブラック産駒ならこなせると思うのは楽観視しすぎだろうか…難しい馬場になった時はやはりこれまでの安定感に頼りたくなる。瞬発力に頼った走りでもないのは評価ポイント。
不安点らしい不安点がないからこその「S+」評価だが、あるとすれば瞬発力勝負でマークしていた後方の馬にやられるパターン。シャフリヤールにハナ差破れたエフフォーリア的な展開もないとは言い切れない。
新馬、東スポ杯共に前目のポジションからしっかり最後まで脚を使えてるので早々に差し切られるというのは考えにくいが、1番人気が予想されるので他の馬よりはプレッシャーのかかる立場なのは間違いない。
個人的にはここは最大限のパフォーマンスを見せて跳ね返してくれると見ている。




【総評S】ミュージアムマイル・・・不利もあった中突き抜けた前走
値千金の勝利となった皐月賞。ロスを抑えたコーナーワークと一呼吸置いた仕掛けもあって終わってみれば1 1/2もの差がついた。
モレイラ騎手の落ち着いた騎乗が光ったとはいえ、レースを通じて何もかも上手く行ったわけではなく、向こう正面のニシノエージェントがよれた一連の流れで割と厳しめの不利も受けている。
ゴール後の映像でも1頭突き抜けていたようにまだ余力はありそうで2400mの不安も感じさせないし、レーン騎手を確保するなど推せるポイントは多い。
また「朝日杯FSは出遅れのリカバリー分で序盤余分に消耗」、「弥生賞は道悪かつ後方から強引な外回しの仕掛け」だった事を考えれば更に見栄えのいい成績になっていた可能性もある。
不安点もない訳でなく、雨の影響で馬場が重くなった場合が心配。個人的には弥生賞は早めの仕掛けや良化途上が敗因と思っているが、レース後「重い馬場より良馬場の方がいい」と騎手コメントも出ているのでプラス材料とは言えない。
当日の馬場状態次第ではA評価の馬とそこまで差をつけない方がいいかも知れない。




【総評S】マスカレードボール・・・馬場心配も自慢の瞬発力活きる絶好の舞台
マスカレードボールはここまで東京2戦2勝。アイビーSはラスト3Fのラップが11.8 – 11.3 – 11.2、共同通信杯は11.5 – 11.5 – 11.2といずれも加速ラップかつ抜群の瞬発力をみせており非常に内容のいい勝利。この手のタイプはやはり東京向き。
中でも共同通信杯は「余裕がありすぎてブレーキをかけるところがあった」というように着差以上の強さがあった。(これに関しては良し悪しだが…)。目標がいる形になると更に力が発揮できそうなタイプだけにここは大きなチャンス。
前走皐月賞は中山が不安視される中、前が苦しい流れで直線は縫うように伸びてきて3着と大いに存在感を見せた。この時見せた上がり33.9もかなりのインパクト。
レースとしてはスタート直後に良い位置が取り切れなかったのが全て。また1コーナーでの加害馬という事になっているが、内のエリキングもかなり外に張ってきており被害馬ともとれる内容。
好位でクロワデュノールを前に見る形になれば理想的だったが今回8枠17番。出来るだけロスのない位置に収まりたいが多少難しくなったかも。
また東京適正があるとはいえ気性的な難しさは常に抱えているので、絶対的な信頼が置けるかというと怖いところも正直ある。瞬発力が強みなだけあって前日の雨は好ましくないし、その手の馬場の影響次第で嫌気がさす危険性も。
舞台適性で対抗評価濃厚だったが、枠順、気性面、雨残りの馬場状態を考慮してこの順番に落ち着いた。




【総評A】サトノシャイニング・・・試練の8枠18番も力のいる馬場は歓迎
皐月賞では8枠ということもあって道中からかなり外々を回る競馬。また1コーナーでぶつけられる不利と向こう正面ででも外に振られる不利など、終始ストレスをかけ続けられるレースで5着。
きさらぎ賞では何とかなだめて馬の後ろに入れる教育をしていただけに痛いレースになってしまった。
当然巻き返しが期待できる1頭なのだが今回もまた試練の8枠に(これで4走連続の8枠…)。過去20年で8枠から勝利した馬はワグネリアン1頭という難しい枠に。
この位置なら思い切ってガッツリ下げるか、それこそワグネリアンのように出していくかの2択になりそう。折り合い面の事を考えると後方からの可能性が高い。その辺りはダービー6勝の武豊騎手が最良の選択をしてくれるだろう。
まあ内枠での競馬には慣れていないと思うので包まれる可能性の高い枠よりは良かったと思うしかない。
週中の雨の影響についてはこの馬に関してはきさらぎ賞である程度タフな馬場もこなしているし歓迎の口。




【総評A】ジョバンニ・・・前走想像以上も瞬発力勝負が未知数
皐月賞はとにかくごちゃついたレースだったがこの馬もかなり不利を受けている。
序盤はクロワデュノールの後ろの絶好位を取れていたが、向こう正面での一連の不利で一気にポジションを下げてしまった。
4コーナーでは一番外を回ることになりながらも4着入線。トップクラス相手でも大きく崩れないのは流石の安定感。
気がかりは瞬発力勝負になりがちな東京のコース適正。野路菊Sでは上がり33.3の末脚を見せているがこれは前半64.1というスロー中のスローでのものでやや信用性に欠ける。
他の評価上位馬と比べると若干決め手に欠ける印象があるので、どうしても今回はこのレベルの評価に留まる。
とはいえ5枠9番はかなり臨機応変に立ち回れるので好印象で、週中の一雨も追い風になる可能性がある。やはり軽視はできない1頭。




