【英インターナショナルステークス】コースの特徴や傾向をわかりやすく解説【ヨーク競馬場】

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英インターナショナルステークス ヨーク競馬場

英インターナショナルステークスはイギリスのみならず欧州中距離カテゴリの最高峰とも言えるレースです。

8月という時期もあって日本馬の参戦はまだそこまで多くありませんが、2005年にはゼンノロブロイが僅差の2着になるなど活躍を見せているレースでもあります。

2025年はダービー馬ダノンデサイルが参戦。日本での馬券発売も決まり非常に注目度の高いレースになります。

Keibit

ここでは英インターナショナルSが行われるヨーク競馬場のコースの特徴や傾向を中心に詳しく解説していきます。

目次

英インターナショナルSは芝中距離の世界最高峰レースの1つ

ヨーク大聖堂 街並み
レース名英インターナショナルステークス
(正式名称:Juddmonte International Stakes)
格付けG1
距離芝2050m(10ハロン56ヤード)
出走条件3歳以上
負担重量定量
・3歳牡・セ(127ポンド(≒57.61kg))
・4歳牡・セ(134ポンド(≒60.78kg))
・牝馬は3ポンド(≒1.4kg)減量
開催日8月下旬
賞金総額125万ポンド

英インターナショナルSは1972年に「ベンソン&ヘッジズゴールドカップ」として設立され、イギリスのヨーク競馬場で行われる「イボアフェスティバル」の目玉といえるレースです。

イボアフェスティバルは、ヨーク競馬場で毎年8月下旬に開催される競馬の祭典です。4日間にわたって行われ、期間中にはG1競走3鞍を含む数多くの重賞競走が施行されます。

歴代勝ち馬もそうそうたる顔ぶれで、IFHA(国際競馬統括機関連盟)が発表しているレースランキングでもトップ10に入っており、イギリスのみならず芝中距離の世界最高峰のレースの1つとなっています。

イボアフェスティバルで行われる主な競走

レース年齢距離
英インターナショナルS(G1)3歳以上2050m
ヨークシャーオークス(G1)3歳以上牝2400m
ナンソープS(G1)2歳以上1000m
ジムクラックS(G2)2歳牡・セ1200m
グレートヴォルティジュールS(G2)3歳牡・セ2400m
ロンズデールC(G2)3歳以上3270m
ロウザーS(G2)2歳牝1200m
エーコムS(G3)2歳1400m
イボアハンデキャップ4歳以上2800m
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イボアハンデキャップは重賞ではありませんが、伝統と賞金額の高さからヨーロッパの平地競走で最も価値のあるハンデキャップ競走と言われ、非常に注目度の高いレースです。

過去10年の勝ち馬

以下は英インターナショナルS過去10年の勝ち馬です。

調教国勝ち馬性齢タイム
2015イギリスアラビアンクイーン牝32:06.58
2016イギリスポストポンド牡52:06.58
2017イギリスユリシーズ牡42:12.11
2018イギリスロアリングライオン牡32:07.70
2019アイルランドジャパン牡32:07.77
2020イギリスガイヤース牡52:07.38
2021イギリスミシュリフ牡42:05.92
2022イギリスバーイード牡42:09.30
2023イギリスモスターダフ牡52:06.40
2024アイルランドシティオブトロイ牡3R2:04:32
英インターナショナルS過去10年の勝ち馬
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更に過去に遡ると、14戦14勝の生涯成績を残したフランケル(2012)やイギリスクラシック2冠と凱旋門賞を制したシーザスターズ(2009)といった、名馬の中でも傑出した馬の名前も確認することができます。

日本馬の成績

馬名性齢騎手着順1着馬
2005ゼンノロブロイ牡5武豊2着エレクトロキューショニスト
2019シュヴァルグラン牡7O.マーフィー8着ジャパン
2024ドゥレッツァ牡4C.ルメール5着シティオブトロイ
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8月という時期もあってか日本馬の参戦は3頭とまだまだ少な目。
それでも2005年のゼンノロブロイはクビ差の2着があるように十分可能性のあるレースになっています。

