今週は、2歳牡馬のチャンピオン決定戦となる「朝日杯フューチュリティステークス」が行われます。
今年は、
2歳コースレコードを更新したデイリー杯からアドマイヤクワッズ、カヴァレリッツォ、
新潟2歳Sで2着に4馬身差をつける圧勝劇を見せたリアライズシリウス、
サウジアラビアロイヤルCを加速ラップで制したエコロアルバ、
など例年以上に粒ぞろいのメンバーが揃いました。
この記事では、【2025年朝日杯フューチュリティステークス】のレース傾向、各馬の過去レースから読み解く“買い材料”まで、勝ち馬を探るためのポイントを詳しく解説していきます。
2024年は、アドマイヤズームが2番手追走から力強く抜け出して優勝。
11月の未勝利戦の勝ち上がりから、わずか1カ月でG1を勝利しました。
朝日杯フューチュリティSのレース傾向
まずは朝日杯フューチュリティSが行われる阪神芝1600mのコース図から見ていきましょう。




- 向こう正面半ばからのスタート。
コーナーまで440m程と長く序盤は余裕がある。 - 最後の直線は473.6m。
右回りでは最長で最後の急坂と合わせ実力勝負になりやすいコース。 - 阪神開催の過去10年では、
先行が【6-1-2-30】で圧倒的な勝率。
次いで差しが【3-7-6-52】と続く。 - 前走別成績は、
サウジアラビアRC【3-2-1-4】、
デイリー杯2歳S【2-4-2-20】の2つが優秀。
直近のマイル重賞組の信頼感が厚い。 - 日曜は雨予報。馬場悪化による馬場傾向の変化に注意!
更に詳しい傾向を知りたい場合は、以下の記事を参考にしてみて下さい。


有力馬ピックアップ


「S+評価」
アドマイヤクワッズ
「S評価」
カヴァレリッツォ
「A+評価」
エコロアルバ・リアライズシリウス


◎アドマイヤクワッズ・・・完成度で一歩リード
実績から見るアドマイヤクワッズ
2走前 メイクデビュー東京 1600m 1着
評価:A+
前47.9後46.2と前半が極端に遅い流れを中団9番手追走。
ラスト3Fの個別ラップは11.6 – 10.8 – 10.9、ラスト2Fは目を見張る瞬発力で、前残りのレースを差し切った。
上がり2位との差は0.6秒あり、1頭伸びが違った。(勝ちタイムは1:34.1)
ジョッキーが「道中も良い意味で遊びながら走っていました。」と言うように気負いもない。
前走 デイリー杯2歳S 1600m 1着
評価:S+
前46.5後46.6とデビュー戦から打って変わって淀みないペースを内6番手後方集団から追走。
ラスト3Fの個別ラップは11.7 – 11.0 – 11.9、最後はカヴァレリッツォとのマッチレースを制した。
終始最短距離を走ったとはいえ内は荒れ気味で、それを踏まえても良く伸びた。
勝ちタイム1:33.1は京都芝1600mの2歳コースレコード。
朝日杯フューチュリティSでの評価
道中ムキになることがなく、馬群の中でも自分のペースを守って走れるのが強み。
遅い流れの新馬戦では中団、淀みなく流れたデイリー杯では後方の立ち回りだった事からも見て取れる。
ラスト3F、特にラスト2Fの脚は相当なもので、世代トップクラス。
手綱を取る坂井瑠星騎手も「新馬のときからGⅠを意識させる動き」とすこぶる評価も高く、
このレース3勝の友道厩舎も「アドマイヤズーム、ドウデュースの時と変わらない手応え」と言うように、理想的な調整過程をたどってこれたのも大きい。
7枠12番と比較的外に入ったが、すぐ内のダイヤモンドノットやカクウチは前に行くことが予想され、
これらを先導役として、更に内のカヴァレリッツォの出方なども伺える枠で悪くない。
今回上位4頭はかなりの実力馬達なので、抜けた存在とまでは言えないが、
現時点での完成度なら他より1歩リードしている。
馬場に関してはあまり悪化しないで欲しいところ。
リアルスティール産駒でこなせそうにも思えるが、現時点ではこういった不確定要素はないに越したことはない。




〇カヴァレリッツォ・・・チグハグだった前走健闘
実績から見るカヴァレリッツォ
2走前 メイクデビュー中京 1600m 1着
評価:A+
前47.9後46.3と前半が極端に遅い流れを中団6番手追走。
ラスト3Fの個別ラップは11.8 – 11.1 – 11.1、特にラスト2Fが凄まじく、あっという間に2着に5馬身差をつけた。
走破タイムは1:34.2でアドマイヤクワッズのデビュー戦(1:34.1)と遜色ないが、
この日は8R芝1600mで1:31.3のコースレコード、
メインの中京2歳ステークスでも1:19.4の2歳レコードが出ており、
一方で非常にタイムの出やすい高速馬場だった事には注意したい。
前走 デイリー杯2歳S 1600m 2着
評価:S+
前46.5後46.6の淀みないペース。
7枠スタートだったが、一度後方に下げてから内に入れる動き。
ただ、折り合い苦労して3番手あたりで何とかなだめてのレース。
最後は1着とアドマイヤクワッズにアタマ差敗れ惜しくも2着。
走破タイム1:33.1は京都芝1600mの2歳コースレコード。
朝日杯フューチュリティSでの評価
デビュー戦、デイリー杯2歳Sともにラストの決め手が非常に強烈。
前走は一度後方に下げて、かかり気味に先行するなど随所に若さを見せながらも2着。
勝ったアドマイヤクワッズが優等生の競馬をしていただけに、この馬のポテンシャルの高さが光った。
今回は5枠8番と無難な枠で、前走以上のスムーズな競馬なら逆転も十分可能。
2回目となるC.デムーロ騎手も頼もしく、前走の結果を踏まえてきっちり修正してくる可能性が高い。
安定感や完成度では向こうに軍配が上がるものの、ポテンシャルの高さではひけをとらないと見る。




