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【ケンタッキーダービー2024】コースの特徴や傾向をわかりやすく解説【チャーチルダウンズ競馬場】

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チャーチルダウンズ競馬場の特徴や傾向を紹介

チャーチルダウンズ競馬場はアメリカ三冠の初戦ケンタッキーダービーが行われることで有名な競馬場です。

ダートの本場だけあって芝が主流の日本馬が挑戦する事は稀だったのですが、今年は日本のフォーエバーヤングが5戦5勝という成績を引っ提げて、このレースに挑戦する事で大きな話題を呼んでいます。

Keibit

今回はケンタッキーダービーが行われるチャーチルダウンズ競馬場のコースの特徴や傾向を詳しく紹介していきます。

目次

「スポーツの中で最も偉大な2分間」

アメリカダート

ケンタッキーダービーはアメリカクラシック三冠の1冠目としてケンタッキー州のチャーチルダウンズ競馬場で行われるレースです。

ケンタッキーダービーはアメリカでは「スポーツの中で最も偉大な2分間」と呼ばれ、競馬の枠を超えて注目される1大スポーツイベントです。

出走馬の本場馬入場の際にはミント・ジュレップを飲み、マーチングバンドの演奏の元「ケンタッキーの我が家」を観客全員で歌うのが習わし。また優勝馬にはバラのレイをかけられることから別名「ランランフォザローゼス(Run for the Roses)」の通称で呼ばれています。

創設は1875年と150年近い歴史のあるレース。日本ダービーの創設が1932年ですからその歴史の長さがわかります。

アメリカクラシック三冠とは

アメリカクラシック三冠は以下の3つの3歳限定のG1レースを指します。

アメリカクラシック3冠
  • ケンタッキーダービー チャーチルダウンズ競馬場 2000m
  • プリークネスステークス ピムリコ競馬場 1900m
  • ベルモントステークス ベルモントパーク競馬場 2400m

5月1週目のケンタッキーダービーに始まり、2週間後にプリークネスS、3週間後にベルモントSと約1ヶ月で3戦が行われる非常に過酷なローテとなっている。

ケンタッキーダービー歴代日本馬成績まとめ

以下はケンタッキーダービーに挑戦した歴代日本馬の成績になります。

まだまだ日本馬の挑戦は少ないですが、ここ最近は22年23年24年と3年連続の出走でアメリカ遠征が過熱しつつあります。

馬名着順騎手勝ち馬
95年スキーキャプテン14着武豊サンダーガルチ
16年ラニ9着武豊ナイキスト
19年マスターフェンサー6着j.ルパルーカントリーハウス
22年クラウンプライド13着C.ルメールリッチストライク
23年デルマソトガケ6着C.ルメールメイジ
マンダリンヒーロー12着木村和士
コンティノアール出走取消坂井瑠星
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日本調教馬として初めて挑戦したのは95年のスキーキャプテン。
管理していた森秀行調教師と騎乗した武豊騎手は、後の98年にシーキングザパールで日本調教馬初の海外G1制覇(モーリス・ド・ゲスト賞)を達成する事になります。

チャーチルダウンズ競馬場の特徴

チャーチルダウンズ ダート2000m
コース形態

直線の長さは376mでアメリカの競馬場の中では比較的長め

チャーチルダウンズ競馬場は楕円形左回りの平坦コースです。2コーナーの奥に長いポケットがあるのが特徴的な競馬場です。

また日本と違いダートが主流のアメリカでは、「ダートコースが外側に、芝コースが内側」に配置されており、チャーチルダウンズ競馬場でもこの配置になっています。

メイントラックであるダートの1周距離は約1600mで、これは東京のダートコースよりやや小さく、京都のダートコースとほぼ同じ大きさになります。ちなみに内側の芝コースは1周1400mです。

