早いもので今週は上半期の締めくくりのレースとなる春のグランプリ「宝塚記念」。
今年から暑熱および梅雨を考慮して2週間繰り上げられたため、余計に早く感じるというのはありそうですね。
今年は大阪杯組、天皇賞春組、ドバイ組に加えて今年初のG1参戦となる菊花賞馬アーバンシック、有馬記念馬レガレイラなどグランプリに相応しい好メンバーが揃いました。
ここでは「2025年宝塚記念」のレース予想をしていきます。

2024年は京都競馬場での雨中決戦。
3番人気のブローザホーンが大外から素晴らしい脚で突き抜けて勝利しました。人馬共に初のG1勝利となりました。


【2025宝塚記念】レースのポイント




まずは2025年宝塚記念のレースポイントから見てみましょう。
- 雨が降りやすい時期と高低差1.8mの急坂も相まってタフな消耗戦になることが多いレース。
- 阪神内回りコースを使用。コンパクトな4つのコーナーを回るため小回り適正も求められる。
- 最初のコーナーまでは525mと長くポジション取りに関する枠順の有利不利は少な目。
- 「3~4コーナーから直線にかけて下り坂が続くこと」と「内回りの直線は356.5mと短いこと」から逃げ・先行・マクリの好走が目立つコース。
- 過去10年の枠順別成績は「8枠」が過去10年で【6-0-1-17】と大暴れ。2、3着は満遍なく来ているので過度な信頼は禁物。
- 年齢別成績では「5歳馬」が【7-4-4-42】の7勝(12.28%)と勝率が高い。牝馬の好走率も【4-2-4-15】と高め。
- 週中の雨と土曜の雨の影響でタフな馬場傾向。Aコース2週目で内の状態は良いが雨次第では外差しの可能性も。
- メイショウタバルのマイペース逃げが濃厚。ドゥレッツァ、べラジオオペラ、プラダリアの2番手グループとの差も鍵。



更に詳しいコース傾向を知りたい場合は以下の記事を参考にしてみて下さい。


【2025宝塚記念】有力馬ピックアップ


「総評S」
ロードデルレイ・ベラジオオペラ・ドゥレッツァ
「総評A」
アーバンシック・レガレイラ
「総評B」
ソールオリエンス・ローシャムパーク・ヨーホーレイク
「総評C」
メイショウタバル・ジャスティンパレス・ショウナンラプンタ
【総評S】ロードデルレイ…前走初G1を感じさせない走りっぷり
ロードデルレイはここまで【6-3-0-1】とほぼ完全連対で軸としての安心感がある。どんな状況でも確実に伸びてくる末脚が大きな強み。
前々走日経新春杯は圧巻で2着ショウナンラプンタ、3着マイネルエンペラーと今期好調の2頭に3馬身差。中京のタフな馬場と締まった流れの中2200mをクリアできたのも大きい。
前走大阪杯では初めてのG1挑戦で7枠スタート。阪神の内回り2000mで中団の外々を回る展開で、ラスト3F33.8と良く追い上げての2着と初G1を感じさせない走りっぷりだった。
勝ったべラジオオペラや3着のヨーホーレイクがインコースを上手く突いてきてのものだっただけに、2着ながらも強さが目立った一戦。
今回一つ課題となるのが雨による重い馬場への適正。中京のある程度タフなコースもこなしているが、ここまで全てのレースが良馬場で未知数な部分も。ただ雨の影響でもし外伸び傾向になれば7枠や脚質はプラスに出るだけに、状況はかなり複雑。
中距離で高いレベルでのスピードの持続力は見せているが、今回は特に長距離で結果を出している馬も多いだけに、馬場が必要以上に重くなってスタミナをガッツリ問われるのはあまり好ましくない。
能力はここに入っても引けは取らないが、当日の馬場状態はしっかり確認しておきたい。






【総評S】ベラジオオペラ・・・阪神【4-0-0-0】操縦性の高さが魅力
通算成績【6-1-1-4】の内、阪神コースに限ればG1を2勝とG3を1勝を含む【4-0-0-0】とパーフェクトな成績。
スタートの安定感やスムーズなポジション取りなどとにかく器用で操縦性の高さが魅力。
馬券外に負けたレースは、超ハイペースを深追いした皐月賞と、スローの瞬発力勝負になったダービー、天皇賞秋、有馬記念。裏を返せばそういうレースにならなければ好走の可能性が非常に高い。
去年は先行して早めにローシャムパークに上がってこられる展開で後方勢にやられて3着と、タフな馬場含め評価できる点が多い。
この宝塚含めスプリングSなどで重馬場もこなしているし、よっぽどの酷い馬場にならない限りは能力は出せそう。
内枠のイメージが強いが今回も内枠。雨の具合によってはあまり歓迎の枠ではないが、この馬の立ち回りの上手さなら心配無用とみる。
メイショウタバルに行かせての好位になると思うがペース判断と仕掛けのタイミングはそこそこ難しいかも。




