ドーヴィル競馬場は、フランス競馬の夏を彩る重要な舞台です。
なかでも、フランスの短距離路線の最高峰と位置づけられる「モーリス・ド・ゲスト賞」と「ジャック・ル・マロワ賞」の開催地として知られています。
特にジャック・ル・マロワ賞は、2017年からヴィクトリアマイルと安田記念の上位3着馬に優先出走権が付与されるようになりました。加えて、登録料の免除や輸送費補助といった支援策も設けられており、こうした後押しもあって日本馬の参戦は年々増えつつあります。
2026年はジャックルマロワ賞にシックスペンスとシュトラウスの2頭が参戦予定。
日本での馬券発売も決定し注目を集めています。
今回はドーヴィル競馬場のコースの特徴やジャックルマロワ賞の傾向について詳しく紹介していきます。
ドーヴィル競馬場で開催される代表的なレース
- ジャンプラ賞(G1)芝1400m
- ロートシルト賞(G1)芝1600m
- モーリス・ド・ゲスト賞(G1)芝1300m
- ジャック・ル・マロワ賞(G1)芝1600m
- モルニ賞(G1)芝1200m
- ジャンロマネ賞(G1)芝2000m
- ドーヴィル大賞典(G2)芝2000m
など
ドーヴィル競馬場は短距離のG1レースが非常に充実しています。
代表的なレースとしては、フランスの最高峰スプリントレースである「モーリス・ド・ゲスト賞」、同じくフランスの最高峰マイルレースである「ジャック・ル・マロワ賞」が特に有名です。
ドーヴィル競馬場の特徴


欧州では比較的小さめのコースだが1600mの直線コースも用意されている
ドーヴィル競馬場は「1周2200mの右回りコース」と「1600mの直線のみのコース」で構成されています。また芝コースの内側には全天候型コース(ファイバーサンドを使用)も用意されています。
メインコースの最後の直線は約450mで欧州としてはやや小さめのコースといってもいいかもしれません。日本の直線と比較するなら阪神外回りコースの直線が473.6mで最も近くなっています。
ただ阪神コースのように直線に坂があるということはなく、コースは全体的に平坦で非常に走りやすいコースになっています。
ドーヴィル競馬場で行われる「モーリス・ド・ゲスト賞」で日本のシーキングザパールが初めて海外G1を勝利したように、欧州ながら日本馬も力を発揮しやすいコースと言えるでしょう。
とはいえ雨で馬場が渋った時は一転して非常に時計のかかる馬場に変貌するため注意が必要です。
日本馬にとってはぜひ良馬場で走りたい舞台ですね。
ジャックルマロワ賞


ジャックルマロワ賞はドーヴィル競馬場の芝1600mの直線をコースを使用するフランスのマイル路線の最高峰レースの一つです。(もう一つはパリロンシャン競馬場で行われるムーラン・ド・ロンシャン賞)
ただ、この時期は2週前にイギリスのマイル最高峰レースのサセックスSが行われるため、多少参戦馬のばらつきは見られます。
枠順の大きな有利不利もなく、各馬実力を発揮しやすいのが特徴です。
過去5年のジャックルマロワ賞の勝ち馬
| 調教国 | 勝ち馬 | 性齢 | タイム | |
| 2025年 | ディエゴヴェラスケス | 牡4 | 1:34.23 | |
| 2024年 | チャリン | 牡4 | 1:33.98 | |
| 2023年 | インスパイラル | 牝4 | 1:36.62 | |
| 2022年 | インスパイラル | 牝3 | 1:34.07 | |
| 2021年 | パレスピア | 牡4 | 1:35.96 |
ここ5年ではイギリス調教の馬が大活躍。
インスパイラルやパレスピアは連覇となっています。
2026年ジャックルマロワ賞の主な出走想定馬


- ゼウスオリンピオス
- ドリームライナー
- シックスペンス
- シュトラウス
- モアサンダー
- ノーランチ
- サートミーセン
- ライフ
パワーブルー- ザシークレットアドヴァーサリー
プエルトリコ- プリサイス
ゼウスオリンピオス


牡4 8戦5勝【5-0-2-1】
K.バークー厩舎
主な戦績
26年 サマーマイルS(G1)1着
25年 ジョエルS(G2)1着
26年 クイーンアンS(G1)4着
26年 ロッキンジS(G1)3着
最有力視されていた欧州最強マイラーのボウエコーが電撃引退。しかし同馬主のゼウスオリンピオスがスタンバイ。
G1勝利こそないものの、マイルのG2を2勝、G3を2勝と実績は十分。ロッキンジステークス(G1)では、G1競走5勝を誇るノータブルスピーチにこそ離されたものの3着に好走しており、あと一歩でG1制覇に手が届く位置にいる。
日本馬の適正は未知数だが、出走想定に入っていた有力馬たちが不在となり、思わぬチャンスが巡ってきた一戦と言える。
プリサイス


