今週は秋のマイル王決定戦「マイルCS」。
春は香港の中距離王者ロマンチックウォリアーの参戦で湧きましたが、秋は欧州マイル王者チャリンがまさかの出走。ジャンタルマンタルやアスコリピチェーノの3歳の姿はありませんが、その分女王ブレイディヴェーグも参戦し、大きく盛り上がりそうです。
ここでは2024年のマイルCSのレース予想をしていきます。
2023年はナミュールが豪脚一閃で見事勝利。急遽ムーア騎手から乗り替わった藤岡康太騎手も大きなインパクトを与えました。
マイルチャンピオンシップ過去10年のデータと傾向
以下はマイルチャンピオンシップの過去10年の1~3着馬の騎手と前走の着順です。なお20年~22年は阪神での開催となっています。
年 | 着順 | 馬名 | 前走 | 前走人気 | 前着順 |
---|---|---|---|---|---|
23年 | 1着 | ナミュール | 富士S | 1人気 | 1着 |
2着 | ソウルラッシュ | 京成杯AH | 2人気 | 1着 | |
3着 | ジャスティンカフェ | 毎日王冠 | 3人気 | 7着 | |
阪神 | 22年1着 | セリフォス | 富士S | 1人気 | 2着 |
2着 | ダノンザキッド | 毎日王冠 | 4人気 | 3着 | |
3着 | ソダシ | 府中牝馬S | 1人気 | 1着 | |
阪神 | 21年1着 | グランアレグリア | 天皇賞秋 | 2人気 | 3着 |
2着 | シュネルマイスター | 毎日王冠 | 1人気 | 1着 | |
3着 | ダノンザキッド | 富士S | 2人気 | 4着 | |
阪神 | 20年1着 | グランアレグリア | スプリンターズS | 1人気 | 1着 |
2着 | インディチャンプ | 安田記念 | 2人気 | 3着 | |
3着 | アドマイヤマーズ | スワンS | 2人気 | 3着 | |
19年 | 1着 | インディチャンプ | 毎日王冠 | 3人気 | 3着 |
2着 | ダノンプレミアム | 天皇賞秋 | 3人気 | 2着 | |
3着 | ペルシアンンアイト | 毎日王冠 | 4人気 | 4着 | |
18年 | 1着 | ステルヴィオ | 毎日王冠 | 3人気 | 2着 |
2着 | ペルシアンナイト | 富士S | 4人気 | 5着 | |
3着 | アルアイン | 天皇賞秋 | 5人気 | 4着 | |
17年 | 1着 | ペルシアンナイト | 富士S | 2人気 | 5着 |
2着 | エアスピネル | 富士S | 1人気 | 1着 | |
3着 | サングレーザー | スワンS | 2人気 | 1着 | |
16年 | 1着 | ミッキーアイル | スプリンターズS | 2人気 | 2着 |
2着 | イスラボニータ | 富士S | 4人気 | 2着 | |
3着 | ネオリアリズム | 札幌記念 | 5人気 | 1着 | |
15年 | 1着 | モーリス | 安田記念 | 1人気 | 1着 |
2着 | フィエロ | スワンS | 1人気 | 2着 | |
3着 | イスラボニータ | 天皇賞秋 | 6人気 | 3着 | |
14年 | 1着 | ダノンシャーク | 富士S | 1人気 | 7着 |
2着 | フィエロ | スワンS | 2人気 | 3着 | |
3着 | グランデッツァ | 毎日王冠 | 2人気 | 5着 |
前走G1組は特に好走率が高い
成績 | 勝率 | 連対 | 3着内 | |
スプリンターズS | 【2-0-0-5】 | 28.57% | 28.57% | 28.57% |
安田記念 | 【1-1-0-4】 | 16.67% | 33.33% | 33.33% |
天皇賞秋 | 【1-1-2-6】 | 10.00% | 20.00% | 40.00% |