▲エコロアルバ・・・末脚勝負に自信あり!
実績から見るエコロアルバ
2走前 メイクデビュー新潟 1400m 1着
評価:A+
前半4Fが46.4と流れたペースを中団9番手追走。
5ハロン目が12.5とやや落ち着いたものの、ラスト3Fの個別ラップは12.2 – 11.9 – 10.9の加速ラップでまとめた。(1:21.3)
18頭立ての多頭数
「2歳新馬戦とは思えないような精神的安定感」と騎乗していたR.キング騎手もべた褒め。
前走 サウジアラビアロイヤルカップ 1600m 1着
評価:S
前47.6後46.2の後継ラップで落ち着いた流れを、出遅れ最後方追走。
ラスト3Fの個別ラップは11.6 – 10.8 – 10.8、特にラスト2Fは傑出しており前有利の流れを覆した。
1:33.8のタイム自体は緩い流れなので、サウジロイヤルCという重賞で見ると抜けている訳ではないが、
似た流れのアドマイヤクワッズのデビュー戦(1:34.1)より速いタイムとなっている。
朝日杯フューチュリティSでの評価
この2戦でみせた末脚はいずれも強烈な加速ラップ。
アドマイヤクワッズ、カヴァレリッツォにも劣らないどころか、
メンバー最上位とも言える脚。
雨予報の中の追い込みとなれば不安だが、
デビュー戦では、流れたペースで18頭立ての9番手と中団を取れていた馬。
スタートさえ出れば追い込みに賭けるという選択は取らないだろう。
不安点はやはり雨馬場で、父モズアスコット母父フレンチデピュティで血統的には歓迎に見えるが、
あの末脚を見てしまうと、やはりキレ勝負に持ち込みたい。
乗り難しいタイプではなさそうだが、継続騎乗の騎手を確保できなかった点もややマイナス。
3枠3番とかなり内目の枠なので、当日の雨の様子や内外どちらが有利かも確認しておきたい。




△リアライズシリウス・・・日曜の雨予報が追い風も、仕上がりにやや疑問
実績から見るリアライズシリウス
2走前 メイクデビュー東京 1600m 1着
評価:A+
稍重馬場でのレース。
自ら先手をとって前48.6後47.1というゆったりした流れに持ち込んだ。
ラスト3Fの個別ラップは11.7 – 11.4 – 11.7、ハナに立ったこの馬が34.8で、上がり2位とは0.6秒差。
ラストは流す余裕も見せ、7馬身差の圧勝劇となった。(走破タイム1:35.7)
前走 新潟2歳ステークス 1600m 1着
評価:A+
スタートで出遅れたものの、すぐにリカバリーして外2番手での競馬。
前47.8後45.6と緩い流れも味方したとも言えるが、ラストまでしっかり追われて4馬身差の圧勝。
ラスト3Fの個別ラップは10.9 – 10.9 – 11.5で走破タイムは1:33.4。
このタイムは同レースの23年アスコリピチェーノや21年セリフォスの1:33.8を上回る。
後に阪神JF3着するタイセイボーグやファンタジーSを勝利するフェスティバルヒルなどメンバーも粒ぞろい。
朝日杯フューチュリティSでの評価
新種牡馬ポエティックフレアは自身が英2000ギニー、セントジェームズパレスSを勝利しているように欧州マイルで活躍。
既に新種牡馬リーディングで2位につけているように仕上がりが早い傾向で、ここは条件的にも〇。
この馬の大きな魅力としては、上位4頭の中でも先行脚質であるという点。
阪神開催の過去10年では、先行が【6-1-2-30】と先行抜け出しがこのレースの大きな勝ちパターンとなっている。
また、日曜は雨予報がこの馬にとっては追い風。稍重の馬場は初戦で問題なくこなしている。
ライバルとは瞬発力勝負ではやや分が悪そうに見えたが、ここにきてチャンスが出てきた。
早めに抜け出してセーフティリードを保って、後ろのライバルたちの末脚が鈍れば勝利はぐっと近づく。
一方で状態面では「先週と今週やって、7~8割まで戻ってきています」とのことで、どうも万全とはいいがたいニュアンス。
スタートの課題や、津村明秀騎手もG1で信頼が置ける騎手とは言いづらく、不安も残す。
プラス要素もマイナス要素も多い存在で、どこに重きを置くか難しいが、個人的には4番手評価で落ち着いた。
あまり馬場悪化が酷いようだと、一段上に評価を上げてもいいかも。




重馬場で評価を上げたい馬


あいにくの天気になりそうな今年の朝日杯フューチュリティS。
ということで今回評価した4頭で、「道悪馬場の影響が多く残るなら評価を上げたい馬・下げたい馬」を簡単にまとめてみました。
【評価アップ】
リアライズシリウス
【評価据え置き】
カヴァレリッツォ・アドマイヤクワッズ
【評価ダウン】
エコロアルバ
【2025朝日杯フューチュリティS】最終レース予想


雨もあって、前で面白そうな馬も考えましたが、
今回は流石に上位4頭が強そう。
◎アドマイヤクワッズは現時点での完成度で一歩リード。
○カヴァレリッツオは2戦目でデムーロ騎手が乗りこなせば逆転も。
ギリギリまで馬場とオッズを見て買う事になりそうです。
◎アドマイヤクワッズ
〇カヴァレリッツォ
▲エコロアルバ
△リアライズシリウス
想定ペース:スロー
最後まで読んで下さりありがとうございました。










