2026年日本ダービーは皐月賞に続いて1番人気のロブチェンが見事に優勝。
松山弘平騎手はこれがダービー初制覇。
杉山晴紀調教師と松山弘平騎手のコンビはこれでデアリングタクトで牝馬3冠、ロブチェンで2冠を達成。菊花賞で牡馬牝馬6冠の快挙に挑むことになります。
この記事では2026年日本ダービーを振り返り、ラップの分析・各馬の立ち回りを考察。
今後のレースに向けて特に注目したい馬をピックアップしています。
レース予想結果

| 着順 | 枠番 | 印 | 馬名 | 重量 | 騎手 | タイム | 通過順位 | 上がり | 人気 |
| 1 | 17 | ◎ | ロブチェン | 57.0 | 松山弘平 | 2:22.7 | 9-10-9-8 | 33.2 | 1 |
| 2 | 13 | △ | パントルナイーフ | 57.0 | C.ルメール | アタマ | 6-6-6-5 | 33.4 | 4 |
| 3 | 5 | バステール | 57.0 | 川田将雅 | 3/4 | 18-18-2-2 | 34.0 | 11 |
勝ちタイム2:22.7は過去10年では4番目に速いタイム。
上がり33.2は、勝ち馬の上がりとしては16年マカヒキの33.3を上回る最速タイムとなっています。


レース展開


まずはラップから見ていきましょう。
2026 日本ダービー 良 2:22.7
12.3 – 10.9 – 12.4 – 12.6 – 12.5 – 12.2 – 12.1 – 11.9 – 11.6 – 11.2 – 11.5 – 11.5
前半スローからの後半4Fの瞬発力+スピードの持続力勝負
Cコース替わりも極端な内有利の傾向はなく、内外フラットな馬場状態。
前72.9 後69.8の後傾ラップ。
確たる逃げ馬がいない中メイショウハチコウがハナ、前半1000mも60.7とスローぺースだった。
丁度レースが動き始めたのがこの1000mあたり。
最後方のバステールがスローペースを嫌って一気に2番手まで進出、先頭もメイショウからリアライズシリウスに。
この辺りからラップは緩まず、本格的なペースアップは残り800m付近から。
上位2頭は33秒台で、後方から4着まで追い込んだゴーイントゥスカイは32.8。
後半スピードの巡行能力が求められつつ、更にギアを上げれるかという争いに。
リアライズシリウス(7着)やライヒスアドラー(8着)など、2400mという距離に言及した馬も多く、前半スローながらも距離のごまかしが効きにくいレースとなりました。
また、毎年恒例の青嵐賞(同日・同距離)とのタイム比較は以下↓
| 勝ち馬 | 日本ダービー | 青嵐賞 | タイム差 | |
| 2026年 | ロブチェン | 2:22.7 | 2:24.1 | -1.4 |
| 2025年 | クロワデュノール | 2:23.7 | 2:23.8 | -0.1 |
| 2024年 | ダノンデサイル | 2:24.3 | 2:26.3 | -2.0 |
| 2023年 | タスティエーラ | 2:25.2 | 2:25.6 | -0.4 |
| 2022年 | ドウデュース | 2:21.9 | 2:26.5 | -4.6 |
| 2021年 | シャフリヤール | 2:22.5 | 2:23.2 | -0.7 |
ペースも違うのでこれで世代レベルを推し測るのは短絡的ですが、参考程度に見てもらえればと思います。
上位入線馬の見解


1着 ◎ロブチェン
スタート五分で無理にポジションは取りに行かず、真ん中外目の追走。
8枠17番と難しい枠だったが、外目を回るロスより馬のリズムを重視した立ち回り。
緩いペースでも折り合いはバッチリで、ムキになっていたチグハグになっていた共同通信杯とは雲泥の差。
そういう意味でも共同通信杯を使った意味は大きかったように思います。
丁度前に2着のパントルナイーフがいてこれを目標にできたのもポイント。
仕掛けタイミングも4角に差し掛かったところなので気持ち早めで、単純な瞬発力勝負のみにしなかった意図も読み取れる。
ラストの上がりも33.2で更に後方だったゴーイントゥスカイ、アルトラムスに次ぐ3位の伸び脚。
バステールが動き出してからは淀みないラップが続いた中で、高いスピードの持続力を見せた。
内枠から機転を利かせて逃げた皐月賞、大外枠から差した日本ダービーと全く違う展開で勝ったのは価値があり、改めて総合力の高さを見せつけた。



