今週は5週連続となる東京G1競走の第1弾「NHKマイルカップ」。
今年は朝日杯FS覇者のアドマイヤズームを筆頭に、前哨戦を勝って駒を進めてきたランスオブカオス、イミグラントソング、ヤンキーバローズ、クラシック路線からマジックサンズ、マピュースなどの参戦もあってバラエティーに富んだメンバー構成となりました。
ここでは「2025年NHKマイルカップ」のレース予想をしていきます。

去年の勝ち馬ジャンタルマンタルは皐月賞3着からの参戦で21/2差の圧勝でした。
勝ち馬とは関係ないですが、直線コースでは3つも斜行による被害が起こり、やや消化不良のレースに…


【2025NHKマイルカップ】レースのポイント




まずは2025年NHKマイルカップのレースポイントから見てみましょう。
- ワンターンコースで有利不利が少なく実力勝負になりやすい。
- 3コーナーまでは約550mとかなり長めで、ポジション争いには余裕あり。
- 直線の長さは525.9mと非常に長く、高低差2mの上り坂も。総合力の問われる舞台。
- Aコース3週目で外差しも決まりやすい。馬場状態は引き続き良好。
- 過去10年で6枠が【3-0-1-15】、8枠が【4-1-2-23】と外枠が優勢。
- 皐月賞【3-1-0-9】、桜花賞【2-3-0-13】、と前走クラシック組の成績が安定。
- 過去10年で1番人気の勝利はわずか1回。過去10年の1~3着馬の30頭の内11頭が7番人気以下と能力把握の難しいレース。


【2025NHKマイルカップ】有力馬ピックアップ


「総評S」
アドマイヤズーム
「総評A」
イミグラントソング・アルテヴェローチェ・ランスオブカオス
「総評B」
マピュース・モンドデラモーレ・マジックサンズ
【総評S】アドマイヤズーム…立ち回りの上手さと順調度で一歩リード
アドマイヤズームは朝日杯FSを勝ってからは早くからここに目標を定めてきた。
その朝日杯FSが前半48.1後半46.1というスローの流れを1枠から2番手の内で進める最高の形。
後の皐月賞馬ミュージアムマイルや、チャーチルダウンズCを勝つランスオブカオスなどがいたにもかかわらずの2 1/2差の圧勝は立ち回りの差も大きく出た。
前走NZTは朝日杯から一転して前半45.7後半46.7で先行馬には苦しい流れ。これを内から4頭目を通ってのイミグラントソングにクビ差差されての2着。プラス8キロといかにも前哨戦らしい仕上げで、流れも違う中でここまで走れたことで個人的な評価はさらに上がった。
これまで数々のG1レースを勝ってきた友道厩舎がここ目標にしっかりと調整してきたのはやはり頼もしい。
今回は逃げ馬不在で、上手く前目で流れに乗れるこの馬には前回よりも展開も向きそう。
直線の長い東京で瞬発力勝負となればキレ味のあるタイプが少々怖いが、幸い今回はそういったタイプが少なめなのも追い風。
不安点を挙げるなら朝日杯の5番人気とは違って今回は1番人気で目標にされる立場でのレースになる点。
それでも立ち回りの上手さと順調度で一歩リードしていると見る。
川田騎手いわく返し馬に調子が現れやすいタイプとのことで、余裕があるならこちらもしっかり確認しておきたい。




【総評A】イミグラントソング・・・東京マイルの末脚勝負で候補に挙がる1頭
この馬で評価したいのはやはりひいらぎ賞の2着。
勝ったデンクマールは1:32.4のレコードタイムでの勝利で、出走できていれば1番人気の可能性もあった素質馬。速い流れも向いたとはいえ半馬身差まで詰め寄ったのは良パフォーマンス。
続く1勝クラスで前残りを捉えられず3着だったものの、陣営は強気にG2のNZTに挑戦し、見事に2歳チャンピオンを撃破。こちらも流れは向いたとは言え上がり3Fは33.1と限界に近い瞬発力を見せている。
今回のメンバーで東京マイルの末脚勝負に向いていそうな馬を探した時に真っ先に候補に挙がる1頭。
ここにきてしっかりルメール騎手を確保できたのも大きい。最後の末脚が大きな武器ではあるが、ペースを見てそれなりのポジションに収まってくれそうな安心感がある。
父マクフィはDubawiを父に持ち英2000ギニーやジャックルマロワ賞とマイルで活躍。産駒はメイクビリーヴ(プールデッセデプーランなどフランスの短距離G1を2勝)やオールアットワンス(アイビスサマーダッシュ2勝)など芝では短い距離で良績を上げている種牡馬。
こちらもやはり人気面での妙味が薄いのがネック。




