阪神競馬場は外回りの1周の長さは2089mにもなり東京競馬場を上回る日本最大距離の競馬場です。
この記事では阪神競馬場の芝2200mの特徴や傾向をコース図を交えて解説していきます。
阪神芝2200mで開催される代表的なレース
- 宝塚記念(G1)
- すみれS(L)
阪神芝2200mで開催される代表的なレースは春のグランプリ「宝塚記念」です。梅雨の時期と重なりやすいため他のG1レースと比較しても非常にタフなレースになりやすいのが特徴です。
阪神芝2200mのコースの特徴


阪神芝2200mは内回りコースを使用します。
スタート位置は外回りの4コーナー出口付近のため、最初のコーナー入るまで525mもの長い直線を走ることになります。そのためコーナーに入るまでの直線で隊列が決まりやすく、枠順による大きな有利不利は発生しにくいコースと言えます。
またこの直線にはゴール手前に高低差1.8mの急坂があることも覚えておきましょう。
1~2コーナーはスパイラルカーブを採用しているため、スピードが落ちやすいバックストレッチ付近ではペースは落ち着く傾向にあります。
コーナーの入り口は緩やかで、出口にかけて段々と急で小回りになってくる形状のカーブ。出口で外に膨らみやすいため馬群がばらけ易く、差し馬不利の軽減や枠順の有利不利などの軽減が期待できると言われている。
レース後半は「3~4コーナーから直線にかけて下り坂が続くこと」と「内回りからの直線は356.5mと短いこと」の2つのポイントから4コーナーではある程度前目の位置取りにいる必要があります。
しかし、阪神芝2200mで行われるレースは比較的少なくデータの信頼度もそこまで高くありません。
阪神芝2200mデータ詳細
コース | 右・内回りコース |
一周距離 | Aコース:1689m Bコース:1713.2m |
直線距離 | Aコース:356.5m Bコース:359.1m |
高低差 | Aコース:1.9m Bコース:1.9m |
コースレコード | 2:09.7(タイトルホルダー 2022宝塚記念) |
阪神芝2200mで注目の枠順・脚質
枠 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 |
1枠 | 0-10-4-50 | 0.00% | 15.63% | 21.88% |
2枠 | 6-8-4-48 | 9.09% | 21.21% | 27.27% |
3枠 | 8-9-3-50 | 11.43% | 24.29% | 28.57% |
4枠 | 8-4-4-59 | 10.67% | 16.00% | 21.33% |
5枠 | 8-4-4-66 | 9.76% | 14.63% | 19.51% |
6枠 | 6-3-10-67 | 6.98% | 10.47% | 22.09% |
7枠 | 6-11-13-67 | 6.19% | 17.53% | 30.93% |
8枠 | 9-3-8-79 | 9.09% | 12.12% | 20.20% |
阪神芝2200mの枠順では「3枠」の勝率・連対率・3着以内率全てでトップで、最も注目すべき枠になります。
「1枠」の勝率0パーセントはかなり悪いのですが、参考レースが5年間で51レースと少ないため信頼しすぎるのも危険です。
脚質は「マクリ」の好走率が非常に高くなっています。
枠順 | 2枠・3枠 |
脚質 | マクリ |

