福島競馬場は右回りで1周距離は1600mという全10場の中でももっともコンパクトな競馬場です。
ここでは福島競馬場の芝2000mの特徴や傾向をコース図を交えて解説していきます。
福島芝2000mで開催される代表的なレース
- 七夕賞(G3)
- 福島記念(G3)
福島芝2000mでは、サマー2000シリーズ開幕戦である「七夕賞」、3歳馬から古馬まで多彩なメンバーの「福島記念」が代表的なレースになります。
どちらもハンデ戦で予想が難しく荒れやすい傾向にあります。
福島芝2000mのコースの特徴
福島芝2000mは4コーナーのポケット地点からのスタート。1コーナーまでは約500mの長い直線を走ることになります。ペースはコーナーに入るまでの直線が下り坂になっており、序盤は速いラップになりがちです。
またタイトな競馬場のため、平坦なイメージがありますが高低図を見てわかるように緩やかな下り上りを繰り返すコースです。勾配はそれほどきつくないので意識する事は少ないですが、案外パワーも求められることは覚えておきましょう。
4コーナーを回ってからは直線は292mしかないため、後ろの馬は直線までにポジションを押し上げる必要があります。そのため「先行力のある馬、もしくは途中で上がっていける機動力のある差し馬」が強い傾向にあります。
短距離はともかく2000mともなるとアップダウンが多いこともあってか逃げ馬は意外に苦戦しやすくなります。
注意点としては、開催が進むにつれて内側の馬場の痛みによって外差しが決まる傾向にどんどんシフトしていくのでトラックバイアス(コースの有利不利)は常に確認しておく必要があります。
馬場の痛みがはっきり見えやすいコースですね。
福島芝2000mデータ詳細
コース | 右回り |
一周距離(外回り) | Aコース:1600m Bコース:1614.1m Cコース:1628.1m |
直線距離 | Aコース:292.0m Bコース:297.5m Cコース:299.7m |
高低差 | 1.9m |
コースレコード | 1:57.3(ダイワファルコン 2013福島記念) |
福島芝2000mで注目の枠順・脚質
注目の枠は「6枠」で勝率・連対率・3着内率すべてが優秀です。
また「1枠」「2枠」「3枠」と内枠がやや苦戦傾向にあるため注意が必要です。
脚質では先行力のある馬、もしくは途中で上がっていける機動力のある差し馬が強く、アップダウンが意外にあるコースで逃げ馬は苦戦傾向にあります。
枠順 | 6枠 |
脚質 | 差し・先行 |
内側が荒れてくる開催後半や道悪になった場合は外枠優勢になりやすいコースです。
七夕賞過去10年のデータと傾向
年 | 着順 | 枠 | 馬名 | 性齢 | 斤量 |
---|---|---|---|---|---|
1着 | 15 | セイウンハーデス | 牡4 | 57.0 | |
2着 | 4 | ククナ | 牝5 | 54.0 | |
3着 | 2 | ホウオウエミーズ | 牝6 | 54.0 | |
22年 | 1着 | 16 | エヒト | 牡5 | 54.0 |
2着 | 6 | ヒートオンビート | 牡5 | 57.0 | |
3着 | 11 | アンティシペイト | 牡5 | 56.5 | |
21年 | 1着 | 4 | トーラスジェミニ | 牡5 | 57.0 |
2着 | ロザムール | 牝5 | 53.0 | ||
3着 | 6 | ショウナンバルディ | 牡5 | 55.0 | |
20年 | 1着 | 3 | クレッシェンドラヴ | 牡6 | 57.0 |
2着 | 13 | ブラヴァス | 牡4 | 55.0 | |
3着 | 12 | ヴァンケドミンゴ | 牡4 | 54.0 | |
19年 | 1着 | 12 | ミッキースワロー | 牡5 | 57.5 |
2着 | 15 | クレッシェンドラヴ | 牡5 | 55.0 | |
3着 | 9 | ロードヴァンドール | 牡6 | 55.0 | |
18年 | 1着 | 4 | メドウラーク | 牡7 | 54.0 |
2着 | 5 | マイネルサージュ | 牡6 | 55.0 | |
3着 | 8 | パワーポケット | 牡6 | 50.0 | |
17年 | 1着 | 8 | ゼーヴィント | 牡4 | 57.0 |
2着 | 11 | マイネルフロスト | 牡6 | 57.0 | |
3着 | 12 | ソールインパクト | 牡5 | 53.0 | |
16年 | 1着 | 8 | アルバートドック | 牡4 | 57.0 |
2着 | 4 | ダコール | 牡8 | 58.0 | |
3着 | 12 | オリオンザジャパン | セ6 | 53.0 | |
15年 | 1着 | 11 | グランデッツァ | 牡6 | 57.0 |
2着 | 12 | ステラウインド | 牡6 | 56.0 | |
3着 | 7 | マデイラ | 牡6 | 52.0 | |
14年 | 1着 | 2 | メイショウナルト | セ6 | 56.0 |
2着 | 4 | ニューダイナスティ | 牡5 | 55.0 | |
3着 | 7 | マイネルラクリマ | 牡6 | 58.0 |
4歳・5歳中心も6歳の奮闘も見過ごせない
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内 | |
4歳 | 3-1-1-17 | 13.64% | 18.18% | 22.72% |
5歳 | 3-5-3-30 | 7.31% | 19.51% | 26.82% |
6歳 | 3-3-6-36 | 6.25% | 12.50% | 25.00% |
7歳以上 | 1-1-0-38 | 2.50% | 5.00% | 5.00% |
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内 | |
牡・セ馬 | 10-8-9-111 | 7.25% | 13.04% | 19.57% |
牝馬 | 0-2-1-11 | 0.00% | 14.29% | 21.43% |
年齢別成績では唯一の勝率2桁(13.64%)の4歳が中心的存在。5歳も連対率、3着内率では4歳を上回りこちらも要警戒。
ここまでは一般的な傾向だが、七夕賞では6歳馬も【3-3-6-36】と4歳、5歳と変わらず3勝を挙げており、健闘が目立つ。少なくとも年齢で嫌う必要はなさそう。
さすがに7歳以上となると流石にガクッと数字は落ちるが、7歳馬が1着1回、8歳馬が2着1回と可能性は低いが全くのノーチャンスではない。
性別成績でみると牝馬は【0-2-1-11】と過去10年で一度も勝利していないという珍しい結果に。そもそも出走頭数自体が少ないため、あまり有用なデータではないが、頭の隅にとどめておくといいかもしれない。
斤量では57キロ台が過去10年で7勝と圧倒的!
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内 | |
57.0キロ | 6-2-0-21 | 20.69% | 27.59% | 27.59% |
57.5キロ | 1-0-0-3 | 25.00% | 25.00% | 25.00% |
54.0キロ | 2-1-2-21 | 7.69% | 11.54% | 19.23% |
56.0キロ | 1-1-0-21 | 4.35% | 8.70% | 8.70% |
55.0キロ | 0-4-2-19 | 0.00% | 16.00% | 24.00% |
58.0キロ | 0-1-1-6 | 0.00% | 12.50% | 25.00% |
53.0キロ | 0-1-2-12 | 0.00% | 6.67% | 20.00% |
夏のハンデ重賞ということで斤量にも注目してみると57.0キロが【6-2-0-21】、57.5キロが【1-0-0-3】で57キロ台だけで7勝と圧倒的な成績をおさめている。
一方で極端に軽すぎたり重すぎたりという斤量の成績は振るわずで、軽ハンデだからと飛びつくのは危険。