今週は1年の締めくくりとなるグランプリ「有馬記念」。
このレースはなんとしても的中させたいという人も多いはず。
今年は、
- 昨年の覇者でファン投票1位のレガレイラ
- 春のグランプリ覇者メイショウタバル
- 24年ダービー馬ダノンデサイル
- 25年皐月賞馬ミュージアムマイル
などメンバーも豪華絢爛(ごうかけんらん)。
この記事では、【2025年有馬記念】のレース傾向を紹介、
過去レースの内容などと照らし合わせ勝ち馬を探っていきます。
2024年はレガレイラがシャフリヤールとの激しい叩き合いをハナ差制しての優勝。
3歳牝馬の優勝は1960年スターロッチ以来、64年ぶりとなる快挙でした。
中山芝2500mのポイント
まずは有馬記念が行われる中山芝2500mのポイントから簡単に紹介していきます。




中山芝2500mの大きなポイントは以下の4つになります。
- 内回りでコーナーを6つ回るトリッキーなコース
器用さと機動力が求められる - スタート後は即カーブとなる特殊なコース
外枠の馬は余分に距離を走ることになりやすい - 最後の直線は310mとかなり短め
直線までにある程度のポジションまで押し上げる必要がある - 冬の中山は時計がかかりタフな勝負になりやすい
(馬場状態は年によってもかなり違うので注意!ここ2年はスピード馬場
前日、当日の馬場も要チェック!)


より詳しいコース解説については以下の記事も参考にしてみてください。


過去10年から見る有馬記念のレース傾向
次は過去10年から見る有馬記念のレース傾向のまとめです。
簡単な傾向ですのであくまで参考程度に見てください。
| 年 | 着順 | 枠 | 馬名 | 性齢 | 前走 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024年 | 1着 | 8 | レガレイラ | 牝3 | エリ女 |
| 2着 | 16 | シャフリヤール | 牡6 | BCターフ | |
| 3着 | 1 | ダノンデサイル | 牡3 | 菊花賞 | |
| 2023年 | 1着 | 5 | ドウデュース | 牡4 | JC |
| 2着 | 16 | スターズオンアース | 牝4 | JC | |
| 3着 | 4 | タイトルホルダー | 牡5 | JC | |
| 2022年 | 1着 | 9 | イクイノックス | 牡3 | 天皇賞秋 |
| 2着 | 3 | ボルドグフーシュ | 牡3 | 菊花賞 | |
| 3着 | 5 | ジェラルディーナ | 牝4 | エリ女 | |
| 2021年 | 1着 | 10 | エフフォーリア | 牡3 | 天皇賞秋 |
| 2着 | 5 | ディープボンド | 牡4 | 凱旋門賞 | |
| 3着 | 7 | クロノジェネシス | 牝5 | 凱旋門賞 | |
| 2020年 | 1着 | 9 | クロノジェネシス | 牝4 | 天皇賞秋 |
| 2着 | 14 | サラキア | 牝5 | エリ女 | |
| 3着 | 13 | フィエールマン | 牡5 | 天皇賞秋 | |
| 2019年 | 1着 | 6 | リスグラシュー | 牝5 | コックス |
| 2着 | 10 | サートゥルナーリア | 牡3 | 天皇賞秋 | |
| 3着 | 7 | ワールドプレミア | 牡5 | 菊花賞 | |
| 2018年 | 1着 | 8 | ブラストワンピース | 牡3 | 菊花賞 |
| 2着 | 12 | レイデオロ | 牡4 | 天皇賞秋 | |
| 3着 | 15 | シュヴァルグラン | 牡6 | JC | |
| 2017年 | 1着 | 2 | キタサンブラック | 牡5 | JC |
| 2着 | 3 | クイーンズリング | 牝5 | エリ女 | |
| 3着 | 10 | シュヴァルグラン | 牡5 | JC | |
| 2016年 | 1着 | 11 | サトノダイヤモンド | 牡3 | 菊花賞 |
| 2着 | 1 | キタサンブラック | 牡4 | JC | |
| 3着 | 2 | ゴールドアクター | 牡5 | JC | |
| 2015年 | 1着 | 7 | ゴールドアクター | 牡4 | アル共 |
| 2着 | 9 | サウンズオブアース | 牡4 | JC | |
| 3着 | 11 | キタサンブラック | 牡3 | 菊花賞 | |
- 「3枠」【2-1-1-16】、「4枠」【3-0-2-15】、「5枠」【3-2-1-14】。
比較的立ち回りやすい、やや内から中程の枠が優秀。 - 外枠は、「7枠」【0-1-1-18】、「8枠」【0-2-1-17】と苦戦傾向。
頭数が多く、即コーナーに突入する有馬記念では難しい枠。 - 年齢は3歳が【5-2-3-16】と抜けている。
次いで4歳【3-5-1-34】、5歳【2-2-5-43】と続く。 - 前走別成績は、天皇賞秋組【3-2-1-11】、菊花賞組【2-1-3-10】の2つが優秀。
ジャパンカップ組は【2-3-4-41】は出走頭数の割には2勝と、やや物足りない。
余裕をもったローテが理想。
有力馬ピックアップ
ここからは2025年有馬記念の有力馬をピックアップして評価・考察していきます。
【評価S+】
ダノンデサイル・ミュージアムマイル
【評価S】
レガレイラ
【評価A+】
メイショウタバル
【評価A】
ジャスティンパレス
【評価B+】
エキサイトバイオ・シンエンペラー・タスティエーラ
【評価S+】◎ダノンデサイル・・・気性面不安残すも、馬場や展開で融通性あり
実績から見るダノンデサイル
後のG1好走馬が多く出た、24年日本ダービーを良化途上ながら2馬身差の完勝。
ドバイSCではスローペースの瞬発力勝負で、レベルスロマンスやカランダガンを負かしてみせた。
勝つ時のパフォーマンスはすさまじく、実績はここでも頭一つ抜けた存在。
昨年の有馬記念は最内枠を引いたこともあり、序盤から積極的にハナを主張する形。
前半1000mを62.9という超スローペースに落とし込むことには成功したが、
その分、後続各馬に早めに動かれてプレッシャーを受ける展開となった。
このレースはラスト5Fが
11.3 – 11.4 – 11.6 – 11.5 – 12.1
というロングスパート勝負。
スローからのロングスパート勝負自体は、ダービーと同じく得意とする形だったが、
勝ち馬から0.2秒差の3着に終わった。
これを健闘と捉えるか、案外と捉えるかは意見の分かれるレース。
ただ、この日はかなり向かい風の強い日で、
勝ったレガレイラとは対照的に風の影響をモロに受けるポジション。
はじめて逃げる形となった事も考慮すべき。
有馬記念でのダノンデサイルの評価
今回は、去年とは違い明確にハナに行きたい馬がいるので、正攻法のレースで運べそう。
前半早めに隊列が決まり、緩い流れから、
メイショウタバルがロングスパートを仕掛けるような展開になれば、この馬の総合力の高さが活きる。
また、AJCCのようなタフ展開にも対応できているように、馬場、展開面ともに融通が利く。
不安要素は、父エピファネイア譲りの気性面での難しさで、やや安定感に欠ける点。
横山典弘騎手の時からメンタル面の弱さは指摘されており、
ここ2走の英インターナショナル、ジャパンカップとかかり気味だったことが敗因の1つ。
中間の慎重な調整は気性面の心配の裏返しとも言える。
5枠は過去10年で【3-2-1-14】と内外見れる好走率の高い枠。
すぐ外には逃げたいミステリーウェイがいて、釣られてかかってしまわないようにしたい。
当日のテンションチェックは必須。