ヨーク競馬場の特徴

ヨーク競馬場 コース形態
コース形態

1周距離は約3200mの広大なコース!「イギリスで最高の競馬場」との呼び声も

ヨーク競馬場は左回りのコースで、3つの引込線が特徴的な競馬場です。1周距離は約3200mもあり、幅も広く広大です。東京競馬場の芝1周距離が2083.1mという事を考えれば、そのスケールの大きさが分かります。

競馬発祥国であるイギリスは自然の地形を活かした競馬場が多く、歪(いびつ)なコースが多くなっています。特に連続する急カーブや最大40mの高低差のある「エプソム競馬場」はその傾向が顕著です。

日本の整った楕円型のコースに馴染みがあると、ヨーク競馬場も少し歪(いびつ)に見えるかもしれませんが、実際はかなり走りやすいコースになっています。

その理由としては、イギリスの競馬場としては珍しく起伏の少ない平坦コースという事が挙げられます。1周距離も長く、長距離でもコーナーを回る回数は少ないため、枠順による有利不利も少なく公平で実力の発揮しやすい造りになっています。

他のイギリスの競馬場がやや特殊なこともあり、ヨーク競馬場は「イギリスで最高の競馬場」との呼び声もあるほどです。

900mにも及ぶ最後の直線の攻防が最大の見どころ

英インターナショナルステークスが行われる2050mのスタートは向正面から。

スタートしてすぐコーナーを迎えますが非常に緩いため、立ち回りに大きな影響は及ぼすことはあまりありません。

その後は平坦な550m程の直線を経て最後となる2つ目のコーナーを回ります。こちらは最初のコーナーとは違い大き目になっています。

最後の直線は900mにも及び、各馬進路を取りながら残り800mあたりから徐々に仕掛け始めます。馬場状態によっては外に進路をとることも珍しくありません。

平坦なコースとは言え、欧州のタフな馬場での長い直線はパワーやスピードの持続力など総合力を問われる舞台となります。

東京競馬場との比較

ヨーク競馬場は東京競馬場に似たコースと言われることもあります。

馬場の特性やスケールの違いがあるので難しいですが、「左回り」、「大きくゆったりしたコース」、「実力が発揮しやすい王道コース」など確かに共通点はいくつか見つける事ができます。

東京競馬場ヨーク競馬場
1周距離2083.1m約3200m
直線距離525.9m約900m
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日本馬が英インターナショナルSに出走するなら東京実績を、海外馬がジャパンCに出走するならヨーク実績をチェックするのも面白いかもしれませんね。

2025年英インターナショナルステークスの主な出走予定馬

ここでは2025年に英インターナショナルステークスに出走予定の有力馬を紹介します。

出走予定馬は随時更新予定です。

ダノンデサイル・・・日本現役No.1の実力の持ち主

日本国旗

牡4 9戦5勝【5-0-1-3】
安田翔伍厩舎 戸崎圭太騎手 

主な戦績
25年:ドバイシーマクラシック(G1)1着
24年:日本ダービー(G1)1着
25年:AJCC(G2)1着
24年:有馬記念(G1)3着など

日本からは昨年の最優秀3歳牡馬ダノンデサイルが参戦。

今年はAJCCで新コンビ戸崎騎手で勝利、初の海外遠征となったドバイシーマクラシックも勝利と波に乗る本馬。現役ナンバーワンの実力馬と言っても過言ではなさそう。

特にドバイシーマクラシックで破ったカランダカン(2着)は、その後サンクルー大賞(G1)とキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス(G1)を連勝と絶好調。そのカランダカンを破ったこの馬への期待は俄然高まるというもの。

ダービーで見せた抜群の瞬発力やスピードや、菊花賞では大きな不利がありながらも最後差を詰めてきていたようにタフな展開でも大きく崩れない総合力がある。

ドラクロワ・・・才能開花した超良血馬

アイルランド国旗

牡3 9戦5勝【5-3-0-1】
A.オブライエン厩舎 R.ムーア騎手 

主な戦績
25年:エクリプスS(G1)1着
25年:愛ダービートライアルS(G3)1着
25年:バリーサックスS(G3)1着
24年:フューチュリティトロフィー(G1)2着など