【総評S】ドゥレッツァ・・・馬場不安もスピードの持続力と瞬発力は一級品
ドゥレッツァは菊花賞以降は調整の難しさもあって独自のローテションを進んでいるため、日本馬との能力把握が中々難しい。一つ一つ見ていきたい。
菊花賞は悲観された17番枠からハナを奪い2着タスティエーラに3馬身差をつける衝撃の圧勝劇。
その後菊花賞の疲れが長引き復帰戦となった金鯱賞ではプログノーシスに大きく離されるもヨーホーレイクには1馬身先着し2着を確保。その後24年天皇賞春が熱中症で大敗。
さらに夏のインターナショナルSは、シティオブトロイや後の凱旋門賞馬ブルースストッキングなど欧州のトップクラス相手に5着と健闘したものの着差は離された。
秋のジャパンカップはスローペースを読んでレース途中からハナに進出する好判断もあって、勝ったドウデュースからタイム差なしの2着同着(シンエンペラー)。
そして前走ドバイシーマクラシックはダノンデサイル、仏カランダガンに次ぐ3着。多くの大レースで日本馬に立ちはだかってきた英レベルスロマンス(4着)に先着したのは大きい。
この馬のネックはやはり雨による道悪馬場。スピードの持続力と瞬発力を兼ね備えるハイスペックな馬なだけに長所を程度活かせる綺麗な馬場でやりたい。
1枠2番も差しに回ってしまった場合は内で包まれる怖さも…。馬場が回復次第ではもう少し評価を上げていいかも。




【総評A】アーバンシック・・・まだまだ見限れない昨年のハイレベル菊花賞馬
24年菊花賞上位組はダノンデサイル、ヘデントールはG1勝利。アドマイヤテラ、ビザンチンドリーム、ショウナンラプンタも今年飛躍している。
上位に来た馬でこの馬だけがまだ勝利を挙げていないが、有馬記念6着→日経賞3着だけでは当然まだまだ見限れない。
有馬記念は出遅れからのスローペースで6着。ポジションを上げにくい内枠も災いしたし、ゲートがもう少しマシだったら着差はもっと際どかったはず。
前走日経賞がマイネルエンペラーから0.1差の3着という事で、どちらかというとこれで今回評価を落としている模様。
中山の小回りコースかつ重い馬場で苦戦したため、今回の阪神内回り2200mの道悪想定の馬場で評価を上げにくいというのは正直わかる。
ただ休み明けで外々を回って0.1差の3着なら巻き返しは十分可能と見る。
菊花賞でも有馬記念でも有力馬が多い中、ルメール騎手を確保できていたようにかなり素質は買われている本馬。1番人気や2番人気ならともかく、前日7番人気なら地力に期待するのは十分あり。




【総評A】レガレイラ・・・状況に合わせた位置取りが取れるなら
レガレイラは3歳牝馬ながらに有馬記念を勝利。それまで過剰人気とも言われ続けていたが大仕事をやってのけた。
この有馬記念は正直展開がバッチリ嵌った部分も大きい。まずは不安定なスタートが決まった事。それによって4枠から内の絶好位で風除けとなる壁を作りながら脚を溜めれた。
今回は大外の8枠16番なので有馬記念のレース運びというよりは、中団やや後方からの正攻法での差しで勝負する事になりそう。これに関しては一概に悪いことではないので、当日外伸びなら評価を上げ、内が強いようなら評価を下げるといった微調整はしたい。
皐月賞の6着、ダービー5着のパフォーマンスを見る限り、この世代の牡馬と十分渡り合えているものの、個人的にはS評価とまでは行かなくてA評価あたり。
有馬記念後の骨折は軽度のもので仕上がり自体はあまり心配しなくても良さそう。
単勝は前日で一番人気であるものの連系ではかなり割れていて、割に合わないオッズとまでは思わない。