【総評A】ショウヘイ・・・長所とかみ合う内枠引けた
ショウヘイは新馬戦でマディソンガールの2着。上がり3F33.0という決め手に敗れはしたものの3着には5馬身差をつける強い内容
2走前のきさらぎ賞は4着と案外だったものの、レース後川田騎手が「調教通りの走りでした。良くなってこなければ、本来のパフォーマンスはできません」とコメントしたようにこのレースが本来の実力ではない。
3カ月の間隔を空けて仕切り直した前走京都新聞杯は圧巻。前半63.3の流れを好スタートから2番手リズムよく進めて2 1/2差の勝利。あのペースでもムキにならないしレースセンスを感じさせる。
今回は1枠2番。スタートも良く前半はスローが濃厚なので難なくいい位置に収まれそう。稍重までなら前走で対応しているので上位の馬達が苦戦してくれるなら歓迎とみる。
エネルジコに騎乗予定だったルメール騎手が回避により確保できたのは幸いでここは気楽に乗れる立場。ワンチャンスを狙ってくるはず。
不安点はここまで4戦全てが京都コースだという点。とはいえ名門友道厩舎が逆算してしっかり間隔を取ってきたローテではあるので怖い1頭。




【総評A】ファンダム・・・瞬発力勝負に自信あり!控える競馬にも対応
まだ底を見せていないのは3戦3勝のファンダム。
新馬は中山芝1600mで1:32.8のレコードでの勝利。3番手から抜け出し11.6 – 11.5 – 10.8の加速ラップのレースで一気に話題に。
ジュニアカップは後にNHKマイルカップで4着に入るモンドデラモーレを寄せ付けない勝利。先頭に立つのが早すぎて気を抜いたと言うように着差以上に余裕があった。
ちょっと普通の馬とは違うなと思わせたのが前走毎日杯で、前半60.5のスローの流れとは言えラスト3Fが32.5という素晴らしい瞬発力。上がり2位のネブラディスクが33.1なので0.6差もついている事になる。
マイルでも楽に前に行ける先行力も魅力だが、前走のように後方から脚を溜める競馬ができたのもダービーに向けてのいい試走になったのも大きい。
個別ラップではラストが若干減速しているので、これまで同様スローの流れから一瞬の脚を活かしたい。反対にファウストラーゼンなど早めにペースが動いた時の対応にやや不安が残る。
またデビューがマイル戦で一気の距離延長や、雨の影響で持ち前の瞬発力が鈍る馬場状態などそれなりに不安要素もあるので全面的に信頼までとはいかなかった。
妙味面でやや物足りないのもあって馬場次第では軽視も一考。




その他の有力馬
【総評B】エリキング
エリキングは3戦3勝とした後に軽度の骨折。ぶっつけの皐月賞は内枠からワンチャンスを賭けたがなだれ込む形で11着。流石に骨折明けのG1は簡単には行かなかった。
この馬の推しポイントとしては「2歳時点でジョバンニを2度破っている点」と「川田騎手の継続騎乗する点」が挙げられる。
また前走は序盤マスカレードボールとやり合う形の中ポジションを下げたが、今回2枠3番でスローの流れで前目につけれるなら絶好位になる可能性も。
気になる点としては京都2歳Sでエンジンがかかるまでにかなり時間を要した点で完成の域に入るのはもう少し先のイメージも。
重い馬場の経験は新馬戦でクリアしているし、中京のタフな馬場もこなしているので適正はあると見る。
【総評B】ファイアクランツ
これまで【1-2-2-1】で善戦マンの域を出ないが、今回のメンバーの中では唯一2400m経験が2回あり、どちらも僅差の2着。
レース内容は徐々に良化しており、ダービーというより秋に楽しみな馬な気もするが、青葉賞の持続力のある伸び脚は中々のもの。
青葉賞は今年から1週繰り上げ。この馬がどうかはわからないが、間隔に余裕が出たので今後成績が良化する可能性も出てきた。
モレイラ騎手から佐々木大輔騎手というのはやや心許ないし、8枠16番と苦しい枠に入ったものの、前日13番人気なら少額押さえてもいいかも。
雨の影響が残る馬場なら評価を上げたい馬・下げたい馬


土曜時点での東京は小雨が続く状況。芝の馬場状態は10Rで重という状態でした。また金曜クッション値は7.9、土曜クッション値は8.9と低めになっています。
日曜日は曇りの予報なので良馬場発表になるかもですが金曜・土曜の雨の影響は残る可能性が高そう。
ということで今回評価した馬で、「雨の影響が残る馬場なら評価を上げたい馬・下げたい馬」をまとめてみました。
【評価アップ】
ファイアンクランツ・サトノシャイニング・ジョバンニ・エリキング・ショウヘイ
【評価据え置き】
クロワデュノール
【評価ダウン】
ファンダム・マスカレードボール・ミュージアムマイル
【2025日本ダービー】最終レース予想





Cコース替わりといえどオークスのようにある程度雨の影響が残る馬場になりそう。
◎クロワデュノールは色んな馬場や展開に一番対応できそうな点とここ目標のローテで軸に。
その後の印は馬場次第で多少順番を入れ替えるかも。ある程度臨機応変に対応したいですね。
◎クロワデュノール
〇ミュージアムマイル
▲マスカレードボール
△サトノシャイニング
△ジョバンニ
△ショウヘイ
△ファンダム
‥‥‥‥3連複の紐なら………
×エリキング
×ファイアクランツ
展開予想:スローorスローからの消耗戦



最後まで読んで下さりありがとうございました。