直線の長さは376mで東京ダートの直線501.6mと比較すると流石に短めだが、小回りコースの多いアメリカの競馬場の中では比較的長めの直線になります。

シルト(泥)や粘土を含んだ馬場でスピード能力が問われる舞台

アメリカのダートは砂の他に比率は大きくないがシルト(泥)や粘土を含んでいます。

このため砂100%の日本のダートとは違い、スピード能力が問われる舞台です。また小回り平坦コースでのレースが多いアメリカ競馬では、ハイペースで前に行って押し切るといった戦法が主流なのもスピードが要求される要因となっています。

2000mのケンタッキーダービーでは2分1秒~2秒台での決着が多くなっています。

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ちなみにケンタッキーダービーのレースレコードはアメリカの伝説的3冠馬セクレタリアトが1973年に記録した1:59.4で未だに破られていません。

2024ケンタッキーダービーの特徴と傾向

ここではケンタッキーダービーが行われる「ダート2000m」のコースの特徴を紹介します。

チャーチルダウンズ ダート2000m

G1 ダート2000m 3歳限定 総賞金額300万ドル 5月5日(祝日・日曜)日本時間7時57分発走予定

ケンタッキーダービーはダートの2000mで行われます。

スタンド前の直線入り口あたりからのスタートになります。アメリカの一大スポーツイベントだけあってスタンドには大勢の人が詰めかけます。繊細な気性の馬にとってはスタートに影響する可能性もあるので注意が必要。

1コーナーまでは約450mとかなり長めで余裕があるとはいえ、出走可能頭数は20頭立てとかなりごちゃつきやすい。

粘土質で重みのある砂はキックバック(砂の跳ね返り)がきつく、できれば前目につけたいがペースとの兼ね合いもあるので各ジョッキーは難しい判断を迫られます。

最後の直線は約376mとアメリカにしては長めだが、4角で先頭集団にいる馬がそのまま押し切るケースが多い。

ケンタッキーダービーのジンクス「死の17番枠」

ケンタッキーダービーのデータの中で特に有名なのが「死の17番枠」です。

17番枠は150年近い歴史の中で唯一勝ち馬が出ていない枠(ゲートが採用された1930年以降)です。

これは単なるジンクスなのかそれともたまたまなのか少し過去のデータを見てみましょう。以下はゲートが採用された1930年以降の枠順別の成績です。

枠順勝利数
18勝
27勝
35勝
45勝
510勝
62勝
78勝
88勝
94勝
109勝
112勝
123勝
135勝
142勝
156勝
164勝
170勝
182勝
191勝
202勝
1930年以降の枠順別成績

枠順を内と外で大きく分けると…

  • 1番枠~10番枠「66勝」
  • 10番枠~20番枠「27勝」

となり内枠が優勢の傾向にあります。

外すぎる枠は全体的に不利な傾向にあり「17番枠」も外すぎる枠だからこその結果であると考えられます。ちなみに現在はフルゲートが20頭のため除外されていますが、21番~23番枠も勝ち馬は出ていませんでした。

Keibit

2024年に死の17番枠に入ったのはなんと1番人気候補のフィアースネス
今年ジンクスを破るかどうかにも注目が集まります。

※追記 エンシーノの出走取消により枠が1頭ずれてフィアースネスは16番枠に、ストロングホールドが17番枠になりました。


2024年ケンタッキーダービーの主な出走予定馬

2024ケンタッキーダービーの日本出走予定馬

テーオーパスワード 牡3 木村和士騎手 高柳大輔厩舎
フォーエバーヤング  牡3 坂井瑠星騎手 矢作芳人厩舎 

ここでは2024年にケンタッキーダービーに出走する主な有力馬を紹介します。予想はもちろんレースを見る上でも知っておくとより楽しめること間違いなしです。

フォーエバーヤング

日本国旗

牡3 5戦5勝
レーティング:116
矢作芳人厩舎  坂井瑠星騎手 
主な勝鞍:23年全日本2歳優駿(G1)・24年UAEダービー(G2)・24年サウジダービー(G3)

日本のみならずアメリカでも大きな注目を集めているのは5戦5勝と未だ負けなしのフォーエバーヤング

「全日本2歳優駿」→「サウジダービー」→「UAEダービー」というローテは去年6着のデルマソトガケと全く同じ。デルマソトガケはその後BCクラシックで2着するなど世界のダート強豪達と互角に戦えているだけにこの馬にも期待がかかります。

