いつも豪華なメンバーが揃う札幌記念ですが、今回はG1馬3頭に加え、いつG1を勝ってもおかしくない中距離のスペシャリスト達が集まり歴代屈指とも言える顔ぶれになりました。
秋のG1を狙う馬達がここをどう捉えて戦うのかが鍵かも
札幌記念の傾向
札幌記念はG1級のメンバーが揃う事からもわかるように実績がものをいう傾向にあります。
以下は札幌記念の過去9年のデータです。(2013年は函館開催なので除外しています)
年 | 着順 | 馬名 | 前走 | 前着順 |
---|---|---|---|---|
2022年 | 1着 | ジャックドール | 大阪杯 | 5着 |
2着 | パンサラッサ | 宝塚記念 | 8着 | |
3着 | ウインマリリン | 宝塚記念 | 7着 | |
1着 | ソダシ | オークス | 8着 | |
2着 | ラヴズオンリーユー | QE2世C | 1着 | |
3着 | ペルシアンナイト | 鳴尾記念 | 4着 | |
2020年 | 1着 | ノームコア | 安田記念 | 4着 |
2着 | ペルシアンナイト | 宝塚記念 | 15着 | |
3着 | ラッキーライラック | 宝塚記念 | 6着 | |
2019年 | 1着 | ブラストワンピース | 目黒記念 | 8着 |
2着 | サングレーザー | 安田記念 | 5着 | |
3着 | フィエールマン | 天皇賞春 | 1着 | |
2018年 | 1着 | サングレーザー | 安田記念 | 5着 |
2着 | マカヒキ | ジャパンC | 4着 | |
3着 | モズカッチャン | ドバイSC | 6着 | |
2017年 | 1着 | サクラアンプルール | 函館記念 | 9着 |
2着 | ナリタハリケーン | 函館記念 | 7着 | |
3着 | ヤマカツエース | 大阪杯 | 3着 | |
2016年 | 1着 | ネオリアリズム | 函館記念 | 6着 |
2着 | モーリス | 安田記念 | 2着 | |
3着 | レインボーライン | 東京優駿 | 8着 | |
2015年 | 1着 | ディサイファ | エプソムC | 3着 |
2着 | ヒットザターゲット | 目黒記念 | 1着 | |
3着 | ダービーフィズ | 函館記念 | 1着 | |
2014年 | 1着 | ハープスター | 優駿牝馬 | 2着 |
2着 | ゴールドシップ | 宝塚記念 | 1着 | |
3着 | ホエールキャプチャ | 安田記念 | 2着 |
元々レベルの高いメンバーが揃う事が多いのもありますが、前走G1組がそのまま馬券になっていることが一目瞭然です。
- 前走G1【5-7-7】
- 前走G2【1-1-0】
- 前走G3【3-1-3】
前走G1出走馬は過去9年で「1着5回」、「2着7回」、「3着7回」となっています。
今回は特に前走G1からの参戦が多いだけにこのデータでは絞り切れませんが、やはり格が重要になってくるレースです。
有力馬ピックアップ
◎ジャックドール
前走は初めてのマイル挑戦の安田記念5着と健闘。上位のトップマイラー達とは決め手の差が出た印象。
元々持続力のあるスピード勝負が最大の持ち味なので、その手の勝負に持ち込みやすい2000mなら当然見直せる1頭。
ユニコーンライオンを前に見ながらレースを進めて、直線入り口あたりでとらえてそのまま押し切るのが理想でしょうか。
瞬発力に優れたG1級の馬が何頭かいるので、そういう馬が得意とする流れには絶対にしたくないはず。
武豊騎手もそのあたりは十分わかってるいるはずだし、人気ではあるが今日の馬場や展開面を考えると流石に逆らいたくない。
〇プログノーシス
実績的には少し見劣るが、素質を見込まれ大事に使われ続けてきて、ようやく大きな舞台で戦えるまでになってきた。
成績は常に安定しており、負けの中で目立つ中日新聞杯4着は仕掛けが遅れ取りこぼしたもの。
ただ、直線の短い札幌は後方からの馬の取りこぼしも気になるのも確かで、このメンバー2番人気なら軽視したい。・・・と普段は思うのだがこの馬に乗って5戦5勝の川田騎手は流石に怖い。先週の小倉記念のエヒトの乗り方も見事で今回も何とかしてしまいそうな凄みを感じる。
心配するとすれば、この馬のスタイルを重視するかどうかという点。先を見据えて無理に勝ちに行く競馬をしない可能性はある。
▲ダノンベルーガ
