今週は牝馬クラシック第1弾「桜花賞」。
今年は2歳女王のアルマヴェローチェ、クイーンCをレースレコード勝利のエンブロイダリー、フェアリーSをレコード勝利のエリカエクスプレスの3頭を中心に素晴らしいメンバーが揃いました。
ここでは「2025年桜花賞」のレース予想をしていきます。

去年の勝ち馬ステレンボッシュは阪神JFの勝ち馬アスコリピチェーノに雪辱を果たしての勝利となりました。
【2025大阪杯】レースのポイント




まずは2025年桜花賞のレースポイントから見てみましょう。
- 「外回り」の広いコースを使用。最後の直線も473.6mと長く実力勝負になりやすい。
- ゴール直前の急坂は高低差1.8mとそれほどだが、勾配は1.5%とかなりきつめ。
- Bコース2週目。Bコース替わりだった21~23年ほど内前優勢ではなさそう。
- 前走別成績は阪神JF組【3-2-0-4】、朝日杯FS組【1-0-0-1】と2歳G1直行組が良績。
- 土曜深夜から日曜お昼過ぎまで雨予報で道悪馬場を想定しておきたい。
- 先行馬が多くポジション争い激化の可能性も。


【2025桜花賞】有力馬ピックアップ


「総評S」
エンブロイダリー・エリカエクスプレス・アルマヴェローチェ
「総評A」
リンクスティップ
「総評B」
マピュース・クリノメイ・ブラウンラチェット・ビップデイジー・ヴーレヴ―・ショウナンザナドゥ
【総評S】エンブロイダリー・・・スピードの持続勝負に持ち込めば
エンブロイダリーはここまで【3-1-0-1】。新潟の未勝利戦でコースレコード、前走クイーンCでレースレコードと恵まれたスピード能力が売り。
唯一馬券外になったサフラン賞は出遅れ後方からの競馬が痛恨。勝ったクリノメイとは0.1秒差の5着で、その後クリノメイはチューリップ賞を勝ったように、相手も1勝クラスにしては骨っぽかった。
圧巻だったのは前走クイーンC。勝ち時計の1:32.2はレースレコードで前週の東京新聞杯より0.4秒も早い優秀なパフォーマンス。
クイーンC圧勝といえばメジャーエンブレムを思い出す。クイーンCを5馬身差で勝ったメジャーエンブレムの年とラップを比較してみると以下↓
逃げ 1:32.5 | 16年メジャーエンブレム12.3 – 10.8 – 11.3 – 11.7 – 11.7 – 11.2 – 11.6 – 11.9 |
先行 1:32.2 | 24年エンブロイダリー12.3 – 10.8 – 11.1 – 11.5 – 11.5 – 11.5 – 11.6 – 11.9 |
道中速いラップを刻みながらもほぼ最後までスピードを維持できているのが共通点。
ルメール騎手のレース後コメントでは「この馬はそんなに切れ味はありませんが、段々と加速したら、その速さをキープすることができます。」とスピードの持続力を評価している。
メジャーエンブレムは桜花賞では瞬発力勝負の形になってしまい4着。今回も瞬発力勝負にさせない乗り方が求められる。特徴をよく掴んでいるルメール騎手に乗って欲しかったところだが、モレイラ騎手なら新馬戦で1度乗っているので心配はなさそう。
一方で好スタートだったのは前走のみで、スタートに関してはまだ不安を払拭できていない。また、雨で持ち前のスピードの持続力が削がれる可能性もあるので当日の馬場状態はよくチェックしておきたい。




【総評S】エリカエクスプレス・・・前進気勢の強さと底を見せていないポテンシャル
キャリア2戦ながら一気に主役候補に躍り出たのはエリカエクスプレス。
前走フェアリーSでは、前半45.5後半47.3というハイペースのレースを先行しながら、最後は3馬身突き抜けての勝利。例年1分34秒~35秒台の決着が多い中、レースレコードの1:32.8はこのメンバーでは力が抜けていた。
またラップ自体も11.7-11.4-12.0で最後やや落ちたものの、ジョッキーコメントでは「最後遊んでいる感じだった」とのことであのペースで追走しながらもまだ余裕がありそう。
キャリア3戦目でのG1制覇となると皐月賞馬ジャスティンミラノを思い起こしますが、こちらは折り合い面での不安を残しているので脆さを見せる可能性も…。過去10年で【0-0-1-6】と勝ち馬が出ていないフェアリーSからの直行も少し気になる。
ただ行きたがる気性に関しては、前進気勢の強さが前目のポジションを取ることにも繋がっており、この馬の強みにもなっている。1枠2番を活かせるとすればこの手のタイプ。
ソダシやグランアレグリアのような先行抜け出しのレースを再現したい。




【総評S】アルマヴェローチェ・・・雨馬場適性は証明済み
アルマヴェローチェは前走阪神JFの内容が非常に良い。7~9番手の中団やや外目を追走して、直線は最後まで全く脚色が衰えない力強い末脚。レースの上がり3Fが12.0 – 11.5 – 11.4と加速ラップなのがそれを証明している。
札幌2歳Sではマジックサンズにハナ差敗れはしたものの重馬場の中最内から力強く伸びた。雨予報もある今回、人気3頭の中でも馬場が重くなってもしっかり能力が出せるとわかっているのは大きい。
阪神JFからの直行ローテは強い馬だからこそできる理想ローテ。体も大きくなったとのことでまた一段階の成長が見込める。器用に立ち回れるのが魅力で脚質の幅もあり、大きく崩れるのは想像しにくい。
反面、未対戦のエンブロイダリーやエリカエクスプレスのパフォーマンスを見せられるとやや気持ちが揺らぐのも事実。
阪神JFも連続京都開催でやや時計のかかる馬場だったので、ここも相手のスピードが鈍る重めの馬場でやりたいところ。
馬場次第では更に評価を上げたい1頭。




