今週は、秋のマイル王決定戦「マイルチャンピオンシップ」。
今年は、春秋マイルG1連覇がかかるジャンタルマンタルを中心に、マイル界を牽引し続けてきた古豪ソウルラッシュや、マイル女王アスコリピチェーノ、現役屈指のスピード馬ガイアフォースなど、非常にハイレベルのメンバー構成。
ここでは「2025年マイルチャンピオンシップ」のレース予想をしていきます。
2024年はソウルラッシュが戦前の混戦模様を打ち破る鮮やかな抜け出し勝利。
鞍上の団野大成騎手の豪快なガッツポーズが大きな話題となりました。


【2025マイルチャンピオンシップ】レースのポイント
まずはマイルチャンピオンシップが行われる京都芝1600mのコース図から。




次はコースのポイントやレース傾向です。
- スタートから3コーナーまでの距離は700mと長め。
- 外回りの直線の長さは約400m。直線は平坦なこともありスピードの持続力が問われやすいコース。
- 今週からCコース替わりで内側の傷みは改善。(昨年はBコース最終週)
ただ直線の内の傷みは多少目立つ。 - 過去10年では富士S【4-3-1-46】、毎日王冠【2-3-2-17】、加えて前走G1組に良績が集中。それ以外は苦戦傾向。
- 前走1着~3着【9-9-5-53】の9勝。前走4着以下からの巻き返しての勝利は難しいレース。
更に詳しいコース傾向を知りたい場合は以下の記事を参考にしてみて下さい。