ドラクロワは父が欧州の名種牡馬ドバウィ、母テピンはBCマイルやクイーンアンSを勝った名牝という超良血馬。

今年6月の英ダービーでは堂々の1番人気に支持されるものの、直線伸びを欠き、まさかの9着。

巻き返しを図った前走エクリプスS(G1)は古馬大将格のオンブズマンを後方からあっという間に差し切り初G1制覇。これで3歳にして一気に欧州中距離戦線のトップクラスに立ったことになる。

今回はオンブズマンとの再戦に加えてダノンデサイルとの激突と、非常に見所の多いレースになりそうです。

オンブズマン・・・遅れてきた大物

イギリス国旗

牡4 7戦5勝【5-2-0-0】
J&T.ゴスデン厩舎 W.ビュイック騎手 

主な戦績
25年:プリンスオブウェールズS(G1)1着
25年:エクリプスS(G1)2着
24年:プランスドランジュ賞(G3)1着など

遅れてきた大物との呼び声もあるのはイギリスのオンブズマン。ゴドルフィンの青の勝負服が印象的でここまで【5-2-0-0】と完全連対。

キャリア7戦が示す通りデビューは3歳6月と遅く、デビューから4連勝したもののブリガディアジェラードS(G3)で2着。そのため前々走プリンスオブウェールズS(G1)では8頭中5番人気とまだまだ伏兵扱いだった。

しかし蓋を開けてみれば圧巻の内容。後方からレースを進め直線は前が何度も壁になる絶望的な状況の中、萎えることなく脚を伸ばし、終わってみれば2馬身差の完勝だった。

前走エクリプスS(G1)ではドラクロワのクビ差2着と惜敗したが、G1トップクラスの舞台でも安定したパフォーマンスを見せれる事を証明したともいえる。ここでも1番人気を争いをする優勝候補。

シーザファイア・・・同条件のG2で12馬身差の圧勝劇

イギリス国旗

牝4 14戦3勝【3-2-4-5】
A.ボールディング厩舎 O.マーフィー騎手 

主な戦績
25年:ミドルトンフィリーズS(G2)1着
24年:ストレンソールS(G3)1着
24年:ナッソーS(G1)2着
25年:ナッソーS(G1)3着
25年:プリンスオブウェールズステークス(G1)3着など

シーザファイアは父がシーザスターズのイギリスの4歳牝馬。歴史的な名馬であるシーザスターズはG1競走を6勝しているが、その中の1つがこの英インターナショナルS(2009年)。

また母のアラビアンクイーンも2015年のこのレースの勝ち馬。英ダービー馬で後に凱旋門賞を勝つことになるゴールデンホーンを破っての値千金の優勝だった。

G1には未だ手は届いていないが、多くの中距離G1で2、3着とあと一歩のところまで来ている。

強みはやはりヨーク競馬場では2戦2勝という成績。今年の5月に行われたミドルトンフィリーズS(G2)は今回と同舞台だったが、後方からレースを進め2着に12馬身差をつける圧勝劇だった。

今回は皆強敵揃いで、そう簡単にはいかないだろうが、もし初のG1勝利が父や母も勝ったこのレースになれば大きなドラマになりそう。

ダリズ・・・デビューから無傷の4連勝

フランス国旗

牡3 4戦4勝【4-0-0-0】
F.グラファール厩舎 M.バルザローナ騎手 

主な戦績
25年:ウジェーヌアダム賞(G2)1着

フランスのダリズはアガ・カーンスタッド生産で父シーザスターズ、母ダリヤカナはG1香港ヴァーズ勝ち馬という良血馬。

2025年4月のデビューでここまで無傷の4連勝。6月の前走ウジェーヌアダム賞(G2)2000mで3/4馬身差で初重賞制覇。

流石にここは一気の相手強化で難しい挑戦となるが、未だに底を見せていない不気味さはある。

その他のヨーロッパの競馬場

Keibit

最後まで読んで頂きありがとうございました!
2025年英インターナショナルSは8月20日(水)の23時35分発走予定!
馬券発売も決まっているので今から楽しみですね

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