秋はおそらく3冠のかかる菊花賞が最大目標。
スタミナに不安はなく、レース対応力の高いこの馬を中心に回っていくのは間違いなさそうです。
2着 ▲パントルナイーフ
好スタートから中団6番手追走。この後のペースを考えても7枠からとれるほぼベストに近いポジション。
G1で勝負できるポジションに難なく収まれるのは流石ルメール騎手といったところ。
また、この馬自体も東京スポ2歳で綺麗な立ち回りができており、馬の操縦性による部分も大きい。
バステールが動いたタイミングでも釣られずに、ラストの上がりは33.4と決め手も十分。
先頭に立つタイミングも完璧で、限りなく100点に近いレースができていたように見えた。
ルメール騎手の「GIホースになれる馬です。」という言葉も心強い。
菊花賞、天皇賞秋どちらでも好勝負できそうでしたが、レース後に膝の骨折が発覚。
どれくらいの休養が必要なのか詳細が待たれます。
3着 バステール
皐月賞11着から見事巻き返したのはバステール。
出脚がつく馬ではないので、序盤はじっくり構えて最後方から。
1000mに差し掛かるあたりで流れが遅いとみるや、外から一気に2番手まで押し上げた。
さらに2番手でムキにならずにピタッと収まれたことで2段階スパートの競馬ができた。
17年のレイデオロがこの戦法で見事勝利しており、近年では24年サンライズアースが瞬発力勝負を嫌い同様のマクリで4着と健闘している。
弥生賞が人気馬がやり合ったところを、一気に差し切ったがこの手の競馬はどうしても展開に左右される面が大きい。
最後方からの競馬だと仮に32秒台の上がりが使えたとしても、勝ち切るのは不可能に近かったと思うので、川田騎手のファインプレーだったといえる。
ただ好騎乗だっただけに、直線大きく内にヨレて他馬に迷惑をかけてしまったのは残念。
最後は右ムチの連打で明確にヨレていて、普段の川田騎手なら修正できていたはず。
大一番のダービーで最後の最後まで1着を争っていた事もあり、冷静さを欠いてしまったと思われる。
今回、後方からの競馬が難しいと踏んで軽視したが、「後方からの競馬が厳しい」と考えた川田騎手がどう乗るかというところまで考えが及ばなかったのは反省点。
特に川田騎手はプログノーシスなどでも隙を見てポジションを押し上げる競馬をしているので予測可能な乗り方だった。



弥生賞時点で「全体がまだ幼く、体も心も幼いので、これから成長していく馬」と評されていた馬。
秋以降の成長具合によっては更なる活躍が見込めそうです。
その他注目馬の見解


4着 △ゴーイントゥスカイ
結果的に伸びあがる様なスタートで想定より後方からの競馬になった事が最後に響いた。
道中無理をさせずリズムを守って最後に弾けさせるというのは、これまで武豊騎手が幾度となくダービーを制覇してきた必勝パターン。
今回もそれに近いレースはできていた。
上がり最速の32.8という数字は東京2400mでみれば限界に近い数字。
面白いのはレース後のコメントで「直線で1、2着馬に離されてしまいました。一瞬の脚の差が出てしまった。」というもの。
この上がりを見るとどうしても瞬発力やキレに目が行きがちだが、この馬自身はスピードの持続力で勝負する可能性が高そう。



ダービーで凄い上がりを出しながらも惜しくも届かなかったというような馬は、その後もしっかり活躍するパターンが多いので注目しておきたい1頭ですね。
5着 マテンロウゲイル
皐月賞10着から大きく巻き返すことに成功した1頭。前走は17番手と前決着を考えればかなり厳しい位置取り。
今回はその反省を活かしてか、スタートからかなり気合をつけてポジションを取りに行った。
これは1枠2番と包まれやすいわくというのも無関係ではなさそう。
ラスト33.4という脚も立派だったが、横山和生騎手からは「2400メートルは長いかもしれません。」とのコメントが出ており、距離短縮で更に期待できそうな雰囲気。