牝3 10戦6勝【6-3-0-1】
A.オブライエン厩舎
主な戦績
26年 コロネーションステークス(G1)1着
26年 愛1000ギニー(G1)1着
25年 フィリーズマイル(G1)1着
25年 モイグレアスタッドステークス(G1)1着
2歳でG1を連勝し、カルティエ賞最優秀2歳牝馬にも輝いたプリサイス。
3歳初戦となった英1000ギニーでは1番人気に支持されるも、中間の体調不良もあってトゥルーラブの7着に敗れる。しかし続く愛1000ギニーでは、そのトゥルーラブに2馬身半差をつけて見事雪辱を果たした。
近2走はいずれも4歳牝馬のブルーボルトに敗れて2着だが、それでも安定した成績を残している。G1競走4勝の実績が、牡馬相手にどこまで通用するのか楽しみな一戦となる。
モアサンダー


牡5 14戦5勝【5-4-2-3】
W.ハガス厩舎
主な戦績
25年 ハンガーフォードS(G2)1着
26年 クイーンアンS(G1)2着
26年 ロッキンジS(G1)2着
主な勝ち鞍がG2レース1勝のみという実績ながら上位争いに食い込んできそうなのはモアサンダー。
5月のロッキンジS(G1)ではゼウスオリンピオスに先着し2着、6月のクイーンアンS(G1)も勝ち馬から半馬身差2着とマイルのトップレベル相手に全く遜色のない争いをしている。
前走サマーマイルS(G2)は後方2番手からの競馬で追い込むも4着だったが、これはスローの流れで展開が向かなかったもの。これで軽視するのは危険な1頭。
シックスペンス


牡5 13戦6勝【6-1-0-3】
田中博康厩舎 武豊騎手
主な戦績
26年 安田記念(G1)1着
25年 中山記念(G2)1着
24年 毎日王冠(G2)1着
24年 スプリングS(G2)1着
デビューから3連勝を飾り、早くから素質の高さを見せていたシックスペンス。1800m戦のG2を3勝するなど中距離で持ち前の瞬発力を発揮し実績を積んできたが、G1となるとやや物足りない成績が続いていた。
そんな中、昨年秋にはダートマイルG1(マイルCS南部杯)で2着に好走。そして今年は転厩を経てブリンカーを装着し、安田記念を制覇。ついに1つ殻を破ってみせた。
今回も前走からタッグを組んだ武豊騎手が引き続き手綱を取る。行きたがる気性をなだめながらの先行策は、この馬にとってベストパートナーであることを感じさせるものだった。
初の海外遠征という大きなチャレンジだが、失うものは何もない。前走に続くベストパフォーマンスに期待したい。
シュトラウス


牡5 14戦4勝【4-1-2-7】
武井亮厩舎 J.モレイラ騎手
主な戦績
26年 アブダビゴールドC(OP)1着
23年 東京スポーツ杯2歳S(G2)1着
出世レースとして知られる東スポ2歳ステークスを勝利したものの、続く朝日杯フューチュリティステークスは出遅れから掛かってしまい惨敗。能力の高さは誰もが認めるところだが、レースになると前向きすぎる気性が成長の妨げとなってきた。
紆余曲折を経て、今年春には新設されたUAEのアブダビゴールドカップに出走。リステッド競走ながら総賞金100万ドルという高額賞金レースを見事制し、陣営のレース選択が見事に嵌った一戦となった。
近3走はすべて海外レースと、戦いの舞台を外に求めてきたシュトラウス。今回のジャックルマロワ賞参戦も、コース適性以上に自身の気性との戦いになりそうだ。
ジャックルマロワ賞の日本馬の成績
| 年 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 着順 | 1着馬 |
| 2025 | ゴートゥファースト | 牡5 | 岩田望来 | 5着 | ディエゴヴェラスケス |
| アスコリピチェーノ | 牝4 | C.ルメール | 6着 | ||
| 2022 | バスラットレオン | 牡4 | 坂井瑠星 | 7着 | インスパイラル |
| 2003 | テレグノシス | 牡4 | 勝浦正樹 | 3着 | シックスパーフェクションズ |
| ローエングリン | 牡4 | 後藤浩輝 | 10着 | ||
| 1998 | タイキシャトル | 牡4 | 岡部幸雄 | 1着 | タイキシャトル |
| 1986 | ギャロップダイナ | 牡6 | M.フィリッペロン | 12着 | リールンク |
やはり何といっても1998年のタイキシャトルの歴史的勝利が目を引きます。
当時強敵と見られていたインティカブの出走回避もあり最終単勝人気は1.3倍の断然人気でした。