富士S | 【4-3-1-42】 | 8.00% | 14.00% | 16.00% |
毎日王冠 | 【2-2-3-21】 | 7.14% | 14.29% | 25.00% |
スワンS | 【0-2-2-29】 | 0.00% | 6.06% | 12.12% |
京王杯AH | 【0-1-0-9】 | 0.00% | 10.00% | 10.00% |
府中牝馬S | 【0-0-1-5】 | 0.00% | 0.00% | 16.67% |
札幌記念 | 【0-0-1-0】 | 0.00% | 0.00% | 100% |
前走G1組は出走数が少ないがその分精鋭が多いため好走率が高くなっています。特に前走G1で1~3着以内に好走している馬については最大限の注意を払った方がいいでしょう。
前走G2組から優秀なのは富士S組と毎日王冠組。富士S組は最多の4勝、毎日王冠組は馬券圏内に入りやすくなっており注目です。
一方、サマーマイルシリーズ(中京記念、関屋記念、京成杯AH)やスワンSからは過去10年では勝ち馬が出ておらずやや割引き。
前走1~3着馬が引き続き好走しており勢いのある馬が強いレース
成績 | 勝率 | 連対 | 3着内 | |
前走1着~3着 | 【8-9-5-53】 | 10.67% | 22.67% | 29.33% |
前走1着 | 【4-2-2-23】 | 12.90% | 19.35% | 25.81% |
前走2着 | 【2-4-1-16】 | 8.70% | 26.09% | 30.43% |
前走3着 | 【2-3-2-15】 | 9.09% | 22.73% | 31.82% |
前走4~5着 | 【1-1-4-26】 | 3.13% | 6.25% | 18.75% |
前走6着~9着 | 【1-0-1-25】 | 3.70% | 3.70% | 7.41% |
前走10着以下 | 【0-0-0-36】 | 0.00% | 0.00% | 0.00% |
過去10年で前走1着~3着馬だった馬は8回勝利しており、前走で好走している実力馬がそのままケースが非常に多い。
残り2回の勝利馬は「富士S7着のダノンシャーク(前走1番人気)」と「富士S5着のペルシアンナイト(前走2番人気)」といずれも前走重賞で上位人気になっている馬。こちらも覚えておきたいデータです。
前走10着以下からの巻き返しは3着以内まで見ても一回もなくかなり厳しい状況。
穴馬を探すとしても前走好走馬か前走人気馬から狙うのが良さそうですね。
2024年マイルCSのコース形態
京都芝1600mのポイント
- スタートから3コーナーまでの距離は700mとかなり余裕があり、枠順に融通が利きやすい
- 外回りコースは直線が403.7mと長め
- ゆったり進みやすいコースだがレベルが高くなるとスパート位置も早まり実力勝負になりやすい
より詳しい京都芝1600mの特徴は以下の記事で解説しているのでよければ参考にしてみて下さい。
有力馬ピックアップ
◎ナミュール
ナミュールは去年の覇者ということはもちろん、全17戦中12戦がG1競走と常にレベルの高いメンバーと渡り合ってきた。
近走は香港マイル(G1)3着、ドバイターフ(G1)2着、安田記念(G1)2着が示す通り、条件問わず日本馬にはことごとく先着しトップレベルにいる事を示している。
最近で唯一凡走したのがヴィクトリアマイルの8着。出遅れもあるが本来の伸びでなかったようにドバイ帰りで態勢が整っていなかった可能性が高い。
鞍上のC.デムーロ騎手の実力はもとより既にドバイでこの馬には騎乗済みというのも心強い。
純粋なマイルでの実力勝負になりやすい舞台だけに実力上位の馬を本命に据えたい。
気になる点としては馬体重が大幅に増えているという情報。もちろん減っているよりはいいが、既に5歳でここにきて更に肉体面でパワーアップというのは想像しにくい。既に完成されている馬と思っているだけに、変化はどちらかというと怖い。
