福島競馬場は、東北地方唯一のJRA競馬場として開催を担うローカル競馬場です。
芝コースは右回りで、1周距離の短いコンパクトなレイアウトが特徴となっています。
平坦なイメージを持たれがちですが、実際には細かなアップダウンが連続し、開催の進行による馬場状態の変化も無視できません。
一見するとシンプルなコースに見えても、形態や馬場の特性を把握しているかどうかで、レースの見え方は大きく変わってきます。
本記事では、福島芝2000mについて、
コース形態の特徴を図を交えて解説したうえで、レース傾向を紹介します。
福島競馬場・芝コース全体の特徴
距離別の特徴を見る前に、福島競馬場・芝コースに共通する特徴を押さえておきましょう。
以下は、福島競馬場・芝コースの基本データです。
| 回り | 右回り |
| 一周距離 | Aコース:1600m Bコース:1614.1m Cコース:1628.1m |
| 幅員 | Aコース:25~27m Bコース:22.5~25m Cコース:20~23m |
| 直線距離 | Aコース:292.0m Bコース:297.5m Cコース:299.7m |
| 高低差 | 1.9m |
小回り適性とパワーが求められる競馬場
福島競馬場は右回りで、芝コースの1周距離は1600m。
これはJRAの中でも最も小さい競馬場であり、強い小回り適性が求められます。
また、コース全体には緩やかな上り下りが点在しています。
ローカル競馬場は平坦なイメージを持たれがちですが、福島競馬場の高低差は1.9mあり、勾配自体はきつくないものの、短いスパンでアップダウンを繰り返すのが特徴です。
そのため、パワーも要求されるコース形態となっています。
最後の直線は292mと短く、後方からの馬は直線に入るまでに、ある程度ポジションを押し上げておきたいところです。
一方で、3~4コーナーにはスパイラルカーブが採用されており、脚質による有利不利が極端に偏りにくい工夫も施されています。
コーナーの入り口は緩やかで、出口にかけて段々と急で小回りになってくる形状のカーブ。出口で外に膨らみやすいため馬群がばらけ易く、差し馬不利の軽減や枠順の有利不利などの軽減が期待できると言われている。
傷みやすい馬場コンディションに注意
開催が進むにつれて、内側の馬場が傷みやすい点にも注意が必要です。
近年は馬場管理技術の向上によって改善傾向にあるものの、梅雨時期の開催も多く、依然として内が荒れやすい傾向は残っています。
開催後半になると内を避けるコース取りが増え、外差しが決まる傾向へと徐々にシフトしていきます。
そのため、トラックバイアス(コースの有利不利)は、常に確認しておきたい競馬場と言えるでしょう。
福島芝2000mのコースの特徴


福島芝2000mは4コーナーのポケット地点からのスタート。
1コーナーまでは約500mの長い直線を走ることになります。
ただ、スタート直後が下り坂になっており、コーナーまで余裕はあるものの、序盤は速いラップになりがちです。
高低断面図からもわかるように常にアップダウンを繰り返すコースで、2000mともなると短い直線ながら、逃げ馬は苦戦しやすくなります。
また、福島競馬場共通ですが、内馬場の傷みによるトラックバイアスの変化は2000mでも常に気をつけておきたい要素です。
福島芝2000mで注目の枠順・脚質
| 枠 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
| 1枠 | 30-27-25-291 | 8.0% | 15.3% | 22.0% |
| 2枠 | 24-25-23-327 | 6.0% | 12.3% | 18.0% |
| 3枠 | 32-32-28-330 | 7.6% | 15.2% | 21.8% |
| 4枠 | 30-33-30-340 | 6.9% | 14.5% | 21.5% |
| 5枠 | 38-33-33-340 | 8.6% | 16.0% | 23.4% |
| 6枠 | 30-33-36-364 | 6.5% | 13.6% | 21.4% |
| 7枠 | 31-29-37-378 | 6.5% | 12.6% | 20.4% |
| 8枠 | 31-32-33-387 | 6.4% | 13.0% | 19.9% |
福島芝2000mでは、5枠が勝率・連対率・3着内率、全てがトップで信頼度は高めの枠になります。
その他は大きな差はありませんが、外枠はやや苦戦傾向で、小回りコースの立ち回りの難しさが表れています。
脚質では先行、もしくは途中で上がっていけるマクリが強く、アップダウンが意外にあるコースと序盤がオーバーペースになりやすい事もあって、逃げ馬は他のコースと比較すると、やや苦戦傾向にあります。
| 枠順 | 6枠 |
| 脚質 | マクリ・先行 |
福島芝2000mで開催される代表的なレース
- 七夕賞(G3)
- 福島記念(G3)
福島芝2000mでは、サマー2000シリーズ開幕戦である「七夕賞」、3歳馬から古馬まで多彩なメンバーの「福島記念」が代表的なレースになります。
どちらもハンデ戦で予想が難しく荒れやすい傾向にあります。
七夕賞過去10年のデータと傾向
| 年 | 着順 | 枠 | 馬名 | 性齢 | 斤量 |
|---|---|---|---|---|---|
| 24年 | 1着 | 4 | レッドラディエンス | 牡5 | 57.0 |
| 2着 | 11 | キングズパレス | 牡5 | 57.0 | |