ここまでのレース全てで直線素晴らしいスピードの持続力を見せており、世代トップクラスの実力の持ち主。

JBC2歳優駿で見せたキックバックを嫌がる面や海外転戦による消耗など不安点がない訳ではないが、条件問わずに実力を発揮している安定感は信頼できる。

また海外G1を8回勝っている矢作調教師というのもこの馬にとって非常に心強い。

フィアースネス

アメリカ国旗

牡3 5戦3勝
レーティング:120
T.プレッチャー厩舎 J.ヴェラスケス騎手
主な勝鞍:23年BCジュベナイル(G1)、24年フロリダダービー(G1)

フィアースネスはここまで5戦3勝。レーティングも出走馬でトップの120となっています。

G1のBCジュベナイル(1700m)では好スタートから素早く2番手につけると、そのまま圧倒的なスピードで後続を6馬身1/2差をつける圧勝劇。このレースを受けてエクリプス賞最優秀2歳牡馬に選ばれました。

今年初戦となったG3ホーリブルS(1700m)はスムーズに先頭集団につけるもレース直線失速しまさかの3着に敗れる。

しかしその後の前走G1フロリダダービー(1800m)では最優秀2歳牡馬の本領発揮。楽に先手を取って自分のペースに持ち込むと直線は少し促しただけであっという間に後続を突き放す。ほとんど馬なりでレース史上最大着差となる13馬身1/2差をつけての勝利となった。

枠順発表で過去1勝もしていない「死の17番枠」に入ったことで大きな話題となったが、最初のコーナーまで450mある事と、この馬の先行力を考えれば難なくこなしてもおかしくない。

※追記 エンシーノの出走取消により枠が1頭ずれてフィアースネスは16番枠に、ストロングホールドが17番枠になりました。

シエラレオーネ

アメリカ国旗

牡3 4戦3勝
レーティング:116
C.ブラウン厩舎 T.ガファリオン騎手
主な勝鞍:24年ブルーグラスS(G1)、24年リズンスターS(G2)

今年のケンタッキーダービーの主役候補の1頭は4戦3勝2着1回と地元アメリカでほぼ完璧な成績を収めているシエラレオーネ。

2月のG2リズンスターS(1800m)、4月のG1ブルーグラスS(1800m)をいずれも1番人気に応えての連勝。

ブルーグラスSは道中後方2番手から徐々にポジションを上げての差し切り勝ち。2着との着差は1馬身3/4差で最後は手綱を緩める余裕もあった。

唯一の敗戦となったG2レムゼンS(1800m)も後続を離してのハナ差の2着。その時の勝ち馬ドーノックにはブルーグラスSで無事リベンジを果たしている。(ドーノックは4着)

今回は内目の2番枠を引いたが、鋭い差し足が武器なので馬群に包まれるリスクは考慮しておかなければならない。

キャッチングフリーダム

アメリカ国旗

牡3 5戦3勝
レーティング:112
B.コックス厩舎 F.プラ騎手 
主な勝鞍:24年ルイジアナダービー(G2)、スマーティージョーンズステークス(L)

キャッチングフリーダムは前走G2ルイジアナダービー(1900m)で大外最後方から10頭をごぼう抜きしたことで、一気にケンタッキーダービーの有力候補の1頭に浮上しました。

2走前のG2リズンスターステークス(1800m)ではシエラレオーネの強烈な差し脚に屈しての3着だが、1馬身半ほどの差でまだ勝負付けが終わったわけではない。

中団からのレースもできる馬で枠順的にもシエラレオーネを目標に競馬を進める事も可能。立ち回りも注目の1頭。

ジャストアタッチ

アメリカ国旗

牡3 3戦1勝
レーティング:114
B.コックス厩舎 F.ジェルー騎手
主な戦績:24年ブルーグラスS(G1)2着、24年ゴッサムS(G3)2着

ジャストアタッチはレースレベルの高かったG1ブルーグラスS(1800m)の2着馬。このレースでは今回の本命候補でもあるシエラレオーネにこそ差し切られたが、2番手から安定した先行脚質は好感が持てた。

