各国から強豪が集まる世界最高峰のレース「凱旋門賞」。
今年は挑戦するクロワデュノール、ビザンチンドリーム、アロヒアリイの3頭全てが前哨戦を勝った事で、例年以上に注目が集まっています。
ここでは「2025年凱旋門賞」出走馬から観戦前にチェックしておきたい日本馬・海外馬のプロフィールと評価を一挙紹介します。

2024年は4歳牝馬のブルーストッキングが好位から抜け出して勝利。
前走ヴェルメイユ賞を勝利後、追加登録料(約1920万円)を払っての出走でした。


【2025凱旋門賞】レースのポイント


まずは2025年凱旋門賞のレースポイントから見てみましょう。
- 過去10年(シャティン競馬場を除く)では4歳馬「4-1-2-32」、5歳馬「2-3-2-19」で好走率が高い
- 脚質は3番手~7番手、内枠から上手く立ち回れる「先行・差し」が強い
- 内寄りの枠【6-6-3】、外寄りの枠【2-2-5】で内枠がかなり有利
- 夏に行われた馬場改修で水はけはいくらか改善も日本馬にとっては地盤の緩い馬場が難関



更に詳しいコース傾向を知りたい場合は以下の記事を参考にしてみて下さい。


【2025凱旋門賞】出走馬レビュー


【想定1人気】アヴァンチュール


レーティング:118
牝4 12戦6勝【6-5-0-1】
C.フェルラン厩舎 M.ギュイヨン騎手
主な戦績
25年:ヴェルメイユ賞(G1)1着
25年:サンクルー大賞(G1)2着
24年:凱旋門賞(G1)2着
1番人気が予想されるのは地元フランスのアヴァンチュール。
去年は好位から抜け出しを図るも、先に抜け出したブルーストッキングを捉えることができず1馬身 1/4差の2着。前哨戦のヴェルメイユ賞に続いての悔しい敗戦だった。
今期は地元の牝馬重賞2連勝から始まり、サンクルー大賞(G1)を2着、前走ヴェルメイユ賞(G1)を完勝と充実期を迎えている。
12戦6勝【6-5-0-1】という安定した成績に加え、データ的に有利な4歳かつ牝馬。パリロンシャンのコース実績や重い馬場もこなせるなど隙が無い。
去年の覇者ブルーストッキングは既に引退、この路線の勢力図も大きく変わっていないとなれば、当然この馬が優勝候補筆頭となる。


【想定2人気】ミニーホーク


レーティング:118
牝3 6戦5勝【5-1-0-0】
A.オブライエン厩舎 C.スミヨン騎手
主な戦績
25年:ヨークシャーオークス(G1)1着
25年:愛オークス(G1)1着
25年:英オークス(G1)1着
アイルランドの名門A.オブライエン厩舎からは3歳牝馬のミニーホークが大将格。
185万ユーロ(約3億2004万円)という高額で落札され、デビュー前からかなり期待されていた本馬。2歳時は未勝利戦2戦のみだったが、3歳になった今年一気に才能が開花。
「英オークス(G1)」→「愛オークス(G1)」→「ヨークシャーオークス(G1)」の3連勝。この3冠を取った馬には17年、18年の凱旋門賞を連覇した歴史的名牝エネイブルがいるのもポイント。
また、この舞台は追加登録料を払っての参戦。これは去年の優勝馬ブルーストッキングを彷彿とさせる。
ここまで6戦5勝【5-1-0-0】、唯一の2着はデビュー戦の2着のみという戦績でまだまだ底を見せていない。
一方で、「初のパリロンシャン競馬場でのレース」、「初の古馬一線級との対戦」など未知数な部分も多く、全く不安がないわけではない。


【想定3人気】クロワデュノール


レーティング:120
牡3 6戦5勝【5-1-0-0】
斉藤崇史厩舎 北村友一騎手
主な戦績
25年:日本ダービー(G1)1着
25年:プランスドランジュ賞(G3)1着
25年:皐月賞(G1)2着
24年:ホープフルS(G1)1着
今年挑戦する日本馬の中でも一番の実績を持つのはクロワデュノール。ここまで6戦5勝【5-1-0-0】と、ほぼパーフェクトな戦績。
唯一の敗戦となった皐月賞は道中の不利も大きい上に、ホープフルSから4カ月の間隔が空いた難しいレース。またかなりの乱ペースで、先行勢で残ったのはこの馬のみというのも強さを際立たせる。
凱旋門賞の前哨戦に選択した、プランスドランジュ賞(G3)は2000mで、海外での消耗を考えての選択。
思うような調教ができず仕上がり途上でのレースとなったが、好位の4番手から抜け出して、最後は追いすがる地元フランスの素質馬ダリルを振り切った。パリロンシャンの重馬場をこなしたのも大きな収穫。
抜群のスタートセンスから見せる安定感は現役日本馬の中でも屈指。
1度使って想定通りに調子も上向いてきており、ダービー時に劣らない出来で大舞台に挑めるはず。