マクリを仕掛けてくるかは非常に予想しづらいですが、持続力やスタミナ自信のある差し馬や、関係者コメントなどを参考に狙ってみてもいいかも。
その他の阪神競馬場のコースの特徴と傾向
宝塚記念過去10年のデータと傾向
以下は宝塚記念の過去10年の1~3着馬の枠順・性齢・上がり3Fです。
年 | 着順 | 枠 | 馬名 | 年齢 | 上がり3F |
---|---|---|---|---|---|
京都 重 | 24年1着 | 12 | ブローザホーン | 牡5 | 34.0 |
2着 | 9 | ソールオリエンス | 牡4 | 34.0 | |
3着 | 3 | ベラジオオペラ | 牡4 | 34.8 | |
阪神 良 | 23年1着 | 5 | イクイノックス | 牡4 | 34.8 |
2着 | 6 | スルーセブンシーズ | 牝5 | 34.6 | |
3着 | 9 | ジャスティンパレス | 牡4 | 35.1 | |
阪神 良 | 22年1着 | 6 | タイトルホルダー | 牡4 | 36.1 |
2着 | 10 | ヒシイグアス | 牡6 | 35.9 | |
3着 | 7 | デアリングタクト | 牝5 | 36.0 | |
阪神 良 | 21年1着 | 7 | クロノジェネシス | 牝5 | 34.4 |
2着 | 1 | ユニコーンライオン | 牡5 | 35.1 | |
3着 | 2 | レイパパレ | 牝4 | 35.0 | |
阪神 稍重 | 20年1着 | 16 | クロノジェネシス | 牝4 | 36.3 |
2着 | 14 | キセキ | 牡6 | 37.2 | |
3着 | 12 | モズベッロ | 牡4 | 37.6 | |
阪神 良 | 19年1着 | 12 | リスグラシュー | 牝5 | 35.2 |
2着 | 1 | キセキ | 牡5 | 35.8 | |
3着 | 11 | スワーヴリチャード | 牡5 | 35.7 | |
阪神 稍重 | 18年1着 | 4 | ミッキーロケット | 牡5 | 35.8 |
2着 | 13 | ワーザー | セ7 | 35.3 | |
3着 | 2 | ノーブルマーズ | 牡5 | 36.1 | |
阪神 稍重 | 17年1着 | 11 | サトノクラウン | 牡5 | 35.4 |
2着 | 2 | ゴールドアクター | 牡6 | 35.4 | |
3着 | 8 | ミッキークイーン | 牝5 | 35.5 | |
阪神 稍重 | 16年1着 | 16 | マリアライト | 牝5 | 36.3 |
2着 | 9 | ドゥラメンテ | 牡4 | 36.1 | |
3着 | 3 | キタサンブラック | 牡4 | 36.8 | |
阪神 良 | 15年1着 | 16 | ラブリーデイ | 牡5 | 34.8 |
2着 | 6 | デニムアンドルビー | 牝5 | 34.0 | |
3着 | 1 | ショウナンパンドラ | 牝4 | 34.7 |
「8枠」が過去10年で6勝と大暴れ
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
1枠 | 0-2-2-11 | 0% | 13.33% | 26.67% |
2枠 | 1-1-2-12 | 6.25% | 12.50% | 25.00% |
3枠 | 2-2-1-11 | 12.50% | 25.00% | 31.25% |
4枠 | 0-0-1-17 | 0% | 0% | 5.56% |
5枠 | 1-2-1-15 | 5.26% | 15.79% | 21.05% |
6枠 | 0-1-1-18 | 0% | 5.0% | 10.00% |
7枠 | 0-2-1-19 | 0% | 9.09% | 13.64% |
8枠 | 6-0-1-17 | 25.00% | 25.00% | 29.17% |
枠順別成績を見ると2着、3着が満遍なく来ている一方、異常な偏りを見せるのが「8枠」【6-0-1-17】の6勝という数字。
更に8枠で勝った馬を人気で掘り下げてみると以下のようになります。
- 8枠12番 ブローザホーン 3番人気
- 8枠16番 クロノジェネシス 2番人気
- 8枠12番 リスグラシュー 3番人気
- 8枠11番 サトノクラウン 3番人気
- 8枠16番 マリアライト 8番人気
- 8枠16番 ラブリーデイ 6番人気
概ね上位人気の馬ですが1番人気の馬はおらず、8番人気や6番人気で勝利した馬も。人気馬がたまたま8枠に偏った訳ではないので一定の注意が必要な枠となりそう。



雨になりやすいレースだけに、外が優勢になることも一因として考えられそうですね。
「5歳馬」が過去10年で7勝と高い勝率!牝馬の好走率の高さも見過ごせない
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
3歳 | 0-0-0-1 | 0% | 0% | 0% |
4歳 | 3-2-6-27 | 7.89% | 13.16% | 28.95% |
5歳 | 7-4-4-42 | 12.28% | 19.30% | 26.32% |
6歳 | 0-3-0-23 | 0% | 11.54% | 11.54% |
7歳以上 | 0-1-0-27 | 0% | 3.57% | 3.57% |
成績 | 勝率 | 連対率 | 3着内率 | |
牝馬 | 4-2-4-15 | 16.00% | 24.00% | 40.00% |
牡馬/セン馬 | 6-8-6-105 | 4.80% | 11.20% | 16.00% |
年齢別成績では「5歳馬」が【7-4-4-42】の7勝(12.28%)と非常に勝率が高い。
4歳馬は3着内率では5歳馬に勝っており、やはり充実の4歳、5歳が中心となるレースとなっています。
また「牝馬」は過去10年で25頭の出走で4勝を挙げておりかなり好走率の高さを誇っています。



古馬の混合レースの宝塚記念に出走してくる牝馬はやはり精鋭揃い。
好走率の高さにも頷けますね。
雨が降りやすい時期でタフな消耗戦になりやすいレース
宝塚記念は雨が降りやすい時期と出走馬のレベルの高さも相まってタフな消耗戦になることが多いレースです。
そのため歴代勝ち馬もそれを示しておりブローザホーンやクロノジェネシス、サトノクラウンといった道悪も苦にしないタイプの活躍が目立ち、東京コースが得意な瞬発力型の馬はやや割引が必要。
以下は過去10年で3着以内に入った馬の上がり3Fの内訳です。
- 33秒台:0頭
- 34秒台:9頭
- 35秒台:12頭
- 36秒台:7頭
- 37秒台:2頭
上がり35秒台が12頭と最も多く、稍重馬場の時には36~37秒台の決着もあります。



いつもは高速馬場の決め手勝負で苦しんでいる馬も宝塚記念では一転活躍できる可能性も