【総評A】アルテヴェローチェ・・・今回は外枠で伸び伸び走れる気楽な立場
忘れてはならない朝日杯FS1番人気のアルテヴェローチェ。
その朝日杯FSはスローの流れを後方からという苦しい位置取り。折り合い面にも気を配りながらの騎乗で1.3秒差の5着と人気を裏切る結果に。
続くシンザン記念は好スタートから上手く競馬を進めるもリラエンブレムの決め手に屈して2着。前走チャーチルダウンズCは出遅れ外回しの二重苦の競馬でランスオブカオスの2着ともどかしい結果が続いている。
リラエンブレムが毎日杯で不可解な大敗を喫したこともあり、この馬自体の評価も疑問視されつつあるが、リラエンブレムもあれが本来の実力だとは思えない。
基本的に厳しいレースを強いられがちで、これは気性面やスタートなどこの馬自身の問題にも起因しているので楽観視はできないが、成績以上に能力はあると見ている。
今回は敗戦続きで人気を前日7番人気まで一気に落としており妙味はたっぷり。5戦中4戦が1番人気だった立場から今回は伏兵の気楽な立場。7枠15番と外目で伸び伸び走れる枠に入ったのも大きい。




【総評A】ランスオブカオス・・・能力確かも前走完璧すぎてやや買いづらい
少し買いづらくなったのはランスオブカオス。
前走チャーチルダウンズカップはスタートがイマイチのこの馬としては絶好のスタート。直線も我慢して内を割るというデビュー2年目の吉村誠之助騎手の完璧なレース運びだった。
朝日杯FS、きさらぎ賞ともにスタートで後手に回った分が響いていたのもあって、チャーチルダウンズCはこの馬のポテンシャルの高さを改めて見た感じだった。特に朝日杯はキャリア2戦目、新馬戦から中1週でのもので、あの着差を素直に受け取るのは早計。
ただ当然人気もしっかりと上がって前日は3番人気。ゲート不安もあるので3枠5番はスタート次第では怖さも。
吉村誠之助騎手は若手世代では一歩抜けた存在。どんな騎乗を見せてくれるのかは楽しみ。




【総評B】マピュース・・・依然高評価も瞬発力勝負になりそうで
桜花賞では妙味Sとして穴候補に挙げた1頭。ハイレベルのクイーンCで2着でハイペースを早めに仕掛けながら踏ん張ってエンブロイダリーの2着。1:32.6という走破タイムも立派だった。
前走桜花賞では残念ながら4着とこの馬自身は馬券には絡まなかったが力は十分見せた内容。スタートがイマイチで内枠だった事もあり、最後は伸びない内を選択せざるを得ない厳しい状況となった。
桜花賞上位馬はここに出てきても好勝負必至の馬ばかりなので依然評価は落とす必要はなさそう。
今回は真ん中やや外の6枠12番と力が発揮できそうな枠なのもプラス材料。
気になるのはスローの瞬発力勝負になった時で、アルテミスSはこれで7着に負けている。今回この馬の強みであるのスピードの持続力を活かす展開になるかは少々微妙で人気も順当に上がっているので今回はこの評価に落ち着いた。






【総評B】モンドデラモーレ・・・不安要素も多いが期待が大きく上回る
妙味ならモンドデラモーレ。
前々走ジュニアカップ2着は少々相手が悪かった。勝ったファンダムはその後毎日杯を32.5秒という鬼脚を見せ3戦3勝。
前走ファルコンSは8枠18番から終始外を回る厳しい競馬。勝ったヤンキーバローズ、3着のリリーフィールド共に内をロスなく進んできて馬だったので余計に健闘が目立った。
「極端すぎる1枠1番」、「レースレベルが一気にあがる事」、「東京の切れ味勝負に疑問」と不安要素も多いが、前日8番人気で戸崎騎手を確保。去年のロジリオンは戸崎騎手で内から素晴らしい立ち回りで3着と心配よりも期待が大きい。
過去10年の1~3着馬の30頭の内11頭が7番人気以下と人気薄が絡みやすいレース。人気薄からはこの馬の激走に期待したい。




その他の有力馬
【総評B】マジックサンズ
マジックサンズは無理せず後方からの勝負に賭けた皐月賞が6着と上々。骨折明けで無理をしなかった立ち回りも功を奏した。
この馬に関してはどちらかというと札幌2歳Sでアルマヴェローチェに勝っている事を評価したい。重馬場の札幌という直結しなそうなコースと言えども、その他メンバーもファイアンクランツやモンドデラモーレと骨っぽかった。
今回は初のマイル戦。早くからここを目標にしてきた馬ほど信頼感はおけないし、今回の人気馬の中では一段階評価を落とした。
【2025NHKマイルカップ】最終レース予想





荒れやすいレースではあるものの、前走から更に上積み見込める◎アドマイヤズームは軸に据えたいです。
人気馬は無難に抑えつつ▲アルテヴェローチェ、△モンドデラモーレあたりの多少妙味があるところの決着で上振れを期待します。
◎アドマイヤズーム
〇イミグラントソング
▲アルテヴェローチェ
△ランスオブカオス
△マピュース
△モンドデラモーレ
△マジックサンズ
展開予想:スロー寄りのミドル



最後まで読んで下さりありがとうございました。