【総評B】ソールオリエンス…消耗戦で浮上も展開の助けは欲しい
昨年の宝塚記念は道悪タフ展開で後方からの競馬と適正がバッチリ決まっての2着。今回は阪神に舞台が変わったとはいえ、待ちに待ったタ消耗戦の可能性がある舞台。
秋は天皇賞秋こそ0.4秒差で上がり33.3の7着と恰好はつけたが、積極策のJCは全く良さが見られずシンガリの14着。得意の条件以外では脆さが出るようになったのはあまり印象がよろしくない。
この良くない流れを断ち切るまではいかないが進展をみせたのが2走前の京都記念。後方でしっかり脚を溜めて人気のチェルヴィニアが前にいる絶好の展開だったが、肝心のマークしたチェルヴィニアが伸びず直線詰まりながらも5着。騎乗した川田騎手も「以前に乗せてもらったときに比べて、はるかに馬は良くなっていると感じました。」とのコメントも心強い。
前走大阪杯10着は正直捨てレースというか、大阪杯のレースの特徴を考えれば後方脚質のこの馬には仕方のない敗戦。
評価はAにするか最後まで悩んだが、どうしても前崩れの展開頼りではあるのでこの評価に。去年は広い外回りの京都競馬場+ローシャムパークの捲りとこの馬の助けになった部分も大きかった。
ただ、当然怖い1頭ではあるのでしっかり押さえておきたい。




その他の有力馬
【総評B】ヨーホーレイク
スロー前目の瞬発力勝負となった新潟大賞典や毎日王冠以外はしっかりパフォーマンスを出せているのが好印象。
前走大阪杯も出遅れが無ければどうなっていたかわからない3着。ただこの時は出遅れてからの作戦の切り替えが見事で徹底して最内を狙った騎乗が功を奏しているのも事実。
この安定感なら人気もやむなしだが正直もう少しオッズはついて欲しかった。
それでもレース適性は合っているので押さえは必要とみる。
【総評B】ローシャムパーク
去年は▲にしての3番手評価。この時は捲っていって最後力尽きたがジッとしていればもっと際どい勝負に持ち込めた可能性がある惜しい敗戦。
24年大阪杯では勝ったべラジオオペラと接戦に持ち込めているし能力は高いものを持っている。
一方で出遅れにかかり癖と非常に難しい馬で好走するまでのハードルが高く、その分を考慮してこの評価。
【総評C】メイショウタバル
大敗は全てオーバーペースでのもの。
今回は道悪の中での単騎逃げが予想され、上手く自分のペースに持ち込んで21年大阪杯レイパパレのような再現を狙いたい。
ドバイターフでは上手くペースコントロールができていた武豊騎手なのも心強い。
一方で2200mに関しては神戸新聞杯のラスト1Fで明確にラップを落としているように気持ち長い可能性も…
【総評C】ジャスティンパレス
前走天皇賞春は向こう正面坂からの進出で物議を醸したが、まあ当然のように苦しい競馬での6着。
できるだけロスなく立ち回って、脚を溜めての末脚勝負で展開利があればというところ。
去年の重の宝塚記念で道悪を苦にしていただけにある程度馬場の回復は必須かも。
3連複の紐なら。
【総評C】ショウナンラプンタ
日経新春杯では離されたとはいえ今回S評価のロードデルレイの2着。その後の長距離路線でも大いに見せ場はあっただけにチャンスはある。
この馬の気性だと長距離よりはこのくらいの方がやりやすいし、キズナ産駒で道悪も歓迎の口。
今季既に4戦は不安材料。
3連複の紐候補で。
道悪の影響が多く残るなら評価を上げたい馬・下げたい馬


残念ながら雨の影響が残りそうな今年の宝塚記念。日曜にどれだけ回復するかが鍵になってきそうです。
ということで今回評価した馬で、「道悪馬場の影響が多く残るなら評価を上げたい馬・下げたい馬」をまとめてみました。
【評価アップ】
ソールオリエンス・メイショウタバル・ベラジオオペラ・ショウナンラプンタ
【評価据え置き】
ローシャムパーク・ヨーホーレイク
【評価ダウン】
ジャスティンパレス・ドゥレッツァ・アーバンシック・レガレイラ・ロードデルレイ
【2025宝塚記念】最終レース予想





当日ギリギリまで馬場状態をみておきたいが、少し回復して稍重くらいまでなら今の印のままで行きたいです。
◎〇の安定感を考慮して馬連・3連複あたりで攻めたい。
混戦模様なので無理に絞ろうとせず、ある程度手広く。
正直春のG1の中でも難易度は高めですが、上半期気持ちよく締めたいですね。
◎ロードデルレイ
〇ベラジオオペラ
▲ドゥレッツァ
△アーバンシック
△レガレイラ
△ソールオリエンス
△ヨーホーレイク
△ローシャムパーク
‥‥‥‥3連複の紐なら………
×メイショウタバル
×ジャスティンパレス
×ショウナンラプンタ
展開予想:ミドル



最後まで読んで下さりありがとうございました。