中京競馬場は大掛かりな改修工事によって1周の長さが約1706mにもなり、4大主場にも引けを取らない大きな競馬場にリニューアルしました。
いわゆるローカル場でありながら「高松宮記念」や「チャンピオンズC」といったG1も行われる珍しい競馬場です。
ここでは、金鯱賞なども行われる中京芝2000mの特徴や傾向をコース図を交えて解説していきます。また注目すべき枠順や脚質についても紹介しています。
中京芝2000mで開催される代表的なレース
- 金鯱賞(G2)
- 愛知杯(G2)
- 中日新聞杯(G3)
中京芝2000mの代表的なレースは古馬別定G2の「金鯱賞」です。
大阪杯がG1になった2017年に3月に移され前哨戦としての役割が大きくなっています。
スワーヴリチャード、アルアイン、ポタジェなどはここを使って大阪杯を勝利しました。
中京芝2000mのコースの特徴
中京芝2000mは上り坂途中からのスタート
中京芝2000mはスタンド前からのスタートで、上り坂の途中からのスタートになります。
スピードに乗る前の坂のため非力な馬にはきついコース設定。また1コーナーまでも300m程と短く、向こう正面半ばまで続く上り坂のため、前半はスローペースになることが多い。
3~4コーナーはスパイラルカーブ採用で馬群がばらけやすい
向こう正面半ばまでは緩やかな上り坂。3コーナーに近づくにつれ緩やかな下り坂に切り替わりこれが直線入り口まで続きます。
また中京競馬場の3~4コーナーはスパイラルカーブが採用されています。
コーナーの入り口は緩やかで、出口にかけて段々と急で小回りになってくる形状のカーブ。出口で外に膨らみやすいため馬群がばらけ易く、差し馬不利の軽減や枠順の有利不利などの軽減が期待できると言われている。
このため差しが効きやすい中京競馬場ですが、芝2000mはそれでもスローペースになりやすく先行勢が残りやすくなっています。
常に傾斜のあるコースでタフさが必要
中京競馬場の直線は412.5mと長い上に、高低差約2.0mの急坂が待っています。この坂の勾配は約2%で中山(2.24%)に続く2番目の急坂になります。また急坂を上りきった後も、200mあまりの緩やかな上り坂がゴールまで続きます。
このように道中から直線まで常に傾斜のあるコースを走らされるため、タフさが必要で東京よりも時計がかかる傾向にあります。
中京芝2000mデータ詳細
コース | 左回り |
一周距離 | Aコース:1705.9m Bコース:1724.8m |
直線距離 | 412.5m |
高低差 | 3.5m |
コースレコード | 1:57.2(ジャックドール 2022 金鯱賞) |
中京芝2000mで注目の枠順・脚質
中京芝2000mの枠順では「2枠」の勝率・連対率・3着以内率全てが優秀で、最も注目すべき枠になります。
次いで「3枠」が良く、全体的に真ん中より内目の枠が好成績を上げる傾向にあります。
脚質は「逃げ」、「先行」が成績が最も安定していますが、ただし常に傾斜があったり、直線バラけやすいスパイラルカーブ採用で「差し」も十分届くことから脚質面では公平性のあるコースと言えるでしょう。
枠順 | 2枠、3枠 |
脚質 | 逃げ・先行 |
脚質はペースに左右される事が大きいです。スローペースになりやすいコースですが前に行く馬が多い場合は注意する必要があります。
その他の中京競馬場のコース
金鯱賞過去10年のデータと傾向
以下は金鯱賞過去10年の1~3着馬の性齢・枠順・前走(16、15、14年は開催時期が12月となっています)
年 | 着順 | 枠 | 馬名 | 性齢 | 人気 |
---|---|---|---|---|---|
2023年 | 1着 | 12 | プログノーシス | 牡5 | 1 |
2着 | 10 | フェーングロッテン | 牡4 | 3 | |
3着 | 1 | アラタ | 牡6 | 6 | |