【評価S+】〇ミュージアムマイル・・・完璧な臨戦過程も、距離不安はあり
実績から見るミュージアムマイル
皐月賞は前半59.3で、この日の超高速馬場を考えればスローで流れた前半。
そこからマクリに動いた馬、早めに仕掛けたクロワデュノールもいて、後半5Fロングスパート戦に。
あわてずジッと溜めていた末脚は爆発し、直線は突き抜けての1:57.0のレコード勝利となった。
このレースで見せた「立ち回りの上手さ」、「ロングスパート戦での強さ」はここでも通用する。
前走天皇賞秋は前半62.0からの超瞬発力勝負。
C.デムーロ騎手も「パッと切れるというよりも、ジリジリと加速するのに時間がかかるタイプです。」
と言うように、決して得意な展開ではないにもかかわらず、
上がり32.3の末脚を発揮しての2着は上々の内容。
有馬記念でのミュージアムマイルの評価
過去10年で前走天皇賞秋組は【3-2-1-11】で理想的なローテ。
3歳馬は【5-2-3-16】と好走率も非常に高く、データの後押しも心強い。
状態面に不安はなく、絶好の出来だった皐月賞を彷彿とさせる。
不安点はやはり2500mという距離。
ダービーは緩めの馬場もあったが、0.7秒差の6着。
前は捉えられず、後方からエリキングにも差し込まれた内容は楽観視できない。
スタミナ勝負になる前半からタフなペースは避けたいが、
メイショウタバルの動向次第では全然ありうるペース
とにかく6つのコーナーのロスもなるべく内を回って抑える必要がある。
2枠4番はロスなく運べる代わりに包まれる心配もあるので、決して簡単な枠ではないが、
そこは名手C.デムーロ騎手。
なんとかクリアしてくれるのではないかとみる。