【2025マイルチャンピオンシップ】有力馬ピックアップ


「★5.0」
ジャンタルマンタル
「★4.5」
ソウルラッシュ
「★4.0」
ガイアフォース
「★3.5」
アスコリピチェーノ
「★3.0」
レーベンスティール


ジャンタルマンタル・・・好位抜け出しの安定感のある競馬で1歩リード
PickUPレース
24年皐月賞(中山芝2000m):3着
暴走気味にメイショウタバルが逃げ、前半57.5というハイペース。この馬は3番手追走から4角先頭。一度は突き放すも最後にジャスティンミラノ、コスモキュランダに差されて0.1秒差の3着。
一度は突き放すも最後にジャスティンミラノ、コスモキュランダに差されて0.1秒差の3着。
当日は超高速馬場で勝ちタイム1:57.1は当時の皐月賞レコード。
敗れたとはいえ、先行勢が軒並み潰れている中での脅威の踏ん張りで、非常に高評価のレース。
25年安田記念(東京芝1600m):1着
香港マイル以来半年ぶりレース。
好スタートから先行する構えを見せるも、外からロングランにこられて折り合いに苦労する場面も。
久々の分NHKマイルカップ程完璧な立ち回りにはならなかったが、終わってみれば1馬身半差の完勝。
今回も上位人気のガイアフォース、ソウルラッシュを下しているのが大きい。
25年富士S(東京芝1600m):2着
安田記念以来で59キロを背負ってのレース。
ペースは前46.7後45.0で、かなりゆったりしたペース。
2番から先に抜け出したガイアフォースを捉えにかかるが、共に上がり33.3とよく伸び半馬身の2着。
2キロの斤量差を考えれば上々の前哨戦。
熱発で富士S回避→その影響でマイルCS見送り→香港マイル大敗(13着)となった昨年秋以外は、ほぼ全てのレースで実力を発揮し、ビッグタイトルを獲得している。
マイル戦ですんなり好位をとって抜け出す競馬は安定感抜群。
3コーナーまでは約700mと距離のある京都外回りで、7枠15番と包まれにくい枠に入った。ポジション取りで苦労する事はなさそう。
不安点はほぼないが、安田記念はソウルラッシュはレース後に骨折が判明。ガイアフォースは3~4コーナーでポジションを下げてしまうなど、完全に勝負付けが済んだとは言えない。
早めに前を捉えにいったところを、更に後ろでマークしていたソウルラッシュに負かされるといった展開は考えられる。
とはいえ、皐月賞の粘りをみても強気の仕掛けでも大きく着順を落とすことは考えづらく、昨年より速い馬場もこの馬には追い風。
ソウルラッシュ・・・1番人気を見ながら運べる枠順が〇
PickUPレース
24年マイルCS(京都芝1600m):1着
7枠13番ながら道中は後方のロスの少ない内側を追走。
直線入り口で上手く外に持ち出すと、他馬とは違う伸びを見せて2馬身半差の圧勝と言える内容。タフ目の馬場でラスト3F33.6の伸び脚は目を引いた。
「馬場適性」、「騎乗」、「状態」の全てが噛み合った完璧なレース。
25年ドバイターフ(メイダン芝1800m):1着
中山記念(3着)をステップに1800mに挑戦。
5番手からロマンチックウォリアーを見ながらのレース。直線先に抜け出した相手を一歩づつ追い詰め大金星。
普段のマイル戦より楽に追走しやすい1800mという距離や、ややタフな洋芝の馬場もこの馬にマッチ。
25年富士S(東京芝1600m):3着
安田記念後の骨折明けで59キロという事もあって4番人気。
スローの流れで上位2頭より後ろの5番手追走。ラストの上がり勝負で後れをとった形。
昨年は同レース2着から見事本番は勝利。瞬発力勝負になりやすい前哨戦なのでネガティヴな要素はない。
年を重ねて更にレース内容は更に充実。昨年からトップクラスで9戦連続馬券圏内は並みの馬ではできることではない。
東京の早い上がり勝負でも大きく崩れていないが、やはり少し力のいる馬場で本領を発揮するタイプ。
それだけに、安田記念からこの舞台に替わっての勝負には大きな期待が持てる。
一方で、昨年のBコース最終週、今年はCコース替わりと条件が違う。
直近のデイリー杯やエリザベス女王杯などでもレースレコードも出ており、直線は内側に馬場の傷みがあるとはいえ高速馬場寄り。またメンバーも強力な印象もあるので、昨年程は簡単に行かないと見る。
ただ、馬場というファクターだけで、この馬の評価を1段下げるのはやや安直な気も。安田記念の敗戦も骨折の影響がなかったとは言い切れない。
基本的に乗り手は選ばないタイプだが、ドバイターフでロマンチックウォリアーを破ったC.デムーロ騎手というのは心強い。8枠17番でジャンタルマンタルの動向を見ながらレースを運べる点も〇。
ガイアフォース・・・Cコース替わりで積極策が活きる
PickUPレース
23年天皇賞秋(東京芝1600m):5着
ガイアフォースを語る上で外せないレース。
逃げたジャックドールが前半57.7と明らかにオーバーペース。これに1馬身そこそこの2番手追走で、5着と踏ん張った。
勝ったイクイノックスは別格として4番手追走のドウデュースは7着。
スピードの持続力は現役屈指。
25年安田記念(東京芝1600m):2着
密集した先頭集団の一番後方8番手からのレース。
3~4コーナーでのごちゃつきもあって進路がしっかり空いたのは残り400mから。
スムーズならジャンタルマンタルとの差も縮まっていたレースで、9番人気の低評価を覆す走り。
25年富士S(東京芝1600m):1着
秋初戦となったレース。
グリューネグリーンがゆったりしたペースで逃げ、すんなり2番手。
早めに先頭に立つも、ラスト3Fは11.2 – 11.0 – 11.2というレースで全く脚色が鈍らなかった。
2キロのアドバンテージや展開有利もあったとはいえ、強敵2頭に先着したのは大きい。
フェブラリーSの2着もあってダート路線にも参戦していたが、やはり持ち前のスピードを活かせるマイル路線でこそ輝く馬。
3年連続で出走した安田記念でこの馬に先着したのは、ジャンタルマンタル、ロマンチックウォリアー、ナミュール、ソウルラッシュ、ソングライン、セリフォス、シュネルマイスターのみ。見てもわかるように層々たる顔ぶれ。
単純にマイルではこれらの馬に次ぐ評価となれば、ここでもしっかりと相手には入れておきたい。
陣営は今回も前走のような積極策を思い描いているとのことで、上手く前目につけられれば3枠6番という枠順やCコース替わりもこの馬に味方しそう。
今年の京都はレコードなども出ており、高速決着にも歓迎。
一方で、斤量差がなくなったジャンタルマンタルに目標にされるプレッシャーも。
アスコリピチェーノ・・・国内戦パーフェクト連対のマイル女王
PickUPレース
24年NHKマイルカップ(東京芝1600m):2着
阪神JF1着→桜花賞2着からオークスに向かわずこちらに出走。
直線のごちゃごちゃで強引な進路取りをしてしまう。躓きながらも最後は盛り返しての2着。
勝ったジャンタルマンタルがほぼ完璧な競馬だっただけに、不利がなくとも勝てたかは微妙だが、2着にきた精神力を評価。
25年ヴィクトリアマイル(東京芝1600m):1着
サウジ遠征帰りのレース。
出足がつかず後方からの競馬。アリスヴェリテが思い切って逃げ、前45.4後46.7の前傾ラップだった事もあり、結果的にこの位置取りが正解。
クイーンズウォーク、シランケド、アルジーヌとのタイム差なしの争いをクビ差で制した。
前日の雨の影響は残る中のレースだったので、この馬としては実力でもぎ取ったレース。
海外遠征が多いため力関係の把握が難しくはあるが、国内に限れば【5-2-0-0】とパーフェクト連対。
3歳秋時点で既に古馬混合のマイル重賞を勝っているのはやはり評価したい。今年で言えば同レースでエリカエクスプレスが対応できずに敗れている。
また、1351ターフスプリントで、昨年のマイルCSで3着(0.4差)、安田記念で5着(0.6差)のウインマーベルにクビ差先着しているのは1つの目安。
ただ、海外遠征になれているとはいえ、夏のジャックルマロワ賞からの参戦というのは、富士Sあたりの負担の少ないローテよりは割り引きたい。
また、ヴィクトリアマイルのように序盤の行き脚がつかない場合も危険。スローペースになる可能性もあるので中団くらいのポジションをとることも重要。
ルメール騎手ならその手の心配は必要ないとも思うが、ある程度好走条件に注文がつく事も考慮して、今回はこの評価に。
その他の有力馬
評価3.0【★★★☆☆】
今年は他もかなりの粒ぞろいで各馬一発を狙っていると思うが、流石に上位4頭の壁が厚いと見る。
1頭挙げるならマイル路線に矛先を向けてきたレーベンスティール。
今年は天皇賞秋をスルーしての参戦。
昨年の天皇賞(8着)にしても8枠から外々を回ってのものでG1を諦めるにはまだ早い。
ペースが落ち着いて、楽にポジションがとれれば持ち前の瞬発力を活かせる。それこそ毎日王冠のような展開になれば上位組に割って入れるだけのポテンシャルはある。
【2025マイルチャンピオンシップ】最終レース予想


◎ジャンタルマンタルは珍しくすんなり決まりました。
この馬がこの人気で!?という人気薄もちょこちょこいますが、今回は上位にしっかり絞って厚めに買いたいと思っています。
マイル王決定戦に相応しいレースで馬券抜きでも楽しみなレース。
◎ジャンタルマンタル
〇ソウルラッシュ
▲ガイアフォース
△アスコリピチェーノ
☆レーベンスティール
想定ペース:ミドル
最後まで読んで下さりありがとうございました。