〇ブレイディヴェーグ
ブレイディヴェーグは去年のエリザベス女王杯では立ち回りの上手さも光ったが、純粋に能力が一枚上という内容だった。
圧巻だったのは復帰戦となった11ヶ月ぶりとなった前走府中牝馬S。状態面としてはおそらくあと一息というニュアンスでの出走だったが、上がり32.8という極上のキレで1頭次元の違うレース。マスクトディーヴァも本来の状態ではなかったにせよ、未だに底を見せていない強さを感じます。
いきなりマイルのトップクラスと戦うのは未知数だが、マスクトディーヴァ同様あのローズSの競馬ぶりを見るにスピード勝負で泣かされるという場面は想像しにくい。このメンバーをあっさり蹴散らしても驚きはない。
ゲートに不安は残るがG1でのポジショニング重視の意識が強いルメール騎手。上手く立ち回ってくれることを期待。
印的には〇としたがナミュールと大差ない評価にしたい。
▲ソウルラッシュ
33秒前半の脚が使えるのでこの馬自身に瞬発力がないわけではないが、G1マイルのトップクラス相手となるとキレの部分で後一歩届かずというのが多いソウルラッシュ。
追い風となりそうなのは天気。土曜も少し雨が降ったし日曜も降る可能性があり、これが最後の一押しになる可能性は十分。
末脚勝負の有力馬が多い中、立ち回りの上手さのアドがあるのでその分安定性は高い。始動戦となった富士Sが丁度そんな感じのレースで勢いがあって1キロ軽かったジュンブロッサムにはやられたが、折り合い面などで立ち回りにやや難があるセリフォスには先着するという結果。
☆チャリン
チャリンはジャックルマロワ賞(G1)やクイーンアンS(G1)を勝っている欧州トップクラスのマイラー。前走クイーンエリザベス2世ステークス(G1)では、ドバイターフでナミュールが僅差で敗れたファクトゥールシュヴァルを2馬身の差をつけて完勝している。
正直何故マイルチャンピオンシップに来たのか?という程のレベルの馬で、予想云々より驚きと楽しみが大きい。何故このレースに?というのは2010、2011年にエリザベス女王杯に出走して2連覇を果たしたスノーフェアリーが頭をよぎる。
安田記念の時は海外馬のロマンチックウォリアーに◎を打ったが、今回は欧州馬だけに馬場適性の面で未知数で評価に困るというのが本音。
父ダークエンジェルはマッドクールでもお馴染みで雨予報も追い風。血統的には日本の馬場をこなしてもおかしくない。
人気もあるので中途半端には買うのは下策だろうし、最初はバッサリ切るつもりだったが、絶対的なエースがいない中でこのレベルの馬の出走は正直に言ってしまうと怖い(笑)。とはいえ買うとしても保険的な買い方になると思います。
その他の注目馬
△ジュンブロッサムは近走の勢いを素直に評価する。関屋記念はスタートと展開に泣いたし、その後の富士Sではマイル路線の門番ともいえるソウルラッシュを撃破。決め手は抜群で初のG1挑戦でも期待の方が大きい。
×セリフォスは前走不完全燃焼。本領を発揮した時の強さは説明不要。成績は落ち込み気味でピークを過ぎた可能性も捨てきれないが、折り合いついて実力を発揮できれば復活も…。
×エルトンバローズは去年より人気落ちで妙味が出た。前寄りの展開になった可能性も考え3連系で抑えておきたい。
マイルCSレース予想
◎ナミュールと〇ブレイディヴェーグは同等の評価で馬場状態によっては▲ソウルラッシュも含めボックス的に買いたい。
前日時点では買い方は以下のように考えていますが、これだと抜けも十分あるのでオッズと相談して最終的に決断したいと思います。
◎ナミュール
〇ブレイディヴェーグ
▲ソウルラッシュ
△ジュンブロッサム
☆チャリン
×セリフォス
×エルトンバローズ
馬連ボックス:◎〇▲
3連複:◎〇ー▲△☆××
想定ペース:ミドル
最後まで読んでくださりありがとうございました!