| 3着 | 7 | ノッキングポイント | 牡4 | 57.5 | |
| 23年 | 1着 | 15 | セイウンハーデス | 牡4 | 57.0 |
| 2着 | 4 | ククナ | 牝5 | 54.0 | |
| 3着 | 2 | ホウオウエミーズ | 牝6 | 54.0 | |
| 22年 | 1着 | 16 | エヒト | 牡5 | 54.0 |
| 2着 | 6 | ヒートオンビート | 牡5 | 57.0 | |
| 3着 | 11 | アンティシペイト | 牡5 | 56.5 | |
| 21年 | 1着 | 4 | トーラスジェミニ | 牡5 | 57.0 |
| 2着 | ロザムール | 牝5 | 53.0 | ||
| 3着 | 6 | ショウナンバルディ | 牡5 | 55.0 | |
| 20年 | 1着 | 3 | クレッシェンドラヴ | 牡6 | 57.0 |
| 2着 | 13 | ブラヴァス | 牡4 | 55.0 | |
| 3着 | 12 | ヴァンケドミンゴ | 牡4 | 54.0 | |
| 19年 | 1着 | 12 | ミッキースワロー | 牡5 | 57.5 |
| 2着 | 15 | クレッシェンドラヴ | 牡5 | 55.0 | |
| 3着 | 9 | ロードヴァンドール | 牡6 | 55.0 | |
| 18年 | 1着 | 4 | メドウラーク | 牡7 | 54.0 |
| 2着 | 5 | マイネルサージュ | 牡6 | 55.0 | |
| 3着 | 8 | パワーポケット | 牡6 | 50.0 | |
| 17年 | 1着 | 8 | ゼーヴィント | 牡4 | 57.0 |
| 2着 | 11 | マイネルフロスト | 牡6 | 57.0 | |
| 3着 | 12 | ソールインパクト | 牡5 | 53.0 | |
| 16年 | 1着 | 8 | アルバートドック | 牡4 | 57.0 |
| 2着 | 4 | ダコール | 牡8 | 58.0 | |
| 3着 | 12 | オリオンザジャパン | セ6 | 53.0 | |
| 15年 | 1着 | 11 | グランデッツァ | 牡6 | 57.0 |
| 2着 | 12 | ステラウインド | 牡6 | 56.0 | |
| 3着 | 7 | マデイラ | 牡6 | 52.0 | |
4歳・5歳中心も6歳の奮闘も見過ごせない
| 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内 | |
| 4歳 | 3-1-2-17 | 13.0% | 17.4% | 26.1% |
| 5歳 | 4-5-3-32 | 9.1% | 20.5% | 27.3% |
| 6歳 | 2-3-5-36 | 4.3% | 10.9% | 21.7% |
| 7歳以上 | 1-1-0-36 | 2.6% | 5.3% | 5.3% |
| 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内 | |
| 牡・セ馬 | 10-8-9-111 | 7.2% | 13.0% | 19.6% |
| 牝馬 | 0-2-1-10 | 0.0% | 15.4% | 23.1% |
年齢別成績では唯一の勝率2桁(130%)の4歳が中心的存在。5歳も連対率、3着内率では4歳を上回っておりこちらも要警戒。
ここまでは一般的な傾向だが、七夕賞では6歳馬も【2-3-5-36】と4歳、5歳にこそ劣っているが、健闘が目立つ。少なくとも年齢で嫌う必要はなさそう。
7歳以上となると流石にガクッと数字は落ちるが、7歳馬が1着1回、8歳馬が2着1回と可能性は低いが全くのノーチャンスではない。
性別成績でみると牝馬は【0-2-1-10】と過去10年で一度も勝利していないという珍しい結果に。そもそも出走頭数自体が少ないため、あまり有用なデータではないが、頭の隅にとどめておくといいかもしれない。
斤量では55.5キロ~57.0キロ台が過去10年で7勝と圧倒的!
| 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内 | |
| 59.5キロ~ | 0-0-0-0 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
| 57.5~59.0キロ | 1-1-1-11 | 7.1% | 14.3% | 21.4% |
| 55.5~57.0キロ | 7-4-1-49 | 11.5% | 18.0% | 19.7% |
| 53.5~55.0キロ | 2-3-3-37 | 4.4% | 11.1% | 17.8% |
| 51.5~53.0キロ | 0-0-3-13 | 0.0% | 0.0% | 18.0% |
| 49.5~51.0キロ | 0-0-1-1 | 0.0% | 0.0% | 50.0% |
| ~49.0キロ | 0-0-0-10 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
夏のハンデ重賞ということで斤量にも注目してみると55.5キロ~57.0キロが【7-4-1-49】、57.5キロ~59.0キロが【1-1-1-11】。軽ハンデ馬より少しくらいなら斤量を背負っている馬の活躍が目立ちます。
軽ハンデだからと飛びつくのは危険かも。