すんなり前目につけれる競馬は他頭数でごちゃつきやすきケンタッキーダービーでは大きな武器となる。もしシエラレオーネが馬群を捌いてくるのに手間どるようなら、この馬にもチャンスが出てくる。

枠順も真ん中やや内の8番枠でレースも進めやすそう。

B.コックス厩舎はキャッチングフリーダムエンシーノ、そしてジャストアタッチの有力馬3頭出しで挑む。※追記(エンシーノは直前で出走取消)

ドーノック

アメリカ国旗

牡3 6戦3勝
レーティング:110
D.ガーガン厩舎 L.サエス騎手 
主な勝鞍:24年ファウンテンオブユースS(G2)、23年レムゼンS(G2)

前走G1ブルーグラスS(1800m)こそ先行争いで後れを取って4着だったが、それまでの3戦では逃げて強い競馬を見せているドーノック。

2歳のG2レムゼンS(1800m)では今回の本命候補シエラレオーネに一度は完全に差されるも、そこから驚異の盛り返しで勝利。

今回は1番枠を引き当てたこと前回行ききれずに敗れたことを考えると積極的に逃げる可能性が高い。前に行く有力馬ではフィアースネスが強いが、相手は外枠のためつけ入るスキはある。

先行争い激化せず、後ろがごちゃつくような展開なら浮上する1頭。

ストロングホールド

アメリカ国旗

牡3 6戦3勝
レーティング:111
P.ダマート厩舎 A.フレス騎手 
主な勝鞍:24年サンタアニタダービー(G1)、24年サンランドパークダービー(G3)

ストロングホールドは通算成績【3-3-0-0】と抜群の安定感。

2歳までは善戦マンという感じだったが年が明けて2連勝と一変。G3サンランドパークダービー(1700m)→G1サンタアニタダービー(1800m)と一気にG1ホースにまで駆け上がった。

陣営の追い切りコメントも「昨年乗った時は違うような馬になっていて別のギアを見せてくれた」というように成長著しい。

勝ち方も逃げ・先行と積極策が多いのもプラスポイント。

一方で枠順は18番とかなり外目でコーナーまでに上手く前目の位置に収まれるかが鍵になりそうです。※追記 エンシーノの出走取消により枠が1頭ずれて17番枠になりました。

テーオーパスワード

日本国旗

牡3 2戦2勝
レーティング:106
高柳大輔厩舎 木村和士騎手 
主な勝鞍:24年伏竜S(OP)

テーオーパスワードは有力馬と言うにはキャリアが少なく余りも未知数だが、この馬も日本国内からのケンタッキーダービーの招待枠を争うポイントランキングで首位となっており、名誉ある20頭の内の1頭。

前進気勢が強く、キャリア2戦いずれも前で競馬できているのはプラス材料。

また鞍上に木村和士騎手を確保できたのも心強い。

日本の競馬ファンにとってはまだそこまで馴染みがないが、21年~23年とカナダで3年連続リーディングジョッキーに輝いている名ジョッキー。23年のサンタアニタダービー(G1)で日本のマンダリンヒーローに騎乗してハナ差の2着と大健闘したことでも大きな話題になりました。

もしキャリア2戦でのケンタッキーダービー制覇となれば141年ぶりの快挙となる。失うものは何もなく思い切ったレースが期待できます。

まとめ

今回はケンタッキーダービーが開催されるチャーチルダウンズ競馬場のコースの特徴や傾向について紹介しました。

芝がメインの日本競馬においてアメリカのダートレースは以前までは高すぎる目標でした。それがマルシュロレーヌのBCディスタフ制覇、ウシュバテソーロのドバイWC制覇など日本馬の世界的なダートの活躍により風向きが変わりつつあります。

150年近い歴史のあるケンタッキーダービーの勝ち馬に日本馬の名前が刻まれる日もそう遠くないかもしれませんね。

Keibit

まずは今年のテーオーパスワードフォーエバーヤングのレースを応援しましょう。


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