強い4歳世代の1頭で、G1でもいつも上位争いしている1頭。
その中でも少し微妙だったのがダービーとジャパンカップでいずれも2400m(それでも4着、5着ではある)で、2000mはおそらくこの馬にとってベストな条件。
・・・なのだが調教師のコメントが叩きを示唆していたり、当初から不安のある右トモにも以前気を配っている状態。
ただ堀調教師はこの馬に関して毎回厳しめのコメントが目立つだけに、状態に関してはどう評価すればいいのか正直わからない。
あまり使いたがらなかった右回りだが、秋に向けてゆったりしたローテを優先したという事かなと自分は解釈している。
ちょっと瞬発力寄りなタイプでもあるし、大きく狙うなら本番(天皇賞秋)かなという気持ち。
△ウインマリリン
人気はしにくい1頭だが、古くは日経賞やオールカマーを勝ったり、最近では香港ヴァーズの1着やエリザベス女王杯2着など牝馬ながらに活躍している。
また去年の札幌記念はジャックドールから0.2秒差の3着でもあるし、好位で立ち回れるのも心強い。
距離はもう少し長めのほうがいいし、去年の時ほどタフな馬場ではなさそうだが、この人気なら押さえておきたい1頭。
△シャフリヤール
日本ダービー・ドバイシーマクラシック勝ちと今回出ているメンバーでも最上位の実績を持つ本馬。
ジョッキーも札幌得意の横山武史騎手で積極的な競馬をしてくれそうな印象もあります。
ただ実績は申し分ないのだが、このレースに対する本気度が気になる。
もちろん◎ジャックドールも先の天皇賞秋を見据えている事は間違いないのだが、こちらは「札幌記念」→「天皇賞秋」→「JC」と進むはずで、おそらくJCが最大目標。
去年の天皇賞秋も5着と少し微妙ながら、JCでしっかり仕上げて2着というように、多少余裕のある調整をしているのではないかと踏んでいます。
ダービーやJCなどでキレキレのレースをしているだけに、洋芝がそこまで合うのかもちょっと疑問。
△ヒシイグアス
前走大阪杯は結構重い印を打っていたのだが、勝負所での手ごたえがイマイチで7着。
-18キロが良くなかったのか、外枠からポジションを取りに行ったのが最後に響いたのかはわからない。ただ数は使われていないとはいえ7歳でやや陰りが見えてきたのかも。
宝塚記念や香港Cの2着など光るレースもあるし、立ち回り次第ではこのメンバーでも善戦できると踏んで抑えておく。
消し ソーヴァリアント
素質馬で常に人気をしている1頭。
勝つ時のインパクトが衝撃的な反面、ここ2走の大敗など非常に難しい面も持っています。
条件戦とは言え札幌も2戦2勝、好位から競馬ができるし、ルメール騎手が最内からロスなく運んで1発というのは誰しもが考えるところ。
ただそれだけに現在4番人気と上位人気で、割に合うのかが問題点。今回周りのメンバーが1段階違うので、怖い1頭ではあるが抑えてる余裕はないかも。
2023札幌記念暫定予想(土曜夜時点)
トラックバイアスにも左右されそうなので、日曜も引き続き馬場の傾向を観察する必要がありそう。
穴イズジョーノキセキはクイーンS回顧でも述べたが、残り200mまでまともに終えなかったのと57キロの斤量がきつかった。
1800mならどこでもいい競馬ができると思っていたが、まさか強気に札幌記念に使ってくるとは思わなかった。ちょっと思ってた条件と違うが、もし来た時の精神的なダメージが大きいので押さえておきたいです。
◎ジャックドール
〇プログノーシス
▲ダノンベルーガ
△シャフリヤール
△ウインマリリン
△ヒシイグアス
穴イズジョーノキセキ
想定ペース・・・ミドル
2023札幌記念最終予想(日曜14:05更新)
良馬場想定で予想を組み立ててきたが、昨日からの雨の影響が残っていて想像以上にタフになってきている。
ジャックドールももう少しスピードが活きる馬場でやりたかった感は否めないが、去年もこなしているだけに信頼感は落ちたがこのまま本命で。
ウインマリリンは▲まで押し上げるか悩んだが、この位置で。
今の馬場ならソーヴァリアント、マテンロウレオ、ラーグルフあたりも怖いがそこまで広げるのは厳しいので、パワー寄りの△ラーグルフのみ追加で。
馬券的にも難しくなったが、それよりも折角このメンバーでやるなら良馬場での勝負が見たかったかな。
◎ジャックドール
〇プログノーシス
▲ダノンベルーガ
△ウインマリリン
△ヒシイグアス
△シャフリヤール
△ラーグルフ
穴イズジョーノキセキ
想定ペース・・・ミドル