【総評A】リンクスティップ・・・中距離別路線からの刺客
リンクスティップはここまでのマイル中心の牝馬クラシック路線から少し外れて中距離を中心に使われてきた。
新馬戦(2000m)では若駒S2着若葉S3着のミッキーゴールドや、前走きさらぎ賞では後にチャーチルダウンズCを制するランスオブカオスを負かすなど牡馬の強豪と渡り合ってきた。
これまでの戦績を見る限り次のオークスでこそ狙いたい馬なのは確かだが、ここでも十分怖い存在。この手の馬を次で買おうと思って激走されることはよくある話。
スピード勝負ならレコード勝ちをしている2頭に流石に分がありそうなので、タフな勝負になりやすい道悪か展開自体がタフな流れになって欲しいところ。




【総評B】マピュース…ハイレベルのクイーンC2着
マピュースはハイレベルのクイーンC2着。最後こそややラップは落ちたもののハイペースを早めに仕掛けながらよく踏ん張ったしこの馬の1:32.6という走破タイムも立派。勝ったエンブロイダリーを褒めたい。
瞬発力勝負だったアルテミスSでは7着と沈んでいるように前走なようなスピードの持続力が試される流れになって欲しいところ。
当日必要以上に外伸び馬場でなければ内枠の優位を活かせそう。




【総評B】クリノメイ・・・父親譲りの勝負根性と雨馬場適性
阪神JFではゲートで立ち上がるアクシデントで急遽外枠発走。最後方からの競馬で1発を狙うものの、14着と真価を発揮できなかった。
前走チューリップ賞は早め抜け出しから後続を振り切って1着と見事に立て直した。
3勝はいずれも接戦をものにしており父オルフェーヴル譲りの根性を感じさせる。雨で渋った場合もこの馬にはプラスに働きそう。
7枠15番は前走見せたような立ち回りの上手さを活かしにくい枠ではあるのでここはややマイナスポイント。
ただ4戦3勝という戦績の割には人気にも恵まれそうで、馬券には組み込みたい1頭。




【総評B】ブラウンラチェット・・・体重回復ならまだ見限れない
ブラウンラチェットはフォーエバーヤングの半妹という良血馬。
2戦2勝ということもあって阪神JFで1番人気に支持されるも、まさかの16着大敗。追走にすら手間取っていたのは「-12キロ」のマイナス体重など体調面の影響を感じさせた。
アルテミスSでは好位からの立ち回りでショウナンザナドゥを破っているように、状態さえ回復すればまだまだ見限れない。
8枠18番と極端な枠に入った事もあり人気面で妙味が出てくる可能性もあるので、当日馬体重が回復していたり、外差しが決まっているようなトラックバイアスなら狙ってみるのも面白い。
馬場が悪化した場合は得意の瞬発力が削がれる可能性が大きく割引が必要。




【総評B】ヴーレヴー…オッズ妙味はたっぷりも…
1200mを中心に使われてきたが1400m、1600mと使うごとに内容が良化。ファンタジーSではシュタルケ騎手からもっと距離があったほうがいいとコメントも出ており、実際距離が伸びたエルフィンSでは2番手から抜け出しての完勝だった。
上位人気馬と比べて戦ってきた相手や時計が物足りないのは確かで、あまり強くは推せないがファンタジーSでは不良馬場を苦にする様子は見せず道悪なら浮上する1頭。
1枠1番は伸び伸び走りたいと言っているこの馬には逆境なので、当日の馬場が外伸び傾向の場合は若干評価は下げたい。
これまでの戦績から評価される可能性は少なくオッズ妙味は感じさせる1頭。




【総評B】ショウナンザナドゥ・・・遠征のない阪神はプラス要素
新馬戦でのダノンフェアレディの僅差の2着。同舞台2歳戦では最速の1:33.8をマークしたことで一躍注目された本馬。
唯一振るわなかったクイーンC(9着)はハイペースだったこともあるが、デビュー後最低体重で遠征の影響も感じさせた。次走フィリーズレビューではプラス10キロと立て直して1着。今回引き続き遠征のない阪神で走れるのはプラス要素。
とはいえ「アルテミスSは瞬発力勝負で後れを取って3着」、「阪神JFでは前目から最後伸びあぐねて4着」とやや決め手に欠ける。今回新たにレースレコード組のエリカエクスプレス、エンブロイダリーなど別路線組が参戦して更に評価を上げる事は難しい。
ここは抑え評価の域は出なさそう。




その他の有力馬
【総評B】ビップデイジー
ここまで4回走って3着以下はなしと安定感を誇るビップデイジー。
阪神JFの2着は同じような位置から伸びたアルマヴェローチェには1 1/4差。チューリップ賞の3着も王道の競馬で勝つところを内の2頭に掬われた。
健闘は目立つので軽視はしたくないが重い印とまではいかない微妙なライン。3連系の紐でなら。
【2025桜花賞】レース予想





前走パフォーマンスから◎エンブロイダリーを最上位評価もスタートの不安は残る。そのため〇ー▲の組み合わせも買っておきたいです。
ベタな考えではあるけど馬場悪化が酷くなるようなら▲アルマヴェローチェは評価を上げても良さそう。
基本はこの人気3頭を中心視して、残りの抑え評価の馬はオッズと相談しながら。
◎エンブロイダリー
〇エリカエクスプレス
▲アルマヴェローチェ
△リンクスティップ
×マピュース
×クリノメイ
×ブラウンラチェット
×ビップデイジー
×ヴーレヴー
×ショウナンザナドゥ
レース展開:ミドルペース



最後まで読んで下さりありがとうございました。