ここまで大きく負けたのは皐月賞のみ。
あの時の展開不利を考えれば、今後もかなり安定したパフォーマンスが見れそうです。
7着 △リアライズシリウス
五分のスタートから序盤は2番手。その後先頭に替わってマイペースの逃げという立ち回り。
バステールが途中から捲ってきた影響もあるが、レース後半は持ち前のスピードの持続力を活かし、必要以上にはスローに落としこまなかった。
日本ダービー:12.3 – 10.9 – 12.4 – 12.6 – 12.5 – 12.2 – 12.1 – 11.9 – 11.6 – 11.2 – 11.5 – 11.5
皐月賞:12.4 – 10.5 – 12.2 – 12.1 – 11.7 – 11.6 – 11.8 – 11.4 – 11.1 – 11.7
比較からも後半は皐月賞っぽいラップになっている事が見て取れる。
となるとやはり東京の長い直線に加えて、400mの延長が効いてくる。
直線に入って追い出すまでにリードも思ったほど付けれなかったのも痛かった。
それでも勝ち馬から0.4秒差にとどまっているし、直線ではバステールに交わされてから、カットされる不利がありながらも予想以上に踏ん張った。



今後どういう路線になるかわからないが、1800~2000mという距離なら持ち前のスピードの持続力とポジション優位を活かせそう。
折り合いに不安がない点や、2番手からでも競馬ができるので融通が利きそうな点も頼もしいですね。
8着 〇ライヒスアドラー
1枠1番と極端な枠だったこともあって、逃げ馬の後ろ3番手というポジションを選択。
折り合い面に難がある馬だが、今回は比較的上手く運べているように見えた。
やや想定外だったのはバステールが途中上がってきて、リアライズシリウスがハナに行ったあたりで、気づけば6番手あたりまでポジションが下がってしまった事。
それでも直線は最内の進路がしっかり空いて、後はどこまで伸びきれるかとというところだったが、ラスト3Fは33.8。
結果的には伸び負けで、何とか前のリアライズシリウスを交わすことで精一杯。
2400mという距離に課題を残す結果となった。
また8着とはいえ勝ち馬とは0.4秒差。皐月賞は0.3秒差だった事を考えればそれほど悲観する内容ではなさそう。



立ち回りや気性については成長を感じさせたレース。
東京の末脚勝負となるとまだ物足りなさも。
まだ1勝馬なので、どこかで勝ち切る競馬を覚えさせたいですね。
16着 △グリーンエナジー
最後はグリーンエナジーにも触れておきたい。
この馬としては好スタートを切って、道中はロブチェンの右前に見る10番手の位置取り。
前半はややかかり気味での追走で、直線に向いて追い出しても全く反応がないまま終わった。
単純比較になるが、京成杯で接戦を演じたマテンロウゲイルは上位争いをしている事を考えれば、やはり熱発の影響で状態が整っていなかったとみて良さそう。
特に仕上げに関しては皆ここがピークになるような調整なのでその差が思いのほか響いてしまった。



次走は当然見直しが必要ですが、ここまでわかりやすい敗因だとむしろ人気する可能性も高そう。
未勝利戦時には鼻出血もあったし、体調面には特にチェックが必要になってきそうです。
レース総括
- Cコース替わりも極端な内有利の傾向はなく、内外フラットな馬場状態。
馬場状態はかなり良好。 - 前半スローからの後半4Fの瞬発力+スピードの持続力勝負。
総合力が試された1戦。 - リアライズシリウス、マテンロウゲイル、ライヒスアドラー、メイショウハチコウなど距離に言及する馬も多く、スタミナも問われた。
- 早い上がりが出ているが完全な瞬発力勝負ではなかった点には注意。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
ここから各馬目標とするレースも分かれていきそうですが、秋がますます楽しみになりそうです。