2022年 | 1着 | 3 | ジャックドール | 牡4 | 1 |
2着 | 10 | レイパパレ | 牝5 | 2 | |
3着 | 6 | アカイイト | 牝5 | 5 | |
2021年 | 1着 | 5 | ギベオン | 牡6 | 10 |
2着 | 1 | デアリングタクト | 牝4 | 1 | |
3着 | 10 | ポタジェ | 牡4 | 6 | |
2020年 | 1着 | 6 | サートゥルナーリア | 牡4 | 1 |
2着 | 8 | サトノソルタス | 牡5 | 8 | |
3着 | 4 | ダイワキャグニー | 牡6 | 6 | |
2019年 | 1着 | 1 | ダノンプレミアム | 牡4 | 2 |
2着 | 11 | リスグラシュー | 牝5 | 5 | |
3着 | 8 | エアウィンザー | 牡5 | 1 | |
2018年 | 1着 | 9 | スワーヴリチャード | 牡4 | 1 |
2着 | 4 | サトノノブレス | 牡8 | 8 | |
3着 | 5 | サトノダイヤモンド | 牡5 | 2 | |
2017年 | 1着 | 6 | ヤマカツエース | 牡5 | 1 |
2着 | 15 | ロードヴァンドール | 牡4 | 7 | |
3着 | 8 | スズカデヴィアス | 牡5 | 13 | |
12月 | 2016年1着 | 13 | ヤマカツエース | 牡4 | 4 |
2着 | 3 | パドルウィール | 牡5 | 9 | |
3着 | 5 | シュンドルボン | 牝5 | 6 | |
12月 | 2015年1着 | 10 | ミトラ | セ7 | 5 |
2着 | 1 | ディサイファ | 牡6 | 1 | |
3着 | 2 | サトノノブレス | 牡5 | 4 | |
12月 | 2014年1着 | 4 | ラストインパクト | 牡4 | 1 |
2着 | 12 | サトノノブレス | 牡4 | 4 | |
3着 | 5 | エアソミュール | 牡5 | 2 |
内外の差はなく嫌われやすい大外枠にも注意が必要
- 1枠(1-2-1-8)
- 2枠(1-0-1-10)
- 3枠(2-1-1-8)
- 4枠(0-1-3-11)
- 5枠(2-0-3-13)
- 6枠(0-2-1-15)
- 7枠(1-3-0-15)
- 8枠(3-1-1-16)
中京芝2000mらしく内外満遍なく好走しています。特に金鯱賞だけでなく中京芝2000mというカテゴリで見ても成績が優秀な「3枠」は理想的な枠順。
また、過去10年で最多勝利の「8枠」も注意したい。基本的に大外枠はどこの競馬場でも競馬ファンにとって嫌われる傾向があるので妙味のある枠順となります。
成長力ある4歳馬が中心
- 3歳(0-0-0-2)(14年~16年は12月開催で3歳以上のレース)
- 4歳(6-4-1-16)
- 5歳(2-4-6-28)
- 6歳(1-1-4-26)
- 7歳以上(1-1-0-24)
年齢で見ると金鯱賞は、6勝2着4回としている4歳馬が中心となりやすいレース。5歳より少ない出走頭数でこの結果なので軽視はできない。
1番人気の信頼が厚い
- 1番人気(6-2-1-1)
- 2番人気(1-1-3-5)
- 3番人気(0-1-0-9)
- 4~6番人気(2-2-6-20)
- 7~9番人気(0-4-0-26)
- 10番人気(1-0-1-35)
人気で見てみると一目瞭然で1番人気が【6-2-1-1】で勝率60%と圧倒的。馬券内を外したのは過去10年で2016年の1回のみ。この時はまだ12月開催だったことを考えると1人気に逆らうのは得策ではないレースとなっています。
3つ全ての条件に当てはまっているドゥレッツァがデータ的には死角がなさそうですね。
他の視点からアラを探すなら開幕週の中京という事で、後方になってしまた時は黄信号かもしれません。