【評価S】▲レガレイラ・・・競馬ぶり安定し完成の域に
実績から見るレガレイラ
2歳から牝馬ながらにホープフルSを制するなど、随所でスケール感の大きさを見せてきたが、
スタート、特にテンの遅さが明確に弱点としてあったレガレイラ。
昨秋あたりからスタートが一気に安定。
直線のごちゃごちゃこそあったが、好スタートを切れたエリザベス女王杯。
昨年の有馬記念での完璧な立ち回りで、64年ぶりとなる3歳牝馬勝利という快挙も成し遂げた。
骨折明け半年ぶりの宝塚記念は、タフ馬場タフペースを大外枠から終始外々を回って大敗(11着)で度外視可能。
今秋のオールカマー、エリザベス女王杯に至っては非の打ちどころない完璧な内容。
競走馬として完成の域に達したといってもよさそう。
特にエリザベス女王杯の最後の脚は、もはや牝馬同士では格が違うところをまざまざと見せつけた。
有馬記念でのレガレイラの評価
昨年の有馬記念のような120点の立ち回りを、また再現できるかと言えば難しいかもしれないが、
今のレガレイラとルメール騎手なら安定した高得点は叩き出せそう。
3枠5番も奇数枠という点を除けばほぼ理想的な枠。
不安点としては、メイショウタバルが淀みのない逃げを打ったときに脆そうという点。
牝馬ながらに高いスタミナを持っているものの、
宝塚記念のように道中脚を使わされる展開はできれば避けたい。
昨年よりタフ馬場寄りになっているのも若干割引。
また状態面に関しては少し気になる点も…
2週前追いの時点では「帰厩してからは、バランスがあまり良くない時の状態」と助手の方がコメント。
その後調教を進めながら段々と良くなったとのことで、ニュアンス的には絶好調一歩手前のイメージは残る。






【評価A+】☆メイショウタバル・・・前走経験活かす舞台
実績から見るメイショウタバル
早い時期からポテンシャルの高さを発揮しつつも、
皐月賞や日経新春杯は暴走して大敗するなど危うさも見せるメイショウタバル。
宝塚記念は稍重馬場で淀みないラップで逃げ切るこの馬の真骨頂のようなレース。
秋初戦となった天皇賞秋では前半62.0で超スローでの逃げ、
レース全体の上がりが32.9という宝塚記念とは対照的なレースで6着。
このレース単体で見ると腑に落ちなかったが、有馬記念まで見据えた騎乗となると合点がいく。
有馬記念でのメイショウタバルの評価
今回は同型馬のミステリーウェイもいるため展開予想は難しくなるが、
ハナに立つなら、2500mしっかり持たせるペース配分の中で淀みない逃げ、
番手なら途中から上がって行って、この馬得意の消耗戦に持ち込む形にするのではないかと予想。
いずれにせよ、ペースアップペースダウンを織り交ぜるというよりは、
レースを通して後続の脚を削っていく展開になりそう。
3枠6番は絶好枠で、名手武豊騎手。
天皇賞秋からの余裕のあるローテも◎。
土曜時点の馬場はタフ寄りでこの馬には追い風。
評価は分かれそうな馬だが、個人的には軽視はしたくない。
不安要素は当然気性面の危うさ。
このメンバー+同型馬がいる中できっちり勝ち切るとなると、宝塚記念以上の騎乗が求められる。




【評価A】△ジャスティンパレス・・・末脚確実も機動力に若干の不安あり
実績から見るジャスティンパレス
宝塚のようなタフな展開でも、天皇賞秋のような瞬発力勝負でも3着に食い込んできたように、総合能力の高い馬。
前走ジャパンカップでは、1コーナーで前に入られる不利もあり1段ポジションを下げてのレース。
3~4コーナーこそ反応が鈍かったものの、直線は33.5と長くいい脚を使って0.6秒差の5着。
相変わらずの安定ぶりを見せた。
過去の有馬記念は22年7着、23年4着、24年5着。
ただ、3歳時の7着は強引な先行策が仇となっており、これは度外視が可能。
小回りの中山のため、3~4コーナーで少し置いていかれ気味になるのが少々辛い。
1番人気に推された23年(4着)は、勝負所でもたつき、反応良く抜け出したドウデュースとは対照的な内容だった。
有馬記念でのジャスティンパレスの評価
長年G1を盛り上げてくれた立役者だけにラストランで肩入れしたくなるが、
やはりエンジンかかるまで時間がかかるのが気になる。
最後よく伸びるも3~5着の健闘までの気も…
更に上の着順を狙うなら、展開面で恵まれたり、ライバルが凡走するなど、何かしらの後押しが欲しい。