【想定4人気】ビザンチンドリーム


レーティング:121
牡4 10戦4勝【4-1-0-5】
坂口智康厩舎 O.マーフィー騎手
主な戦績
25年:フォワ賞(G2)1着
25年:天皇賞春(G1)2着
25年:レッドシーターフH(G2)1着
前哨戦後に期待値がもっとも高まったと言っても過言ではないのがビザンチンドリーム。
前走フォワ賞(G2)は、24年の愛ダービー馬ロスアンゼルスや、ガネー賞、イスパーン賞を連勝したソジーといった強力なメンバー相手に見事優勝。欧州馬お得意の瞬発力勝負でしっかり上回ってみせた。
もちろん相手は前哨戦仕様だったとはいえ、それはこの馬も同じ。初の欧州遠征でこの結果は頼もしい。
昨年のクラシックレースでは出遅れなどで思うような成績を上げれなかったが、今年に入ってサウジのレッドシーターフH(G2)や、天皇賞春(G1)など、ようやく有り余るポテンシャルを発揮できるようになってきた。
陣営が早くから評価してきた「心肺機能」、「瞬発力」、「パワー」といった要素はいかにもこの舞台向き。


【想定5人気】ソジー


レーティング:120
牡4 11戦6勝【6-2-1-2】
A.ファーブル厩舎 M.ギュイヨン騎手
主な戦績
25年:イスパーン賞(G1)1着
25年:ガネー賞(G1)1着
24年:パリ大賞(G1)1着
24年:凱旋門賞(G1)4着
凱旋門賞最多8勝を誇るA.ファーブル厩舎からはソジーがスタンバイ。
去年の凱旋門は1番人気に支持されるものの4着。前目の好位から先頭を捉えにかかるも、最後は脚色が一緒になってしまった。
今年はシーズン開始早々、ガネー賞(G1)とイスパーン賞(G1)と2連勝。
続くエクリプスS(G1)は初のイギリス遠征が合わなかったのか最下位の6着に敗れるも、前哨戦フォワ賞(G2)ではビザンチンドリームの2着ときっちり修正してきた。
地元馬らしくパリロンシャン競馬場での安定感は屈指【5-1-0-1】で、日本馬にとっても越えなければならない壁になる。


【想定6人気】カルパナ


レーティング:120
牝4 12戦5勝【5-5-2-0】
A.ボールディング厩舎 -騎手
主な戦績
24年:英チャンピオンズフィリーズ&メアズS(G1)1着
25年:キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)2着
25年:プリティポリーステークス(G1)2着
イギリスのカルパナはここまで12戦5勝【5-5-2-0】と全て馬券圏内。
今年はまだ勝利こそないものの、タタソールズゴールドC(G1)3着、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)2着など欧州の一戦級相手にも全くひけをとらない。
特にキングジョージ6世&クイーンエリザベスSは、昨日G1競走8勝目をあげたレベルスロマンスに先着(勝ち馬はカランダカン)。キングジョージの2着と言えば昨年の優勝馬ブルーストッキングも同様。
24年英チャンピオンズフィリーズ&メアズS(G1)はアスコットの重馬場で勝利しているように、馬場が渋れば持ち前のスタミナを活かして浮上してきそう。


【想定7人気】アロヒアリイ


レーティング:119
牡3 5戦2勝【2-1-1-1】
田中博康厩舎 C.ルメール騎手
主な戦績
25年:ギヨームドルナノ賞(G2)1着
25年:弥生賞(G2)3着
3歳牡馬のアロヒアリイは父ドゥラメンテ母父オルフェーヴルをはじめシンボリクリスエスなど、血統表には日本競馬を支えてきた名馬たちの名前がズラリ。
日本近代競馬の結晶ともいえる存在が凱旋門賞に挑戦するのは競馬ファンにとっても胸が高鳴る。もちろん血統のロマンだけでなく、ポテンシャルも高い。
前走ギヨームドルナノ賞(G2)は5頭立ての小頭数とはいえ、ハナを奪うこれまでにないレースで3馬身半差の圧勝。まだまだ手応えにも余裕を感じさせた。
日本でのレースぶりは能力を感じさせたものの、まだまだ粗削りだっただけに、このレースをきっかけに一皮むけた可能性も大いにある。
2カ月にも及ぶ海外での長期滞在も1つのポイントで、向こうの環境への慣れも期待できる。
実績ではこのメンバーに入ると流石に劣るものの、鞍上のルメール騎手も前走のパフォーマンスもあって、コメントにも自信をのぞかせている。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
25年の凱旋門賞の発走予定時刻は日本時間:10月5日(日曜)23時05分です。
今年はパリロンシャン競馬場の馬場改修や前哨戦の前倒しに加え、「日本馬への輸送補助」など日本馬誘致のための改革を行っています。
当然挑戦する日本馬にとっては追い風となる要素で期待は高まります。
馬場に関しては天候が安定しない時期の開催なので、依然日本馬にとっては難しいレースになりそうですが、それを克服して日本馬の活躍を是非見てみたいですね。



最後まで読んで下さりありがとうございました。