ドーヴィル競馬場はフランス競馬の夏を彩る重要な舞台です。
フランスの短距離路線の最高峰競走である「モーリス・ド・ゲスト賞」や「ジャック・ル・マロワ賞」が行われる競馬場としても有名です。
2025年はこのジャックルマロワ賞に日本のアスコリピチェーノとゴートゥファーストの2頭が参戦を予定しています。日本での馬券発売も決定し注目を集めています。

今回はドーヴィル競馬場のコースの特徴やジャックルマロワ賞の傾向について詳しく紹介していきます。
ドーヴィル競馬場で開催される代表的なレース
- ジャンプラ賞(G1)芝1400m
- ロートシルト賞(G1)芝1600m
- モーリス・ド・ゲスト賞(G1)芝1300m
- ジャック・ル・マロワ賞(G1)芝1600m
- モルニ賞(G1)芝1200m
- ジャンロマネ賞(G1)芝2000m
- ドーヴィル大賞典(G2)芝2000m
など
ドーヴィル競馬場は短距離のG1レースが非常に充実しています。
代表的なレースとしては、フランスの最高峰スプリントレースである「モーリス・ド・ゲスト賞」、同じくフランスの最高峰マイルレースである「ジャック・ル・マロワ賞」が特に有名です。
ドーヴィル競馬場の特徴


欧州では比較的小さめのコースだが1600mの直線コースも用意されている
ドーヴィル競馬場は「1周2200mの右回りコース」と「1600mの直線のみのコース」で構成されています。また芝コースの内側には全天候型コース(ファイバーサンドを使用)も用意されています。
メインコースの最後の直線は約450mで欧州としてはやや小さめのコースといってもいいかもしれません。日本の直線と比較するなら阪神外回りコースの直線が473.6mで最も近くなっています。
ただ阪神コースのように直線に坂があるということはなく、コースは全体的に平坦で非常に走りやすいコースになっています。
ドーヴィル競馬場で行われる「モーリス・ド・ゲスト賞」で日本のシーキングザパールが初めて海外G1を勝利したように、欧州ながら日本馬も力を発揮しやすいコースと言えるでしょう。
とはいえ雨で馬場が渋った時は一転して非常に時計のかかる馬場に変貌するため注意が必要です。



日本馬にとってはぜひ良馬場で走りたい舞台ですね。
2025年ジャックルマロワ賞


ジャックルマロワ賞はドーヴィル競馬場の芝1600mの直線をコースを使用するフランスのマイル路線の最高峰レースの一つです。(もう一つはパリロンシャン競馬場で行われるムーラン・ド・ロンシャン賞)
ただ、この時期は2週前にイギリスのマイル最高峰レースのサセックスSが行われるため、多少参戦馬のばらつきは見られます。
枠順の大きな有利不利もなく、各馬実力を発揮しやすいのが特徴です。
【2025ジャックルマロワ賞の日本出走予定馬】
・アスコリピチェーノ 牝4 C.ルメール騎手 黒岩陽一厩舎
・ゴートゥファースト 牝4 岩田望来騎手 新谷功一厩舎
2025年ジャックルマロワ賞の主な出走予定馬


アスコリピチェーノ


牝4 9戦6勝【6-2-0-1】
黒岩陽一厩舎 C.ルメール騎手
主な戦績
25年 ヴィクトリアマイル(G1)1着
23年 阪神JF(G1)1着
25年 1351ターフスプリント(G2)1着
24年 NHKマイルC(G1)2着
24年 桜花賞(G1)2着など
日本からはマイル女王アスコリピチェーノが参戦。
2歳時に阪神JFを勝利。3歳時には桜花賞、NHKマイルCを2着、前走ヴィクトリアマイルを見事勝利とマイルで圧倒的な実績を持つ日本の大将格。
安田記念を回避してしっかり間隔を取っているのもここを見据えての選択。オーストラリア、サウジの海外遠征経験も活きそうでここは偉業に大きな期待がかかります。
ロザリオン


牡4 10戦5勝【5-3-2-0】
R.ハノン厩舎 S.レヴィー騎手
主な戦績
24年 セントジェームズパレスS(G1)1着
24年 愛2000ギニー(G1)1着
23年 ジャンリュックラガルデール賞(G1)1着
25年 サセックスステークス(G1)2着
25年 クイーンアンステークス(G1)2着など
海外勢ではイギリスのロザリオンが非常に強敵。24年愛2000ギニー、24年セントジェームズパレスSを制しているトップマイラーです。
【5-3-2-0】と3着以下がなく抜群の安定感も魅力です。前走サセックスSクビ差2着からの参戦となります。
ゴートゥファースト


牡5 15戦4勝【4-1-3-7】
新谷功一厩舎 岩田望来騎手
主な戦績
24年 2024ファイナルS(3勝)1着
2024年ファイナルSでオープン入りを果たした、ゴートゥファーストが大金星を狙ってフランスの最高峰レースに挑みます。
管理する新谷功一調教師はクラウンプライドのUAEダービーや、リメイクのリヤドダートスプリントなど海外遠征の実績と経験は豊富。
実績では流石に今回のメンバーでは見劣るものの、若きオーナーの挑戦が皆をあっと言わせるかもしれない。
過去5年のジャックルマロワ賞の勝ち馬
調教国 | 勝ち馬 | 性齢 | タイム | |
2024年 | イギリス | チャリン | 牡4 | 1:33.98 |
2023年 | イギリス | インスパイラル | 牝4 | 1:36.62 |
2022年 | イギリス | インスパイラル | 牝3 | 1:34.07 |
2021年 | イギリス | パレスピア | 牡4 | 1:35.96 |
2020年 | イギリス | パレスピア | 牡3 | 1:38.06 |
ジャックルマロワ賞の日本馬の成績
年 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 着順 | 1着馬 |
1986 | ギャロップダイナ | 牡6 | M.フィリッペロン | 12着 | リールンク |
1998 | タイキシャトル | 牡4 | 岡部幸雄 | 1着 | タイキシャトル |
2003 | テレグノシス | 牡4 | 勝浦正樹 | 3着 | シックスパーフェクションズ |
ローエングリン | 牡4 | 後藤浩輝 | 10着 | ||
2022年 | バスラットレオン | 牡4 | 坂井瑠星 | 7着 | インスパイラル |



やはり何といっても1998年のタイキシャトルの歴史的勝利が目を引きます。
当時強敵と見られていたインティカブの出走回避もあり最終単勝人気は1.3倍の断然人気でした。