【評価B+】△エキサイトバイオ・・・好条件の3歳馬+先行馬が1枠1番
実績から見るエキサイトバイオ
前走菊花賞は4カ月ぶりのレースで0.4秒差の3着。
人気薄13番人気ながら大健闘の走りだった。
稍重馬場の京都を前半60.8、中間63.8、後半57.3、
中盤極端に落ちたスローの流れから後半5Fのロングスパート戦、
これを先行し早め先頭に立ってしぶとく粘った。
有馬記念でのエキサイトバイオの評価
繰り返しになるが、3歳馬は【5-2-3-16】と好走率も非常に高く、2キロの斤量の恩恵は大きい。
先行力がある馬が1枠1番を引き当て、好走の条件は着々と揃ってきた。
レイデオロ産駒はサンライズアースなどスタミナ傾向の強い血統。
メイショウタバルらがタフ展開に持ち込んだ時に浮上する可能性はある。
一方で重賞勝ちはラジオNIKKEI賞のみ。
菊花賞はクロワデュノール、マスカレードボール、ミュージアムマイルといったトップクラスは未出走。
これまで戦ってきた相手はさすがに物足りなさも感じる。
菊花賞からの短期間で更なる成長を遂げている必要はありそう。
土曜日時点の中山が集中の雨の影響も残ったような馬場。
スタミナ要求される展開なら、内枠も斤量も活きてくる。




【評価B+】△シンエンペラー・・・ワンチャンスある1枠2番
実績から見るシンエンペラー
日本ダービーではダノンデサイルにこそ離されたが0.6秒差の3着。
24年のジャパンカップでは果敢にハナを奪って、ドウデュース相手にクビ差の2着。
上位勢とは若干の差は感じつつもメンバー全体でみると、悪くない評価。
前走ジャパンカップは8枠のロスも響いて1.1秒差の8着。
直線窮屈になる場面もあったが、既に外のカランダガン、マスカレードボールとは脚色の差は感じた。
有馬記念でのシンエンペラーの評価
今回は1枠2番とワンチャンスある枠を引けた。
あまり極端な内は怖いとはいえ、
ペースが遅ければ逃げも打てる馬だけに、この枠はプラスに働きそう。
過去に遡ればホープフルS、皐月賞、ダービーなどでは、
レガレイラと後先を演じてきた馬だけに、紐では押さえておきたい。




【評価B+】△タスティエーラ・・・大外枠はマイナスも妙味はアップ
実績から見るタスティエーラ
2走前の天皇賞秋はスローの流れで前目追走と理想的だったが、
早めに先頭になる形になりラスト1ハロンで失速。
瞬発力勝負で後れを取る形に。
前走ジャパンカップは大外枠でもバタバタせず、6番手と比較的いいポジションに収まった。
直線は内目を突いてクロワデュノールと一緒に上がって行きかけたものの、
カラ馬の影響で進路が狭まり、やや伸びあぐねた。
ダービーこそ勝利しているが使える脚はそう長くない。
有馬記念でのタスティエーラの評価
やはり最大の不安はジャパンカップに続いての大外枠。
スタートも問題なく、馬群の中でも器用に立ち回れる馬だけに、
この枠がプラスに働くということは残念ながらなさそう。
ただ、過剰に嫌われる8枠は妙味面だけならプラス。
23年スターズオンアースが8枠16番で7番人気(2着)、24年シャフリヤールが8枠16番で10番人気(2着)、
と人気が落ち込みながら好走したのは記憶に新しいところ。
さすがに勝ち負けまでは難しいとみているが、
前日人気で8番人気は余裕があるなら押さえておいても良さそう。




有馬記念最終レース予想
ダノンデサイルとミュージアムマイルどちらを本命にするかで、
週中からかなり悩みました。
最終的にはよりタフ馬場にも対応できそうなダノンを上位に取りました。
メイショウタバル、エキサイトバイオ辺りは土曜の馬場を見て少し評価をアップ。
馬場や各馬のテンションはギリギリまで見極めたい!
2025年の締めくくりとなるレース。何としても的中させたいですね。
◎ダノンデサイル
〇ミュージアムマイル
▲レガレイラ
☆メイショウタバル
△ジャスティンパレス
△エキサイトバイオ
△シンエンペラー
△タスティエーラ
想定ペース:スローからのロングスパート戦 or 終始ミドルの淀みない流れ
最後まで読んで下さりありがとうございました!









